2025/08/08 23:55:35
(m/70obpM)
「じゃあ聞くが黒木、君は何故サウナ室の扉が開かなくなった原因を知ってる?菊池さん・目黒そして私もその原因が、ブラシの柄が引っかかっていたなんて一言も言っていないはずだが。。」
目黒そして菊池が、軽く頷くような仕草を見せる。
「どうして知ってるんだ?黒木!きみはさっき、ブラシの柄が引っかかってドアが開かなくなったと、はっきりと言ったよな。」
今度は菊池・黒木に加え堂本・大西も頷く。
「そ…それは……その…心の声:(し、しまった…私としたことが…どうしよう…)」
口ごもり言葉を繋ぐことができない黒木
事務所から話し声が聞こえてくると、亮平と何事か一言二言話して、目黒が社長室を出ていく。
「残念だよ黒木、理由はわからんが、こんなことするなんて…」
事務所から戻り、亮平の影のように傍に控える目黒。
「社長、購入して来た物、冷蔵庫に入れてあるとのことです。」
そう亮平に耳打ちする目黒、それに対して軽く頷いた亮平は
「黒木、君の処分は追って言い渡す。それまで出勤停止、自宅で謹慎していてくれたまえ。逃げようなんて思うなよ。逃げたら警察に届けるからな。以上だ、もう帰っていい。」
その後は一度も黒木の方を見ようともせずに、大西に
「大西君、大変なところ見せてしまって申し訳ない。これに懲りずにうちに就職してくれるかい?」
「そ…それは勿論……こちらこそよろしくお願いします。」
そう言って頭を下げる大西。
「ありがとう大西君。それと勝ちゃん今日は大活躍ありがとう。後でサウナ室の扉変えたいと思うんだが、勝ちゃんそんなことはできる?」
「今後同じようなことが起きないようにか…亮ちゃん行動が早いな。勿論できるとも、任せてくれよ。」
「そうかじゃあお願いするよ。詳しいことはいつものように、堂本課長から連絡するから。」
そう言ってから菊池の耳に口を寄せるようにして小声で
「彼女のおっぱいの感触どうだった?どさくさに紛れて楽しんでたみたいじゃないか(笑)」
「そ…そんなこと…分かった連絡待ってるよ。それと堂本さんもう部長なんだろ、いい加減間違えるなよ。(笑)」
「そうか、そうだな。失礼だよな(笑)。堂本か…いや堂本部長、手間をかけるが、明日から黒木がきちんと家にいるか電話で確認してくれるかな。明日か明後日にでも会長と今回の件話すからそんなに長くはかからないと思うから。」
「分かりました。所在確認ということは固定電話の方が宜しいですよね。」
「確認手法は、堂本か…いや堂本部長に任せるよ。彼女だって買い物とかには行くだろうからね。」
「はい了解しました。それと呼び方あまり無理なさらないで下さい。私も部長とか呼ばれると、まだまだ恥ずかしくて(笑)」
「分かったありがとう。でも確かに失礼だから、今後気をつけるよ。じゃあみんな今日のところはこれだ解散ってことで。そうだ悪いけど目黒はちょっと付き合ってくれ。」
解散を言い渡した亮平が室内を見渡すと、黒木の姿はもう無かった。
皆三々五々社長室を出て行き、室内には亮平と目黒が残される。
「社長、食べ物井ノ上さんの部屋に持って行きますか?」
「分かってたか目黒(笑)」
「〇〇さん達が買ってきたもので、社長が簡単に調理して持って行くのはいかがですか?もしくは井ノ上さんの部屋のキッチンで調理するとか。その方が心に響くのではないかと。」
「な、何を言ってる目黒、お…俺はそんなじゃ……」
「社長分かってます。分かってますから…」
数分?数十分?後、井ノ上さんの部屋の、扉の前に立つ亮平と目黒。
「さ、社長インターホン押してください。社長。。」
目黒に促され、逡巡しながらもインターホンのボタンを押す亮平。
ピンポーン、ピンポーン……部屋の中でベルの音が鳴っているのが漏れ聞こえてくる。