2025/07/10 23:38:43
(l8Of5HoX)
「ここら辺そんなに詳しくないから、井ノ上さんに任せるよ。
亮平心の声:彼女お酒と珈琲は苦手と。好みは覚えておいて損はないからな。」
胡々希に連れられて〇〇バに行くと、そこには船見愛子が男とおり、お互い新しい恋人ができたみたいだしと、別れを切り出してくる。亮平がいい女には見境なく手出しするような言葉を添えて。
「酷いな、人を野獣みたいに言って……そうだ船見さん(わざと姓呼び)、お互いもう冷え切ってたことだし、良い機会だから別れようか。
貴女には素敵な新しい彼氏もできたみたいだし後腐れ無くね。
それと彼女は今度働いてもらう新入社員だよ。
そこでばったりと会って、せっかくだからお茶でもって、ここに来ただけで君が勘ぐっているような仲じゃないよ(他には聞こえないような小声で、今はね)船見さん、じゃあ失礼。」
レジ前に二人で並び、注文を終えると、しばらくして注文した品物が出来上がる。品物を持って窓際の席に二人で並んで座る。
「ごめんね、さっきは見苦しいところ見せちゃって……恥ずかしくて穴があったら入りたいくらいだよ。あんなじゃ社長の威厳も何もあったもんじゃないよね(苦笑)」
「さっきの彼女船見愛子さんは、言っていたように当ジムの従業員で二号店の受付業務をしてもらってる。井ノ上さんには一号店の会員特別メニューの対応して貰おうと思ってるから、直接顔合わせることは少ないと思うけど……インストラクターが欠員してて会員対応が無い場合には、井ノ上さんにも二号店に出向いてもらうことがあるかも知れないからね。」
胡々希に勧められた、コーヒーフラペチーノを一口ストローで吸ってから
「失礼、俺だけ話しちゃって……聞きたいことがあればってことで、誘ったんだったね。井ノ上さん、何か聞きたいことある?」
「胡々希ちゃん、あんなに怒らなくてもいいじゃんか。俺も確かに少し軽率なところあったかもだけど…今日は久しぶりにやれると思って期待して来たのに……」
胡々希が走り去った後暫く呆然としていた照だったが、力なく駅の方角に歩いていく。
途中ビル影で熱いキスを交わす男女カップルを見つけた時は
「くそっ、こんなところで…見せつけやがって……いいなぁ、俺もキスしたかったよ。」
と心の中で毒付いていた。
駅ビルの中の〇〇バの前を通りかけると、店内に胡々希と佐久間と名乗ったおやじが並んで話しているのを見つける。
「胡々希ちゃん……まさかあのおやじと……あのおやじもおやじだよ、俺の誘いは断ったくせに…店入って問い詰めてやろうか…」
そう思う照だったが、そんな勇気は持ち合わせていない。
ウェア会社の営業担当者は黒木との電話を終えて考え込む。
「黒木さん、新素材のサンプルが欲しいとか何考えてるんだろう。
スポーツジムじゃ使うところ無さそうだけど……まぁいいか、商売に繋がれば売り上げ上がって、俺の営業成績も上がるんだから。」