2023/12/30 00:49:25
(AYfedA5Z)
興奮の盗撮に走ったあの日以後も、工藤家を訪れる機会は減らない。
それどころか、企画の内容を精査、改善もかねて打ち合わせも長引き、頻度は上がっていった。
「ごちそうさまでした…。いつもすいません。おいしいです。摩耶さん。」
訪問後は、食事を先にいただくのが流れになっていった。
そして、少し息子とじゃれる工藤。
そばに子どもを置いて仕事というわけにもいかなかった。
数分程度遊べば、腹も膨れ、睡魔が襲うのだろう。
「あ、はい…いや、大丈夫ですよ…。」
いつもながらに打合せの開始が遅くなってしまうことを詫びる工藤だったが、特に気にはならなかった。
ー工藤さん…貴女が翔也君を寝かしつけてくれる良い旦那だから…ね…。
じゃなかったら…ただのストレスでしかなかったですよ…。ー
年末年始を迎えようというこの時期、外はさすがに厳しい冷え込みを見せていた。
もちろん、家の中は暖房もあり温まっていたが、キッチンの足元はそうでもないらしい…。
そこに目をつけるように、一枚のキッチンマットをプレゼントすることにした。
いつもの食事のお礼だといえば、摩耶は喜んで受け取ってくれ、さっそく設置してくれた。
少し厚めの素材を使用したキッチンマットは、どんなキッチン色にもなじむ黒を採用。
需要があるかどうかはわからなかったが、装飾しやすいように、いろいろ細工ができる仕様になっており、
何も迷わず、それをチョイス。
薄く小さなカメラを採用すれば、よほど凝視しない限りはばれる様子はない。
取り外しもやりやすく、いつも食事前、お手洗いを借りるふりをして台所を抜け、設置。
同様にして、帰りは回収していた。
「じゃあ、ちょっと俺…こっちで、工藤さん待ちながら…準備進めますんで…。」
食器を運ぶのだけは手伝い、できる限り摩耶がキッチンに長くいるように、洗い物は任せることにする。
ーさぁ…工藤さん。ゆっくりしててくださいね…。
今から、デザート…いや、メインディッシュ…いただきますから…。
摩耶さん…、今日はどんなぱんつなんですか…。じっくり見せてもらいますよ…。ー
ちらっと時計を確認、工藤の戻り時間をある程度想定しながら、リアルタイム確認できるようにコンテンツを起動。
数種類のカメラが、キッチンの天井を映し出している。
【お気遣いいただきありがとうございます。
もともと旦那の存在は欲しかった…ということだったので、話に合った通り再訪で描いています。
正直、摩耶さんのイメージと希望はまだつかみ切れていないので難しいところですね。
おっしゃっている背徳感も、どういうものを誰が感じている描写なのか、マッチするといいのですが。】