幾度とない葛藤があったのだろう。視線が絡まず悩む様子が見て取れる。合間合間に寝息を立てる夫を気にする様子がまた、興奮を誘ってくる。標的にした女が、流される過程は有ながらも、最終的には自らの足で愛する者から離れ、自らの意志で別の男に手を伸ばす瞬間…堪らない。(やっぱりな…。)決して大きくはないとはいえ、この体格差。男にとっては由真も少し少女に見える瞬間があった。そんな身体をひょいと持ち上げて、自らの股間を跨がせるときに気づく。くちゃっとした湿り気。余裕がなければ股の下にスカートを挟み込むことなどできない。下着という布として考えれば頼りない物を一枚挟んだだけ。そこに感じる雌穴の存在感。触れた瞬間に耳に届いた淫らな水音と、湿り気で股間が早々に湿ってしまうのを感じる。ここまでの過程、確かに舌での愛撫、乳首への刺激はあった。しかし、それはこの2,3分の話。それだけでここまでにはならないだろう。逃げ込むようにトイレに駆け込んだ時は、やはりもう…。欲求に理性が飼い慣らされていくのか…。本能に徐々に押し負けた末に今があるんだろう。もしかすればこの女、媚薬などなくとも堕ちたのかもしれない。いや、それは自惚れが過ぎるか…。あくまできっかけになったのは媚薬による気分、体温、欲求の高揚だろう。しかし、確実に夫が同席しているこの部屋で計画を実行したのは正しかったようだ…。「それでいい…。正直に…、素直になればいいんだよ、由真…。」乱暴になったわけではない。しかし、他人行儀な丁寧口調は少しずつなくなっていく。まるで由真を、部下の妻から女と認識を改めたからだ、というかの様。唇が重なった瞬間、そう呟いたかと思うとニットの中の男の手がゆっくりと姿を見せる。わざとらしく持ち上げながら引き抜いたことで、ニットの裾は柔らかい膨らみの上に乗ったまま。ズレたブラはもう本来の役割を忘れて、隠すべきものを隠せてはいない。勃起した乳首をカップの内の上に残し、ニットはその膨らみが邪魔をして下がってはくれない。はだけた上半身をそのままに、男の両手は由真の腋の下を通って背と後頭部辺りを支えるように回る。必然的に男の首を抱くような位置に腕を上げられてしまう形の由真は、恥ずかしくともその手でニットを整えることはできなくなっていた。はだけた胸元、は目を覚ませば夫の目に触れる角度に晒されている。目を覚ませば終わる。そんな究極の緊張感をあえて味わわせながら、女に何を思わせるのか。お願い、起きないで…懇願か。それとも、こうなってしまう程に深い眠りについてくれた…、感謝なんてものもあるのだろうか。もっとも、媚薬の効果があろうとも。夫が眠りにつかなければこうはならない。そして夫という存在がいなければそもそも招かれていないだろう。ある意味この状況は夫のおかげなのかもしれない。しかし、思考がそちら側に揺れ始めればもう…。時間に1時間も経っていない。そんな中で色々なことが起こり過ぎている。時折視線に入る壁掛けの時計は、まだ時間の余裕を示していた。招かれて、紅茶を啜っただけ。見方によっては、男との逢瀬を夫にサポートさせたようなものでもあった。見方によって…、いや、どんな見方をしても、由真自身が本能に負けて求めてしまったことに変わりはない…を演出していたわけだが。ここへ来るまでには理性を十分に翻弄した。しかしここからは、本能に火をつけるフェーズ。
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