『高木は…以前から陽子を狙っていた…。昔の話しではなく…結婚してからもずっと…。』妻を抱えるように立ち上がらせ、恥ずかしそうに俯く妻を見つめる高木の視線は、まるで獲物を狙う獣のような荒々しく力強いものに見えた。『こんなにギラギラした視線を…俺の陽子に浴びせるなんて…。』間違いなくそれは憤りに他ならない。人の妻に向けて良いはずのない視線を高木は遠慮なく妻の陽子に浴びせている。『そんな…そんな高木に…俺は…。俺は陽子を差し出そうとしているなんて…。』心の中に生じる葛藤。汚されたくないと思いながらも、その汚れた手で陽子を堕として欲しいとも思ってしまう。まるで深い谷の闇の中へ落ちていく…そんな心待ちでありながら、既に誤魔化すことができないほどに膨らんだ欲望に突き動かされるように、妻を高木の前へと差し出すように…。「いいでしょう…旦那様からのお許しを得たのだから…私のやり方で…構いませんよね…?」高木の目の輝きが更に増したかのように煌めき、ゆっくりと立ち上がる高木の表情は淫らに歪んだ笑みを浮かべていた。『ようやく陽子ちゃんを自由にできるときが来た…。しかも旦那の目の前で…。まさか島田さんにこんなM性があったなんてな…。情けない…とは言ってもですそのMの属性が陽子ちゃんを手に入れる事を可能にしたんだから…。』立ち上がった高木は俊幸の手から陽子を奪い取るように荒々しく抱き寄せ、立たせたまま背後から抱くように、ソファーの周りを取り囲む男達に見せつけるように…。「さぁ…奧さん的旦那さんのお許しをもらったんだから…木訥やり方で調べさせてもらいますよ…?」俊幸がしたのと同じように、耳元で囁きながら舌先を耳朶に這わせる。「ほら…周りの男達を見てごらん…飢えた雄達が生け贄辱める様を待ち望んでるでしょう…?」スカートの裾に指を掛けると、スルスルと捲り上げられていく感覚がストッキング越しに陽子の脚に伝わる。警戒して脚をピッタリと閉じる行為が逆にタイトなスカートを捲りやすくしてしまったことに気づいたときには既に遅かった。周りの男達からの上がる歓喜の声や熱く深いため息…。目の前で繰り広げられる羞恥の宴は始まったばかり。「ほら…旦那さん…奧さんのここ…ストッキング越しにもわかるほどビショビショのなってますよ…。」高木の言葉に促されるように、俊行は端の股間に鼻をつけるように跪き、高木に上から見下されるような屈辱を味わっても欲望には勝ることはなく…。「陽子…お前…こんなに…。」 目の前の妻の股間から発せられる蒸せかえるような欲情した雌の香りがビクウヲ擽るように俊幸の理性を崩壊させていく。それでも僅かに残る理性が…。『陽子…高木の手荷物堕ちても…感じるような事はしないでくれ…。頼む…高木の愛撫に…感じたりしないでくれ…。』他人から受ける刺激に海楽の底へ堕ちて欲しいとも望んでいたはず。それなのに今、心の中で呟く言葉はその全くの逆の感情。未だどちらとも選びきらない俊幸の内心を見透かしたかのように高木の陽子への責めが始まってしまう…。「奧さん点やはり奧さんは好き者だったんですね…。真面目で清楚な振りをして…本当の奧さんは晒され感じる好き者…。いいんですよ…ここは普段の世界じゃない…貴女の本当の姿を晒す場所なんだから…。」自由に動き回る高木の手は、キャミの上から柔らかな丸みのある乳房を下から持ち上げるように揉みながら、周りに集まる男達に見せつける。片方はキャミの上から…もう片方はキャミの裾から手を差し込み、ブラの上から揉みながらも少しずつブラを下にズリ下げ、キャミに尖った乳首を浮かび上がらせるように…。
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目の前の光景は現実のものなのか…。それとも欲望が膨らみ過ぎた幻想でも見ているのか…。『陽子が…あんなに真面目で清楚な陽子が…。』驚愕の表情を浮かべながらも、食い入るように妻の姿を見つめる俊幸の瞳は羨望の輝きを放っている。『高木に…妻を狙い続けていた高木に…。これは…現実の…もの…なのか…?高木に抱かれて…あんなに…。』艶やかな空間に響き渡る湿った音と、蒸せかえるような欲情した雌の香り。薄暗い中にあっても、スポットライトを浴びた女優に群がる男達のような理解しがたい光景が広がっている。『何故だ…。陽子…何故そんなに感じてしまうんだ…。そいつは高木だぞ…高木の腕の中で…何故そんなに…。』思わず漏れ出してしまうような甘い吐息は、いつしか歓喜の喘ぎを奏でている。『嘘だ…陽子に限って…そんな事…あるはずがない…。』目を瞑り頭を左右にブルブルと振ってみても、鼓膜を震わせる妖艶な喘ぎ声と響き渡る卑猥な水音から逃れることはできなかった。否定したい気持ちと、更なる刺激を願う気持ち。正反対の感情に俊幸の心は張り裂けそうになった…。「今夜はこの辺にしておきましょうか…。」強張った表情には薄く笑みを浮かべていながらも、憤りも浮かび上がる複雑な感情を表していた。妻を責め立てる高木の手を力強く掴み、その行為を制止すると、高木に与えられる快楽に堕ちそうな妻を奪い取るように腕の中に抱き寄せ、雄の欲望が香り立つブラウスで妻の身体を隠すように…。「大丈夫か…?今日はここまでだ…。」怒りが込められているようでもあり、至極冷静とも思える落ち着いた声で妻を労い、まだ震える脚で上手くは歩けない妻を抱えるように店を出る。『やり過ぎたか…。いや…陽子はもっと…。』両極端な自問自答を繰り返しながら帰路につく。終始無言のまま妻の腰に回した腕から微熱を発する妻の異変を感じ取りながら帰宅した二人。シャワーを浴びると足早に寝室へ向かい、無機質なドアの閉まる音が二人の心の中に渦巻くざわめきを断ち切るように静寂が訪れる…。現実から逃避するようにベッドの中へ潜り込み息を潜める。途端にクラヤミノ中に浮かび上がるハプニングバーでの光景。「なんで高木のやつなんかに陽子を差し出してしまったんだ…。」「何故陽子は…あんなに感じてしまったんだ…。」「陽子は真面目で清楚だったんじゃないのか…。」「ホントは…高木が言ったように…好き者…そんな女だったのか…。」負の感情ばかりが湧き上がり、同時に怒りも込み上げて、今にも大声で叫んでしまいそうになる自分を辛うじて抑える。「頭を冷やせ…冷静になって考えるんだ…。」自分に言い聞かせるように呟き、荒く乱れた呼吸を少しずつ落ち着かせていく…。「全部…俺が望んだこと…。陽子は嫌々付き合ってくれただけなんだ…。」本来の主旨と流れを思い返せば、妻には何一つ非は無い事くらい簡単にわかる。「何故こんなに冷たい態度を取ってしまったんだ…。陽子に謝らないと…。」ベッドから抜け出そうと暗闇の中に身を投じた瞬間、リビングから出て廊下を歩く足音が聞こえ、トイレの扉が静かに閉まる音がした…。「トイレか…少しタイミングをズラそう…。」そんな申し訳なさを抱いた俊幸の想いとは裏腹に、妻がトイレから出てくる気配がしない。
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