高木と飲んでいる店に妻を呼び出したあの日から数日…。ハプニングバーから始まった魅惑の二日間が、まるで夢の中の出来事だったかのように、その事には触れず私達夫婦は再び穏やかな日々を過ごしていた。何も求めない…もちろん自然に何かが起こる事もない…そんな生活は幸せそのものだったはず…。しかし、私達夫婦は禁断の悦びを知ってしまった。その穏やかな幸せでは満足できない気持ちを抱えている事をお互いに言い出せないまま時は流れていく…。時折、妻が私に向ける視線。また何か刺激を与えて欲しい…それが無理であるならば…せめて夫婦の営みくらい…。そう言っているようにも感じる潤んだ瞳で見つめている事には気づいていた…。『陽子が欲情しているのは…気づいてるよ…。あの日から夜の誘いを拒むように背中を向けて眠ってしまうんだから…。』あの日の刺激が妻の身体に余韻として残っている間に身体を重ねたら…確実にあの刺激と比べられてしまうだろう…。それを思うと何故か下半身に力が漲るほどの欲望が湧き上がらない。『もう少し…。あと少し陽子を焦らして…。自ら何かしらの行動を起こすまで…。』妻が自発的に欲に溺れ始める事を望む俊幸の性癖は、次第にその形を変え始めてもいた。それからも暫くは何も起こらない日々が続く。しかしながら俊幸は妻を愛していると言わんばかりに優しく接し、家を出る時…帰宅した時…。ことある毎に優しく腕の中に抱き、穏やかに唇を重ねる事を忘れなかった。夫に愛されている…その意識を植えつけ、行動を起こした時に背徳をより強く感じさせる為に…。『そろそろ限界も近いだろう…。あの日から家の中の行動は隠しカメラで監視している…。もちろん職場に出ている時の行動は把握できない…。でも…陽子なら…きっとその雰囲気に変化があるはず…。今のところ…それを感じる事はない…。』妻の留守中、仕事に出ると偽り有給を利用して帰宅した俊幸は、妻に気づかれないよう家の中に複数の監視カメラを隠していた。今のところ、妻に変化は見られない。しかしながら確実にその身体の中に欲求を溜め込んでいる事に確信があった…。 現に、俊幸が先に眠った時には決まってモジモジとすは仕草が見受けられる。それでのその先に足を踏み入れないのは、欲望を罪悪感みたいなものが抑止しているのだろう…。『あの日のように…トイレの中で…陽子は確実に一人で…。あの日の行動の再来…もうすぐ…もうすぐだ…。』俊幸の想いも虚しく、それからも暫く変化のないまま日々を過ごし…。しかしながらその時は突然訪れた…。ソファーに投げ出した身体。控えめに恐る恐るといった感じでスカートの中に消えていく手。辺りを気にしながら秘め事は静かに始まったものの、溜まり過ぎた欲望が妻を乱すまでにそれほど時間は必要としなかった…。ソファーに片方ずつ上げられた脚は、次第に大きく開かれ、脚を滑り落ちるスカートは、その中を露わに…。更にエスカレートした欲望は、胸元までもはだけ柔らかな乳房を剥き出しに…。時折、口元に手をあてているのは、漏れ出しそうな喘ぎを抑え込んでいるかのよう…。『なんて卑猥な姿なんだ…陽子…。あの日も…トイレの中で…そんな事を…。』監視カメラの映像を眺める俊幸は、自らの固く膨らんだペニスを扱きながら快楽に浸る…。監視されている事に気づかない妻は、その日を境に定期的に自慰行為に及ぶようになっていた。『陽子がこれほど欲望に溺れるとは…。この姿…何とか外から撮れないものか…。』俊幸は思案を巡らせる。ベランダから撮ったのでは俊幸の仕業とバレてしまう。ベランダの更に向こう…。マンションではベランダの向こう側に回り込むことはできない…。
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