「開けてもいいかしら?」ヨハンセンが頷くと大きい箱を開けドレスを取り出す。「この似合うかしら?」身体に当てヨハンセンに見せると。「動くと色が濃くなったり薄くなったりするのね、素敵だわ…、人間界ではない品物ね、サイズも採寸した様にぴったりよ、三日後まで“収納”」薫る風が吹くとドレスが空中に消える、リルベルの収納魔法。「この魔法は人間界の魔石でも簡単に手に入るけれど今の私には魔石、必要ないものね。復讐は少し悲劇のヒロインとなろうと思っているの。収納中、ドレスにブルームーンの薫りを纏わせれば騎士様も害虫の様に私に近寄ってくると思うの。その時、エスコートしている貴方から彼に忠告してくれないかしら?近くに男性が…ヨハンセンが居ると言うのに許可なく話し掛けない様に…。だってエスコートしていると言う事は近しい人よね?騎士であれば貴方事、知らないはずないもの。その貴方が連れている私はもしかしたら婚約者かもしれないじゃない?それって人間界では無礼にあたるのよ。彼、まだ婚約者が居ないから貴方の目を盗んで熱心にダンスに誘ったり会話をしようとすると思うの。前王の客分と見知っている様を前王や現王、そして貴族達がどう思うのか、私がされた以上の軽蔑の目、醜態を晒させ騎士の父である伯爵の面子を潰したら婚約者どころの話ではないわ、領内で謹慎させられるわ。その前にそこでまた私が姿を見せて…、意識を乗っ取って拐かせるの。貴方の近しい人を拐かすと言う事は…、面白そうだから領内の屋敷に軟禁されるのもいいかも知れないわ。騎士が誘拐犯、軟禁、手籠めにしようとしたら伯爵子息から平民に落ちる、そして平民達にも罪状を知らしめると仕事も少ないと思うのよ、そこでまた私が姿を見せるの、“魅了”の魔法をかけて襲わせる。牢屋に収監されるわ、平民の牢屋にズタボロになった頃に貴方と私で深夜、看守を眠らせた後、騎士に私がベルと教えて発狂させ、私がされた拷問を“回想”魔法をかけるの。そして平和な魔国に嫁ぐ筈だった姉上の幸せになるはずだった幻想で見させてあげるの、どうかしら?クレアの方は少し調べたけれど私にどんな事が起きたか知らないみたいなの、夜会の前の晩にテレポートしてクレアの部屋に行って“回想”魔法で私の記憶を見せるわ。その時に狂ってしまえばそれまで…、耐えたら協力してもらうわ、淑女の鑑と言われているクレアは騎士の事、伯爵に伯爵夫人の事も許せない筈だもの。」ヨハンセンに注がれた果実酒入りのグラスを持ち、目上で乾杯をすると喉を潤わせ、続きの復讐内容を話していく。「クレアの婚約者のウェイストは伯爵家云々よりクレアに愛情がある様です、彼女が私に協力してくれるのならそのままウェイストと婚姻させてあげるわ、でも私の事を信用せず協力しないのであれば“冤罪”を作り上げ騎士と伯爵、伯爵夫人と供に堕ちてもらうわ。」話しながら箱を開けるとタンザナイトとダイヤモンドがふんだんに使われたネックレスとタンザナイトのピアスが…。「揺れるピアスって男心を擽るらしいわよ、騎士以外にも言い寄られたらどうしようかしら?」そうクスッと笑ってからヨハンセンが持つ箱に目をやると…?−−−パーティー一行−−−「(ルチアの奴、あまり嫉妬すると可愛くないぞ、ここらでハイルとの違いを見せてやろう。)さぁ、ベルよ、恥ずかしがらずに足を開くんだ、旅は道連れ世は情け。と言う、俺が洗ってやろう。」ルチアはベルに同情するが怖くて身が竦んでしまう。「(ルチアって修道女なのに助けはしないのね、所謂、偽善者ね。)勇者様、存分に洗っていただいたので私が代わります、座って下さいませ。」「そうか?悪いな、中々身を清める事が出来ず下半身が汚れている、前も後ろもな。」「えぇ、解りましたわ。」オートマタ、ベルが石鹸を泡立て下半身中心に泡だらけにし陰部を尻穴もサキュバスの力を発揮し呆気なく勇者、メルヒルを絶頂さす。「勇者様、すっきり致しましたか?」「……ハァハァハァ…、嗚呼、中々だったぞ。(もっともっとして欲しいが二人の前、それは出来ん、深夜、女性部屋に行きルチアとベル、二人を物にしよう!)」〘ハイル、見たー?勇者の情けない姿、ほんの三分も経ってなかったわよ、これでサキュバスの私を物にしようなんて笑っちゃうわ。〙〘おいおい、笑ってやるな、我々の手にかかれば人間なぞ早々に達してしまうぞ。そう言えばリルベル様が仰っていたが食事処では四人席のテーブルが塞がる様にして下さっているぞ、私はルチアをもっと依存させてやろうと思っている。〙〘ハイル、ルチアの肉体に興味があるのね、私的にはリルベル様の方がいいと思うんだけれども。〙
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嬉しそうにドレスを体に当てたり、そのままくるりと回転してみたりしていたリルベルだったが、しばらくして「その日まで仕舞っておくわ。」と収納魔法をかけると、ドレスは忽然と宙に消える。
そう言った後、リルベルがヨハンセンの手元にある小箱に視線を投げているのに気が付く。
『……これか?これは、ネックレス・ピアスと同じ石を使った指輪だよ(笑)』
小箱の上蓋を開けて、中身が見えるように少し差し出す。
『一緒に渡しても良かったんだが、人間の習慣に倣って、これは私が君の指に嵌めさせてもらいたい。駄目かな?』
リルベルの反応は?……(笑)
『それとその指輪だが、騎士フレデリック及び一部の人間には見えなくなる、ちょっとした魔法を掛けてある。(笑)
リルベルが私に近い関係と証かす指輪。
それが騎士フレデリックからは見えないと、面白いと思わないかね……
クレアに回想魔法を見せた結果も教えてくれ。その結果によってクレアからは見えるようにするから。』
果実酒を一口口に含んだ後続けて、
『私に近しい君、それもその証を身に着けている君に、事もあろうか衆人環境の前で執心しているフレデリック。
他の出席者はさぞかし呆れることだろう(笑)
フレデリックが平民以下に落ちた時には、魔法を解いても面白いかな。
君の指にはずっと指輪が光っていたことは、クレアや他の出席者がだろう。
人間には姦淫は大罪という考えが根付いてるみたいで、フレデリックには姦淫の罪もプラスされるわけだ。
人間国の姦淫に対する罰は男に対しては確か、精巣を潰すこと?いや、陰茎を切断だったかな?
どちらにせよ男としての機能は生涯失うわけだ。
もっともその後すぐに、命までも失うことになるんだろうけど…』
パーティはちょっとお休み、進めていただけると嬉しいな。
「ヨハンセン、指輪嵌めてくれるの?指輪貰うの初めてだわ……、この指輪の意味は?」勇者と想いを確かめた時も正聖女だから華美な物は贈れないからと色々、言い訳され貰ったことが無かった指輪。今ならあの時貰わなくて良かったと思える、新たな肉体を入手(くれた)し復讐まで手を貸してくれるヨハンセン。復讐心で一杯の私は気づかなかった、ヨハンセンが復活させたのは手慰みと言っていたが…。「聞いてもいいかしら?いいえ、聞かせて頂戴、思い出せないけれど私、前世で貴方と出会っているわよね?貴方は最初から私と気付いていたの?そうでないと復讐を手伝ってくれるのかが分からないのよ。魔族のただの気まぐれでここまでの事をしてくれるだなんて…。それに貴方なら態々、人型だ人間界に来なくても見聞は出来たはずだもの、私を探しに来てくれたの?」ヨハンセンの前に立ち見上げ考えが間違っていないかを尋ねる。「えぇ、クレアに回想を見せた時の結果を勿論、お知らせするわ。貴族の中で彼女とそのご友人たちは平民が正聖女になっても何も言わず拍手とお祝いを言ってくれたの。クレアと友人ではなかったけれど変な邪魔はしてこなかったわ、表立っての拘りは持たなかったけれど二人で休憩した時はお茶を淹れてくれたわ。」「姦淫の罪は婚姻者であれば同意不同意に関わらず何年か前までは鞭打ちの上、死罪だったわ。今は鞭打ちの上、両手の甲にバツ印が刻印されて下半身の機能を無くす、外科手術ねら、陰嚢も陰茎も切り落としてしまう。だったかしら…。未遂の場合も被害者の格で同じ様にされるわ、格下の者への未遂なら陰嚢のみ切り落とされる。けれど貴方の相手、私にその様な行為に及んだら死罪になっても不思議ではないけれど…。私、騎士、フレデリックは簡単に死罪にして欲しくないの、御家断絶、伯位剥奪、平民になってもらって仕事もほぼない状態でフレデリックが馬鹿にしていた平民に罵詈雑言、石を投げられ惨めにボロボロになってから全て私が仕組んだ事だと理解してから死んで欲しいの…。私、残忍かしら?」−−−パーティー一行−−−温泉の脱衣場、ルチアはベルに謝罪する。「ベル様、お助け出来ず申し訳ありません、勇者様が怖くて身が竦んでしまい動く事が出来なかったのです。」「ルチア様、宜しいんですよ。」「そう言って…。」「いいえ、ルチア様は修道女なのにご自分の身だけが大切、そしてハイル様がお好きで私を触らせたくなかった、そうでしょ?」「いえ、私は……、本当に勇者様が怖くて…、それに私、ハイル様にその様な想いは……。」「言い訳なんていいです、必要以上に話しかけてこないでください!」着替え終わるとベルは温泉場を後にし食堂の前に。「ハイルじゃない、勇者より先に来てよかったの?」「オートマタ、随分とルチアを苛めてきたな。(笑)」「ルチアにはあれくらいしないと勇者と話せないでしょう。」「そうだな、食堂では俺はルチアと」「私は勇者と」ニヤリと顔を見合わせ笑っていると勇者に腰を抱かれたルチアが食堂前に。「勇者様、どうやら二人掛けのテーブル席が二席しか空いていないようで。」「勇者様、私と食べませんか?お酒も頂きたいですしルチア様はお酒お飲みになれないじゃないですか?」「そうだな、たまには酒もいい、ルチアには悪いがベル、席を共にしよう、ハイルもそれで構わないな?」「はい、大丈夫です。」「はい。(ハイル様とで良かったですがベル様の先ほどのお怒り最もなんですよね…、宿に戻ったら謝罪しましょう。)」食堂に入ると会話の届かない距離の二手に分かれハイルとルチア、ベルと勇者と席に座る。「旅の方々、いらっしゃいませ、本日のおすすめは山牛のロッキー・マウンテン・オイスターの炒め物と干し野菜と干し茸と大麦のスープです。お飲み物はどうしますか?癖はありますが大麦酒がこの村では飲まれています。」おすすめを注文するとハイルが支払いはこちらにと店員に言う。勇者とベルは大麦酒を次々に開けていき……。「ロッキー・マウンテン・オイスターとスープです、温かいうちに食べて下さい。」勇者とベルの席にも運ばれている。「勇者様〜、きゃはは、これ牛の睾丸ですね〜、滋養のために山ではよく食べられてるらしいですがここまで大きいの
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