ブースの薄い壁とアクリル板にかけたブランケットが、わずかなプライバシーを提供するだけの場所。 俺は疲れた体をフラット席の座椅子に沈め、ヘッドホンを耳に当てて、いつものようにストレスを発散しようとしていた。 仕事のプレッシャー、日常のルーチン、そんなものから逃れるための秘密の時間。 向かいのブースもブランケットに覆われていたが人の気配はなかった。 誰にも気づかれないはずだった。 でも、気づかれた。 最初はかすかな笑い声だった。 俺の視界の端で、何かが動いた。 向かいのブランケットの隙間から覗く二つの顔。 近隣の高校の制服を着た彼女たち――俺の行為に気づいた瞬間、彼女たちの目が俺に向けられた。 「え、待って。あの人……」一人が囁いた声が、狭い通路越しに聞こえた。 もう一人がスマホを素早く取り出し、動画を撮り始めた。 俺は凍りついた。 パニックが体を駆け巡る。 公衆の場でこんなことをしている自分が馬鹿らしく、でも同時に、奇妙な興奮が湧き上がった。 彼女たちの視線が、好奇心と遊び心に満ちているのがわかったからだ。 彼女たちは怒ったり、叫んだりしなかった。むしろ、楽しそうに笑っていた。 「面白すぎるんだけど!」と小さな声で言い合い、動画を撮りながらこちらを指差したり、顔を見合わせたりしながらクスクス笑っていた。 俺は慌てて体を隠したが、もう遅い。 彼女たちの笑顔が、俺の興奮を煽る。 向かいのブースから、彼女たちがノートに何かを書き、俺に見せてきた。 「撮っちゃった♡ どうする?」 心臓が激しく鳴った。 逃げようかと思ったが、足が動かない。 彼女たちはまだ笑っている。 悪意はないようだ。 ただのイタズラ、好奇心の産物。 俺は意を決して、ブースの隙間から声を潜めて言った。 「削除してくれない? お願い。」一人がスマホを振って、首を振る。 「えー、面白かったのに。でも、条件付きでいいよ。」 彼女たちは目を輝かせて、俺に近づいてきた。 ネットカフェの店員が巡回しないのをいいことに、彼女たちは俺のブースに忍び寄る。 興奮が頂点に達した。彼女たちの息づかいが近く、制服の匂いが漂う。 「一緒に遊ぼうよ。」 一人が囁いた……