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お店のパートさんは同級生
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
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1:お店のパートさんは同級生
投稿者: クリケット ◆/HPq4mSsdY
「いらっしゃいませー!」

店内に明るく響く来店を歓迎する女性の声。

私はカウンター内から響くその声を聞きながら、新商品の発注品の検討を続けていた。

今回は、夏向けの新作スイーツが発売される時期ではあるが、あまりスイーツが多く売れる地域ではないため、よく吟味しなくてはならない。

「う~ん、このゼリーは若い女性向けだから、あまりファミリー層には向かないのかなぁ。」

私が独り言のように呟くと、パソコンの画面から機械音声がバックヤードに響いた。

『レジカウンターヘルプお願いします』

「おっ。」

私は席を立ち上がり、椅子の背もたれにかけた制服を羽織る。

「いらっしゃいませー。」

私は挨拶をしながらカウンターに入った。

「店長すいません。コーヒーの機械がエラーしてるみたいで。対応お願いします。」

先程までバックヤードで聞いていた声の主が、私に声をかけてきた。

彼女の名前は、小坂雪(こさかゆき)。

彼女とは高校の同級生で、一年生の時に同じクラスだった。

男子相手にも愛嬌よく接しており、同じ仲間内のグループで遊びにいくこともあった。

一時期自分の友人と付き合っていた時期もあったようだが、一年くらい付き合った後に別れた後、同じ部活の先輩と付き合うようになった。

それが今の旦那さんのようだ。

最初、パートの面接をした際は、お互いに顔を見合せて爆笑してしまった。

向こうは、電話口の名前と私の声でもしかしたら、と思っていたみたいだが、私の方は名字が違ったので面接で会って初めて気付いたのである。

高校を卒業して、たまに会うことはあったが、約20年振りの再開だった。

人となりも知っていたので、面接とは名ばかりで即採用した。

前もコンビニで働いていたことがあり、仕事を覚えるのは早かった。

私は、レジでテキパキと客を捌いていく様子を見ながら、私はコーヒーマシンのエラーを直した。
2021/06/11 10:35:15(xSVrWHb9)
127
投稿者: クリケット ◆/HPq4mSsdY
病院で診察を受けて、右手の橈骨にヒビが入っていたものの幸い軽症の部類で、ギブスで1ヶ月程度右手を固定することになった。

病院からタクシーで帰宅し、警察に電話をして車については後日保険会社の手配するレッカーで引き取ることになった。

右手がギブスで固定されているので、とりあえず左手を使って軽くシャワーを浴びた。

山口「右手使えないのは辛いなぁ。ハンドル逆に切るべきだった。」

時間を見ると、既に時間は6時を回っていた。

2時間後には出勤の時間だ。

山口「車……どうすっかな。」

タクシーを使いたいが、正直これ以上の出費は抑えたかった。

山口「ごめん。山さん、起きててくれ。」

私はスマホを取り出し、小坂さんに電話をかけた。

小坂「もしもし?」

山口「あ、山口です。ごめん。朝早くに。」

小坂「ん、今主人駅に送り届けて帰ってきたとこだから、大丈夫だよ。どうしたの?」

山口「うん。実はさ、帰りに事故っちゃって。」

小坂「え!?ケガは!?」

山口「右手にヒビが入った程度。」

小坂「程度って……。今どこなの!?」

山口「家。でさ……車が…なくなっちゃってさ。今日店に行く足がないんだよね。」

小坂「何言ってんの!馬鹿じゃないの!?仕事どころの話じゃないじゃない!」

山口「いや、今日本部に送る報告書あったりするから。」

小坂「もう!ちょっと子供達学校に送り出したら、そっち行くから少し待ってて。」

山口「うん、ごめん。」

そうして電話を切ると、私はベッドに横になり少し休憩することにした。
21/08/06 19:48 (XxoEoWHs)
128
投稿者: クリケット ◆/HPq4mSsdY
ピーンポーン

部屋のインターホンが鳴り響き、私は飛び上がるようにして、ベッドから体を起こした。

時計を見たら、午前8時だった。

私は小走りで玄関に行き、扉を開けると、小坂さんが立っていた。

小坂「大丈夫なの?」

心配そうな顔で、小坂さんが声をかけてきた。

山口「うん。痛み止め飲んでるから。」

小坂「そう。とりあえず、入るね。」

山口「あ、うん。」

私は小坂さんを部屋に招き入れた。

小坂「え?ちょっと………。掃除全然出来てないないじゃない。」

山口「あ、うん。最近、飯も店で買ったやつばっかりだし、帰っても片付けする気力がなくてさ。」

小坂「だから、あれ程無理しないで、って言ったじゃない。事故は何時だったの?」

山口「ん。2時過ぎだと思う。」

小坂「ねぇ。昨日は夜勤の人来たら上がるって言ってたじゃないの!私、本当に怒るよっ!」

山口「ごめん。」

小坂「本当に今回は命助かったから良かったけど、話聞いた感じじゃ、一歩間違えたら死んでたかもしれないじゃない!」

山口「うん。」

小坂「で、今日は何時に帰って来たの?」

山口「6時くらい。電話した時かな。」

小坂「はぁ。とりあえず、もう少し寝てて。私、部屋片付けしちゃうから。」

山口「あ、それは自分で…」

小坂「そんな手でやれる訳ないじゃない!ほら、邪魔だから、一旦、休んでて。店は昼過ぎに連れてってあげるから。」

山口「すいません。」

まるで母親に怒られているような気分だった。

ただ、小坂さんが怒るのも無理はない。

それくらいに彼女の忠告を無視した結果がこれなのだから、怒られても仕方ないことだ。

私は小坂さんの言うとおりに、しばらく寝室で休息を取ることにした。

やはり、相当疲労がたまっているのだろう。

私は、すぐに夢の中へと落ちていった。



ガンガンガンガン

小坂「起きろー。お昼だぞー。」

小坂さんが私の頭の上で鍋をガンガン叩きながら起こしてきた。

山口「随分古典的な起こし方(笑)」

私は、横になったまま小坂さんを見上げた。

小坂「ん?これ、子供達起こす時にたまにやるよ。昔から使われてるってことは、効果がある証拠だからね。」

山口「そうなのかもね。あ、いたたたっ」

体を起こそうとした瞬間、右手に激痛が走り、私は右手を抑えた。

小坂「痛み止め、切れちゃったんだろうね。お昼、作ってあるから、食べたら薬飲みなよ。」

山口「ありがとう。」

リビングに行くと、先程まで散らかっていた部屋が綺麗に片付いており、食卓には、カレーが置かれていた。

小坂「利き腕使えなくても、カレーならスプーンで食べやすいでしょ。」

山口「うん。ありがとう。」

小坂「じゃ、私、寝室掃除してきちゃうから。」

山口「うん。」

そう言うと、小坂さんは先程まで私が寝ていた寝室へと入っていった。

私は、食卓に置かれたカレーを口に運ぶ。

何だか久しぶりに人の手で作られたカレーを食べたその味は、とても懐かしい味がして、自然と口に運ぶスプーンが進んでいった。

山口「美味しいなぁ。」

私は、独り言を言いながら、あっという間にカレーを完食してしまった。
21/08/06 21:35 (XxoEoWHs)
129
投稿者: クリケット ◆/HPq4mSsdY
昼食を食べ終えて、薬を飲んでから、私は仕事に行く準備を始めた。

小坂さんは、やはり難色を示していたが、今日のうちにやらなければならない仕事もあり、店に着いたらすぐに明日の発注も入れなくてはいけない。

小坂さんは、渋々ながらもそれに納得し、条件に旦那さんが帰り次第すぐに迎えに来るので、その時は素直に帰ること、という条件を出してきたので、私はそれを受け入れた。

2時過ぎに店の駐車場に到着する。

私がお礼を言って車から降りようとすると、小坂さんが声をかけてきた。

小坂「あ、家の鍵置いてって。部屋の片付けまだ途中だから。」

山口「え、それは悪すぎるよ。」

小坂「いいから。困った時はお互い様でしょ?」

山口「じゃあ、お願いします。」

私は小坂さんに部屋の鍵を渡して車を降りた。

出勤すると、昼のクルーは私のギブスを見て心配そうに声をかけてきた。

私は心配ない旨を伝えると、バックヤードに入り、仕事に取りかかった。

まずは、急いで明日の仕入れの発注を終わらせる。

そして、昨日作成した報告書の最終点検をして、エリアマネージャーの菊地に送信した。

報告書を送信すると、私は菊地に電話をかけた。

菊地「お疲れ様です。菊地です。」

山口「あ、山口です。今、報告書送ったんで点検お願いします。」

菊地「分かりました。先輩、8月も50以上は堅そうですよ。」

山口「お、本当か。確かに中間も、悪い位置ではなかったしな。大分地域の傾向掴めてきたかなぁ。」

菊地「ですね。エリアマネージャー昇進おめでとうございます。」

山口「やめてくれよ。」

菊地「でも、昇進って言っても、先輩の場合は再昇進ですからね。」

山口「まぁ、エリアマネージャーは一回経験あるからなぁ。もう、失うものがないから、新卒の気持ちで頑張るよ。それより、菊地、一つ相談あるんだけどさ。」

菊地「なんですか?」

私は菊地に昨日の事故の件と、出来ることならば社員を一名応援で欲しい旨を伝えた。

菊地「なるほど。1ヶ月でいいんですか?治り具合によっては延長もあります?」

山口「そこは1ヶ月でいい。全力で治療する。」

菊地「分かりました。なら、副長に話して俺がいけるようにしますよ。」

山口「ホントか?助かる。」

菊地「毎日は行けませんが、週3は顔出しますよ。」

山口「ありがとう。持つべきものは優しい後輩だな。」

菊地「やめて下さいよ。先輩は、上司や同僚に恵まれていれば、今頃ブロック長までいっててもおかしくないんですから。」

山口「やめてくれよ。」

確かに若いうちは、自分で言うのも恥ずかしいが、それなりに出世のレールには乗っていた。

しかし、新規プロジェクトで、その時の同僚が上司のパワハラが原因で次第にミスを重ねるようになり、その同僚が上司に飛ばされそうになったところを、自分が上司に噛みついて、結局自分が飛ばされてしまった。

それ自体には後悔はしていない。

しかし、あの時、自分がその同僚を見捨てて保身に走っていたら、もしかしたら今頃は違った道を歩んでいたかもしれない。

そう。もしかしたら、中尾と結婚して、今頃は子供も……

菊地「あ、そうだ。先輩。その事故って、店から帰る途中ですよね?」

山口「うん。」

菊地「俺、本部にかけあって、通勤災害認められるように上手くかけあいますよ。」

山口「認められるかなぁ。夜中2時だぜ?」

菊地「いや、全然認められますよ。ちゃんと仕事してた帰りなんですから。先輩は、事故に至る経緯の報告書、お願いします。」

山口「ああ。分かった。」

菊地「じゃあ、ケガお大事になさって下さい。」

山口「ありがとう。」

菊地との電話を切り、私はパソコンの画面とにらめっこを開始した。

売上的に、バイトやパートを新規で採用しても多少余裕が出るようになってきた。

今までカツカツの中でやってきたので、小坂さんの負担も大きくなっていた。

山口「三人くらいいけるかな。」

私は、今後のことも考えて、新たにパート、バイトの募集に踏み切ることにした。
21/08/06 23:07 (XxoEoWHs)
130
投稿者: クリケット ◆/HPq4mSsdY
夜の8時を過ぎた頃、私の携帯に、小坂さんからの着信が来た。

山口「もしもし。」

小坂「あ、着きました。」

山口「分かりました。すぐ行きます。」

私は帰り支度を整えると、夕方勤務のクルーに挨拶をしてから店を出た。

小坂さんの車は駐車場に入らずに、店の面した通りに停車していた。

小坂「お疲れ様でした。」

山口「ありがとうございます。駐車場入らないんだね。」

小坂「いや、他のバイトの人とかに見られても、ねぇ?」

山口「確かに(笑)」

小坂さんは、車を発進させると、駅に向かって走り出した。

小坂「しかし、何日洗濯物溜めてたのよ。一人にしては、かなりの量あったよ?」

山口「最後に洗濯したの、いつだろ。先週の金曜日かな?」

小坂「5日分かぁ。一人だから、毎日しろ、とは言わないけど、3日に一度は洗った方がいいよ。」

山口「すいません。」

小坂「やれやれ。家族以外の人の家事やってあげるなんて思ってもみなかったわ。」

山口「感謝してます。ケガ治したら必ず埋め合わせします。」

小坂「高いよー。」

山口「あ、昨日の事故で財布が寂しくなってるんで、時間下さい。」

小坂「はいはい(笑)期待せずに待ちます。」

店から駅までは、車で10分から15分程度の距離だったので、車内で会話をしていたら、気付いた時には駅前にある私のマンションに到着している。

車では近いが徒歩だと倍以上かかってしまうので、やはり現実的ではなかった。

小坂「はい、到着しました。」

小坂さんが部屋の鍵を渡しながら、口を開いた。

山口「ありがとうございます。あの、お願いがあるんですけど。」

小坂「明日以降の送り迎えでしょ?」

山口「あ、はい。」

小坂「出勤の日は、ちゃんと送り迎えしてあげるから心配しないで。」

山口「ありがとうございます。」

小坂「じゃあ、私帰るね。主人が子供見てくれてるから。」

山口「すみませんでした。」

小坂「カレー温め直して食べてね。野菜スープも作ってあるから。」

山口「ありがとうございます。」

小坂「じゃあ、明日も8時くらいに迎えにきます。」

山口「分かりました。」

私は、小坂さんの車から降車し、彼女の車が駐車場から出ていくのを見送ると、部屋へと戻った。

部屋の中に入ると、部屋は見違えるくらいに片付けられていた。

私はカレーとスープをよそい、一人で食べていると、吉本からの着信が入る。

山口「もしもし。」

吉本「事故、大丈夫だったのか?」

山口「え?誰から聞いた?」

吉本「中尾。山さんから、中尾に連絡来たみたいでさ。それで俺にも連絡来た。」

山口「そっか。中尾は俺には連絡しないのに、よしには連絡するんだ。」

吉本「あ、いや……、心配してたけど、なかなか連絡しずらいんじゃないかな。」

山口「ふ~ん。」

私は少しだけ内心穏やかじゃない気分になっていた。

本気で心配してるなら、連絡してきてもいいんじゃないだろうか。

やはり、お互いの気持ちは離れてしまっているのだろうか。

吉本「でもさ、山さんに最初に連絡したってことは、色々山さんに助けてもらったんだろ?」

山口「まぁ、仕事のこととかあるからな。」

吉本「本当にそれだけか?」

山口「両親も他界してるし、近くに親族いないから仕方ないだろ。」

吉本「ふ~ん。何度も言ってるけど、山さんは俺の女なんだから、手出すなよ?」

山口「よし、まだ本気でそんなこと言ってんのかよ?」

吉本「本気も本気。」

山口「いや、彼女もう結婚してるし、よしも結婚してるだろ?」

吉本「それはそれ、これはこれ。」

山口「あんまふざけたこと言ってんなよ?もうケガも痛むから切るぞ。」

吉本「きっと、中尾も近々戻ってくるはずだよ。」

山口「そうなのか?俺には美起の気持ちはよく分からないよ。」

吉本「いや、俺には分かる。直感でな。」

山口「ふ~ん。そっか。じゃ、俺は休むからよ。」

吉本「おう。お大事にな。」

山口「あぁ、ありがとう。」

吉本との電話を切り、私は独り言を呟く。

山口「ったく、あいつは何が言いたかったんだよ。」

吉本に、小坂さんは既婚者だと注意をしたものの、私は既に彼女と男女の仲になっているので、人のことを言える立場ではない。

しかし、吉本が本気で小坂さんを狙っているとしたら。

私は、きっと小坂さんに吉本の手が伸びたとしたら、中尾に手が伸びてくる以上に本気で阻止をするだろう。

それくらい、公私に渡って彼女の存在は私の中で大きくなっているのだった。
21/08/08 10:03 (ZsBxnYPz)
131
投稿者: クリケット ◆/HPq4mSsdY
ケガをして以来、小坂さんに支えられながらの私生活が始まった。

小坂さんは、自分が出勤しない日も店まで送り迎えをしてくれたし、食事や、部屋の片付け、洗濯等の家事もこなしてくれた。

後輩の菊地も、忙しい中、店に手伝いに来てくれたので、私も店長としての業務に集中することが出来た。

事故から一週間が経過した翌週の水曜日は病院で診察の日だったので、菊地の勧めもあり、私は仕事を休んで病院を受診することにした。

病院へは、バスで迎い、診察が予定よりも早く終わったので、午前中のうちに自宅に帰宅することが出来た。

山口「ふぅ。くたびれたな。」

久々にバスに乗って、思いの外疲れてしまったので、帰宅してすぐに私はリビングのソファーに体を預けた。

私は、今年から今日までの間、私自身に起きた色々な変化について考える。

何よりも大きな変化は小坂さんとの男女の関係だった。

キャンプ場でした小坂さんとのセックスは、今まで生きてきた人生の中でも最上のものだった。

目を閉じるだけで、彼女の肌や胸の感触、フェラの感覚が蘇ってくる。

山口『そういえば、あれ以来オナニーもしてなかったな。』

キャンプ以来、こうして1日店にも行かないオフの日は、今日が初めてだった。

そして、毎日の仕事に忙殺されて、オナニーをする気力も失われるくらいに忙しかった。

性欲が溜まっていたせいか、私は小坂さんとのセックスのことを考えだすと、下半身がうずくのを抑えきれなくなっていた。

久々にオナニーでもしようと考え、私は、ソファーから立ち上がり、ズボンと下着を脱いだ。

久々の発散を迎えられると思うと、既に私の男根は、痛いくらいに勃起し、先端からは粘り気のある我慢汁が出始めていた。

私は、頭の中で、本格的に小坂さんとセックスを始めた。

彼女の服を脱がし、ブラジャーを外し、初めて彼女の胸を見た景色が頭を埋め尽くす。

私は左手を使ってゆっくりと自身の男根をしごきだした。

小坂さんが、私の上に跨がり、私と彼女が一つになった瞬間の景色に切り替わると、艶やかな喘ぎ声が耳元に聞こえはじめる。

利き腕が使えないために、いつもよりも射精に至るまで時間を要してしまっていた。

山口『もう少しだ。』

私の男根からは、我慢汁があふれだし始め、射精の瞬間が少しずつ近付いていた。

私は射精に備えボックスティッシュから数枚のティッシュを出した、その瞬間だった。

ガチャガチャ、ガチャン

突然、玄関の方から扉の開く音がした。

小坂「おじゃましまーす。」

山口『あ!しまった!』

昨日の帰り際に、小坂さんが部屋の掃除と食事を作りに来てくれると言っていたので、私は、もし病院から帰ってなかった時は勝手に入って始めていていい、と言って予備の合鍵を渡していたのだった。

玄関ドアを開いた小坂さんが靴を脱いで、廊下からリビングに向かう足音が近付いてくる。

私は慌ててソファーから立ち上がり、ズボンと下着を手に取り急いで履こうとするが、廊下は短く、私は右手を骨折していたので、下着を足に通そうとした瞬間にはリビングのドアが開いてしまった。

小坂「………………。」

山口「………………。」

お互い無言で顔を見合せる。

小坂「ごめんなさいっ!」

小坂さんは、急いでリビングのドアを閉じた。

山口「こっちこそごめんっ!」

リビングのドアの向こうに聞こえるように、私も小坂さんに謝った。

この年になって、小坂さんの前で情けない姿を晒してしまった。

私は恥ずかしさのあまり、顔が真っ赤になっているのが分かった。

だが、そのままの姿でもいられないので、私は左手を使って急いで下着とズボンを履き直すのであった。
21/08/08 23:48 (ZsBxnYPz)
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