成田は強引に突っ込んで来た。晃は食らいついた。成田がレイアップに行った。晃はブロックに飛んだ。タイミングはバッチリだったが、次の瞬間成田はノールックでパスを出した。晃は空中で｢あっ!?｣と言った。北条弟がパスを貰って決めた。コレで３点差になった。晃は悔しがり｢あの人パスもあんのかよっ｣と言った。第３Ｑが終わり５５－５２でインターバルになった。｢どうした？ＤＦしっかりやれっ｣と監督が喝を入れた。晃は黙って目を瞑り下を向いていた。｢上杉大丈夫か？｣と監督が声を掛けるが反応しない。誠が｢この状態なら大丈夫です…今集中力高めてるんで…コレ晃の癖なんです｣と言った。｢そうか｣と監督が言った。｢時間ですっ｣と審判が言った。晃は目を開けた。第４Ｑが始まった。晃がパスを要求した。一歩で忍を抜き去った。ゴール下でジャンプシュートを狙った。晃はポンプフェイクを使い、松田を飛ばした。松田が落ちてくるタイミングを見計らって、シュートをするとぶつかり松田のＦになった。カウントを貰った。

カウントも決め再び６点差。北条弟が成田にパスを出した。成田はフェイクをしてから、シュートに行った。真田は懸命にブロックに飛んだ。｢リバウンドっ｣と成田が言った。ボールはリングに当たった。リバウンドに上田、松田、徹が飛んだ。北条兄は反応が遅れた。上田が穫り着地した時、北条兄の足を踏み倒れ込んだ。捻挫だった。上田の代わりに武田が入った。次々とそこを狙われ遂に逆転された。まだ第４Ｑも８分も残っていた。Ｈ高はＴ・Ｏを取った。監督がゾーンの指示を出したが、晃が｢ゾーンじゃ忍に外からやられる｣と言い｢ボックスワンならどうですか？｣と言うと｢大丈夫か？｣と聞かれ、晃は｢決めさせません｣と力強く言った。再開した。真田は成田との対戦で、かなり消耗していたので、誠は晃を使った。晃はまた忍を抜くと、今度は北条兄をＦの餌食にした。カウントを決めまたＨ高が１点逆転した。Ｓ高はインサイドの北条兄にパスを入れ、Ｈ高が対応して来たと見るや、成田にパスを出した。成田は３Ｐを決めた。

｢くそっ何とかしないと｣と言うがどうにもならない。１０点差が付き残り５分を切った。諦めムードが漂い始めた。晃は(コレじゃあダメだ)と思い、誠に｢全部俺にくれっ｣と言った。誠は晃にパスを出した。晃は３Ｐラインより１㍍後ろから打ち決めて見せた。Ｈ高のベンチから｢うおっ｣と声が上がった。そしてすぐに｢下がるなっ！当たれっ！｣と大声を出した。オールコートプレスを掛けた。Ｈ高は賭けに出た。Ｓ高は突然のプレスに、８秒バイオレーションを取られた。すぐに真田から晃にボールが入った。忍がマークに来た。晃はバックドアで忍を交わし、中へと切れ込んだ。北条兄、松田、成田が晃を潰しに来た。晃は真田にパスを出した。晃は真田がまだ打てると信じていた。真田は３Ｐを打ち決めた。｢よっしゃぁっ！｣とガッツポーズをした。成田にボールが入ると、晃と真田がダブルチームに行った。２人のＤＦに成田はサイドラインに追い込まれた。ジャンプしてパスを出したが、誠がそれをカットした。

そこから両チーム共約２分間得点が止まった。残り１分半を切った所で成田が決めて６点差になった。今度はＳ高がプレスに来た。誠が北条弟と忍のダブルチームを食らったが、晃がカバーに入り切り抜けた。Ｓ高のベンチから｢９、８、７｣とシュートクロックのカウントが始まった。晃が真田からパスを貰い、迷いなくミドルシュートを打った。落ちると思われたシュートは、リングに当たってからボードで跳ね返り、ゴールに吸い込まれた。時間はもう１分を切った。Ｓ高は時間を掛けて来た。成田に晃と真田がＷチームに行くが、中々穫れずにいた。そこに誠が忍び寄り成田からボールを奪った。残り３８秒晃はすぐに貰い速攻を仕掛けた。成田がブロックに飛んだ。晃はＷクラッチをして決めた。Ｈ高のベンチが飛び上がって騒いだ。焦った成田がボールをすぐに入れ様として、北条弟にパスを出した。晃はそのボールをカットした。狙っていた。晃に北条弟と成田がＷチームに来た。晃はその２人が付く瞬間に真ん中を抜いて見せた。残り２８秒。

晃はドリブルで時間を使った。いつの間にか成田が晃に付いていた。シュートクロックが残り７秒になった時、晃は中に切れ込んだ。成田が進路を塞いだ。晃は強引にシュート体制になった。成田は飛んだ。しかしそれは晃のフェイクだった。落ちて来た成田にぶつかりながらシュートをした。審判の笛がなった。ボールはゴールに吸い込まれた。｢ＤＦっ白７番っカウントワンスローっ｣この瞬間会場が沸いた。Ｈ高が同点に追いついた。晃のフリースロー。皆(決めてくれっ)と願った。晃はボードを使ってしっかり決めた。６３－６２。誰もがＨ高が勝ったと思った。｢まだだっ！｣晃が叫んだ。Ｓ高がＴ・Ｏを取った。｢成田で来るぞっ油断するなっ｣当然皆そう思った。成田にボールが入った。Ｗチームに行った。が、成田はそれを読んでいた。晃と真田が付く前にパスを出した。パスの先にいたのは忍だった。忍はノーマークで３Ｐを打った。晃はボールの行方を目で追った。ボールはリングに吸い込まれた。６５－６３でＨ高は負けた。