2025/08/09 21:14:17
(qoB4d4Gh)
「おはよう…」
机に授業の準備をしている所へ玄関クンが登校してきて声をかけてくれます。
でもどこかをよそよそしい感じがしましたが、千鶴もあんな夢を見たこともあり、何時もならツッコむところですが敢えて素知らぬ顔をしました。
(どうしたんだろう…圭ちやん…)
授業中、そっと横目で圭介クンの横顔を伺いますが、その視線に圭介クンは気づくこともありませんでした。
(あの夢の中の怪人…ズレた仮面の下から見えたのは圭ちやん…?だったような…)
考えないようにしようとしても頭には昨夜の夢が何度もフラッシュバックし、記憶なのか希望なのか…怪人が圭介クンと重なってしまい、慌ててそれを打ち消し授業に専念しようとしますが、それも長くは続かず…結局、1日中、夢の事ばかり考えてしまうのでした。
なんとなく気まずさがあり、圭介クンと一緒に帰るのは憚られ、同じ方向に家のある友達と帰宅しました。
そんな日が何日か続き、改めて「一緒に帰ろう」と誘い辛くなり、学校で話す以外、喋ることもなくなっていました。
「ええっ?これを圭ちゃんちに?う、うん…分かった…おばさんにそう言っておくね…」
何日か経ったある日、母親から圭介クンの家にスイカを持って行くように頼まれました。
母親が知り合いから何個か貰ったようです。
母親同士も千鶴たちと同じように疎遠気味になっていのですが、千鶴たちが
同じクラスになった事をきっかけに、また以前のように付き合いが始まったようで、そのスイカは先日圭介クンちのおばさんから貰ったお土産のお返しのようでした。
圭介クンとは、なんとなく話し辛くなっていたこともあり、圭介クンに家にいくのは少し気が重かったのですが、考えようによっては、また一緒に帰宅したりするいい機会になるかもと思いました。
「こんにちは…あっ…おばさん…これ…うちのお母さんが…」
玄関先まで出迎えてくれたのは圭介ちのおばさん…千鶴はスイカを渡そうとしますが、どうやらおばさんは出かけるところのようで「ごめんね…ちょっと出かけなくちゃならなくなって…すぐ帰ってくるから圭介の部屋で待ってて…千鶴ちゃんのお母さんに持っていってもらいたいものがあるから…」と言い残し車ででかけてしまいました。
(ど、どうしよう…このまま帰るわけにもいかないし…)
しばらく玄関先でどうするかを考えていましたが、思い切って2階の圭介クンの部屋へと向かいました。
圭介クンの家には何度も遊びに来たこともあり、勝手知ったる他人の何とかで、迷うことはありません。
「圭介ちやん…いる?私…千鶴…入っていい?」
ドアをノックし声をかけました…