2024/04/12 03:05:01
(NHwM0poM)
「ご丁寧にどうもありがとうございました。
あ、はい…、また何かあればお声をかけさせていただきますね…。」
快く取材に応じてくれたリーダーの田島という男との挨拶を簡単に済ませ、グラウンドの脇をゆっくり歩きながら様子を見る。
地域の活性化につながるかもしれないからと、団体から依頼を受けたのがきっかけではあったが、もともとスポーツは好きな方でもあり、中でも野球は昔自身が部活動に選んでいたこともあり引き受ける形となった。
「女の子も選手として起用している、という話は聞いていたが…本当だったのか…。」
田島から三選手の紹介を受けると、女性の受け入れの少ないスポーツでもあるだけに純粋に感心に近い感覚を覚えていた。
肩掛けのショルダーバッグには用途に合わせて使い分けができるように、デジタルカメラを数点。
小型の使い捨てカメラもイレギュラーに対応できるようにと備えている。
もっとも、メインで使うのは首から下げた一眼レフ。
被写体の細部までをしっかり捉えるためには、欠かせない代物だった。
「地域の活性化…。
となれば、ただただ野球チームを取材しました…、よりも、女性選手の様子なんかがわかる方がいいに決まってるよな…。」
そんなことを口にしながら、自由にしていい、という言葉を聞けば職業柄すっと胸元のカメラを手にとってはファインダーを覗く。
あまり選手の気が散らないように、距離を取りシャッターを切っていく。
「小杉さん…に、東出さん…だっけ…。
まぁ、多くを望んじゃいけないよな…、野球を楽しんでくれる女の子がいるってだけでも、ありがたい話さ…。
と言ってもやはり…見た目は重要…。」
気づけば、カメラの先にいるのは江城…優衣と紹介された選手。
「女子高生…で、野球に夢中な女の子…か。
良いじゃないの…。」
カシャ…カシャ…。
次第に優衣中心の撮影が増えていく。
若さもあってか身軽そうな振るまい、それでいて女としての成長は少しタイトめのユニフォームからも見て取れる。
そんな、選手としても女としても魅力を感じさせてくる優衣に、少しずつ仕事とは別の感情が思い起こされるのを少しずつ感じていた。
「胸元…いいねぇ…尻も…悪くない。良い肉付き…。
ユニフォームのフィット感が余計にそそらせてくれるじゃないか…。」
と、少し夢中で撮影をし始めると、気づかないうちに距離が近くなってしまい、優衣に気づかれるような距離感まで足を進めてしまっていた。