拍車がかかる美優の本能がさらけ出された喘ぎ。見ず知らずの男に、覗かれ、聞かれ、触れられることを望むように、漏れるその喘ぎ。トク…、トク…。青年の胸の内で張り裂けそうなほどの緊張感と積もり積もった興奮が、耳まで届きそうなほど大きな鼓動を響かせている。開かれた扉の中で目の当たりにする真実。壁の向こう側では想像でしか出会えなかった女が、そこには存在していた。今にも飛びついてしまいそうな衝動に駆られながらも、隣室に座す男の存在が、このネットカフェという場所が、青年をぎりぎり留まらせている。場所が変わってしまえば…あるいは…。半裸…と言えば、その通りだが、濡れそぼった割れ目でシミを作った下着、中途半端にはだけた洋服。その姿は文字通りの変態を想起させる。PCのみの一室で、年頃の女が一人…。そんな姿で何を貪るか…性欲に、非現実に絆され、乱れているのだ。「入っても…いや、入りますね…?」許可を求めようとした青年。しかし、いつまでも中途半端に開いたブースの扉の前にいるわけにもいかない。それでも黙って入ってしまわないのは美優同様に、真面目な性格ゆえだろうか。キィ…。少し大きく聞こえた気がする。扉の留め金同士がこすれ合う音…そして…。パタン…。木目調の木の板を採用しただけ、それだけで簡易的に設えられた個室という半密室の空間。初対面の男と女。片や半裸で股間を濡らし、片や息を荒げながら股間を膨らませ棒立ちになっている。「スマホ…、なってますよ…お姉さん。」美優の腰元でしばし忘れられていたスマホの存在。カフェに入ってからは、夫である男と数回やり取りをしただけにとどまっていたスマホが、ブン、ブブン、とメッセージの着信を通知していた。177cm中肉中背、紺色のチノパンに淡いグレーのロンTを纏った男。髪は少し伸びており、耳元が隠れる長さになっている。おとなしそうな、良くも悪くもネカフェに居そうなな容姿。しかし目元に掛かるかかからないかのラインまで伸びた前髪の奥に見える表情は、どことなく柔らかさを感じさせる。優しく見えそう…、あるいは害のなさそうな雰囲気を醸し出している。良くも悪くも容姿は中の夫に比べれば、スタイル、そして顔つきも良い男だった。「部屋に入ったら、まずスマホを見させてほしい。私からメッセージを送るからね…。」再度の髪で隠れた耳元には小型のイヤホン。そこから高すぎない頻度で、男から指示が飛んでくるのだ。もちろん、青年の自由を大前提にしながら要所で二言三言話すだけ。それがかえって、万が一の時の美優、妻を守る為の手段となっていた。[書き込みがすごくエッチになってきたね…美優…。皆の反応も凄く良いじゃないか…。時々、美優のえっちな喘ぎ声が聞こえて興奮しちゃうよ…。お隣さんは…反応があったかい…?]時間にして小一時間ぶりのメッセージ。書き込みの内容に触れながら、隣人…つまり青年の反応を伺うような口ぶり。メッセージから察するに、美優の部屋へ誰かが出入りしたことは気づいていない様子。本能に理性が勝り、羞恥興奮よりも恐怖が勝るなら、青年に気づかれず男に助けを求めることができる。あえてその状態を男自ら作り出し、美優の心中を探りながら、他の男を使って妻を辱めて楽しむゲームを攻略していくように。[怖くなってしまったなら今日はこのくらいにしても良い。美優は俺の希望をかなえてくれたって思っているから。もしまだ、続けてあげても良いよ…って言ってくれるなら
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身体が固まったまま動けない。わずかに横に向けた顔。目だけが扉の方を向き、その視線だけが扉を開き中を覗き込む男を捉えていた。『イヤっ…誰…!?ホントに…見られちゃった…!?』まさに青天の霹靂…とは言っても自ら招いた状況。コメントに従っただけと言い訳もできるだろう…それでも自分自身の行動で訪れた状況に変わりはない。『ホントに…見られちゃうなんて…。』恐怖…不安…後悔…。そんな感情が入り混じるものの、身体に伝わる衝撃とも言える刺激を感じていることは確かな事。カタカタと小刻みに震える膝が表しているものは、恐怖や不安という負のエネルギーではなく、昂りや興奮と言った淫らな芽生えがもたらしたものだと言うことはなんとなく理解できてもいた。壁に突っ伏すように腰を突き出し、手を股間に這わせたまま固まる私。扉の前に立つ男が何かを話しかけたように感じた次の瞬間、私の聖域であるブースの中に踏み込んでくる。後ろ手に扉を閉める音…。密室で見知らぬ男と二人きりになる非日常の光景。どれをとってみても現実とは思えない状況に頭の中の混乱はさらに激しくなり思考回路は完全に停止。「えっ…!?」不意に男が口にした言葉は、そのまま獣のように襲い掛かってくるかと思われた最悪な状況を打ち破るものだった…。男に促されて唸り続けるスマホに手を伸ばす。震える指先では簡単に操作ができず、両手で握りしめるように…。その瞬間、股間を擦りあげていた指先がヌルリとスマホを滑る感覚に、改めて溢れ出した蜜の存在を思い知らされた…。『あっ…大輔さんから…。』夫からのメールに心が少しだけ軽くなる。侵入した男は自らスマホの存在を知らせ、中身を確認する時間を与えてくれている。襲おうと思えば襲えただろう絶好の時を自ら放棄したに等しい行為。それがまた私の世間知らずの感覚を擽り、危険回避能力を麻痺させてしまったのかもしれない…。[えっ…そうかな…。あなたが喜んでくれる事をしただけだから…。そうなの…?声…聞こえちゃってるの!?お隣の人は…特に何も…。うん…大丈夫…何かをされたわけではないし…もう少しくらいなら…頑張れる…。あなたに喜んで欲しいし…。わかった…ブースの鍵は…ちゃんとかけておくね…。]そうメールを返信している間に、侵入してきた男はわずかに横に動いていた。それはまさに、私が扉の鍵をかける為の隙間を作っているかのようだった。しかしそれにも何の違和感を覚えることなく、震えた指で変身する事に手間取ってしまった私は、ようやく夫への報告を終えた安堵…いや…夫が何も気づいていない事への安堵を感じながら…男の横をすり抜けるように扉に近づくと、静かに…いや…夫に安心を与える為に、わざとらしく音を響かせるように鍵をかける…。『大輔さんも…これで安心してくれるはず…。サイトの指示に従って…もっと…おかしなことになっちゃっても…鍵がかかっているなら…安心だもんね…。』何も気づかれていないと思うからこその勝手な思い込み。夫に与える安心のはずの行為が、逆に昂りを与えてしまうとは思ってもみなかった…。現実には淫らにはだけたワンピースから露出するイヤらしい下着を晒して立ち、狭い個室の中に見知らぬ男の人がその姿を見つめている…。そんな特異な状況に、身を固めてしまう私は、このいつまで続くかわからない膠着を打破する為に…なのか…パソコンに向かいコメントを打ち始める。『大輔さんも見てるんだもん…ホントのことは言えないけど…。』
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メッセージを返し終えたのか、すっと脇にスマホを置く動作が見える。青年にとって重要なのは次の行動。こちらに向かって…もとい、ブースの扉に向かって歩いてくるような素振りを見せなければ、黙ってその場を立ち去る。そう言う手はずだった。先ほどよりもはるかに大きく、強い鼓動を感じる。全速力で駆け抜けた直後のあの動悸にも似た感覚と、一瞬呼吸することを忘れそうになるほどの緊張感。「は…はぁ…はぁ…。」漏れる吐息は興奮からではなく…緊張に耐え切れない動悸からくるものだった。そしてその時は来た。助けを求めるような声をあげるでもなく、イヤホンから離脱の指示も来ない。ゆっくりと動き出す半裸の美優の身体は男の脇をすり抜け、わずかに開いたブースの扉をきっちりと締め切り、錠を…落とした。-君を受け入れるなら、ブースの鍵を締めるはずだ-反響するように、男の言葉が何度も脳内でこだまするように感じる。脇をすり抜けた美優…が纏う甘酸っぱくも生々しい雌の香り。これまでの行動を、書き込みと相まって色濃く想像させてしまう。再びぐっと持ち上がる股間が、パンツの股間部を持ち上げるのを感じる。反り上がっていく、竿は固さを強め、先端が纏ったボクサーパンツの股間部を擦りながら。「くっ…。」その感覚に思わず前かがみになりそうになるが、目の前でさらに恥ずかしい光景を晒している美優を見れば、小さなプライドがその行為をとどまらせる。そのまま何も言わず、サイトへの書き込みを再開した美優。画面に向かうことで、青年に背を向ける形になる美優。半裸、恥ずかしくもはしたない恰好を改善しようともしない美優。変態的な行動…、しかしその整った容姿とのギャップが青年を惹きつけていくのも事実だった。そんな状況を少し様子見で眺めていると、「美優は…、ブースに君が来たことを隠している。その意味が分かるね…?その状況をうまく利用すると良い。これから返事は、都度イヤホンを2度ノックしなさい。返事ができないこともあるだろう…、私の指示を2度…無視すれば私は警察に通報する。わかったね…?」妻の、最愛の女のあられもない姿、変わっていく姿を楽しみたいのは本音。しかし、怖い目に合わせたいわけではなかった。そんなことを美優自身が望んだりしなければ…。トントン…、と、美優の背後でイヤホンをノックする。当然だが、距離が近づけばイヤホンマイクを通して美優の声も届くことだろう。男はそんな状況を求め、青年に手渡していた。「何…してたんですか…?お姉さん。」少し取り戻した平常心。そして、青年はあえて少し大きめな声で美優に話しかける。隣に夫がいることなど知るわけもない青年の行動。当然、隣近所を気遣って声を抑える理由はカフェ内の迷惑にならない程度に抑えることくらい。それを配慮しても、隣にいる夫に聞こえてしまう、そんな想像をさせるほど、美優にとっては少し大きく聞こえる声だった。男の言葉が事実なら、自分がいるブースから男の声など聞こえてはいけない。無視はできない。そして、目の前の女…妻という立場でありながら、夫の願望をかなえる為と言いながら夫に隠し、興奮、快感、非現実の為に偽りの事実を夫に告げているということはもはや、後ろめたい嘘、ということになる。「どうするの…?美優…。ふふっ…。上手く隠さないと…、俺にバレちゃうよ…。」問いかけた青年の声が、イヤホン越しにもブースの壁の向こうからでも聞こえる。
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カチャ…。鍵をかける乾いた音が私の心と身体に潤いを与える矛盾。夫にも秘密の行為が、壁一枚を隔てたこの空間で始まろうとしている事に心のトキメキが加速していく…。本当の事を夫にだけは報告すべきだったのかもしれない。しかし夫の望みは私を露出させるだけ…。サイトで指示されるままに淫らな姿を他人に見せつけるだけ…。夫から懇願された言葉からはそれしか感じ取れなかった私にとって、他人と…見知らぬ男と接触することなど望んでいるとは考えられなかった。私が夫についてしまった嘘…。それは夫が望む事以上の行為を私が望んでしまったからなのだろうか…。聞かれたい…覗かれたい…触られたい…。もっとその先…。何に興味を惹かれたのか私自身ハッキリとはしていない。それでも夫が望むものと私の望むものの相違が認められてしまえば…私の望みを果たそうとするのであれば…。『あなたには…気づかれないようにしないと…。』薄い壁一枚の向こう側に居る夫に申し訳なさを感じるような視線を向けながらも、背後から思いのほか大きめな声で浴びせられる男の言葉に身体がビクンっと反応してしまう…。慌てて振り返り、唇の前に人差し指を立てて声をひそめるように伝える私の姿は、ワンピースが上下からはだけてシースルーの下着を晒す淫らな姿。声を立てるなと言うジェスチャーとは裏腹に淫らな姿を正面から男に晒してしまっていた。コメントを上げればサイトはすぐさま反応を始めるだろう…。あの人も…佐藤さんも私に何かしらの指示を投げかけてくるだろう…。そのわずかな時間…この男の人と狭いブースの中で過ごさなくてはならない気まずさ。私は立っているだけで襲ってくる素振りも見せない男の人に一歩…また一歩と近寄り、囁くような声でも会話できる距離に踏み込み…。「驚いちゃった…貴方…隣のブースの人…?もしかして…私の声…聞こえちゃった…?」その問いかけの答えをまたずに、その場で振り返り、パソコンに手を伸ばす。当然身体は前に折り曲げないと手が届かない。腰を曲げて手を伸ばす瞬間、ワンピースが身体を這い上がり、お尻を隠していたはずの裾がズリ上がっていくのを感じた…。『あっ…お尻が…見えちゃってる…。濡れたパンティも…後ろから…。』その体勢のままコメントを確認すると、数多くのコメントに混ざり、あの人のコメントを見つけた…。《はい…覗かれちゃいました…。濡れたパンティを擦るイヤらしい姿を…。若い…。若い男の子…みたいな妄想です…。優しそうな若い男の子に…覗かれて…。ブースの中に入ってこられて…あっ…あぁ…恥ずかし姿を…間近で…。恥ずかしい…。こんな格好を…見られて…恥ずかしいのに…。興奮…しちゃいます…。覗かれたかった…恥ずかしい私の姿…覗いて欲しかった…。シミ…どんどん拡がっちゃって…パンティが…吸いきれなくなって…太ももに…垂れちゃってる…。どうしよう…覗かれて…ブースに入り込まれちゃったら…もっと…見せて…って…言われちゃうかな…?もっとジッパー開いて…もっと見せてって…言われちゃうかな…?それに…従っちゃったら…。もう…触られちゃうかも…しれない…。痴漢みたいに…イヤらしい手で…触られちゃうかもしれない…。》更に妄想を重ねたようなコメントをあげて、後ろで立ち尽くす男の人に向き直り…。
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