ーーーーーーーーーー王宮 前王執務室--------「叔父上の代わりに私がですか?私なぞまだまだ若輩者故、今は囚われの身となっている、私の父である前魔王に、今一度その座についてもらうのが、宜しいかと思っております。」「ヨハンセン、主には欲というものはないのか?」「いえ、普通の者並みにはあるかと思っております。でも今はまだ勉強の身、叔父上には世継ぎもいないため、どうせその座が回って来るのに変わりはないのです。勇者が魔国に攻め入るようなことがあれば、その時には勇者めに容赦は致しませぬゆえ、ご承知おきください。」「それは仕方あるまいな……」「今考えなければいけないことは、全面的な争いの回避、そして一般の民に被害が出ることを防ぐことです。」「それはそうだな…」「私は一度戻って善後策を講じますゆえ、舞踏会までの間しばしのお暇を。」「ふむ分かった。私たちが気が付いていないと思い込ませるためにも、舞踏会は開いたほうが良さそうだな……現王と勇者メルヒルめの暴挙、何としても止めようぞ。そして今一度両国の友好を盤石なものに。」「では失礼いたします。」ヨハンセンがそう言ったかと思うと、次の瞬間その姿はその場から掻き消えていた。「現王と勇者め、馬鹿なことを考えたものだ…姿が一瞬で掻き消えたり、現れたりする相手に、敵うはずなかろうに。」ーーーーーーーーーーあばらや--------子猫の姿のジギタリス・サマエルとリルベルが談笑しているところに、突如として現れるヨハンセン。「遅くなった。何やら楽しそうだな。仲が良くなったみたいで良かった。」「兄上お帰りなさい」とサマエル「お兄様おかえりなさいませ。」とジギタリス「ああ、ただいま……リルベル、明後日の舞踏会、変わりなく開くとのことだ。」リルベルに向かってそう一言言ってから、ジギタリス・サマエルに向かい直して何やら唱えるヨハンセン。「ジギタリス・サマエル、これで明日の朝には元の姿に戻って、魔力の消費が少ない魔法なら使えるように使えるようになるだろう。魔法が使えるようになったら、二人にやって欲しいことがある。」「兄上やって欲しいこととは?」とサマエル「お兄様のお役に立つことであれば何なりと」とジギタリス「詳しいことは明朝に。今はゆっくりとして、回復することだけを考えてくれ。」ーーーーーーーーーー山頂、祠近辺--------一人何度も何度も、ルチア・ベルの中に精を吐き出す勇者。取り敢えず一度満足したところで、「皆に聞いておいてほしいことがある。今回の任務だが、実はここで終わりではなくこの先がある。」「この先ですか?もう少し行けば、魔国の領地に入ってしまいますが…」「ああ、分かっている。その魔国の防御態勢を調べて来いとの王様のご下命だ。」「魔国の防御体制ですか?なぜそのようなことを?魔国と人間国は友好関係のはずですが?」少し離れたところで、身支度を整えながら話を聞いているルチアとベルは顔を見合わせて、まだ続くのかとうんざり顔に。「さあ、それは私にもわからん。(魔国に攻め入る準備の為とか言えないだろうが(笑)防御が手薄なようだったら、一人で攻め入っても構わんとか王様は言ってたな……)」「そうですか、分かりました。では先もあることですし休みましょう。最初の見張りは私がしますから、勇者様は休んでください。」「そうか悪いな。ではベル向こうで休むとしよう。」休むとは口ばかりで、木陰でまた一戦楽しもうと考えている勇者メルヒル。〘ヨハンセン様・リルベル様、ハイルです。勇者めの本当の狙いが分かりました。〙〘おぉ、ハイルご苦労。ちょっと待ってくれ……〙何やらしている様子のヨハンセンだったが直ぐに〘メルヒルめの様子はどうだ?もう肉欲の虜か(笑)〙〘えぇ、自分はルチアかベルに突っ込んで、尻穴を私に侵されてよがり狂っております。そんな事より勇者めの本当の…〙〘魔国の防御態勢を調べるんだろ。防御が手薄なようだったらその足で攻め入るかもな(笑)〙〘ご存じでおいででしたか。それなら早く防備を固めて…〙〘いや、逆に手薄にして誘い込む。それで魔王が討たれようものなら…〙〘そ…そんな御父上様を勇者なぞに討たせるつもりですか?〙〘そうかハイルは知らなかったのだな。先日の魔の子村での勇者の蛮行時に、二匹の子猫を拾ってな。〙〘それが何か?〙〘その二匹というのが、サマエルとジギタリスだったのだ。サマエルとジギタリスの話によれば、叔父上が父上と母上を幽閉して、サマエルとジギタリスを猫の姿に変えて追放、魔王の座を掠め取ったとのことだ。〙〘〇〇様がそのようなことを……〙
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