イメプレ

＜そうですね。お言葉に甘えて、甘えさせていただきますね（ぎゅっ＞


何の夢を見たのかは覚えていない。
しかし嫌な夢を見た後みたいに鼓動が早くなっているのを
自分で感じる鈴香。


「･･･！」

セバスチャンを傍の椅子に置き、
貴方の声の方に進むと、廊下で貴方に会い、そのまま無言でぎゅっと抱き着く。

声も出さず、顔も隠してただ抱き着いている。

《もしかして今日はお休みだったかな？朝から慌ただしくて鈴を一人にしちゃってごめんね。ギュッ。》

書斎からリビングに向かうところで鈴香と会えば抱き着いて何も言わないが力が入っている事が分かる。

『怖い夢でも見たかな？ごめんね。セバスチャンに起きそうになったら教えてって頼んどいたけど一緒に寝ちゃったみたいだね。』

片手を鈴香の背中に回し片手は頭を優しく撫でそのまましばらく何も言わずにいてから。

『少し落ち着いたかな？ホットミルクかココアを作ろうか？もちろん一緒にだよ。鈴は牛乳を冷蔵庫から出してくれるかな？』

もちろん鈴香の返事があるまでは抱き付かせたまま動かないでいる。

＜お休みだったので、ずっと欲しかったケンタッキーのムーミン小鉢目当てで
ケンタッキーに行ってあとはのんびり？＞

優しく頭を撫でて、身体全体を包み込むように抱きしめてくれる貴方。

「･･･」

貴方の声には答えずに、パタパタと掛けていき、
貴方の書斎の椅子にちょこんと三角座りで腰掛ける。

頬を膨らましてはいないが、少し拗ねている様子。


（あれ･･･恭･･･）

拗ねて見せたかっただけで本当はくっつきたい甘えん坊なので
すぐに寂しそうにしている。

《じゃあ、のんびり過ごせた感じで少しリラックス出来たのかな？ムーミン、可愛いよね(*^^*)》

頭を撫でた手からスルリと抜けて鈴香は書斎に走っていって椅子に座る。その様子を見て少し拗ねた感じ取り。

『すーず、甘いメイプルシロップと生クリームを添えたホットケーキを超マッハで付けるけどどうかなぁ？』

静かに鈴香が座ってる椅子の前に行くと。

『捕まえた。もう離さないぞ！お姫様抱っこしてリビングまで行くのをプラスするけどどう？』

しゃがんで鈴香に目線を合わせると、おでこをピタッとくっ付けて聞いた。

＜のんびりでした。
ムーミン可愛いですよね。色も選べないだけど、鈴が欲しかった限定色？の紫が当たったの＞

「缶詰の桃も乗っけていい？」

そう言ってまるで条件の様な事を言いながらも
既に横抱きにされるべく、貴方の首に腕を回している。

微笑ましく思いながら抱き上げてくれる貴方。

寝起きに感じた不安や暗い気持ち。
それが原因で早くなっている鼓動に気づかれないように
心配を掛けないようにと思いながら身をゆだねる。