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密かな楽しみ~孝史と香奈~ 総合
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:痴漢 官能小説   
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1:密かな楽しみ~孝史と香奈~ 総合
投稿者: 自治厨
ここに続編とかレスしてもらえると、文句も出ないし、待ち望んでる人も喜
ぶ。
というわけで、いままでのを全部レスに入れときます。
 
2009/04/09 02:05:36(fb/4vYbM)
22
投稿者: 自治厨
【21】
「よし。終わった。ミスもない。図面も全部そろった。」
孝史はA4版の文書の束を両手で縦に持つと、机の上でトントンと軽く叩い
て端をそろえてからクリップで挟み、図面をファイルに閉じて文書と一緒に
課長の机に置いた。
「これで訂正終わり。」
孝史はその場でホッと息をつくと背伸びをして社内を見回した。
天井の明かりは消され、まだ残業している何人かの社員が各々のブースの卓
上灯を頼りに仕事をしている。
時刻は7時を過ぎていた。
『さて・・帰るか。』

孝史は椅子に掛けたスーツを羽織ると、ブースの壁に吊られている薄手のコ
ートを腕に掛け、ネクタイを少し緩めてから鞄を持ち、まだ残業している他
の社員に挨拶して部屋を出た。薄暗い廊下を歩いて階段を降りると裏口から
駐車場に出ると、辺りの喧騒が薄暗い空間に鳴り響いていた。
裏口のすぐ手前に停めていた車に乗り込むとシートに深くもたれかかり、フ
ロントガラスから見える薄暗い空を見上げ深い溜め息をつく。
やるべき量の仕事を終わらせた満足感は、これから帰る家の事を考えると、
風船が萎むように小さくなっていき、代わりに深い憂鬱がどんよりとした暗
闇のようにジワジワと心の中に広がってくる。
『結論をださねばならない。』
昼間の村田の言葉を思い出し、孝史は両手で顔を覆い目を瞑った。
『何も考えたくない・・・。この陰鬱な気持ちを晴らしたい・・・。』
シャツの胸ポケットを探り煙草を取り出した。が、空だった。
「くそっ!!」
空の煙草の箱を雑巾を搾るように捻ると、助手席の床に投げつけた。
『だめだ。イライラが止まらない・・。頭がどうにかなりそうだ。普通じゃ
ない・・・。』
孝史は、ハンドルを握り大きく深呼吸をするとエンジンを掛け駐車場を出て
行った。

市街地と住宅街を結ぶ国道に入る前にコンビニがある。孝史は煙草を買うた
めに立ち寄った。
煙草を二箱買うと、雑誌のコーナーに立ち寄り、棚に置かれている週刊誌を
パラパラと捲った。
字がぼやけて見える。
焦点が定まらないようだ。
上を向いて疲れた目をこすると目の前の窓から外を眺めた。
目の前を紺色の制服を着た少女が通り過ぎて行く。
ショートの黒髪で割と色白な肌。少し細めの奥二重の目。小さく小高い鼻。
薄い唇。決して美人では無い。が、知的で端正なその顔からは、恐らくは誰
もが感じるだろう独特な雰囲気を漂わせている。
『・・・あの子だ・・。』
孝史は通り過ぎて行く少女に魅入られた。
その少女を見たのはこれで三度目だ。
一度目は、その少女は孝史の自慰行為を覗いていた。
二度目は、買い物に出た孝史の車の前を通り過ぎていった。
過去の二度の出会いは一瞬のものだったが、今はその少女をじっくり見る事
が出来た。
『何故だろう・・美しい・・・。』
孝史はその少女の独特な美しさに魅入られながら運命的なものを感じた。
孝史の足は無意識に外に向かって歩き出し、店を出ると、その少女の後をつ
いて行った。



晩秋の夜の空気は冷たく乾燥していて、夜空の星を鮮明にし、月明かりが夜
道を照らしている。
時折通り過ぎる車の音も、遠ざかっていくと辺りの静けさを引き立たせるだ
けで、遠い間隔で光を放つ街灯と月明かり以外は周囲に光は無く、静かで暗
い夜道。
民家もなく、コンビニもなく、人気もない、市街地と住宅街を結ぶ1キロほ
どの薄暗い国道を歩く少女。
その10メートル程後ろを音を発てずについて行く孝史。

紺色のブレザーにそれ程短くないスカート。そこから伸びる健康的な白い
足。肌より僅かに白いハイソックスが薄暗い空間を前後に動いている。
肩掛けの鞄を下げ、左手にバッグを持ち、時折吹く風にスカートが揺れると
右手でお尻を押さえている。
少女の後ろ姿を見つめながら孝史は不徳な行為への衝動にかられはじめてい
た。
いや、この少女をコンビニで見た時から、あるいはもっと前からすでに考え
ていたのかもしれない。

前方の左側に広場が見えた。宅地にする予定で整地された広場の隅には三坪
ほどの小屋が置いてある。
孝史は少女との距離を縮め始めた。
7メートル・・・4メートル・・・1メートル。少女に手が届く距離になっ
た。

「ねぇ。キミ。」
孝史はそう言って少女の左肩をポンと叩いた。

「ひゃっ!!!」
少女は驚いて小さな声をあげると、ビクッと体を震わせて振り向いた。
その顔は驚きと恐怖でひきつっている。今にも逃げ出そうとする少女に、孝
史はなるべく優しい声で言った。
「あのさ、間違ってたらゴメンよ。キミさ、この前・・この道の途中で停ま
ってた車の中を覗いてなかった?」
「・・・!!!」
少女はその言葉にハッとして、孝史の顔を見るとさらに驚いた顔をして手に
持ったバッグを落とし両手で口を押さえた。
「やっぱり。キミだったんだ。なんで覗いてたの?」
少女は、両手で口を押さえたまま首を振っている。
「え?なに?」
少女の口から何か発せられたような気がして聞いた。
「・・・なさい・・めんなさい・・ごめんなさい・・。」
少女はしきりに謝っている。
「ちょっとこっちに来て。」
孝史は少女の手を掴み、広場の方へ連れて行こうとした。
少女は一瞬抵抗するように足を踏ん張ったが、少し強く引っ張ると力が抜け
たようにフラフラと歩き出した。
広場の隅にある小屋まで連れてくると、孝史は少女の手を掴んだまま小屋の
ドアノブを回した。
ドアはすんなり空いた。
少女の手を引っ張り小屋の中へ入ると後ろ手にドアを閉め中を見回す。
小屋の中は道路の街灯の明かりが僅かに差し込みぼんやりと薄暗い。何も置
いてなく、意外にも綺麗にしてあった。恐らく、工事業者が仮設事務所とし
て使用する為一時的に持ってきたのだろう。
孝史は少女の手を掴んだまま顔を見た。
少女は左手でバッグを胸の前に抱き、うつむいている。突然の出来事にどう
していいのか解らず、声も出せないようだ。
孝史は少女を引き寄せ、後ろに回ると右手で胸を鷲掴みにし、左手で腹部を
押さえ逃げられないようにした。
「いやっ・・やめて・・くだ・・さい・・。」
少女は小さな声で懇願したが、孝史はかまわず右手で小ぶりな乳房を愛撫し
始めた。
少女は身をよじって抵抗するが、その力は弱く、孝史のなすがままだった。
左手を腰に回したまま、右手でシャツのボタンを外し中に滑り込ませ下着の
上から握り込むように乳房を揉み、スラックスの上からもその膨らみが解る
ほどに勃起した股間を少女のお尻に押し付け腰を動かす。
少女は孝史の腕を引き離そうと握っているが殆ど力は入っていない。
孝史の手が少女のブラジャーの中へ侵入し、その先の突起を探り当てた。そ
の突起を指の間に挟み乳房を愛撫する。
「心配しなくていいよ。最期までするつもりは無いから。だから大人しくし
てるんだよ。」
そう少女に呟くと、孝史は左手を少女の腰から離し、スラックスのジッパー
を下ろすと中からはちきれんばかりに反り返ったペニスを取り出した。そし
て右手をブラジャーから引き抜くと少女のスカートをたくしあげ、ストライ
プの下着の中に前から手を滑り込ませた。
薄い恥毛の奥に指を這わせると、割れ目に指をねじ込み突起を触った。
少女の陰部は僅かに濡れていた。
孝史はクリトリスを集中的に愛撫する。
少女の腰が指から逃れようと前後に動く。
孝史は左手でペニスを握ると少女の下着の股間にあてがい腰を振り始めた。
柔らかい太ももと暖かい下着の股間の部分にこすれて孝史は鋭い快感を覚え
た。夢中で腰を振り、少女の股間にペニスをこすりつけ右手でクリトリスを
左手で乳房を愛撫する。
少女は諦めたように抵抗をやめ、ただされるがままになっている。
孝史の腰の動きが速くなった。
少女はその変化に気付き、これから起こることを察したのか身をよじって孝
史のペニスから逃れようとした。
その時、孝史の動きが止まり、ペニスの先端から大量の精液が噴き出した。
飛び散った精液は少女のスカートの裏側や下着の股間の部分、白い太ももに
かかり、床へしたたり落ちていく。
孝史は少女から体を離すと急いでペニスをしまい、小屋から飛び出し走り去
っていった。

少女はその場にヘナヘナと崩れ落ち呆然と宙を見つめていた。

09/04/09 02:16 (fb/4vYbM)
23
投稿者: 自治厨
【22】
香奈は、薄暗い空間をただ呆然と見ていた。
髪は乱れ、ブレザーは肩からずれ落ち、ネクタイは辛うじて首から垂れ下が
り、シャツははだけて中から白い胸元と下着が覗いている。
座り込んだ床と股間や太股の間には生暖かいヌメリがあり、それは段々と冷
たくなってきた。
『なんで・・どうして・・・なに?・・なんなの・・?』

何故こんな目に遭わなければいけないのか?
自業自得なのか?
あの男の自慰を覗いたから?
だから体を触られたのか?
だからこんな恥辱を受けたのか?

ちがう。
理由なんて多分無い。
自分はただ単に、ただ単純に、痴漢されたのだ。

香奈は自分の身に起こった出来事を恐怖と嫌悪感で混乱しながら考えた。
放心していた香奈の意識は少しずつ現実に戻り始め、それに比例するように
深い悲しみと悔しさが沸々と沸いてきた。

『そうだ・・・あたしは痴漢されたんだ・・・あの男の人から・・体
を・・・。』

不思議と涙は出なかった。
それは、最後の一線を越えずに済んだ事と、男から解放された安堵感の為だ
ろう。

香奈は、鞄からティッシュを取り出すと静かに立ち上がり、スカートを脱い
で唇を噛み締めながら精液を拭き取った。
下着は脱いだ。精液を拭き取っても、それが付着していた事に嫌悪を抱いた
為だ。
スカートを履き直し、部活の短パンを履いてからシャツのボタンをとめ、ネ
クタイを直し、髪を整え、荷物を持って薄暗い小屋を出ると、しんと静まり
返った夜道を急ぎ足で歩き始めた。



家に帰った香奈は、すぐに風呂に入り、肌を削り取るように丹念に洗った。

台所のテーブルの上に夕食が用意されていたが、食べなかった。食べたくな
かった。食欲なんて沸くはずがない。
自分の部屋に入ると、ロフトに上がり布団に潜り込んだ。
通夜から帰ってきた両親にどうしたのかと心配されたが、
「何でもない。疲れただけ。」
と言って追い返した。
ホントの事を言えなかった。言えば警察沙汰になるだろうし、とても恥ずか
しくて言えない。
『ああ・・・こうやってレイプされた人達は泣き寝入りするのか・・・。』
ふと、そんな事を思った。
ネットや本や兄のAVでレイプ物を見たことがある。だが、あれは芝居だと簡
単に解る。確かに、そういうシーンを見ながら、妄想しながらオナニーした
事はある。だが、まさか、まさか現実に自分が襲われるなど考えたこともな
かった。

『自分はまだマシだっのかも知れない。あの状況なら犯されたっておかしく
なかった。』
そう思ったが、それは香奈の心の傷を癒やす程の効果はなかった。
今まで誰にも触られたことなど無い。
いつかは好きな人が出来て、そのうちセックスをする事になるのだろうと漠
然とイメージをしていたが、まさかこんな形で他人に触られる事になるなん
て予想もしなかった。
香奈の体には、まだあの男の指と熱く固いペニスの感触が残っていた。
その感覚を嫌悪した。
汚いものを塗りつけられたような気がして一刻も早く忘れたかった。
『悔しい・・・。』
ようやく香奈の目から涙が零れ落ちた。
『こんな風に他人に触られるなんて・・・。知らない人にあんな事されるな
んて・・・。あの指が・・・あの男の人のアソコが・・・中村君のものだっ
たら・・・。』

香奈は自然に中村の顔を思い浮かべていた。
しかし、何故中村を思ったのかは考えなかった。
それが中村に対する自分の気持ちだと言う事を理解する余裕はまだ香奈には
無く、ただ悲しさと悔しさに心を委ねる事しか出来なかった。
そして、そのうち深い闇の中に吸い込まれていくように意識が遠のいていっ
た。



携帯の鳴る音に目を覚ました。
枕元に置いたデジタル時計は0時22分を表示している。
香奈は布団から腕を出し枕元を探った。
『あ・・制服のポケットに入れたままだった。』
香奈は、のっそりと起き上がり、布団から出るとロフトから降りて部屋の壁
に掛けた制服のポケットから携帯を取り出した。
『・・メール・・?紗耶香からだ・・・。』
香奈は暗闇で携帯を開けメールを開いた。

-from紗耶香-

今日はゴメンナサイ・・・。なんだか具合悪くて・・生理だったし。イライ
ラしてて・・・。ホントにゴメンナサイ!!
香奈にヒドいことしちゃったってスゴい後悔してる・・・。
お詫びと言ったらアレだけど・・明日さ、お昼一緒に食べよ?アタシ香奈の
分までお弁当作ってくるから!スゴい美味しいご馳走作ってくるから!

だから

だから

お願い

キライにならないで・・。




「・・紗耶香・・気にしてたんだ・・。」

香奈の心に刺さっていた棘が1つ抜けたような気がした。が、当然、香奈の
心が晴れる事は無かった。
今は何も考えたくなかった。
香奈は携帯を閉じると机の上に置き、またロフトに上がると布団に潜り込み
目を閉じた・・・。
09/04/09 02:17 (fb/4vYbM)
24
投稿者: 自治厨
【23】
『俺は・・・なんてことを・・・。』
コンビニに停めた車に戻った孝史は激しい後悔に苛まされていた。
あの少女に恥辱を与えた後、走ってここまで戻ってくる間に冷静さを取り戻
した孝史は、自分のしたことの重大さに気付き頭を抱えた。
あの行為は犯罪だ。もし、少女が警察に行けば、そのうち自分は逮捕される
だろう。少女は自分の顔を見た。車だって知っている。見つかるのは時間の
問題だ。
そして何より孝史を激しい自己嫌悪に陥らせるのは、孝史が与えた少女への
恥辱は、あの少女に大きな傷を負わせたに違いない事だった。
孝史には子供がいる。
上の子は五歳の女の子だ。
あの子がもし、少女と同じくらいの歳になった時、孝史が少女に与えたよう
な恥辱を受けたならば・・・。
そう考えると孝史の胸は張り裂けそうになり、気が狂ったようにハンドルに
頭を打ち付けた。



家に帰った孝史は家の明かりが点いていない事に気がついた。
まだ9時前だ、陽子が寝るには早い。

玄関の鍵は閉まっていた。孝史は車のキーにつけた家の鍵を玄関の鍵穴に差
し込み、中へ入った。

家の中は真っ暗で、誰もいない。

キッチンにも居間にも陽子の寝室にも、二階にも、誰もいない。
『実家に行っているのだろうか・・。それとも・・・・。』
孝史は、実家に電話してみようと思い、階段を降りて居間に行き受話器を取
ろうとした。
『あれ?留守電が入ってる。』
電話機の留守ボタンが赤く点滅している。
留守電を聞こうとボタンに指を伸ばした瞬間、呼び出し音が鳴った。

「・・・もしもし、本田ですけど・・。」
孝史は受話器を取り無表情に言った。
「あーもしもし、東浜警察署ですが・・。」
『・・警察!!まさか・・・もうバレたのか!?』
孝史の心臓は口から飛び出しそうな勢いで動きだし、受話器を持つ手が震え
ている。
「あのー、御主人でしょうか?」
『やっぱり!!・・もうお終いだ・・逃げられない・・。』
孝史は観念して答えた。「はい・・わたし・・ですが。」
「あー良かった。ご帰宅されましたか。いやー昼間からずっと掛けてたんで
すよ。」
電話の向こうで警察官は安堵の声を出している。
『・・昼間?何かおかしい。なんのことだ?さっきの少女の事じゃ無いの
か?』
孝史は疑問に思い、それとともに多少の安堵を感じた。
が、警察が一体なんの用事なのだろうと新たな不安が頭をよぎった。
「実はですね。奥さんがちょっとした傷害事件を起こされましてね。御主人
に連絡を取りたかったのですが、奥さんが御主人の携帯や勤め先を教えてく
れないんですよ。いや、勤め先ぐらいは調べればわかるんですがね。電話す
るのはあんまり良くないと判断しましてね。御主人が帰宅されるのを待って
たんですよ。それで・・申し訳ありませんが、ちょっとこちらまで来ていた
だけませんか。」
『・・なにを言っているのだろう・・・?』
孝史にはこの警察官が言っている事が理解できなかった。
『傷害事件?陽子が?なんで?どういう事だ?』
孝史は混乱し、受話器の向こうの警察官に聞いた。
「ちょっと待って下さい!一体何が・・陽子が何をしたんです!?」
「ああ。すみません。うまく説明できませんでしたか。えーとですね、電話
ではちょっとアレなんですが、まあ、つまりですね、奥さんが女の子を殴っ
ちゃったんですよ。で、通報を受けた我々が保護したんです。あとは、署の
方で説明しますので。」
「・・はい。解りました。今から伺います。」
孝史には信じられなかった。
なぜ陽子が人を殴ったりしなきゃならない?
女の子?なんで女の子を殴るんだ?仕事のトラブルか?
孝史は次々に湧き出てくる疑問を抱えながら警察署に向かった。


「あー本田さん、すいませんね。わざわざご足労願いまして。」
受付で待っていた孝史を眼鏡を掛けた中年のやや小太りの警官が出迎えた。
警官は、孝史を応接用のテーブルに案内し、分厚いパイプファイルと何枚か
の書類を置いて座った。
「一体何をやったんでしょうか。」
「えー。ちょっと事情が複雑なんですが、私共が調べた分でご説明します
ね。どうぞお掛けになってください。」
警察官は立ったままの孝史に座るよう促した。
「えー、まず事件の経緯を説明します。本日午前10時40分頃、東浜町渕
上のコーポ東浜の住人から通報がありまして、現場に行ったところ、このア
パートに住む神村明宏さんの部屋で奥様と白坂由美さんという16歳の少女
が揉み合いになっておりまして、駆けつけた警察官に保護されました。事情
を聞きますと、奥様が神村さんの部屋を伺った際に、白坂さんが部屋にいる
のを見て口論となり奥様が掴みかかったらしく、少女の顔に全治一週間の怪
我を負わせたということで署に同行願いました。以上がこれまでの経緯で
す。」

淡々と話す警察官の説明を聞いた孝史は、しばらく言葉が出なかった。
警察官は孝史が落ち着くのを待つように黙って孝史を見ている。
「あの・・それで、相手の女の子は・・。」
孝史は多少落ち着きを取り戻し顔を上げると恐る恐る聞いた。
「昼間の内に親御さんが迎えに見えられました。何でも友達の家に泊まると
言って昨日から家に帰ってなかったそうです。それと、まあ事情が事情なだ
けに大事にしたくないと言う親御さんの意向で、今のところ告訴や慰謝料の
問題は無いようです。」
「そう・・ですか・・。それで・・陽子は・・。」
「別室でお待ち頂いています。一応今回は被害者の方の意向も御座います
し、事件性も無いですから調書だけとらせて頂いて、後は帰られて結構です
ので。」
「そうですか・・。どうも御迷惑をお掛けしました。」
「いえ、私共は仕事ですから。それより御主人、気を落とさないよう。」
警察官の言葉に胸が締め付けられた。
これまで陽子の浮気の件で結論を出せずに悶々とした日々を送っていたが、
まさかこういう形の結末になるとは思いもしなかった。

別室にいた陽子は別の警官に連れられて出てきた。
俯き、肩を揺すって泣いている。
陽子は、顔を上げ真っ赤に腫らした目で孝史を見ると、また俯き嗚咽をもら
した。
「子供達は・・?」
孝史は肩を揺らし涙を流す陽子を見ながら小さな声で聞いた。
「実家に・・・あなた・・ごめんなさい・・。」
陽子は俯いたまま答えた。
「もう・・いい・・帰ろう。」
孝史は警官に頭を下げると陽子の背中を軽く押して警察署を出た。


家に帰る車の中でも陽子は泣き続けた。
孝史は黙って運転しながら、二つの決断をした。
一つは、もう一度陽子と話し合い、子供達が大きくなるまでは離婚はしない
こと。
もう一つは、これは孝史の人生を左右しかねない決断だが、あの少女を探し
出し謝罪すること。その結果、社会的な責任をとらねばならなくても、甘ん
じて受けること。

もう、全てを解決し陰鬱な気持ちを晴らして生きていきたい。
孝史は、窓の外に見える街の景色を見ながら覚悟を決めた・・・。
09/04/09 02:17 (fb/4vYbM)
25
投稿者: 自治厨
【24】
『学校・・・行きたくないな・・・。』
目を覚ました香奈は、天窓から差し込む朝の日差しが布団から飛び出た自分
の手の平を照らすのを眺めながら呟いた。
雀の鳴く声。
表の路地を通り過ぎていく車の音。
その音に吠える隣の家の犬の声。
いつもの朝。
何も変わってない。変わるはずはない。
例え自分が痴漢に遭っても、世界は変わらない。
でも、体が重い。頭も痛い。昨日ほどのショックは無いが、鬱な気分。

『・・休もう・・。』
香奈は、もう一度眠ってしまおうと目を閉じた。

携帯の鳴る音がする。
香奈は目を開けて枕元の時計を見た。
7時52分。
恐らく、紗耶香だろう。
昨日メールを返さなかったし、自分が来るのを公園で待っているはずだ。

『・・ごめん・・今日は・・ほっといて・・。』

布団から出たくない。
ここから動きたくない。
誰にも会いたくない。
香奈は布団に潜り込み耳を塞いだ。


「香奈!起きなさい!遅刻するわよ!」
母親が部屋のドアを開けて怒鳴っている。
「・・・具合悪いから・・休む。」
香奈は布団から顔を出さずに答えた。
「どうしたのよ。熱でもあるの?」
そう言いながら、母親がロフトの階段を上がってきた。
「そうみたい・・頭が痛いの。」
「熱、計ってみようか?病院行った方がよくない?」
母親は香奈のベッドの脇に座ると、心配そうな声で聞いてきた。
「いい・・・。」
香奈は布団に潜り込んだまま答えた。
「何かあったの?ご飯も食べてないし。学校で嫌なことあったの?」
「ちがうよ。ほんとに具合が悪いの。」
「だったらいいけど・・。お父さんもお兄ちゃんも仕事に行ったし、お母さ
んも仕事だから・・1人で大丈夫?」
「うん・・寝てたら治ると思うから・・。」
母親は立ち上がると弁当を台所のテーブルに置いているからと言って、部屋
を出て行った。

『何も考えずに、ただ眠ろう、眠ってしまえば嫌なことなど思い出さずに済
む。』
香奈はそう思って目を瞑ると、深い沼に沈みこむように眠りについた。



どのくらい眠ったろう。
頭がボーッとする。
香奈は布団から顔を出し時計を見た。
12時48分
『・・お腹・・空いたな。』
昨日の夜から何も食べていない。
流石に空腹感が襲ってきた。
『何があったって世界は変わらないし、お腹は空くものなんだな・・。』
自嘲するように呟くと、ベッドの上で体を起こした。
髪がボサボサになっているのがわかる。
少し汗もかいたようだ。
香奈は立ち上がると、ロフトの階段を降りて部屋を出ようとした。
ふいに携帯の鳴る音がした。
机の上で携帯が光っている。
香奈は手にとって開いてみた。
「メール・・紗耶香からだ・・・やだ・・いっぱい入ってる。」

携帯の待受画面の隅にあるメールアイコンの横には数字の5が表示されてい
た。
香奈は中身を開いてみた。

7時51分
香奈が来ないのを心配したメールだ。
8時5分
先に行くというメール。9時45分
今日は休みなのかというメール。返事をしてと書いてある。
11時28分
何かあったのかと心配しているメール。どうして返事をくれないのかと書い
てある。
12時55分
窓の外を見て・・と書いてある。

「・・窓の外?って・・まさか・・。」
香奈は部屋の窓のカーテンの隙間から外を覗いてみた。家の前の路地をトラ
ックがゆっくりと通っている。トラックが通り過ぎた後、向いの家の塀にも
たれかかり胸の前に両手でバッグを抱いて立っている紺色の少女が見えた。
『・・・紗耶香!!』
香奈は慌てて窓を開けた。
紗耶香は、ゆっくりと、まるで電池が切れかかったオモチャのようにゆっく
りと顔を上げて香奈を見た。
寂しそうな笑みを浮かべて香奈を見ている。
香奈は部屋を飛び出すと急いで階段を降りて玄関を開けた。
「・・どうして・・学校は?」
「・・抜け出して来ちゃった・・。」
紗耶香は下を向いて苦笑いを浮かべながら答えた。
「はい。お弁当。・・もしかして・・もうお昼食べちゃった?」
そう言いながら紗耶香はバッグから大きめの弁当箱を取り出し香奈に差し出
した。
「・・ごめん・・紗耶香・・メール・・返さなくて・・ごめんね。」
香奈の目に涙が溢れてきた。
誰にも会いたくなかったのに、誰とも話したくなかったのに、紗耶香の顔を
見たとたんに堰を切ったように心の中が安堵で満たされ、嬉しさで涙が溢れ
てきた。
「なに泣いてんのよ・・・。泣きたいのはこっちだよ・・。」
紗耶香は優しく微笑みながら言った。



「美味しい!!でも・・たくさん作ったねぇ。食べきれるかなぁ。」
香奈は紗耶香を自分の部屋へ入れるとロフトに上がってテーブルを用意し紗
耶香が作ってくれた弁当を広げ一緒に食べ始めた。
「昨日の夜ね、香奈に誤ろうと思って買い物に行って、今朝早起きして作っ
たんだよ。アタシ結構料理得意なんだ。」
紗耶香は弁当を頬張る香奈を嬉しそうに見ながら言った。
「すごい美味しいよ。お腹空いてたし。」
満足そうに紗耶香の作った弁当を食べていた香奈は、そう言うと急に箸を置
き、紗耶香を見た。
「ごめんね、紗耶香。メール返さなくて。心配かけたよね・・・。」
「いいよ。アタシこそ謝らなくちゃ。ごめんね。香奈に・・あんなこと・・
しちゃって・・アタシどうかしてたんだ。ねえ、それより香奈、どうした
の?急に学校休んじゃって。アタシがあんなコト言ったから?」
紗耶香が不安そうに香奈の顔を覗き込む。
「違うよ!・・・ちょっと・・・具合・・悪くて・・。」
昨日のあの出来事、あの男から痴漢されたことなど言えない。もう忘れた
い。
香奈はそう思い、本当の理由は話さなかった。
「ほんとに?・・大丈夫なの?」
「うん。もう平気。さっきまで寝てたから治ったみたい。」
香奈は心配そうな顔をしている紗耶香に笑顔で答えた。
「良かったぁ。アタシ・・香奈に嫌われたかと思って・・。って言うか、
髪、ボサボサだよ?」
紗耶香は、まだパジャマのままで寝癖のついた香奈の姿を見て微笑みながら
言った。
「あ・・・。」
香奈は両手で頭を押さえ、しきりに手ぐしを入れながら照れ笑いを浮かべ
た。
二人はお互いの気持ちのすれ違いを少しずつ直すように話をしながら遅い昼
食をとった。

「ねぇ、香奈。最近さ・・中村君と仲良いよね・・。」
ふいに紗耶香が聞いてきた。紗耶香は、香奈の隣で背の低いベッドに腰掛け
膝を抱えて俯いている。
「うーん。仲良いって言うか、ほら、紗耶香のコトでさ、話しかけられてか
らだんだん話すようになったくらいで、仲良いってワケじゃ・・。」
香奈は照れ笑いを浮かべながら答えた。
「・・そう。なんかさ、一緒にいるとこ結構見かけたしさ・・その・・好き
なのかなぁって・・。」
紗耶香のその言葉に、香奈は心臓が大きく波打ったように感じた。
『あたしが・・中村君を・・好き?』
香奈は昨日の夜、あの忌まわしい出来事の後、あの痴漢の指が、股間に感じ
た熱く固いモノが中村のものだったら、と考えた事を思い出した。
『あたし・・中村君のこと・・考えてた・・。あたし・・好き・・なん
だ・・好きになっちゃったんだ・・。』
ようやく香奈は自分の心に芽生えていた恋心に気付いた。ここ最近の僅かな
やりとりではあったが、香奈は中村に心を惹かれていた。
人は、とりまく環境と僅かなキッカケがタイミング良く重なった時、簡単に
恋に落ちる。まさに香奈は今、紗耶香の言葉で確信した。
「そう・・みたい・・あたし・・。ははっ、おかしいよね・・紗耶香が振っ
た人好きになるなんてね・・。」
香奈は、両膝を抱えながら紗耶香を見た。
しかし、紗耶香は俯いたまま動かない。肩まで伸びた髪が紗耶香の横顔を隠
している。
「どうしたの・・紗耶香?」
香奈は紗耶香の肩に手を伸ばし、そっと触れたが紗耶香は俯き、膝に顔を埋
めたまま動かない。
「ねぇ・・どうしたの?紗耶香・・。」
そう言いかけた時、紗耶香は顔を上げ香奈の方を振り向いた。その顔には表
情が無く、虚ろな目をしていた。
「・・解ってたよ・・多分香奈は・・中村君の事好きになるんだろうっ
て・・中村君と話してる時の表情が違ったもん・・でもね・・・でも
ね・・。」
虚ろな眼差しで香奈を見て話していた紗耶香は、突然香奈に覆い被さるよう
に抱きつき、そのままベッドに押し倒した。
香奈は突然の事に驚き、呆然としながら間近に迫る紗耶香の顔を見た。
「でもね・・でもね・・好きなの・・好きなの・・香奈・・。アタシ香奈が
好きなの。」
紗耶香の虚ろな目から涙が零れ、香奈の頬を濡らした。
「・・紗耶香!?」
香奈は紗耶香の言葉がうまく理解できず、ただ呆然と紗耶香の顔を見つめな
がら零れ落ちてくる涙の温度を感じていた。
「・・香奈・・ごめんね・・。」
その言葉と同時に紗耶香の顔が近付いてくる。紗耶香の髪が香奈の耳をかす
めた。
そして唇に温かく柔らかい感触を感じた。
紗耶香の唇は香奈の唇に優しく触れ、そして上下の唇を交互に包むように何
度も触れる。
香奈は紗耶香の言葉と今起きている事がまだ理解できずにいた。
と、香奈の唇の間を柔らかく温かいものが侵入してきた。それは香奈の舌に
届き、その感触を、その反応を確かめるように滑らかに動き出した。

『・・キス?・・紗耶香?・・どうして?・・いや・・へんだよ・・やめ
て!』

香奈は唇を吸われ、その感触と覆い被さる紗耶香の重みを感じながら、この
異常な出来事を拒否しはじめた・・・。
09/04/09 02:18 (fb/4vYbM)
26
投稿者: 自治厨
【25】
『いや・・やめて・・お願い・・紗耶香・・やめて!』
香奈は心の中で叫び、紗耶香の肩に手を掛け、力を込めて体を引き離すと仰
向けのまま横を向き紗耶香の唇から逃れた。
「やめて・・おかしいよ・・こんな・・あたし・・・。」
香奈は紗耶香の肩から手を下ろすと、布団の表面の布地を握り締め、横を向
いたまま小さな声で呟いた。
一瞬の沈黙の後、香奈の顔の両側に手をつき馬乗りになっている紗耶香が抑
揚のない小さな声で喋り始めた。
「・・好きなの・・ねぇ香奈・・好きなの・・ほんとに・・ほんとに・・ほ
んとに・・好きなの・・・ツラくあたったのも・・具合が悪かったんじゃな
い・・生理なんかじゃなかった・・ほんとに・・好きでたまらないの・・・
こんなに・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好き
で・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好
きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・好きで・・
好きで・・・。」
まるで、壊れた機械の様に同じ言葉を繰り返す紗耶香を香奈は横目で見た。
その顔は、感情をどこかに忘れてきたように表情が無く、目は虚ろで焦点が
合っていない。淡い色の僅かに塗れた唇が規則的な動きをしながら、白い頬
の両側を涙がつうっと走り、途中で水滴を作ったかと思うと、香奈の左の頬
に落ちてきている。
ふいに紗耶香の目尻が少しだけ下がり、虚ろなままの目に笑みが浮かんだ。
紗耶香は、香奈の耳に僅かに触れるくらいに顔を近づけると、無表情な、し
かし小さく優しい声で囁いた。
「アタシ・・知ってるんだよ・・香奈が・・教室でしてたこと・・。」

耳に僅かに紗耶香の唇の感触を感じながら、その言葉を聞いた香奈は絶句し
た。
『見られた!?見られてた!!』
香奈は、あの時の行為、誰にも見つかるはずのなかった教室での甘美で背徳
の自慰行為を紗耶香に見られていたことを知り、血の気が引くような感覚と
共に全身がこわばっていくのを感じ、恥ずかしさのあまり両手で顔を覆っ
た。
『恥ずかしい!・・見られてたなんて・・そんな・・あんなとこを・・ヒド
い・・言わないで・・!』
横を向いたままの香奈の目からは涙が溢れ、目の縁を通ってこめかみにつた
い、布団を濡らしていく。

「・・アタシ・・香奈が何をしてても・・どんなことをしてても・・好
き・・・好きなの。香奈の為だったら何だってする・・何だってしてあげら
れる・・・ねぇ香奈・・好きなの・・誰よりも・・だから・・あんなこ
と・・しなくったっていいんだよ・・・アタシが・・してあげるか
ら・・。」

紗耶香は、香奈の両腕を掴み香奈の頭上に押さえつけ、首筋に唇を這わせ
た。
その湿った唇は、香奈の首筋から胸元へ僅かな唾液の跡をつけながら移動し
ていき、はだけたパジャマから覗く肌に到達した。
香奈は、体を這う紗耶香の唇の感触に鳥肌がたつような感覚を覚え、しか
し、その柔らかな感触は無意識に香奈の体を熱くしていく。
抵抗しなければいけないのだが、先程の紗耶香の言葉に激しい恥辱を感じ、
まだ頭が混乱して体が動かない。

乳房にに柔らかい感触を感じた。
下を向くと、パジャマのボタンは外され、下着を取られようとしていた。
紗耶香の手は、既に香奈の腕から離され、左手で香奈の乳房を愛撫しなが
ら、右手は背中に回りホックを外そうとしている。
『やめて・・紗耶香・・やめて・・お願い・・もう止めて。』
香奈は必死に心の中で懇願するが、声は出ず体は硬直したように動かない。
ホックが外され乳房が露わになった。
紗耶香はその先端に唇を這わせ、吸い付き、口の中で舌を動かし刺激する。
左手はもう片方の乳房を撫でるように動かし、時折固くなった先端に触れて
いる。
その唇と手の動きに、香奈の体は静かに反応し、柔らかな布団の布地を握り
締め、僅かに足を動かし始めた。

快感など感じていない。
感じるわけがない。
香奈は紗耶香の愛撫に嫌悪感すら抱いていた。
だが、体は意識とは関係なく感じ始め、股間から熱いものが溢れてくるのが
解る。
紗耶香は抵抗をみせない香奈の体を愛撫し続けた。
一心不乱に乳房や腋の下、腰、腹部を舐めまわし、手は上半身をまさぐり続
けている。
香奈は、ずり上げられたブラジャーで視界を半分遮られながら、自分の腹部
に唇を這わせる紗耶香を見た。
髪で隠れて表情は見えないが、顔が紅潮しているのが解る。

『!!』

下腹部に手の平の感触を感じた。
と同時に、パジャマのズボンに手が掛かり、するすると下ろされ始めた。
『いやっ!!いやっ!!』
香奈は飛び起きてズボンを掴もうと手を伸ばした。
しかし、伸ばした手は紗耶香に掴まれ、肩を突き飛ばされてベッドに転がさ
れると、信じられない程の力で片足を持ち上げられ、ズボンを引き抜かれ
た。
香奈は、驚きと恐怖に両手で顔を覆った。
紗耶香は香奈の足の間に体を入れ、右手で股間を触り始めた。
下着の上から指で陰部をなぞり上げられ、その指がクリトリスにあたる。
香奈の股間は既に濡れていて、指が割れ目をなぞる度にヌメヌメとした感触
と陰部がこすれあう湿った音がした。

気持ち良くなんかない。
なのに、股間は刺激される度に濡れそぼり、白い飾り気のない下着を汚して
いく。
太ももに唇の感触がする。その感触は段々と内側に移動し、登ってくる。
『もういや!!もうやめて!!触らないで!!そんなとこに口をつけない
で!!』

足の付け根に吐息を感じた瞬間、紗耶香の唇は股間に到達し、柔らかい唇が
下着の上から陰部を這い、固く尖らせた舌がクリトリスを刺激した。
香奈はその刺激に一瞬腰を浮かせた。
その時、香奈の脳裏に昨日の出来事が蘇った。
無理やりに体を弄られ、固く反り返った性器で股間を擦られ、精液をかけら
れた忌まわしい記憶。

「やだ!!もうやめて!!触らないで!!」
香奈は大きな声で叫ぶと、体を起こし、股間に顔を埋めていた紗耶香の肩を
蹴り飛ばした。
紗耶香はベッドから跳ね飛ばされ、床に尻餅をついた。
「いやっ!!いやなの!!あたしに触らないで!!」
香奈はベッドの上で両腕で乳房を隠しながらうずくまり叫んだ。

紗耶香は座り込んだままずるずると壁の方へ後ずさりすると、壁にもたれか
かりアンティーク人形のように無表情に両手両足を投げ出し香奈を見つめ
た。


部屋の中は静まり返り、香奈の泣きじゃくる声だけが響いている。
時折嗚咽を漏らし、大粒の涙を流す香奈を、ただ呆然と眺める紗耶香。
髪はクシャクシャに乱れて顔の半分を隠し、制服のブレザーは右肩がずれ落
ち、短いスカートは半分ほど捲れ、足の付け根から下着が覗いている。

「あ・・あ・・アタ・・シ・・ごめ・・こんな・・また・・また・・またこ
んな・・こと・・・。」
紗耶香はゆっくりと立ち上がると怯えるように急いで鞄を拾い上げ、香奈の
方を見ながら後ずさりした。
紗耶香の左足が下の部屋への階段にかかる。
「いや・・いや・・アタシ・・こんなことするつもりじゃ・・・い
や・・・・イヤァァアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!」

甲高い叫び声を上げながら、紗耶香は階段を駆け下り、香奈の家を飛び出し
ていった。

香奈は、ベッドの上にうずくまったまま泣きながら叫んだ。
「なんで!?なんであたしばっかりこんな目に遭うの!?なんで!!なんで
よ!!・・・なんでよぉ・・・。」

天窓からは夕日が差し込み、乱れたベッドを照らしていた・・・。
09/04/09 02:18 (fb/4vYbM)
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