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1:密かな楽しみ~孝史と香奈~ 総合
投稿者:
自治厨
2009/04/09 02:05:36(fb/4vYbM)
投稿者:
自治厨
【31】
「おはよう!聡美!」 久々の学校。 今日は土曜日で授業は無いけども、香奈は部活に出てきた。 いくつもの悩みは未だ解決されていないし、鬱屈した気持ちは幾分か和らい でいても、心の中は粘り着くような重たい陰鬱さが渦を巻いて香奈を暗闇へ 引き込もうとしている。 だけども、なにか行動を起こさねば変化は起こらない。 その一歩を踏み出せば何かが変わる。 香奈は今までに起こった出来事による心の傷やわだかまりを少しでも癒やす 為にも変化を望んだ。 それは自分自身の変化。 そして、自分が変化したことによる自分を取り巻く世界の変化。 行動を起こせば何かが変わる。 そう思う事で香奈の心は幾分か軽くなったような気がした。 そして、香奈が今一番望むことが、学校に来れば叶うはずだった。 「香奈!!言ったとおり出てきたんだ!!」 部室に入って来た香奈を見て、聡美が一瞬驚いた後、すぐに嬉しそうな顔を して飛びついてきた。 「みんな心配してたんだよ?何かあったんじゃないかって。でも元気そうだ ね!ホント、すごい久し振りな気がするよ!」 聡美はそう言いながら体から離れると、まじまじと香奈の顔を見た。 「・・あれ?・・香奈・・カワイイ!!髪型変えたんだ!メチャクチャカワ イイじゃん!えーっ・・ちょっと・・ヤバいよ・・カワイすぎだよ!」 「ちょっと・・やめてよ・・褒めすぎだよ・・。」 目を丸くして香奈の顔を見ながら話す聡美を頬を真っ赤に染め、照れながら 言った。 「いやホントだって!正直さ、香奈ってこんなに可愛かったの?って思っち ゃったよ。何?どうしたの?どういう心境の変化なの?」 聡美は香奈の両腕を掴んで顔を近づけながら香奈に問いかける。 「ん~。何となく。ほら・・あたし、今まで格好とか無頓着だったからさ。 自分を変えてみようかなぁって思って・・。」 「ふ~ん。でも、ホント可愛いよ。アタシもやってみよっかなぁ。でもアタ シには似合いそうも無いなぁ。いいなぁ、香奈は・・元がいいと何やっても 似合うんだろなぁ・・・。」 聡美が羨ましそうにブツブツと呟いている。 部室のドアが開いて懐かしい声が聞こえた。 「お~ひ~さぁ~し~ぶ~りぃ。」 「由美!?」 香奈と聡美は揃って大きな声を出した。 「そんなに驚くことないでしょぉ~。」 由美はニコニコしながら此方へ近付いてくる。 聡美は香奈と由美の顔を交互に見ながら口を開いた。 「なに?アンタたち2人して示し合わせたように出てきちゃって。同時に休 んだかと思ったら急に2人して出てきたりして。一体何があったの?」 「え?香奈も休んでたの?」 由美は香奈の顔を見て言った。 「あ・・うん・・ちょっと・・風邪引いちゃって・・。」 香奈はぼそぼそと言い訳をするように言いながら由美を上目遣いで見た。 「由美?どうしたのソレ?痣出来てるよ?」 聡美が由美の左の頬を見ながら言った。 香奈は聡美の言葉を聞いて、目線を由美のふっくらとした左の頬に向けた。 僅かに青みがかった痣がある。 昨日の孝史の話を思い出した。 『やっぱり・・・あの男の人の奥さんから殴られたんだ・・。ホントだった んだ・・。』 香奈は心配そうに由美を見る。 「へへっ・・まぁ・・若さ故の過ちってヤツ?っていうかさ、香奈?なんか 別人みたいじゃん?暫く見ないウチにかわいくなっちゃってさぁ。ズルくな い?」 由美は一瞬表情を曇らせ俯いたが、急に顔を上げて香奈を見ると笑みを浮か べながら言った。 話を逸らしたいのだろう。 「だよね~。ズルいよね~自分ばっかりさぁ。アタシもビックリしたんだ よ!?これは反則だよね~。アタシ等の立場無いじゃん!」 由美と聡美は暫くの間、香奈を見ながらしきりに褒めたり愚痴ったりしてい た。 「ところでさ、アンタたち2人は出てきたけどさ、紗耶香は?」 聡美は思い出したように言った。 「え?紗耶香・・来てないのぉ?」 由美がキョトンとして聡美に聞く。 「来てないも何も、アンタたち三人とも同じ日から学校来なくなっちゃった じゃない。アタシてっきりアンタたちの間で何かあったって思ってたよ。」 聡美も驚いたように言う。 由美と聡美は香奈の方へ顔を向けると殆ど同時に声を出した。 「香奈、知らない?」 香奈の胸に鈍い痛みが走った。 ・・・知っている。 何故紗耶香が学校に来ないのか知っている。 それは、自分のせいだとも言える。 しかし、由美と聡美には言えない。 言えるわけがない。 「あの・・あたしも・・知らなかったんだ。聡美にメール貰ってから知った くらいだから。」 香奈は胸の痛みを感じながら嘘をついた。 「電話してみよっか。」 由美はそう言って、ポケットから携帯を取り出すと紗耶香に掛け始めた。 香奈の胸は鼓動を速めていく。 今は紗耶香の事を聞きたくない。 いずれは紗耶香とちゃんと話し合わなければいけない。 そうしなければ紗耶香との関係は終わってしまう。 そう思っていても、今はまだあの時のショックが残っていて、紗耶香の事を 考えるほど心の余裕はない。 -短い沈黙。 由美は携帯を耳に当て、紗耶香が出るのを待っている。 聡美は黙って由美を見つめている。 「でないよぉ・・紗耶香。コールはするんだけどねぇ。」 由美はそう言って電話を切ると画面を眺めながら言った。 「あたし何回かメール入れたんだけど、返さないんだよ。」 聡美も心配そうに言う。 「お~い!始めるってよ!!」 部室の外から他の部員の声が聞こえた。 「ヤバッ!!まだ着替えてなかった!!」 三人は慌てて着替え始めた。 着替えながら香奈が考えていたことは、先程のやりとりでは無く、紗耶香の 事でも無く、孝史の事でも無く、今日中村に会えるかどうかという事だっ た。 香奈は、無意識のうちに紗耶香や孝史の事を記憶の隅に追いやっていた。 それは、香奈の心が壊れないようにするための本能による自衛手段なのかも 知れない。 中村に会えるかも知れない、会いたいという期待で胸を一杯にしながら、香 奈は体育館に向かっていった。
09/04/09 02:21
(fb/4vYbM)
投稿者:
自治厨
【32】
「おお~い!岡本~!」 香奈が練習を終え部室に帰っていた時、グラウンドの方から声がした。 その声を聞いた時、香奈の胸は大きく高鳴った。 香奈は慌てて声の方へ振り向くと、グラウンドの方から1人の男子が走って 来ていた。 待ち望んだ瞬間。 褐色の肌に笑みを浮かべ、たくましい足を大きく踏み込みながら走ってくる 一人の男子。 その声の主は香奈の前まで走ってくると、息を切らした様子もなく眩しい笑 みを浮かべながら香奈を見つめて言った。 「やっと出てきたんだ!どうしたんだよ、ずっと休んでさ。心配してたんだ ぜ!」 その力強い眼差しと、全てを包み込むような笑顔を見た時、香奈の目に涙が 溢れてきた。 「ゴメン・・・ごめんね・・あたし・・なんで・・涙なんか・・ごめん ね・・中村君・・・。」 香奈は言葉が出てこず、ただ中村の顔を見つめながらそう呟いた。 出来る事なら今すぐにでも中村の胸に飛び込みたい。 その腕で抱き締めて欲しい。 そう願うけれども、それは出来ない。 中村にとって自分はただのクラスメートでしかない。 香奈はこみ上げてくる衝動を必死で抑えながらも、涙は止まらず、困ったよ うな顔をする中村から目を逸らすことが出来なかった。 「ちょ・・おい・・どうしたんだよ!?なんで泣くんだよ!?」 目の前の中村は、どうしていいかわからずあたふたしている。 「ごめん!なんか・・久し振りに会ったんで・・嬉しくて・・。」 香奈は目をこすりながらにっこりと笑みを浮かべて言った。 「・・岡本・・・。」 中村は、その言葉の意味を何となく理解したのか、驚いた表情で香奈を見 た。 香奈は、自分の発した素直な言葉が中村に伝わってしまった事に気付き、慌 てて喋り出した。 「あ!あのね!久し振りに学校のみんなと会ってね!休んでた時は寂しかっ たから・・それで・・なんか・・涙でちゃって!」 「なんだよ。驚かすなよ。ドキドキしたじゃねえかよぉ。」 「ほんと・・ゴメン。びっくりさせちゃったね。」 「びっくりって言うか、俺はてっきり・・・あ・・いや・・何でもないよ。 て言うか、岡本って実は寂しがりや?」 「え?・・あ・・そうそう・・そうなの!」 香奈は自分の気持ちを悟られないようにごまかしたが、心の中では気付いて 欲しかった。 『なんでごまかすのよ・・・。はっきり言えば良いじゃん!中村君に会えた から嬉しくて涙が出たんだって!・・・どうして言えないのよ・・。』 心の中で自分を叱り飛ばしてみるが、やはり素直に言葉に出す勇気が出な い。 「良かったよ、岡本が学校に出てきてさ。住田も喜ぶよ。アイツさ、オマエ が休んでる間、ずっと元気なかったんだぜ?からかってもさ、全然のってこ ないしさ。よっぽどお前の事好きなんだよ。」 中村の言った言葉が、香奈の胸に鈍い痛みを与えた。 『違うよ・・そんな事聞きたいんじゃないよ。あたしが好きなのは中村君だ よ・・他の人の話なんてしないでよ・・。』 しきりに住田の事を話すということは、自分を恋愛の対象として見ていない 事を表しているように思えて寂しさを感じた。 「ところでさ・・小出は?まだ・・来てない?」 言いにくそうに聞く中村の顔は寂しそうだった。 それは香奈が好きな表情のひとつ。 切なげで、寂しい眼差しを浮かべる悲しい笑顔。 香奈は、この表情を浮かべる中村が大好きだが、同時に香奈をひどく傷つけ る。 中村がこの表情を浮かべる時、中村の心は紗耶香を思っている。 香奈の心にどす黒い粘り着くような暗闇が静かに広がってきた。 その暗闇は、だんだんと香奈の心を覆っていく。 「・・来てないよ。」 香奈は無表情に答えた。 「そう・・。どうしたんだろ。岡本は知らない?」 またあの表情。 どうして? そんな顔しないで! 紗耶香の事聞かないで! あたしを見てよ! 「・・知らない・・最近話してないの。」 香奈は中村から目を逸らし小さな声で答えた。 「ああ・・そう・・そうなんだ。あ!おれ片付け残ってるから!」 そう言うと中村はそそくさとグラウンドへ走っていった。 香奈は走り去る中村の後ろ姿を見つめながら胸が苦しくなるのを感じた。 その夜、ベッドに入った香奈は中村の事を思いながらゆっくりとパジャマと 下着を脱いだ。 右手で股間をさすりながら、左手で乳首をつまみ優しく愛撫する。 そして想像する。 中村から唇を吸われ、乳房を愛撫される。 固くなった突起を舌で転がされながら、陰部を指で優しく撫で上げられる。 中村の前で静かに足を広げ性器をさらけ出す自分。 広げた足の間に顔をうずめ自分の性器にむしゃぶりつく中村。 中村の股間はパンパンに膨れ上がり、ズボンの上からも形がわかってしまう くらいに勃起している。 自分の裸を見て勃起する中村が愛しくなり、ベルトに手をかけ脱がせてい く。 下着を下ろすと目の前にたくましいペニスが現れる。 そのぺニスの先端を舌先で刺激した後、ゆっくりと口に含み前後に動かす。 荒い息を吐き、喚起とも苦悶とも思える表情を浮かべる中村を見ながらペニ スをくわえ、口の中で舌を這わせる。 急に中村は自分を押し倒すとはちきれんばかりに反り返り脈打つペニスを一 気に股間に突き立て激しく腰を振る。 香奈は右手でクリトリスを激しく擦りながら、左手の中指を膣の中に僅かに 出し入れしながら腰を振る。 頭の中が溶けてしまいそうなくらいの快感が香奈を襲う。 陰部からは止め処なく愛液が溢れ出しシーツを濡らしていく。 『中村くん!中村くん!中村くん!・・気持ちいい・・して・・あたし に・・して・・ダメ・・イク・・おかしくなっちゃう・・イク・・なん か・・くる・・出ちゃう!』 下腹部に熱いものを感じ、それは絶頂と共に陰部から吐き出された。 しばらく意識を無くし、グッタリとして余韻に浸っていた香奈はお尻の下が 冷たくなっていくのを感じ、起き上がると布団をはぐった。 『なに・・コレ・・もしかして・・これが・・。』 シーツに残された絶頂の後を見ながら香奈は、また股間が濡れていくのを感 じた・・。
09/04/09 02:22
(fb/4vYbM)
投稿者:
自治厨
【33】
紗耶香との出来事があった日から二週間程が過ぎた。 紗耶香はまだ学校に出て来ない。 聡美や由美が電話しても紗耶香が出ることは無く、メールも返って来ないら しい。 香奈はといえば、確かに心配ではあったけども、直接連絡する勇気はなく、 心の片隅では幾分かの罪悪感を感じながらも、紗耶香と会わなくて済むこと に安堵を覚えていた。 そして、認めたくはないが、紗耶香の存在を疎ましく思う自分がいた。 香奈は再び学校に通い始め、クラスメートや部活の仲間とも何事も無かった ように接している。 しかし、以前と比べると確かに香奈を取り巻く環境は変わっていった。 香奈は髪型も変え、薄く化粧もするようになり、スカートの丈を少しだけ短 くし、常に笑顔を絶やさないよう心掛け、よく話すようになった。 特に中村にはなるべく用事を作っては話す機会を持つようにした。 その香奈の変化が功を奏したのか、クラスメート達は香奈とよく話すように なり、何時の間にか輪の中心になることさえあった。 特に男子達は香奈に優しくしてくれた。 香奈は変わりゆく世界の中で確かな自分の居場所を確立し、居心地の良さと 学校生活の楽しさを感じ始めていた。 それでも、香奈の憂鬱は消える事は無かった。 それは、やはり中村の事だ。 クラスの中でも中村とは一番よく話す。 部活の帰り際に一緒に帰った事だってあった。 しかし、中村は香奈との会話の中で必ず、一度だけだが紗耶香の事を話す。 どうしてるんだろうか? このまま学校を辞めるのだろうか? 何か連絡はなかったか? そう聞かれる度に、香奈は 「知らない」 「連絡が取れない」 と答えた。 歯がゆかった。 自分と話していても、紗耶香の事を考えて寂しそうな眼差しをする中村を見 る度、自分がその切なげな目に映っていない事を痛感し、胸を締め上げる。 そんな時、香奈は紗耶香を憎んだりもした。 勿論、その後で激しい自己嫌悪に陥り、溜め息をついては行き場のない悲し みで胸を一杯にするのだった。 部活が終わり、着替えを済ませた香奈は由美と一緒に自転車を押しながら校 門をでた。 校門から道路へ向かう長い下り坂を自転車を押しながらチラチラと後ろを振 り返り、中村の姿を探す香奈。 その様子を由美はじっと見ていた。 「ねぇ、香奈ぁ。中村くんの事さぁ、好きなの?」 突然の由美の問いかけに香奈はドキリとして頬を赤く染めながら由美の顔を 見た。 「やっぱりかぁ~。カッコいいもんねぇ中村君。」 特に驚いた様子は無く、平然と自転車を押す由美。 「ちが・・そんな・・こと・・。」 否定する理由は無いのだが、恥ずかしくて素直に答えられない。 「別に隠さなくったっていいじゃん。誰にも言わないよぉ。っていうかさ ぁ、最近仲良いし、よく一緒にいるじゃん?誰だって解るよぉ。叶うといい ね。」 チラリと香奈を見るとまた前を向いて話す由美に何も答えることが出来なか った。 『由美は知らない。 中村君が紗耶香に告白して振られたって事。 中村君は今でも紗耶香を好きだっていう事。 そして紗耶香はあたしを・・・。』 香奈は一瞬、由美に洗いざらい話してしまおうかと思った。 しかし、紗耶香の事を考えると今はまだ言うべきではないと考え、喉まで出 掛かった言葉を飲み込んだ。 坂道を下り終え、自転車に跨り漕ぎ出そうとした矢先、すぐ近くに止めてあ った車から若い男が出てきて二人の前に立った。 「由美!なんで電話とらないんだよ!」 いきなり怒鳴りつけるように話し掛ける男。 長髪で今風のファッションに身を包むその姿は確かに人目を惹くが、香奈に は何となく生理的に受け付けなかった。 その男の佇まいから感じる気配のようなものが、あまりに軽すぎるように思 えたからだ。 「俺何度も電話したんだぜ!何で避けてんだよ!」 その男は、自転車に跨る由美に近付くと由美の肩を掴んで大声で叫んでい る。 『この人が・・例の由美の彼氏・・あの男の人の奥さんの浮気相手・・?』 香奈はその男と由美を見ながら、孝史の言ったことを思い出した。 「話したくないのよ。もう明宏とは会いたくないの。離してよ。」 由美は、その明宏という男を睨み付けながら驚くほど冷静に言った。 「何でだよ。何怒ってんだよ。俺寂しかったんだぜ?ずっと由美の事考えて たのにヒデーよ!」 男は悲しそうな顔になり、由美の肩を揺らしながら言った。 「何言ってんの?他の女と逢ってたクセに。それにアンタの事よぉく解った から嫌いになったの。だから離してよ。さ、行こ!香奈。」 由美は男の手を振り払うと香奈にそう言って自転車を走らせようとした。 「ちょ!ちょっと待てよ!誤解だって!あのオバサンちょっとおかしいんだ よ!前のバイトで一緒だっただけだって!あんなオバサン相手にするか よ?」 慌てて由美の自転車のハンドルを掴むと、男は早口で言い訳の様なものをし ている。 「サイテー。やっぱりアンタって最低な男だね。もうアンタと会う気無いか ら。」 きつい口調で言うと、由美はハンドルを掴む男の手を無理やり解いて走り出 した。 「待てよ!由美!ちくしょう!」 追おうとする男を振り切って由美は自転車を走らせていった。 香奈はそのやりとりをボーっとして見ていたが、遠のいていく由実の後ろ姿 を見て、ハッと我に返ると後を追って走り出そうとした。 その時、男が香奈を呼び止めた。 「ねぇ、君。由美の友達?アイツどうかしてるんじゃね?人の話も聞かない でさ。」 香奈はヘラヘラと笑いながら自分を覗き込むその男の顔を上目遣いで見た。 やはり生理的に受け付けない。 この男は何かが違う。 直感的に香奈はそう思った。 男はマジマジと香奈の顔を見ている。 「君、可愛いねぇ。名前は?教えてよ。俺君みたいなコ、タイプなんだよな ぁ。」 男はニヤニヤ笑みを浮かべながら香奈の肩に触れようと手を伸ばしてきた。 「いやっ!!」 香奈は全身に鳥肌がたち、凄まじい嫌悪感を感じて逃げるように自転車を漕 ぎ出した。 「お、おい!ちょ!アブねっ!何すんだよ!おい!待てよ!」 後ろから男の声がする。 香奈は、何故だか気持ち悪さと恐怖を感じて夢中でペダルを漕いだ。 「イヤなとこ見せちゃったねぇ。」 由美が呟いた。 「なんであんなヤツと付き合ってたんだろ。騙されたって感じだよぉ。」 自嘲するような笑みを浮かべながら香奈を見て言った。 香奈は何て言ったらいいのか解らず、困ったような笑みを返した。 由美は、香奈の表情から読み取ったのか、それ以上その事について話そうと はせず、別れるまで部活や授業の事をひっきりなしに喋っていた。 辺りはもう真っ暗で、あの国道を過ぎると、スーパーの明かりや車のライト があちこちを照らしていて、寂しげな冬の夜の街並みを幾分か明るくしてい た。 「じゃあねぇ~バァイバァイ~!」 いつものように振り返らずに手を振りながら遠ざかっていく由美の姿を信号 が変わるまで眺めた後、香奈は横断歩道を渡り自転車を走らせた。
09/04/09 02:22
(fb/4vYbM)
投稿者:
(無名)
あのー、そろそろ続編書いていただけないでしょうか。
超大作だからストーリー設定が大変でしょうけど。直接的な表現が少ないので、僕は好きです。例えるならロマンポルノを見ているような気分になります。ドキドキ感がたまりません。
09/04/13 23:02
(pR7U/mI1)
投稿者:
(無名)
◆eDN2QQmbK2
>35
気持ちがすごいわかる! ただのヤルだけの文章より全然面白いと思う。 何故これだけ叩かれるのかがわかんない。 他の板にも長編あると思うんだけど。 負けないで続きを書いていただきたいなぁ。 た勝手に自分の作品をコピーしてここに続きを。って言われたら正直キビシイと思う。管理人に言われたのならともかく。
09/04/15 03:37
(0Yd7fksi)
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