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「いらっしゃいませー!」
店内に明るく響く来店を歓迎する女性の声。 私はカウンター内から響くその声を聞きながら、新商品の発注品の検討を続けていた。 今回は、夏向けの新作スイーツが発売される時期ではあるが、あまりスイーツが多く売れる地域ではないため、よく吟味しなくてはならない。 「う~ん、このゼリーは若い女性向けだから、あまりファミリー層には向かないのかなぁ。」 私が独り言のように呟くと、パソコンの画面から機械音声がバックヤードに響いた。 『レジカウンターヘルプお願いします』 「おっ。」 私は席を立ち上がり、椅子の背もたれにかけた制服を羽織る。 「いらっしゃいませー。」 私は挨拶をしながらカウンターに入った。 「店長すいません。コーヒーの機械がエラーしてるみたいで。対応お願いします。」 先程までバックヤードで聞いていた声の主が、私に声をかけてきた。 彼女の名前は、小坂雪(こさかゆき)。 彼女とは高校の同級生で、一年生の時に同じクラスだった。 男子相手にも愛嬌よく接しており、同じ仲間内のグループで遊びにいくこともあった。 一時期自分の友人と付き合っていた時期もあったようだが、一年くらい付き合った後に別れた後、同じ部活の先輩と付き合うようになった。 それが今の旦那さんのようだ。 最初、パートの面接をした際は、お互いに顔を見合せて爆笑してしまった。 向こうは、電話口の名前と私の声でもしかしたら、と思っていたみたいだが、私の方は名字が違ったので面接で会って初めて気付いたのである。 高校を卒業して、たまに会うことはあったが、約20年振りの再開だった。 人となりも知っていたので、面接とは名ばかりで即採用した。 前もコンビニで働いていたことがあり、仕事を覚えるのは早かった。 私は、レジでテキパキと客を捌いていく様子を見ながら、私はコーヒーマシンのエラーを直した。
2021/06/11 10:35:15(xSVrWHb9)
《吉本編》
お盆空けの最初の日曜日だった。 まだ嫁は実家に行ったまま、帰ってはきていない。 恐らく、夏休み勉強に集中させたくて、俺がいると、邪魔だと思っているんだろう。 これでも、一応中学時代は常に学年テストでは上位にいて、進学校に合格しているから、勉強の大切さは理解しているつもりだ。 しかし、一回シングルマザーを経験して苦労したからか、嫁は学歴をあまりにも気にしすぎるところがあった。 家にいても、特にすることもなかったので、会社に来て翌週の仕事の準備を進めていた。 普段は、ちゃらんぽらんな中間管理職をしているが、こう見えても、中小企業ながら社内ではそれなりに実績は挙げていた。 それは、こういう土日などの休日に、例え自宅にいても、隙間時間等を利用して、翌週の仕事の優先順位や部下にその理由を理解してもらうための準備を怠らないからだった。 誰もいないオフィスで仕事をしていると、仕事ははかどるが、やはり寂しさも感じてしまう。 突然、俺のスマホが振動する。 中尾からだった。 中尾とは、前回夜を共に過ごし、山さんから事情も聞いて以来、連絡は俺からすることはなかったので、少しだけ驚いてしまった。 とりあえず、電話を取る。 吉本「めすめす?」 中尾「あ、吉本?今、大丈夫?」 吉本「うん。一人寂しく職場にいるからねぇ。」 中尾「あ、そうなんだ。日曜日も仕事してるんだね。」 吉本「うん。きっと、夏休み中は、独身生活かなぁ。」 中尾「まだ奥さん、帰ってこないんだ…」 吉本「うん。まぁ、別に俺は気にしちゃいないんだけどさ。嫁ちゃんは、子供の将来が心配なんでしょ。」 中尾「そっか……」 吉本「でー?なに?俺に電話するなんて。まさか、この前の夜の件でお金の請求ですか?」 中尾「そのまさか。ご飯奢ってよ。」 吉本「またまた~。天下の司法書士の中尾さんが、そんなご飯食べられないなんてことがありますか?(笑)」 中尾「司法書士じゃねぇし(笑)私は、ただの法律事務所で働く会社員です。」 吉本「まぁ、俺にはどちらにせよ、立派なお仕事にしか見えません。で、今どこいるの?」 中尾「さっきまで山口の家にいたけど、もう駅のホーム。」 吉本「あー。じゃあ、電車来たら品川まで一時間ちょいだねぇ。いいよ。丁度仕事はかどって終わりそうだったし。」 中尾「ホント?じゃあ……着いたらLINEするよ。」 吉本「ほーい。」 そう言って電話を切る。 恐らく、中尾は山口と鉢合わせかなんかしたんだろう。 声のトーンが少し沈んでいた。 だから、俺のところに電話をしてきたんだろう、ということは鈍感な俺にも気付けるくらいだった。 吉本「あ、ゴム切らしてたな。」 俺はとりあえず念のため、コンドームを用意しておくことにした。
21/07/09 23:19
(0XQR8Rf5)
昼の3時過ぎに中尾と合流する。
夕飯には早い時間だったので、とりあえず暑さを凌ぐために、近くの喫茶店へ入る。 吉本「ぐっちゃんと鉢合わせた?」 中尾「うん。いつもなら、日曜日のお昼前にはお店に行くから、いないと思ってたから、ビックリしちゃって。何とか冷静は装って出てきたけど。」 吉本「そもそもなんだけどさ。」 中尾「うん?」 吉本「ぐっちゃんのこと、中尾はまだ好きなんだよね?」 中尾「まぁ、そりゃ嫌いになった訳じゃないけど。」 吉本「それは、友達として?彼氏として?」 中尾「う~ん。友達として。」 吉本「そうなんだ。じゃあ、二人はもう別れたの?」 中尾「ん。その辺は、よく分からない。」 実際のところ、山さんから事情は聞いていたので、二人がどういう関係かは分かっていたが、俺は知らないことになっているので、あえて直接触れることはしない。 吉本「まぁ、何があったのかは、俺は知らないけど。でも、俺はぐっちゃんとも、中尾とも友達だから、どちらが困ってても、力にはなりたいと思ってるんだけど。」 中尾「ありがとう。でも、今は私が乗り越えないといけない問題だから。」 吉本「そうか。まぁ、あんま無理はしない方がいいよ。」 中尾「ありがとう。」 それから、暫く雑談をしていると、夕方の5時を過ぎたので、俺達は近くの居酒屋へと向かった。 入った居酒屋には、約3時間くらい滞在しただろうか。 個室で飲みながら談笑している俺達に、店員から会計を促されたのは、夜の8時前だった。 俺は店員にカードを渡して、クレジット伝票にサインをする。 中尾「奢りは冗談のつもりだったけど、ありがとう。」 吉本「いや、いいよ。俺も、下心ありありだから(笑)」 中尾「いや、もう嫌だよー。よしとは、前回ので懲りた(笑)」 吉本「えー?でも、本気でそう思ってるなら、こうして中尾から誘うのは、何だか腑に落ちないなぁ。」 中尾「はぁ?(笑)じゃあ、私から誘ったら毎回そうなるのかよ(笑)」 吉本「いや、今はお互いにフリーなんだしさ。」 中尾「少なくとも、よしは違う(笑)」 吉本「いや、同じようなもんだよー。」 中尾「はぁ………。でも、明日も仕事だしなぁ。」 吉本「俺もだよー。」 中尾「私、遅くても10時には、東京駅の新幹線ホームにいたいんだけど。」 吉本「ん?泊まらないの?」 中尾「いや、出勤するのにこの服装じゃラフすぎ。仕事に必要な荷物はあるけど。」 吉本「う~ん。よし!じゃあ、こういうのはどう?品川駅のユニクロで中尾の明日着る服を買う。もちろん、代金は俺持ちで。」 中尾「そんなに私を帰さないつもりか(笑)」 吉本「うん(笑)」 中尾「やれやれ。あ、でも、明日の朝9時半には出勤なんだから、この前みたいに一晩中するのは無しだからね。」 吉本「俺も仕事あるから(笑)」 中尾「じゃあ、仕方ない。今晩は付き合ってあげるわよ。」 吉本「よし。じゃあ、まずはユニクロ行こう。」 そう言いながら、俺達は居酒屋を後にした。
21/07/10 14:02
(1BocNcm2)
俺達は、中尾の明日着る服を品川駅で購入し、五反田にあるラブホテルにチェックインした。
中尾「でも、よしは大丈夫なの?そんな休日仕様な服で。」 吉本「俺は、会社のロッカーに作業服置いてるから。いざって時はそれ着れば大丈夫。」 中尾「あー。そうなんだ。作業服あると便利だよね。うちは、そんなのないから、仕事用の服もちゃんと用意しないと。」 吉本「まぁ、仕事の違いだよねー。」 中尾「あんまり変な服装してると、上司に代わって裁判所に行けないしね。」 吉本「え?中尾は裁判に出たりするの?」 中尾「違う、違う(笑)裁判所とか検察庁で書類の提出とか複写に行ったりするの。」 吉本「あ、なるほどね。」 中尾「裁判は、上司の仕事。書類をまとめたり、整理したり、他にもスケジュール管理したりが、私の仕事。ま、ざっくり言うと、雑用だよ。」 吉本「ふ~ん。でもさ、職場的にも弁護士の人とかと付き合ったりしたことないの?」 中尾「ん……。なくはない。けど、やっぱり皆基本的に頭良すぎてさ(笑)住む世界がちょっと違うかなぁ。」 吉本「あー。分かる気がする(笑)」 中尾「さてと。とりあえず、シャワー浴びていい?」 吉本「あ、なら、俺も一緒に……」 中尾「ダーメッ。また変なことさせられるから。」 吉本「ばれたか(笑)」 中尾「ほらね。だから、よしは後にして。」 吉本「えー。残念だな。分かりました。」 中尾は洗面台の横に置かれたカゴの中から、バスタオルとガウンを手にして、浴室の扉の前に置かれたついたての向こうで服を脱ぎ始めた。 すりガラスの向こう側で、中尾が服を脱ぐ様子が見える。 服を脱ぎ、すりガラスの向こうで次第に中尾の肌の露出が増えていくその様子を眺めるだけでも私には十分な刺激だった。 中尾「絶対に入ってこないでよ!もし、入って来たら私帰るからね!」 吉本「分かってるよー。」 ガチャン、バタン 中尾が浴室の中へと入っていった。 ザァァァァァ 中尾がシャワーを浴び始める音が聞こえてくる。 私は、中尾のいなくなったついたての向こう側を覗くと、浴室の扉の前に脱いだ服等を入れるカゴが置いてあった。 カゴの中には、ガウンやバスタオルの下に中尾の脱いだ服が入れられていた。 私は服と共に入れられていた、黒を基調とした中尾の下着を見つける。 ブラジャーとセットで同じデザインのショーツは、ティーバックだった。 吉本『中尾もティーバックとか履くんだ』 そう思いつつ、ティーバックのクロッチ部分を見ると、既に愛液がベットリと付着していた。 何だかんだと文句を言いつつも、中尾は私とセックスをするつもりで、私に電話をしてきたんだ、ということが確信に変わる。 中尾『まぁ、それならちゃんと期待に応えるのが男の使命だよな。』 私は、そう決心して、中尾の着替えをカゴの中に戻したのだった。
21/07/10 23:46
(1BocNcm2)
投稿者:
(無名)
続きを楽しみに待ってます。
ぜひよろしくお願いします。
21/07/14 07:37
(5B.91UeI)
シャワーを浴び終えた俺は、腰にバスタオルを一枚巻いて中尾の横たわるベッドの横に立った。
スマホをいじっていた中尾が、俺の方を見た瞬間、口を開く。 中尾「なに、それ(笑)もう臨戦態勢じゃん(笑)」 吉本「んー。まぁ、この状況なら、そりゃそうでしょ(笑)中尾だってそうじゃん?」 中尾「いやいや、一緒にしないでよ。」 吉本「えー?じゃあ、さっきまで履いてたティーバックが濡れてたのは?」 中尾「………な!?……もしかして、見たの。……ドン引きだわ。」 吉本「いやいや、普通そこにあったら見たくなるでしょ(笑)」 中尾「いや、山口はヒロはそんなことしたことないよ。」 吉本「それは、中尾が知らないだけでしょ。男は皆女のパンツがどんなになってるか興味あるもんだよ。少なくとも。」 中尾「意味分からんし。」 中尾「こればかりは、男と女の違いだから、中尾には分からないだろうなぁ(笑)」 俺は中尾の横たわるベッドの中へ入った。 ベッドの中で、中尾の着ているガウンの、腰で結ばれた紐をほどくと、ガウンの中へと手を伸ばした。 すぐに、中尾の下腹部の肌の感触が手に伝わる。 中尾「くすぐったいよ。」 吉本「あ、ごめん、ごめん(笑)」 俺は、自分の手を中尾の下腹部から下へと滑らせていく。 中尾の陰毛の感覚、そして、その茂みの奥に指が当たった瞬間、中尾の秘部からは既に愛液が出始めていた。 吉本「ほらね。もう濡れてる。」 中尾「………うるさいなぁ。」 約1ヶ月振りに味わう中尾の身体。 前回の中尾とのセックスで分かったことは、山口があまり中尾とアブノーマルなプレイをしたことがない、ということだ。 中尾の秘められた欲には、露出に対する執着が眠っているのではないか、と俺は感じていた。 高校時代の教室でのオナニーに代表されるように、性に目覚める思春期の時期は、時にそれが暴発することがある。 それを好きな相手の前ではひたむきに隠して生きてきたなら、俺の前ではそれを解放させてやりたい。 まずは、中尾自身が本当の自分がどんな女なのかを気付くきっかけを与えてやろう、と俺は考えていた。 吉本「本当は俺とセックスするつもりだったんでしょ?」 中尾「いやいや、したいのは吉本でしょ。」 吉本「そりゃ、俺も中尾とセックスしたいけど、中尾もぐっちゃんと会ったのに、俺に電話したのは、そのつもりがなきゃしないでしょ。」 中尾「さぁ?ご想像にお任せします。」 吉本「今日はまた前回とは違うセックスだよ。」 中尾「変態なことはしないからね。」 俺は何も答えない。 とりあえず、まずは中尾を性的快感の中へ堕とすことから始めることにした。
21/07/14 19:12
(343yvtES)
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