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1:恋する人妻たち 唯と詩織
投稿者:
てんてん
唯は待ち合わせ場所のカフェで紅茶のカップに唇を寄せていた。
胸がドキドキしていた。 高校時代から付き合っていた凪と結婚して10年がたち、8歳の娘がいる唯は34才になったばかりだ。 真面目でおとなしい性格の唯は一途に凪を思い続け、高校三年の夏に処女を捧げた。 男は夫以外知らない貞淑な人妻だった。 それが一週間前、偶然に街で会った夫の大学時代からの友人、村森拓人に声を掛けられ、昼時ということもあり二人で食事をした。 拓人は夫と同い年で既婚者だ。 唯たちの結婚式で知り合った、夫の会社の先輩の二歳年上の詩織と結婚している。 子供はまだいない。 長身で細身の体型で、髪は長めの茶髪、整った顔立ちは男らしく引き締まっていて、かなりのイケメンだ。 夫の凪とは違い、多少強引なところはあるが、さっぱりとした性格で裏表がなく、唯は好感を抱いていた。 大手メーカーの営業ということもあって話も面白い。 二人の好きな映画の話になり、一緒に行こうと拓人に誘われた。 唯は少し躊躇があったが、夫の親友で昔から知った仲ということもあり、喜んで約束していた。 ただ友人と映画を見るだけ、そう言い聞かせながらも胸がドキドキしていた。 その夜、唯は夫に拓人と偶然会い食事をしたことを告げた。 だが映画のことは話すことが出来なかった。 口には出さなかったが、あの時の拓人の目が凪には内緒だよと囁いているような気がした。 でもそれは、わたしの勝手な思い込み。 そう思いながら、唯は初めて夫に隠し事をしていた。 拓人がやってきた。 拓人はスーツ姿だった。 待たせてゴメンと言いながら、唯の目の前に座る。 コーヒーを注文する。 今日は平日だ、営業の拓人はわりと休みは自由に取れると以前言っていた。 唯は可愛らしい顔立ちをしている。 拓人の妻の詩織のようなすごい美人というわけではないが、肌が抜けるように白く、少しタレ気味の目が優しい雰囲気を醸し出していた。 やや小さめの鼻は上品で形が良い。 それでいて、ポッテリとした唇の横には小さなホクロがあり、人妻の色気を感じさせる。 男好きのする可愛い顔立ちは唯をとても三十代に見せることはなかった。 つづく
2023/06/12 08:54:00(6kuCjPKN)
投稿者:
てんてん
二人は人に見られないようにカラオケボックスで待ち合わせをした。
二人は楽しく歌い、話をした。 突然、真一が真剣な目をして唯に告白してきた。 初めて見たときからずっと唯が好きだと、交際して欲しいと、、、 唯は突然のことに驚いたが、それを断った。 真一の気持ちはすごく嬉しいが、付き合う事はやっぱり出来ないと言った。 哀れなぐらい落ち込んだ真一を見ているうちに、唯の中の母性が疼いてきた。 いつか素敵な女の子が現れるからと、心の中かで考えていたとき、不意に母性が女の欲望にすり替わっていた。 真一とその女の子が結ばれることを思ったとき、不意に悔しさを覚えていたのだ。 その女に真一の童貞を奪われてしまう。 こんなにわたしのことを思ってくれているのに、、、 いつの間にか、唯の中の女が口を開く。 「ねえ、、、その、、小柴君って、、、童貞なの?」 「ええっ、、、恥ずかしいけど、、そうです、、、」 真一の可愛い顔が真っ赤になっていた。 「、、、そうなんだ、、、」 小柴君、可愛い、、ああ、食べてしまいたい、、、唯は自分の瞳が怪しく輝いていることに気付いていなかった。 つづく
23/06/23 23:44
(n/QTa0ti)
投稿者:
てんてん
「ねえ、小柴君、、、付き合うことは出来ないけど、、、もし、よかったら、、、わたしが小柴君の初めての女になってあげようか?」
わたし、何を言っているの?そんなことを言う自分が信じられなかった。 「ええっ!本当ですか?」 「ええ、小柴君が嫌じゃなかったら、、、」 まるで自分が他人になったように、次から次へと言葉が口から漏れてしまう。 「嫌なはずがありません、、、ずっと夢だったんです、、初めては唯さんとって、、、」 「嬉しいわ、、、でも絶対内緒よ、、、二人だけの秘密、、、守れるなら、わたしが小柴君に女を教えてあげる、、、」 「はい、絶対に守ります、、、」 まるで子犬のように喜ぶ真一が、可愛くてしょうが無い。 「今はダメだよ、、時間がないし、、小柴君の大切な初体験なんだから、ちゃんとした場所でね、、、」 「はい、、分かりました、、」 口ではそう言っても、若い発情したオスはギラついた目つきで唯を見つめていた。 つづく
23/06/24 00:09
(HYaUf5.z)
投稿者:
てんてん
真一は唯の濡れた唇と口元の小さなホクロを食い入るように見つめていた。
その目つきに唯の胸がときめく。 「小柴君、キスも初めてなの?」 「はい、、、、」 「じゃあ、秘密の約束にキスを教えてあげる、、、」 唯は両手で優しく頬を支えながら唇を重ねていった。 慌てて目をつぶる真一を見て、可愛いと感じてしまう。 この子を自分だけのものにしたい。 そんな考えが頭の中を駆けめぐる。 真一の唇から舌を忍ばせていく。 息を荒くしながら、真一は受け入れる。 真一のうぶな反応が嬉しい。 唯は舌先を遊ばせながら、真一の舌を絡め取る。 若い男の子の舌をじっくりと味わっていると、真一の手が唯の胸に伸びてきた。 「ああっ、いやぁ、、、小柴君、、ダメぇ、、、」 そう言いながら、自慢の胸を真一に委ねる。 「ああ、唯さんの胸、、、やっぱりすごく大きい、、、、ずっと触りたかった、、、」 唯は微笑みながら、真一の手を外していた。 不満そうな真一を熱い瞳で見つめる。 「今日はここまでよ、、、そのかわり、今度、わたしの胸、いっぱい見せてあげる、、、ああ、いっぱい触らせてあげる、、、、」 真一は頷きながら生唾を飲み込んだ。 「でも、一度だけだよ、、、一度だけだからね、、、、」 自分に言い聞かせるように、唯はその言葉を口にしていた。 つづく
23/06/24 08:01
(zAkRy/ms)
投稿者:
てんてん
凪は詩織の自宅を訪れた。
夫の拓人は韓国に長期出張中だった。 詩織が手料理をご馳走したいと言う申し出を、喜んで受け入れた。 凪は休日出勤と偽り、朝早く家を出た。 唯もバイトの女子会だと言って、優香を実家に預けて出かけると言っていた。 詩織の手料理はビックリするほど美味しかった。 ヘンに細々していないのも凪の好みだった。 とにかく味がバッグンだった。 「凄いです、すごく美味しい、、、」 子供みたいに喜んで食べる凪を、詩織は目を細めて嬉しそうに見つめていた。 「嬉しいわ、、そんなに喜んでくれて、、、」 「本当に、詩織さんって完璧ですよ、、、もうパーフェクト、、、」 「う、嬉しいけど、、なんか表現が古くない?」 「うっ、すいません、、、でも本当に詩織さんは凄いです、、、、、、」 少し落ち込んだように見える凪に詩織が尋ねる。 「どうしたの?何か気に障った?」 「いや、、、、オレ、あの時、勇気を出して告白していたらって、、、、考えてもしょうが無いことだと分かっているんですけど、、、でも詩織さんを知れば知るほどオレの理想の女性だし、、、」 「すごく嬉しいよ、、、それだけでわたしは十分だよ、、、凪にそう言ってもらえるだけで、すごく幸せ、、、、ごめんね、わたしがヘンなこと言ったから、、、告白されていたら、受け入れたなんて言ったから、、、でも本当だから、凪にはウソをつきたくないから、、、でもごめんなさい、、、」 あの一見気の強い詩織が、自分にこんなに素直に話してくれるのが嬉しかった。 「ううん、オレがヘンなことを言ったから、、、ごめん、、、」 「ぜんぜんヘンじゃ無いよ、、、凪が本当にわたしを思ってくれて、すごく嬉しい、、、」 顔が赤らんでいるのを隠すように、食事の後片付けをしようとする手を凪が押さえつけていた。 本当に詩織は優しい。 そんな詩織が愛おしくてならない。 「詩織、、、詩織は誰のもの?」 こんなことは聞いてはいけない、ても聞かずにはいられなかった。 詩織の体がピクリと震える。 凪は今、本当にわたしを、わたしという女の存在だけを求めてくれている。 歓びが全身を駆けめぐる。 強い瞳で凪を見つめていた。 つづく
23/06/24 09:59
(GCFVACOJ)
投稿者:
てんてん
「凪よ、全部凪のもの、、、本当よ全部、凪のもの、、、」
昔のわたしだったら間違いなく、わたしはわたしのものと答えていた。 わたしは変わった。凪を知って変わった。 凪に同じことを聞きたいと思う。 ても聞くことは出来ない。 答えは分かっている。 絶対に詩織のものだと答えてくれる。 ても出来ない。彼には娘の優香がいる。 詩織の瞳から涙がこぼれた。 いつ以来だろうか、わたしが泣いたのは。 必死になって声をこらえる。 初めて見る詩織の涙に驚いた凪は、オロオロとしていた。 泣いている女性に対するスマートさなど欠片もない。 ひたすら詩織に謝り続けている。 詩織は凪の胸に抱きついた。 凪に涙を見せたくなかった。 凪は優しく詩織の背中と頭を撫でながら、ひたすら謝り続けていた。 まるで詩織に降りかかる悲しみは、すべて自分のせいだと言わんばかりに。 凪の温かさが伝わってくる。 凪はわたしを愛してくれている。 オロオロした凪も、スマートさのない凪も好きだ。 いや、きっとだからこそ凪が好きなんだ。 詩織の涙はいつのまにか止まっていた。 詩織は急に恥ずかしくなって、顔を洗ってくると言い、その場を離れた。 つづく
23/06/24 10:29
(Lc1McS5v)
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