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1:姉弟の行方
投稿者:
味噌バタ子
◆qfZ8abFFJQ
・・・・久しぶりだなぁ
仕事というか、もう撮りたいものを撮りまくる モデルさん以外にも風景や建物、動物 なんでも撮って撮って撮りまくる 「うはぁ、、、ステーキぃ、、」 美味しい食べ物もたべちゃおう! 瑞希くんと別れて海外に着いて・・しばらくたった 慣れない、うん、ぜんぜん慣れない 今すぐにでも帰りたい でも・・・離れることに慣れないと二人とも溺れてしまう だから我慢 レストランで昼食中 やはりアメリカンは大味でござる それがいいんだよねぇ 分厚い肉を切り、口に入れ、肉汁が口の中いっぱいひろがる こんだけ食ってもまったく太らないのはそれだけ行動しているからだろう あー、でもなんか和食が恋しいかも 瑞希くーん・・・会いたいよ 誰かどらえもんのどこでもドア開発してくれないかな 「サヤカ、ここにいたのか」 「ハァイ、ジャン♪」 彼はこっちの友達 アメリカでも暮らしたことがある 彼も名の通ったプロ中のプロ 私の向かいの席に座った ジャンはベジタリアンだからお肉は食べないらしい 「サヤカの写真、見せてもらったよ、前より色気が出たね」 「んぁ?、、」 「恋するとそうなるんだよ?恋人できた?」 「のー、、ジョークはよしてよ、、」 英語はスラスラと出てくる 私は数学が苦手だけど国語とか語学とかはすぐに覚えられた まー、行動力と好奇心も合間ってかいろんな国の言葉がしゃべれるようになってしまった これも父さん ズラじゃないほうの・・・私の育ての親の父さんのお陰だ お昼を終えて向かうのは貿易センタービル跡地 当時は私はまだ幼くて覚えてなかったけど・・・ 胸が痛む・・ 復興しているようで復興していない 人々の心の傷はまだ癒えてはいないように見える 遠くに見える建造物を 私はすこし眺めて 写真を撮った 何か感じたらシャッターを押すのが癖なのだ 「サヤカ、明日はヨーロッパのほうに行くんだよね?」 「うん、ジャン・・短い間だったけどお世話になったよ、ありがとう」 「ううん、いいんだ、明日は見送るからね」 「えへ、サンキュ-♪」 ホテルに戻る ベットに飛び込んでため息 自然と下腹部の方に手がいく 瑞希くん・・・切ないよ 寂しいよ・・・ 瑞希くんはすごく上手い 母さんに手解きしてもらって仕込まれたからかな すごく・・・・感じるえっちをさせてくれる クリでイッたり、中イキも、潮吹きも・・すぐにされちゃって気持ちも、優しさも 全部ぜーんぶ・・・好きすぎて はぁ・・・ダメだダメだ、、
2014/02/01 11:17:07(bAZVgkQj)
投稿者:
味噌バタ子
◆qfZ8abFFJQ
演劇のリハーサルを何度かやり、発表当日
緊張で体がガチガチになる・・・ 香織はへらへらしてる・・・男装似合うし、かっこいい・・僕より男らしいんじゃない・・・うぐ・・・ なんか落ち着かないなぁ 香織が僕の肩を叩く 「瑞希君緊張する?」 「すこしね・・」 「ま、なんとかなるよ!」 べしべし肩を叩かれる よしっ!がんばるぞっ 開演・・・一番最初に僕らのクラス 緊張するぅうう 夢中でやった 「ロミオ!」 女声出すのは得意というか そういう風に育てられたから 劇が終わりステージ裏でヘタリこむ 「ふへぇええ」 「瑞希、魂抜けたか?」 「かも・・・」 「よし、亡骸は拾って自由にさせてもらうか!」 「うるせぇしねぇえええ!////」 クラスの野郎どもに囲まれた ほんっと・・・・疲れた/// 村田先生がパチパチと拍手をして近づいてきた 「はいはい、夏休み前の大仕事お疲れっした!先生感動しちゃって涙が枯れちゃったぞ」 あの人、涙腺揺るくないのに・・・・ていうか泣いた跡が微塵もない 夕方からみんなで打ち上げする事になった うへぇえ・・・やっと一息つける ステージ脇の準備室に入ると・・・ 姉さんと桂さんが・・・ え?なんで? 「瑞希くぅん・・・オスカーでもアカデミーでもノーベルでもあげたい気分」 「ね、姉さん?なんで?」 「じごとでずぅ//」 「泣きながらしゃべらないで・・、、、」 姉さんが膝まづいて抱きついてきた 桂さんは僕たちの様子を苦笑して見ている 「新聞に載せる仕事を頼まれたんだよ、ちょうど空いてたし瑞希君の学校だったしおさえといた」 「ま、まさか全国紙?」 「ん・・?あー・・・・うん」 夏休み前に恥ずかしい事ばっかり・・いやんなる//いやになる! 「あら、お姉さん」 「・・・・おっす」 村田先生と姉さんの視線の間に火花が散っている・・・気がする ・・・放っておけばいいのか? 「あ、おねーさん!」 「香織ちゃあん//すっごくイケメンだねぇ」 「きゃー、、」 香織にもだきつく姉さん ほんっとにハグ好きだなぁ 桂さんがちょっと真面目な顔をして近づいてきた 「瑞希くん、明日から夏休みだったよな?」 「あ、はい・・・」 「・・・後でちょっと話があるから、夜に一度お邪魔するよ」 「はい!料理作って待ってますね!」 なんだろうか・・・ まぁいいや 今は解放感でいっぱい クラスのみんなとはしゃいで・・ もうすぐ夏休み・・・
14/08/24 12:55
(KPFTv.jH)
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味噌バタ子
◆qfZ8abFFJQ
夕方からの打ち上げ・・・・といっても高校生だ
補導されたら不味いので早めに塵じりになっていった 香織と帰路につく 「瑞希くん、明日から夏休みだね」 「うん、なんか予定ある?」 「瑞希くんの家で料理指導の特訓合宿とか」 「え?、、ま、まぁいいけど、、、」 「私ね、一人暮らしする事にしたんだ」 「え!?」 香織は嬉しそうにスキップした 「肩身の狭いところにいるのはもうごめん!」 「そっか・・・」 香織も苦労人だからな・・・色々大変だったんだろう 香織と別れて買い物をしてから帰宅 姉さんと桂さんはまだ来ないから 今のうちに夕飯作ろうっと 冷蔵庫を開けて食材を用意した よしっ、作るぞぅ 玄関が開く音がした 迎えにいくと姉さんと桂さん 「おかえり、姉さん、おとうさん」 二人ともにっこり笑う どんな形でも・・・僕にとっては大事な家族なんだ 鍋の様子を見ていると姉さんがくっついてくる 「手伝うー?」 「んん、もうできるから」 「うふふ、、そっかそっか、、」 頭を撫でられる 色々あってここに住みはじめて大体一年くらいか 姉さんはもうすっかりブラコンお姉ちゃんになってる 料理を運ぶ ささやかな夕食 家族で食べるからおいしさも増す・・ 「えっと、食事後のほうがいいかなと思ったんだが」 桂さんが話を切り出した 「瑞希くん、お母さんから手紙が届いた」 「へ?」 なんで亡くなった人から手紙が・・・ 「死後に配送されるようになってた、一週間ほど前に指定されて届いた・・・・どうする?」 見ずに捨てるか? 受け取って読むか? 桂さんが封筒を取り出した 僕はそれを受け取った 姉さんはなにも言わない 僕に委ねるつもりなのだろう 僕は封筒を開いた [愛する瑞希へ この手紙を受けとる時はお母さんがしんでしまった後だと思います この日に届くようにしたのは母さんなりに考えがあったからです 瑞希、残していってごめんなさい 大切な大切な貴方を愛せなくなるなんて心残りです 学費、当分の生活費を入れてある通帳は見つけてくれていると思います それとは別に 母さんの遺産があります 場所を書いておきます 受け取りに行ってもいいし、行かなくてもいいの それは瑞希が決めてね 愛してます 世界一、誰よりも貴方だけを愛してます 母より] 姉さんにも手紙を見せた 母さんの遺産?なんなんだろ・・・・
14/08/24 13:23
(KPFTv.jH)
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味噌バタ子
◆qfZ8abFFJQ
夏休みに入った
最近は母さんの手紙を何度も読んでは引き出しに戻すの繰り返し・・・ ベットに寝転がり手紙を読む 住所が書いてある 東京都内だから行こうと思えば行けるんだけど 「はぁ・・・」 もやもやしている 行く勇気がなかなか出ない・・・・ 母さんの事はまだ忘れられないでいる・・・ 目を閉じれば・・・ 僕の体を愛しそうに愛撫している顔 「あの人」に似て美しくなったわねって・・・よく言ってた あの人・・・だれなんだろうか 母さんは僕をどんなふうに育てていくつもりだったんだろうか 「あー!くそ・・・・・行くか!」 身支度をする 姉さんは仕事だからバスで行くか 着替える 初夏だけど長袖を着る そう育てられたからそうしてしまう それに・・・半袖はそんなに好きじゃない 汚い物を晒すのを羞じらうような気持ち・・・って言っても理解不能だよね 戸締まりをして玄関に向かう 誰もいないけど 「いってきます」 そう言う 僕の帰る場所はここだから・・・ まだそんなに暑くはないけども 日差しは強いかな バスを待っている 視線を感じる 僕の容姿はそんなに注目されるほどなのかな・・・ 綺麗っていい事なのかな・・・ そんなぐるぐる思考がめぐっているうちにバスが来た 視線から逃げるように乗り込んだ 音楽プレイヤーの電源を入れてイヤホンを耳に押し込む 音楽が好きなわけじゃないけども じっと座ってるよりはマシ・・・ 外の景色を見ながら だんだんと都心へ向かう 姉さんも今日は都内で仕事があるんだっけ・・・ 会えたら・・・いいな、姉さんに ふぅっとため息をついて 胸がキュッと締まる 姉さんにべったりくっついているのは幸せ でも母さんにべったりくっつかれるのは何か違和感があった 母さんは僕を見ているようで別のものを見ていた気がした・・・ バスから降りた あとは歩きだ スマホのナビを起動した こっちかな・・・ 人とすれ違うたびに視線を感じる そんなに見ないでほしい 僕はただの高校生だよ・・・ スマホを見ながら目的地を目指す 母さんの遺産 なんなのだろうか 一体・・・・ 「目的地周辺です」 そうスマホの音声が告げ案内は終了 目の前には大きな美術館 ここ・・・? ここになにがあるのだろうか? 手紙の最後にはこう綴られていた 母さんが母親になる前の事を知ってほしい・・・ って・・・
14/08/24 19:42
(KPFTv.jH)
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味噌ばた子
◆qfZ8abFFJQ
美術館に入った
外も中も綺麗だなぁ 最近できたばかりなのかな? 美術館に入るなんて初めてだ あ、そうだ、入場料払わなきゃ・・・ 受け付けに近づく 受け付けには女性が一人いた かなり綺麗・・・・あれ?どっかであった事あるかな 僕の顔を見るなり口を押さえた ひどく驚いているよう え・・・・?なんで? 「あの、入場料はいくらですか?」 「境瑞希くん・・・? 「え?・・・・なんで僕の名前を・・・」 「君のお母さん、知ってるから・・・君の事も」 受け付けの女性は戸惑う僕に手招きをした 彼女の後ろについていけばいいのかな・・・ 「あ、あの・・・」 「あ、自己紹介しなきゃね・・・境江里です」 「あ、僕と同じ・・・・」 「うん・・・・さ、こっちよ」 言われるがまま ある展示室に入った そこには絵があった 大きなの一枚絵 その絵にかかれているのは花を見つめ微笑む少年 それは・・・・ その少年は僕に瓜二つ 「1950年作・・・無名の画家が書いた作品よ」 江里さんがそう言う 僕は絵になるだけ近づいた 僕だ・・・僕がいる 絵の中に僕がいる 「貴方がここに来たって事は姉さんは亡くなったのね」 「え?」 「姉さんは身内の事話さなかったでしょ?私、妹よ・・・・」 「は・・・・」 こんがらがってきた なんだかびっくりの連続 江里さんが僕の顔をまじまじと見た 「綺麗ね・・・ほんとうに」 「は・・・はぁ」 「姉さんはね、物心ついた時からこの絵に魅了されてた、絵の中の[あの人]に恋をしてたの」 江里さんが絵の中の少年を指差す あぁ・・・母さんの言ってた[あの人]って・・・ 生きてる人じゃなくて 絵の中の少年だったのか 「幼い頃から別れてくらしてたんだけど・・・・・・・姉さんはね、あの人に焦がれて画家を目指したの・・・・絵の中であの人を書いて自由にさせて、それは姉さんにとって特別な時間だったみたい」 「そうだったんですか・・・」 「彩花ちゃんが生まれて母親になって・・・しばらくして貴方が生まれて、姉さんは変わっちゃったんだと思う」 「・・・」 江里さんが少し苦笑した 「あの人がこっちに来てくれた・・・って・・・それからはもう連絡がとれなくなったんだ」 「・・・・江里さんはここで働いてるんですか?」 「まぁ・・・親の脛かじってるみたいなもん、この美術館は親のものだよ」 来てよかったのか 分からない けど・・・母さんの事もっと知りたい
14/08/24 20:17
(KPFTv.jH)
投稿者:
味噌バタ子
◆qfZ8abFFJQ
色々と母さんの生い立ちを聞いた
母さんは家の事情で幼い頃に養子に出された事 若い頃は画家を目刺しつつ勉強も手を抜かずにちゃんとした所就職した事 桂さんとの事も 「あの人に似てたから好きになったって・・・言ってたよ」 「そうなんですか・・・」 「・・・・2年前に姉さんが来たんだ、君との事は大体知ってる」 「う・・・・」 「ごめんね・・・妹として何か止められるんじゃないかと思ったんだけど・・・姉さんに釘をさされたんだ[瑞希との事を邪魔するやつは遠慮なくころすから、誰だろうと]って」 母さんは・・・狂ったんだ 絵からあの人が会いに来てくれただなんて・・・ そんなの・・・ 「その時渡されたんだけど、姉さんから預かってるものがある・・・姉さんも正気に戻る時があってその時に書いたものかも」 また手紙・・・ 封筒を開けた [瑞希へ 愛に狂う母を許してください 貴方を貴方として愛してあげられなくてごめんなさい 貴方はあの人じゃない 時おり、そんな当たり前の事を思い出してはかき消すように貴方の体を愛撫してしまう もう止まらないの とりつかれたように貴方を、あの人として愛してしまう 瑞希、彩花、ごめんなさい 私の娘、息子として愛してあげられなくてごめんなさい 私はまた狂う 愛に狂う あの人を愛する時 母ではなく、幻想を諦められない幼児になる ごめんなさい 貴方たちへの償いはお金でも言葉でも償いきれない ごめんなさい 狂う母を許して ごめんなさい 母より] いつもと違う乱雑で何を言いたいのか分からない文章 ひどく汚い字 母さんらしくない 僕は手紙を封筒に戻しかばんに入れた 「江里さん・・・せっかくだし美術館を案内してください」 「あ、うん・・・」 親戚の叔母さんになるのか 遺産ってこの手紙の事だったのかな・・・ 美術館をまわり終えて 休憩室の椅子に座りこむ 体はひどく疲労している 母さんの事はやっぱり理解できない けど・・・過去を知れてよかった この事は姉さんには内緒にしたほうがいいかな また心配させる 「また・・来てもいいですか?」 僕がそう言うと江里さんは微笑んだ 「ええ、今度は彩花ちゃんと来てね」 江里さんは母さんに似ている そりゃ姉妹だし 遺産・・この手紙じゃなくて 江里さんとの出会いかも 親戚と呼べる人ができた・・ 色々考えながら僕は帰路についた
14/08/24 20:45
(KPFTv.jH)
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