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カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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投稿者: ◆NqRlWkOMMM
寒い寒い冬。
僕は来年13歳。
榊春って名前。
さかきしゅんって読む。
なかなか読みにくい名前だ・・・。
漢字二文字だけど気に入っている。

冬休み前に学校に行かなきゃいけない。
朝起きたら歯を磨いて朝ごはんを作る。
僕は料理が大好き。
トントンと料理を作る。
「あら、春ちゃんおはよ」
「お母さん、おはよ」
お母さんは27歳。
榊悠美、15歳で僕を産んだ。
そしてお姉ちゃんもいる。僕の一つ上。

お母さんがコーヒーを一口飲んでため息をついた。
「悪いね、春ちゃん・・」
「ううん、いいよ。お母さん疲れてるもんね」
お母さんは夜のお仕事をしている。
お酒のお酌をしたり楽しく話をしたり。
綺麗だから一番人気らしい「春ちゃん来年中学生だね」「あ、うん・・」
「彼女作りなよっ!」
「えっ・・・ん・・うん」
お母さんが頭を撫でてくれた。
料理が得意だから女の子には人気だけど。
彼女なんて・・・。
お母さんはまた寝室に戻った。
コーヒー飲んでまた寝るなんて凄いなって思う。
足音がして振り返る。
お姉ちゃんが起きてきた。ムスッとしている。
「おはよ、凛姉ちゃん」
「はぁ・・ったく・・」
お姉ちゃんは榊凛。
僕と同じで漢字二文字。
黒くて長い髪をブラシでといでいる。
「春、はやくご飯」
「あ、うん・・・」
僕はお姉ちゃんが怖い。
叩かれたり殴られたりするし酷い事も言われる。
お母さんには言えない。
凛姉ちゃんもお母さんの前では仲良くしているように見せる。
怒らせないようにオムレツとトーストをテーブルにのせる。
「まずそ」
「ごめんなさい・・」
そう言いながらパンにかぶりついている。
僕は自分の部屋に行こうとした。
「どこ行くの?座ってなよ」「学校の準備しなきゃ・・」「あんたが遅刻しようがしらない・・座ってろ」
「うん・・・」
怖い・・・。
お姉ちゃんは学校ではとっても人気だ。
可愛くて頭も良くて。
でも・・家では違う。
僕をいじめる・・。

学校の用意をしてランドセルに必要な物を入れる。
鏡を見て髪型を整える。
睫毛が長い・・・。
また切らなきゃな。
学校まで走って行く。
「遅刻しちゃう・・・」
僕は男の子の友達がいない・・。
あんまりゲームとかの話題についていけない。
いつも休み時間は料理の本を見ている。
学校についてから下駄箱に靴を入れる。
一番上だからなかなか届かない。
僕はまだまだ小さい。
牛乳が苦手だからかな・・身長が低い。
しかも女の子みたいな外見だから・・・。
男なのに女の子に間違われる。
クラスについて自分の机に座る。
ギリギリセーフ。
ランドセルから料理の本を取り出す。
今日は終業式。
教科書もいらない。
美味しそうな料理がたくさん。
将来の夢は料理職人。
どこかで弟子入りしたいなと思ってる。
話かけてくれるのは女の子ばかり。
だいたい料理の事。
僕に彼女なんてできるのかな。
朝礼が終わった後体育館に向かう。
校長先生が冬休みの注意を言ってからすぐに終わった
寒い廊下を歩く。
もうこの学校ともお別れか・・・。
教室に戻って宿題を貰う。僕はまぁまぁ頭がいい方だ・・・。
ランドセルに宿題をしまう「冬休みは寒くなりますし風邪に注意しましょう」
先生が体調管理の事を言っている。
卵酒かエッグノッグが好きだ。
・・・未成年だからアルコールはかなり弱めの物を使うけど。
砂糖とお酒とホットミルクを混ぜて生姜の絞り汁をいれる。         火を止めて卵の黄身をいれてゆっくりかき混ぜる。
甘くて美味しいし体も暖まる。
僕の作り方はそんな感じ。
帰宅時間になる。
まだ午前中。
家に帰る前に寄り道をする
山道を登っていけばお墓がある。
お父さんのお墓。
お父さんは30歳の時亡くなった。
お母さんとは歳の差の結婚で大分苦労したみたい。
僕は顔を良く覚えている。優しくてかっこよかった。お父さんのお墓は豪華だ。お金持ちだったからかな。今も生活に不自由はない。「お父さん・・来年は中学生になるよ」
途中で買ったお花を供えるコーヒーも一緒に。
「僕・・友達たくさん作るよ・・見ててね!」
手を合わせて目をつむる。きっと見ててくれる。
ゆっくりと立ち上がって階段を降りる。
マフラーと手袋をしてるけど寒い。
お墓のから家に向かう。
もうお昼だ。
お姉ちゃんが待ってる・・
「ただいま」
「遅い・・はやくご飯作ってよ」
「うん・・分かった」
今日はうどんにしよう。
生椎茸で出汁を取る。
料理酒を少々入れる。
少し味を見て塩と味醂を少々。
油揚げと牛蒡を入れる。
油揚げはそのまま入れる。味がコッテリ目になる。
牛蒡はささがきにする。
しばらく染みるまで待ってからうどんを入れる。
グツグツ煮込んでからどんぶりに盛り付ける。
テーブルに持っていく。
「お姉ちゃん、お待たせ」
「うどんか・・まずそ」
お姉ちゃんは一口食べてからどんぶりを流し台の所に捨てた。
「糞まずい・・」
「あ・・ごめん」
「もういい・・」
お姉ちゃんは部屋に戻っていった。
僕はいつかお姉ちゃんを笑わせるくらい美味しい料理を作りたい。
流し台に捨てられたうどんを片付ける。
目が霞む。
涙が流れる。
美味しいって言ってほしいのに・・・。
余ったうどんはお母さんにあげよう・・。
お母さんはまだ寝てる。
宿題をして時間を潰す。
もう終わっちゃいそう。
「春ちゃん、おかえり」
「もう仕事?」
「うん、いい子にしててね」「あ、お母さん・・うどん作ったんだ」
「おおっ、どれどれ」
うどんを暖めてどんぶりに盛り付ける。
お母さんは一口食べて微笑んだ。
「春ちゃんは料理上手いね!本当に美味しいよ」
「うん、良かった」
お母さんは全部食べてくれた。
「さて、行ってくるわ。戸締まりちゃんとしてね」
「うん、いってらっしゃい」お母さんは元気良く仕事に向かった。
僕はお母さんもお姉ちゃんも好きだ。
だから・・笑ってて欲しい


 
2011/02/12 00:12:11(BhPlqiGf)
22
投稿者: 春 ◆KEJbDUVQ9A
炊飯器をいよいよ開ける時・・・。
四人でじっと見つめる。
「・・いい?開けるよっ」
僕は炊飯器を開けた。
ふわっと湯気があがる。
その瞬間いい香りが広がる「おおっ!」
結実が声を上げた。
とってもいい出来だ。

竹のお皿に盛り付ける。
いい・・凄くいい!
他にも筍の煮物なども作ってみた。
「草野先生まだ?」
顧問は草野先生になった。野球部と掛け持ちらしい。草野先生がデジカメを持ってきた。
「お待たせー・・おおっ!いいね」
竹のお皿はかなりいい雰囲気だ。
笹の葉っぱも引いてある。草野先生がデジカメでパシャッと撮影した。
料理研究部の初めての料理だ。
これは掲示板に写真と一緒にレポートを書いて貼る予定だ。
草野先生は何枚か写真を撮ってから微笑んだ。
「うまそーだな!」
僕はお箸とかを用意する。みんなの分を用意して椅子に座った。
「では・・いただきますっ」みんなが続いて手を合わせていただきますを言った。まずは筍ご飯から・・。
完璧だ・・とっても美味しい。
「うわぁ・・美味い!」
結実が微笑んでいる。
料理を作ってこの時が一番幸せ。
美味しくて笑ってくれる人の顔を見る時。
山田さんは次々に口に運んでいる。
「凄いね・・」
山田さんはそう言って僕を見た。
「あはは、みんなで作ったから美味しいんだよ」
「ふむん・・いいね、料理」次は煮物を食べている。
結構大食いなんだな。
美空ちゃんは一口食べて微笑んだ。
「美味しい・・」
その微笑みに見とれる。
美空ちゃんは僕を見て笑った。          「春ももっと食べなよ」
「あ、うん・・」
筍ご飯には筍、人参、油揚げを入れた。
口に入れるといい香りが口の中に広がる。
たまらずにもう一口食べてしまう。
僕と美空ちゃんで結構工夫して行程を考えた。
煮物もいい。
大きめに切った筍をガブッとかぶりつく。
出汁がたくさん染み込んだ筍は柔らかくて食べやすい
みんな満面の笑みだ。
草野先生も食べて美味しそうに笑った。

みんなで後片付けをしてレポートを書く。
マジックで料理の感想を書いていく。
「ほとんど春さんと美空ちゃんが作ったよな」
結実がボソッと言った。 「そんな事ないよ、みんなで作ったんだよ」
「そっか・・そうだよな!」結実も興味出てきたみたいだな。
山田さんは綺麗な字で物凄く細かく感想を書いている「山田さん、たくさん書くね」
「うん、それぐらい美味しかった」
「ははっ、そうだよね!」
レポートをみんなで書いて職員室前の掲示板に貼った
みんなで眺める。
「なんとも言えない達成感だなぁー」
結実がレポートを見ながら言った。
これをみんなが見てくれればなぁ・・。

後片付けをして帰る準備をした。
もうすっかり夕方。
結実と山田さんは家族に食べさせるために持って帰るみたいだ。
僕も少し残ったのをタッパに入れよう。
利奈さんと将さんにも食べさせてあげるんだ。
美空ちゃんが待っている。家庭科室の電気を消した。「お待たせ」
「うん、帰ろ」
二人で暗い廊下を歩く。
タッパには煮物と筍ご飯が入ってる。
「今日は良かったね」
「うん、楽しかった」
自然と笑っちゃう。
こんなに楽しいのは初めてだった。
「春・・良く笑うようになったね」
「あは・・そっかな?」

学校からの帰り道。
二人で並んで歩く。
「ねぇ・・買い食いしない?」
「美空ちゃんは腹ペコだね、いいよ」
「あはっ、行こっ!」
無邪気に笑う。
好き・・・。
美空ちゃん・・。

商店街でケーキ屋に入ったまさかケーキが来るとは思わなかった。
店員さんとは顔馴染みになった。
「あは・・ケーキか」
「春はどれにする?」
「うーん・・と・・・・フルーツケーキにしよっかな・・」
「じゃあフルーツケーキ1ホール!」
「・・・へっ?」
美空ちゃんはまだ選んでる「あとチーズケーキとチョコレートケーキも!」
「あわわ・・美空ちゃん」
「春も食べるでしょ?」
スッゴい笑顔・・・。
可愛い・・・。
「うん、明日は休みだし・・・たくさん食べるよ」
「よしっ!」
美空ちゃんはお金を払った
二人でケーキを持って家に向かう。
目立つなぁ・・。
「春はケーキ好き?」
「うん、甘い物は結構好き」「そっか、コーヒーと一緒に食べるといいよ」
「うん・・ニキビできないかなぁ・・」
「大丈夫だよ、春はできないよ」
「そっかなぁ・・」

もうすぐ神社につく。
利奈さんは苦笑しちゃうだろうなぁ。
美空ちゃんが駆け足で鳥居をくぐった。
急に立ち止まった。
「・・み・・つき・・」
「へっ?」
「美月っ!」
ずっと向こうに立っている少年。
僕と同じくらいの子。
凄く凄く綺麗な・・。
銀髪の美少年・・・。
青い瞳・・美空ちゃんのお兄ちゃん?
美空ちゃんが駆け出す。
「美空っ!」
美月くんも駆け出す。

あぁ・・僕の想いも届かなかったなぁ。
もう終わりか・・。
二人の距離が近づいて。

美空ちゃんが・・。

ケーキを投げつけた。

「ぐはっ!」
美月くんの顔に命中した。
ポカーンとする。

大丈夫・・かな?
結構吹っ飛んだ・・。
「はは・・美空ちゃんスッゴい怒ってる・・」
「利奈さん・・」
「や、おかえり」
巫女服を着ている。

美空ちゃんはケーキの箱を拾って中身を確認した。
そして床に置いて美月くんに抱きついた。     「この・・ばかっ!」
「み、美空・・ケーキは?」「無事よ・・」
「迎えに来たよ・・」
「遅いっ・・・」
キスした・・・。
グサグサと心に針が刺さる
見てられない・・・。

僕は後ずさる。
見てられないよ・・・。
駆け出した。
「春くんっ!」
利奈さんが止めたけど足は止まらなかった。
タッパを持ったまま走った・・・たくさん走った。

どこだろう・・ここは。
良く分からない所。
うずくまって泣いた。
好きなのに・・・。
どうすれば・・・。
ベンチに座って涙を拭いた・・・。
「はぁ・・ぐすっ・・」
止まらない物はどうしようもない。
しばらく泣いた。

もう夜か・・・。

せっかく好きになったのになぁ・・・。
車が止まった。
誰かおりてきた。
暗くて良く見えない。

近づいてくる。

誰・・・?

「春、久しぶり」
「おねぇ・・ちゃん」
僕の隣に座った。
何されるの?
怖い・・・怖い。
「何で泣いてるの?」
「・・・・」
「ねぇ・・もしかして失恋?」
「・・・っ!」
「図星だね・・・」
お姉ちゃんは笑った。
僕の肩をガシッと掴んだ。「じゃあ今心が弱ってるんだね・・・くすっ」
「お姉ちゃん・・何でここに?」
「あんたの場所なら分かるよ、発信器つけたから」
「えっ・・!?」
お姉ちゃんは笑ってる。
一番笑わせたい人。
この笑顔は見たくない。
怖い・・怖い・・。

「ねぇ・・春・・あんたは私の弟じゃないよ」
「へっ・・・?」
「お母さんも別の人だよ」
「お姉ちゃん?」
何言ってるの?
「あんたは養子なんだ」
「・・・・別に・・いいよ・・それぐらい」
それで僕を悩まそうと思ったんだろうな。
僕は強くなったんだ。
そんなの言われたって・・・・。
「ははっ、話はこれから」
「・・・何?」
「あんたは近親相姦して生まれた子供なの」
「・・・な・・に?」
僕の顔を見てお姉ちゃんは大笑いした。
「詳しい事はあの神社のお姉ちゃんに聞けば分かるよ、あの人はあんたのお姉ちゃんだよ・・まぁ父親は違うけどね」
「・・・う、うそ・・」
「嘘じゃないよ、本当の事・・・」
お姉ちゃんは僕の持っていたタッパを奪った。
奪い返す事もできない。
「まずそ・・こんな物まだ作ってるの?」
「だめっ!」
お姉ちゃんはタッパを投げ捨てた。
せっかく作ったのに・・。「あんたは生きてるだけで罪なの・・分かる?いけない事をして生まれた子供だから生きてちゃいけないんだよ」
「嘘だ・・うそ・・だ」
顔を打たれた。
平手打ちを何度もされた。「この手紙にそう書いてあるんだよ・・」
手紙を見せられた。
暗くて良く見えない。
けどうっすらと・・・。

親友としてお願い。
この子をお願いします。
私は育てられない。
望んで妊娠した訳じゃないし兄もいらないと言っていたから。
あなたは男の子を欲しがってたでしょ?
あなたにあげます。

嘘・・嘘・・。
「私のお母さんもだいぶ苦労したんだよ・・たくさん苦しんだんだよ」
「ちがぅ・・僕は・・」
「だから私はあんたが嫌いなの、お母さんを苦しませたあんたが大嫌いなの」
「凛ねぇちゃ・・」
しがみつこうとして。
蹴飛ばされた。
床に倒れた。
お姉ちゃん・・違うの?
僕のお姉ちゃんじゃないの?
「もう二度とお姉ちゃんなんて呼ばないで・・腹が立つ・・」
言葉が出ない・・。
力が入らない・・。
「最後の復讐・・忘れられない事してあげる」
僕の襟を掴んで引きずる。車の中に連れ込まれた。
「可愛がってあげなよ」
大人が何人もいる。
女の人も男の人も・・。
みんなニヤニヤしてる。
服を脱がされる・・・。
車が走り出す。
どうなるの・・・・。
僕が・・壊れてく。
ボロボロにされる・・。




11/02/20 12:06 (kPe5F3hJ)
23
投稿者: 春 ◆KEJbDUVQ9A
車が止まってドアが開いた
外に投げ出された。

「春、さよなら」
お姉ちゃんだった人がそう言ってドアをしめた。
車が走って行った。
ここは・・・どこ?
大林神社・・・。
這いずる。
歩けない・・。
携帯が鳴った。
出れない・・。
這いずる・・。
僕は神社に入っていいのかな?
「春くん!」
利奈さんが駆け寄ってきた・・・。
「春く・・ん・・何されたの?」
分からない・・酷い事。
気が遠くなって・・。
目を閉じた。




お母さんはどんな人?
お父さんはどんな人?
僕は何で生まれたの?
僕は生きてていいの?

目が覚めた。
布団・・・。
僕の部屋?
「春くん・・」
「利奈さん・・お姉ちゃんなの?」
利奈さんは凄く驚いた。
そして頷いた。
体が痛い・・・。
「傷は大した事ないよ・・大丈夫・・」
「僕は近親相姦で生まれた子供なの?」
「・・・・っ」
利奈さんは僕を抱き締めた「どうなの?」
「・・・うん」
「そっか・・・」
いらなくて・・生きてちゃいけない子か・・。

しばらく寝てた。
何も考えたくなくて。
酷い事された・・・。
たくさん犯された。
苦しくなる・・・。
「はぁ・・はぁ・・苦しい・・苦しいよ」
襖が開いた。
美空ちゃん・・・。
「春・・」
「美空ちゃん・・苦しいよ・・・助けて・・ころしてよ」
「春っ!」
僕の手を握ってくれた。
「だめっ・・だめだよ」
泣いてる・・・。
美空ちゃんを泣かせちゃった・・・。
「春・・一緒にいるから・・・・」
好きな人に手を握ってもらった。
胸の痛みが和らぐ。

美空ちゃんがずっと側にいてくれた。
利奈さんも側にいた。
僕はしばらき動けなかった・・学校も休んだ。

やっと歩けるようになって居間に向かう。
美空ちゃんが隣で支えてくれる。
「春・・・」
「うん・・大丈夫」
居間に入ると美月くんがいた。
美空ちゃんの好きな人。
凄く綺麗でカッコいい。
僕なんかが敵う相手じゃない。
ゆっくり座る。
「朝ご飯食べる?」
「うん・・」
美空ちゃんが台所に行った美月くんは僕を見た。
カッコいいな・・。
「えっと・・春くん」
「はい・・」
「僕は美月って言います・・・初めまして」
「初めまして・・」
女の子みたいなのは僕と一緒だな。
けどどこか大人っぽい。
美空ちゃんがお粥を持ってきてくれた。
「春、食べれる?」
「うん・・」
ゆっくりスプーンですくって食べる。
美味しいな・・。
「美味しい?」
「うん・・・」
美空ちゃんが微笑んでくれた。
やっぱり・・好き。
諦められない。
でも美空ちゃんは美月くんが好きだから・・。
「美空・・どうする?帰る?」
帰るんだ・・・。
行って欲しくないな・・。嫌だな・・・。
「綾も待ってるよ・・・」
美空ちゃんは美月くんを凄い目で睨んだ。
「帰れる訳ないでしょ!?どんだけバカなのよ!!」
「美空ちゃん・・帰りなよ」「春・・・?」
「好きな人のそばにいた方がいいよ・・美月くんと一緒にいた方が幸せだよ」
「・・・・っ!」
フワッと。
美空ちゃんが抱きついてきた。
いいにおい・・。
「春も・・ばかっ・・・」
「僕は大丈夫・・」
「ばか!大丈夫じゃない!」
「でも美空ちゃんは美月くんのそばにいたいんでしょ?」
「・・・・うん」
僕のせいで美空ちゃんが悩んでる。
僕はいらない人間だから迷惑かけちゃダメなんだ。
「美月くん、しばらくここにいなさい!」
利奈さんが怒鳴った。
いつの間に・・・。
「えと・・・」
「美月くんがいれば美空ちゃんも帰らなくていい!それでいいじゃない!」
美月くんは少し黙った。
僕をチラッと見た。
「わ、分かった・・・」
「言っとくけど美空ちゃんと美月くんの秘密は全部知ってるからね!遠慮はいらないよ!」
「えっ!?」
秘密・・・?
美月くんは美空ちゃんを見た。
しばらく見つめ合って頷いた。
「じゃあよろしくね、利奈、春くん」
礼儀正しいなぁ・・。
なんか憧れちゃう。
「でも・・春くんは嫌じゃない?」
「なんで・・・?」
「えっと・・僕がいて嫌じゃない?」
「うーん・・少し・・気になっちゃうかな・・」
いくら僕でもそこは少し気になる。
どうしよう・・・。
美空ちゃんがさらにギュッとしてきた。
「美月はいるだけでいい・・・大丈夫・・春の側を離れたりしないから」
「うんっ・・」
美月くんが少しくやしそうな顔をした。
「美月は少し修行!」
「むぅ・・・」
「黙れっ!ケーキ全部食べたくせにっ!」
「・・・・うん」
なんだか騒がしくなりそうだな。
利奈さんに話を聞いた。
お姉ちゃんの言った事は全部事実らしい。
「じゃあ・・僕は・・」
「お母さんとお母さんのお兄さんの子供って事になるね・・」
「そうなんですか・・」
生きてていいのかな?
どうなの?
分からない・・。
「春は・・料理ができるからいいんだよ!」
「えっ?美空ちゃん?」
「生きてて悪い訳ない・・春は生きなきゃだめ!」
美空ちゃんが手を握ってくれた。
ドキドキしてしまう。
「春はいい子・・だから死んじゃダメ」
「うん・・」
「絶対・・ダメ」
「うんっ・・」
また抱き締めてくれた。
ドキドキが・・凄い。
「美空・・あんまりイチャイチャするなよ」
「うっさい!」
美空ちゃんが舌をべって出した。
可愛い・・。

しばらくして久しぶりに登校する。
美空ちゃんと一緒に。
「良かったね、治って」
「うん・・ありがと」
「いいよっ・・そんな」
美空ちゃんは顔を赤くしてそっぽを向いた。
最近こんなんばっかりだ。クラスに入ると結実と山田さんが真っ先に僕の所に来た。
「春さん、大丈夫?」
「うん・・大丈夫・・」
「榊くん、元気そうで良かったよ・・ホッとした」
「ありがと・・」
席について一息。
久しぶりに座る席だ。
隣には美空ちゃんがいる。「なぁ春さん、転校生が来るらしいぜ」
「えっ?そうなんだ・・どんな子かな?」
転校生か・・仲良くなれるといいなぁ。
「まさか・・ね・・」
「美空ちゃん?」
「うん?・・なんでもないよ」
チャイムが鳴って先生が来た。
「えっと転校生なんですが・・・この学校の卒業生でもう一度入学したいとの事です・・・入ってきていいよ」
ドアが開いた。
女子生徒が見とれてる。
美月くん!?
「えーっと・・美月ですっ!よろしくね!」
スッゴいかわいい笑顔。
男の子も見とれてる。
「ふ、ふざけんな!」
美空ちゃんが立ち上がって美月くんを指差した。
「なんでよ!バカじゃないの!?」
「えーっ・・いいじゃん」
美月くんはムスッとした。草野先生は咳払いをして美月くんの頭を撫でた。
「えと、美空ちゃんのお兄さんですね・・はい・・ケンカはやめましょう」
美空ちゃんはワナワナしてまた座った。
美月くんはカバンを持って僕の隣の席に座った。
生徒が少ないから机は結構空いている。
「隣だね、よろしく!春くん・・美空も」
「あ、うんっ!」
美空ちゃんは美月くんを睨んでいる。
「・・・・っ!春、相手しちゃダメだよ」
「春くん、美空はうるさいでしょ?」
「だまれっ!ばかっ!」
美空ちゃんの怒った顔も可愛いなぁ・・。
美空ちゃんはチラッと僕を見た。
「春も・・ばかっ・・」
「えっ・・?」
「なんでもないっ・・」
なんだか学校も騒がしくなりそう。
結実は美月くんとすぐに馴染んだみたい。

放課後に家庭科室に向かう美月くんもついてきた。
その後ろに女子生徒がついてくる。
「なんで・・来るの?」
「美空が心配なんだよ」
「ばか・・」
美月くんは何が心配なんだろう。
美空ちゃんは凄く美月くんを好きなのに。
一体何が・・・?





11/02/20 13:32 (kPe5F3hJ)
24
投稿者: すれぬし ◆KEJbDUVQ9A
なんか酷い話書いちゃってる・・・。
今まで書いてて一番しんどかった・・・
頑張ります・・。


今夜アイアンマンがありますね。
美空の銀兎のスーツのデザインはファイアボールのドロッセルお嬢様を参考にしました。
あんな感じだと可愛いなと思います。



11/02/20 18:03 (kPe5F3hJ)
25
投稿者: (無名)
今までの作品以上に引き込まれます。
何かありそうな世界観。
神社や学校、商店街。いいですね~。現実的で臨場感あります。
11/02/20 20:30 (ZKf2nPgC)
26
投稿者: 春 ◆KEJbDUVQ9A
夜中・・・。
寝れなくてモゾモゾしてしまう。
あの時の言葉が忘れられなくて・・・。
やっぱり苦しくて。
パジャマのまま外に出た。
座って少し落ち着くまで待つ。
こんなんじゃダメ・・。
震えちゃう・・・。
「寝れないのか?」
「あ・・将さん」
僕の隣に座った。
将さんは僕の事どう思ってるんだろう?
お母さんとは結婚してたんだよな・・・。
「僕の事、恨んでますか?」「急になんだい?」
「だって・・・その・・」
「恨む理由もない・・あいつは行きたい所に行ったんだ・・」
「・・・・」
言葉が出ない。
将さんは少し悲しそうな顔をしている。
「君が生まれたが養子に出されたと聞いた時はさすがに怒ったがな・・・今はこうやって君の顔をみれて幸せだよ」
「僕は・・・」
「俺は君の事を息子のように思ってる・・それだけだ・・それでいい」
「・・・・・」
ポンと頭を撫でられた。
優しくて優しくて・・泣いてしまった。
「俺はそんな器の小さい人間じゃねぇよ・・・安心して寝なさい」
「はい・・・」
涙をぬぐった。
将さんは微笑んでから家に入って行った。
僕も戻らないと・・。
廊下を歩いて自分の部屋に向かう。
「ったく!」
「美空ちゃん?」
美空ちゃんがムスッとした顔で部屋から出てきた。
「どうしたの?」
「もう・・春の部屋で寝る」「え、ええっ?」
「美月が・・しつこい」
美空ちゃんがスタスタと僕の部屋に入って行った。
嘘・・美空ちゃんと寝れる訳ない・・。
部屋に入ると美空ちゃんがちょこんと布団の上に座っていた。
ドキドキして・・・どうしよう・・。
「春、一緒に寝よ?」
「ち、ちち、ちょっと待ってよ!」
「なぁに?」
美空ちゃんがムスッとした「み、美空ちゃん、利奈さんの所で寝た方が・・」
「・・・嫌なの?」
美空ちゃんがしゅんとした
まずい・・こんなつもりじゃ・・。
美空ちゃんの肩を掴む。
「嫌じゃないっ!僕は・・」美空ちゃんが僕の顔を見つめる。
何を言っていいか分からない。
このまま見つめ合ったら・・・おかしくなる。

「失礼・・美空、ごめ・・」美月くんが僕と美空ちゃんを見て固まった。
美空ちゃんは美月くんを見てベッと舌をだした。
「美月のへんたい!」

結局僕を挟んで三人で寝る事になった。
布団が三つあって良かった
美月くんもいるから大丈夫・・・かな?
僕は天井を見て考える。
好きって事は圧しころせば・・・・。
僕は邪魔なんじゃないかと思ってしまう。
もちろん僕の気持ちはまだ伝えてないし。
美空ちゃんとは友達。
だけど美月くんは心配してしまうのかな?
僕が美空ちゃんを奪ってしまうと・・・?

いや・・・それはない!

と・・自分突っ込んだ。

僕にそんな魅力ないしなぁ・・じゃあ美月くんは何が心配なのかな?

お兄ちゃんとして・・恋人として好きな美空ちゃんを守りたいから片時も離れたくないんだな・・。

二人とも寝たのかな?

僕はまた外に行った方がいいかな?
利奈さん・・お姉ちゃんの部屋に行こうかな・・。
それがいい・・。
動こうとして・・。
布団の中に何か入ってきた美空ちゃんの手?

僕の手を掴んだ。

ドキッとして何も言えない
そのまま手を合わせた。
ギュッと握った。

なんか・・緊張する。

どうしよう・・・。

手を振りほどいて背中を向けた。
ドキドキして死んじゃうよ・・・。
目をつむった。
勿体無い事したなぁ・・。
また布団に何か入ってきたさっきより大きい。

ぎゅっと抱きつかれた。

「・・・・っ!!!!?」
美空ちゃんが僕に抱きついている・・。
こんな状況ってアリ?
なんだよ・・・。
どうしよう・・。
薄目を開けて美空ちゃんを見た。
寝てる・・・。
寝顔・・か、かっわいぃ。理性を抑えないと・・。
美空ちゃんの寝息が僕の首筋にかかる。
ビクッとしてしまう。
ここで・・逃げれるわけない。
美月くんは背中を向けて寝ている。

どうしよう・・僕はどうしたら・・。

ここで変な事したら美空ちゃんに嫌われるよ・・。

でも・・抱き締めたくてたまらない。

理性でなんとか止めていた物が・・・。
もう・・だめ・・・壊れそうになる。
ゆっくりと美空ちゃんの腰に触れる。

小柄で僕より少し小さい体
抱き締めたい・・・。

ゆっくりと向かい合う。

ドキドキするなんともんじゃない・・。

胸が痛い・・・。

ここで引き寄せたら・・。僕は止められるかな?

「んっ・・ん・・」
美空ちゃんの寝顔を見てキュンとして。

いやらしい考えは消えた。
ゆっくりと抱き締めた。



翌朝は早めに起きて布団を出た。
美空ちゃんは僕の布団の中で寝ている。
台所で水を一杯飲む。
「ふぅ・・・」
一息・・・。
美空ちゃんにいやらしい事したくない。
あんな状態でいやらしい事なんてできない。
凄く愛しくて抱き締めちゃったけど・・・。
神様は許してくれるかな・・・・。
外に出て少しうーんと伸びをする。
身長もなかなか伸びないし体も華奢なまま。
少食なせいだな・・・。

座って木に止まっている小鳥を見る。
雀かな?
かわいい・・・。

「しゅん・・おはよ・・」
「あ、美空ちゃん・・おはよ」
僕の隣に座った。
「春は朝早いね・・」
「うん・・寝れなかったから・・」
「まだ辛い?」
「うん・・・」
「大丈夫・・」
美空ちゃんが手を握ってくれた。
昨日の事・・思い出しちゃうよ・・・。
「私・・なんでかな・・春の布団で寝てた・・」
「あ、わわっ、そそ、そうだね・・・ふ、不思議だよね?」
「なーんか暖かかったし・・・良く寝れたなぁ」
美空ちゃんが脚をブラブラさせる。
可愛いし昨日起きてたんじゃないかと二つの事にドキドキしてしまう。
「春はどう?覚えてる?」
「ん?ううん!全然覚えてないよ」
「ふーん・・」
美空ちゃんが僕をじーっと見ている。
ニヤニヤしている。
やっぱり起きてた?

「美空っ!おっはよー」
「んっ、美月っ!」
美月くんが美空ちゃんに抱きついた。
頬っぺたを擦り合わせている。
「昨日はごめんね」
「うっさい・・へんたい」
「謝るからさ・・」
「むぅ・・・」
「これで許して・・」
美月くんが美空ちゃんの顎に軽く触れて・・・。

キスした・・・。

僕は固まる・・。
「んっ!・・・・ふっ・・」舌を絡めている・・。
美空ちゃんは最初だけ抵抗したけど・・。
気持ちよさそうな顔になった。

長い長いキスを見せつけられた。
「んっ、ちゅっ・・はぁ・・美月・・」
「許して・・ねっ?」
美月くんも可愛くて・・。美空ちゃんは頷いた。

けどハッとしてすぐにそっぽを向いた。
僕は・・・美月くんには敵わない・・。
けど・・頑張る・・。

負けないもん・・・。





11/02/21 09:19 (MHzh55YX)
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