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1:ひとしずくの排卵
投稿者:
いちむら沙織
2011/08/18 13:16:48(p36zYMIP)
投稿者:
Steam
紳一とつぐみのシーン、ものすごく感じました。
紳一と春子、つぐみの三角形も気になりますが、 春子が今後どんなことをされるのか心配です。 続きを楽しみにしています。
11/09/23 19:56
(4LBBBREz)
投稿者:
いちむら沙織
いつもありがとうございます。
ご期待にそえる展開になるかどうかわかりませんが、どうぞゆっくりお付き合いください。 イメージとしては、女性週刊誌の目立たないページの目立たない連載官能小説といったところです。
11/09/26 11:30
(oVGiVlcm)
投稿者:
いちむら沙織
十三話
「あ──」 _つぐみはなにかを思い出して顔を上げた。 「深海さん、まだ熱が」 「それならだいぶ治りました」 「いけません、すぐに薬湯の支度をします。あと、食事もまだでしたね」 _つぐみは辺りを見まわして、そこら中に脱ぎ散らかした自分の着衣を拾い集め、「あっち向いててください」と恥じらうと、紳一の背中を見ながら服を着た。 _そしてそのまま台所のほうへと足音を響かせていく。 _女らしい人だ、と紳一は感心した。 _森南つぐみという女性に、惚れ薬でも飲まされたのだろうか。 _いや、きっと熱のせいで錯覚しているだけだ。 _僕が愛しているのは春子ただ一人。 _同時に別の女性を好きになるはずがない。 _紫乃が遺してくれた春子とようやく結ばれたというのに、森南先生のことが気になっている。 _人と人との縁というものは、なんて残酷なのだろうか。 _それは誰かを愛せば誰かを傷つけてしまう「両刃の剣」なのだ。 _そう自分の心に触れながら、春子の顔を思い浮かべていたのだった。 _おなじ時、紳一とつぐみ二人を家に残したまま出かけた春子だったが、行くあてもないまま自転車をこぎながら、今頃お父さんと先生はどうしているのだろう、と考えていた。 _初夏の陽気で少し日焼けした顔に不安がよぎる。 _つぐみから漂ってくる魅力は同性の女目線で見ても明らか。 _いくら紳一が熱で伏せっているといっても、そんな彼女に世話をしてもらったら、なにも起こらないわけがない。 _お父さん──。 _春子の胸がさわぐ。 _でも今帰ったとして、もしもその場を目撃してしまったら私はきっと堪えられない。 _そんなことよりも、もっとお父さんのことを信じてあげなきゃ。 _そんなことを思いながら自転車を軽々とこいでいくと、喫茶店の前を通りかかった。 「あれ?」 _春子は喫茶店の窓から店内を流し見て声をあげた。 _その店は未成年に平気で酒を出すこともあるということで、学生の出入りは禁止されているものの、大人を気取りたがる年頃の高校生たちが出入りするのもめずらしくない。 _そういった雰囲気の喫茶店だ。 _でも春子がそこで見たのは学生なんかではなく、もっと春子に近い人物だった。 _しかも二人。 _白髪まじりの無精ひげをあごいっぱいに生やして、むずかしい顔をしているのは、昨日、春子を犯そうとしていた養鶏場の佐々木繁だ。 _そして彼と向かい合った席に座っている人物は、吸うつもりのない火のついた煙草を灰皿に置いたまま、佐々木繁に向かってしきりになにかを話している様子だった。 「お父……さん」 _春子がつぶやいた。 _そこに居たのは、春子の亡き母親の紫乃が深海紳一と再婚するまえの夫、つまり春子のまえの父親、九門和彦だった。 _この二人が顔を合わせるのも、ずっと久しかったに違いない。 _春子が生まれるまえから、九門家と佐々木家は良い間柄がつづいていたらしく、生前の紫乃の器量の良さは隣近所どころか町の誰もが一目置いた美しさだったものだから、繁も紫乃に対してはとくべつ気前が良かった。 _そんな中、紫乃は春子を授かり、佐々木夫妻は子に恵まれなかったせいもあってか、春子のことを我が子のように可愛がってくれた。 _しかしある時から和彦の態度が変わりはじめ、どういうわけか佐々木家との関係も少しずつ疎遠になっていった。 _そうして和彦と紫乃は離婚し、紫乃と春子を置いて和彦が出ていくかたちで縁が切れたのだった。 _母親と娘ふたりきりの暮らしはけして楽ではなかった。 _それでも紫乃の人柄と器量の良さが良縁を招いて、深海紳一と出会い、結婚した。 _三人での暮らしがはじまり、人あたりの良い紳一は佐々木家や近隣の人たちともうまく交流をはかりながら、紫乃や春子に対してはあまるほどの愛情を尽くした。 _新しい父親だというのに春子はすぐに紳一になついて、紫乃もそんな二人のことを微笑ましく見守っていた。 _なにもかもが順調に運んでいたかに見えたある日、とつぜん紫乃が病にたおれ、そしてそのまま薄命のうちに生涯を終えたのだった。 _紫乃の告別式には九門和彦の姿もあったのだが、佐々木繁や紳一と交わす言葉も少なく、ただ春子とだけは笑顔を交わして「大きくなったな」と言葉をかけていた。 _しかしその目には玉のような涙を浮かべて、紫乃を亡くした喪失感なのか、あるいは春子の母への思いを読みとったのか、和彦の表情はしだいに悲しみに暮れていった。 _春子が母と最期の別れを告げたあの日のようすを見ても、その後、繁と和彦が接触することなど考えられない。 _それが今こうして二人が会っているということは、よっぽどの事情があるに違いない、と春子はよけいな詮索をした。 _春子は実の父親である九門和彦の顔を見た。 _その次に佐々木繁の顔を見て首をかしげた。 _あの時、繁に犯されそうになって怖い思いをしたのに、繁から自分とおなじ匂いがしたような気がして、瞬く間に興奮が冷めていったのを覚えている。 _あれはいったいなんだったのか。 _理由がつかない。 _まさか──。 _春子はあることを思い出した。 _それは先日、この町の墓地で起きた強姦事件のことだった。 _春子とおなじ女学校の生徒を襲ったのは佐々木繁ではないのか。 _そして次に狙われたのが自分だったとしたら、未遂に終わっているからこそまたいつか狙われるかも知れない。 _いかにも女には見境のないといった面構えをしている繁ならやりそうなことだ、と春子は思った。 _その時、不意に春子の肩をたたくものがあった。 _空を仰ぎ見てみると、どんよりとした雲から冷たい雨がおちてきて、春子と自転車と地面のあちらこちらをたたいて濡らしていった。 _雨宿りをするよりも家に帰ったほうが無難だと思い、最後に和彦の横顔だけを見届けて小雨の中を自転車で抜けていった。 _風向きによっては雨の匂いに混じって時々、畑の肥やしの匂いもしてくる。 _梅雨入りしたのね、と春子はもう一度空を見上げてつぶやいた。
11/09/26 11:48
(oVGiVlcm)
投稿者:
いちむら沙織
十四話
_それから何日も雨は休まず降りつづいて、たまに見える晴れ間が水たまりに映ったかと思えば、あっというまに雲の向こうへ消えていった。 「あれから何も起きないね。もう犯人は捕まったのか、それかどこかへ逃げてしまったのかな?」 _校舎の窓から外を眺めたまま、うんざりした感じで美智代が言った。 「どうなんだろうね。その人がいなくなったとしても、男の人ってみんなそんなふうに私たちのこと見てるかも知れないし、結局は自分をまもれるのは自分なんだよ」 _春子が少し強めの口調でかえした。 「そうだよね。もう、こんなことなら合気道とか空手でも習っておけばよかった」 「あら、美智代はそんな心配いらないんじゃない?」 「それどういう意味?」 _春子と美智代は、いやだ、やめて、とじゃれ合いながら、お互いのスカートの裾を捲ろうとしてはしゃいでいた。 「あなたたち、女の子なんだからもっとおしとやかにしなさい」 _その声のするほうへ目を向けると、あいかわらず清潔感のある容姿をした森南つぐみが、分厚い教科書を抱えて立っていた。 _すいません、と二人が反省なさげに頭を下げると、つぐみは春子だけを教室の外に呼び出した。 「お父さん、あれから体の具合どう?」 「森南先生のおかげで父の体調もすっかり良くなって、仕事のほうも行けるようになりました。あの時はありがとうございました」 「いいえ、私はお見舞いに行っただけだもの。それより、もうすぐ町内のお祭があるわよね?春子ちゃんは誰と行くの?」 「私は美智代と行くつもりです」 「……そう、桜園さんと」 _そう言ったそばで、つぐみの頬が紅く染まったように春子には見えた。 _きっと先生はお父さんと一緒にお祭に行きたいんだわ。 _私だってほんとうはお父さんと行きたいけど、そんなのまわりから見たら絶対おかしいもの。 _あの日みたいにまた先生とお父さんを二人きりにさせていいのかな……。 _あの日に何があったか知らないけれど、これ以上仲良くされたら私はどうしたらいいのか……。 _目の前の晴れやかな可愛らしさのあるつぐみと、可愛げのない自分。 _くらべる物差しはないけれど、つぐみに対してはどうしても一歩ひいてしまう春子だった。 _数日後、梅雨の中休みといったところだろうか、夜中のうちから雨はやんでいて、その日は朝から快晴にめぐまれ、久しぶりの明るい陽射しがいっぱいに降り注いでいた。 _祭の当日だった。 _昼間のうちは、小学校の男子児童らが大中小の神輿(みこし)を担いで町内を練り歩き、女子児童らは笛や太鼓の祭囃子(まつりばやし)で盛り上げる。 _最終的には神社に神輿を奉納して昼間の行事は終わる。 _そして夜ともなれば、神社のそばの広場にやぐらを組んで、そこに酒樽ほどの大きな太鼓を置き、その年の年男たちが順番に太鼓打ちをするのである。 _今はその夜の部の準備の真っ最中で、町の青年部や婦人部、それに消防団までもかり出され、この時ばかりは安全巡回をしようにも人手が足りないのだった。 「ただいま」 _浴衣の着付けをしてもらうために、ちかくの美容院まで行っていた春子が帰ってきたのだった。 _でもその声にいつものはつらつとした明るさはなく、それでもなんというか、なにかを決断した時の一本すじの通った大人びた声でもあった。 「おかえり」 _紳一が玄関まで出向くと、そこに薄水色の生地に紫の朝顔の柄が可憐に咲いた浴衣姿が見えて、うつむき加減にはにかむ春子の笑顔と目が合った。 「……」 _紳一は春子に見とれて言葉を失った。 「この色、似合う?……おかしくないよね?」 「ああ……そうだな。春子があんまり綺麗だから、ちょっと驚いた」 _紳一の目が泳ぐ。 「そんなことないよ。だってまだ十六の田舎娘だもの」 _そう言いながらも春子は胸がふるえるほど嬉しい気持ちになって、それでもできるだけおだやかに振る舞った。 _器用に結われた髪の下からのぞいた細ながい首、そこから視線を流していけば、うなじの大人しい色気が紳一の心を奪う。 _血縁はないといっても、歳はいくつも離れている。 _それなのにこの心が洗われるような春子の美しさは、ふさわしい言葉がなかなか出てこない。 _余計な露出などいらない。 _さりげなくのぞく足首、手先、さきほどの透き通るようなうなじから鎖骨にいたるまでの皮のうすい肌。 _亡き妻の紫乃が春子の成長を見ることができたなら、どれほど喜んだだろう、と紳一は淡い思いにひたった。 「ねえ、お父さんは誰と行くの?」 _ところどころささくれ立った畳のある居間に上がると、いちばん気がかりなところを春子は訊いた。 「そうだな、工場の連中とどこかで飲もうかと考えていたところだ。なんの色気もないけどな」 「私が一緒に行ってあげようか?お祭」 「春子が、どうしてもと言うのなら行ってあげてもいいぞ」 _紳一が上からの目線で言う。 「お父さんが、私と一緒がいいって言うのなら行ってあげてもいいよ」 _負けじと春子もさらに上から言う。 _そこに可愛らしい八重歯がのぞいて、春子の顔にとびきりの笑みが灯った。 「約束どおり、友達と行ってきなさい。春子が行きたい人と行けばいい」 _紳一なりに考えた上でのひとことだったのだが、その言葉に寂しい距離を感じて、春子の笑顔はまたしぼみかけた。 「私、お父さんと……」 _そう言いかけて、かかとを畳にとんとんとあてながら、いじけるように俯く春子。 「どうした?」 「……」 _黙ったまま足の指を結んだり開いたりしている。 「じゃあ、こうしたらいい。昼間は友達と出かけて、夜になったら僕に付き合ってくれ。どうだろう?」 _紳一は、ひざを抱えて座っている春子の背中に自分の背中をくっつけ、わざとそういう構図を好んで座ったままそう言った。 「うん」 _背中合わせのまま春子はうなずいた。 _遠くの方から太鼓の音が聴こえてくる。 _まるで春子の胸の高鳴りをかき消すような響きであった。 「お父さん」 「うん?」 「なんだか胸が……息苦しくなってきちゃった……」 _紳一が振り返ると、朱色の帯のあたりを手でおさえて春子が天井を仰いでいる。 「どこか痛むのか?」 「帯が……帯が……」 _どうやら帯をきつく締めすぎたらしい。 _春子の額に汗がにじんでいる。 「少しゆるめるか?」 _その言葉に春子は首を横にふって、「ほどいて……」とかすれた声でこたえた。 _帯のほどき方はわかっても、結び方など紳一にはわからない。 _しかしそれはそれ、これはこれ。 _我が娘の愛しい晴れ姿を見納めして、帯の結び目の団子に手をかけてしゅるしゅるとほどいていった。 _それはもう紳一の理性がほどけていくのとおなじで、渦を巻きながら座敷の上に落ちていくのでした。
11/09/29 21:49
(UMOnNOxf)
投稿者:
いちむら沙織
十五話
_ようやく帯の締めつけから解かれた春子は、「はあ……」と息を吐いて紳一の胸に寄りかかった。 _浴衣から微かにナフタリンの匂いがする。 _大きくはだけた胸元から見える衣も、寝返りをうてば思いがけなくめくれてしまいそうで、それでも春子は着くずれを気にする様子はない。 「お父さん……私……」 「うん?」 「明日からはあんまり言わないようにするから……だから……」 「なんのことだ?」 _今にも泣き出しそうな春子の表情に、その言葉の意味を思いはかろうとする紳一。 「私が好きな人の名前……もういちど言うからね?……」 「……」 「言うよ?……」 _春子の唇がその名を言ってしまうまえに、紳一の唇がそれを塞いだ。 _二人の呼吸が止まる。 _春子は顎を突き出して目を閉じた。 _唇いっぱいにひろがる柔らかい感触は砂糖菓子のように甘く、それは父だとか娘だとかいうものを越えていた。 _重なっていた唇が離れると、春子は深い息をついたあと喉をごくんと鳴らして生唾を飲みこんだ。 _潤んだ黒眼が紳一を見つめている。 「お父さんの気持ちが変わっても……私はずっとお父さんが好き……。だからお願い……好きでいさせて……」 _春子のその言葉に、一瞬、森南つぐみを抱いた日の出来事が紳一の頭をよぎったが、それを忘れようとふたたび春子のまるい唇をむさぼった。 _紳一よりも小さな体をもっと小さく縮ませて、くるぶしを畳に擦らせて身をよじる春子。 _しだいにはだけていく浴衣の裏地に朝顔が透けて見えている。 _その下から浮かんでくる肌はなによりも白く、目に焼きつくほど眩しい。 _一度目に春子を抱いたあの時よりも強く体を掻きあさる。 _紳一の手は春子の体のどこにでもとどいた。 _浴衣の中に男手を割り込ませると、乳房の匂いがするブラジャーと、膣汁の匂いがする下着を下品に剥いた。 _父と娘の唇はまだ重なったままだ。 _ほどなく紳一も自らの着衣を脱ぎ捨て、裸に浴衣一枚の姿になった春子の成長を手指でたしかめていく。 _春子の背後から両腕をまわして、遊び慣れしていないその乳房をわしわしと搾る、左の手。 _猫眼のように鋭く縦長にひらきかけている恥部をいじくりまわす、右の手。 「んむん……ううん……」 _くちづけたまま春子は息を漏らした。 _鳥肌と武者震い、それが性を知った少女の正直な反応。 _春子の体はできあがっていた。 _乳房も、膣も、子宮も、卵巣も、男を悦ばせるために成熟していた。 _それは同時に女の悦びでもあるのだった。 _春子はおもむろに自分の股間に二本の指を突き立てて、切ない表情で膣の中身を掘り出した。 _そこから水をこねる音がする。 「あんぬう……」 _そして膣をさぐったその指を、紳一の鼻先一寸のところに差し出した。 「ほら見て……、お父さんのこと考えると私……こんなに不潔なものが出てくるの……。でも気持ちが良くなってきて……。どうしてかな……」 _紳一は躊躇なくその指を口にふくんで、糸が垂れる愛液をすすった。 _春子の生汁は良い塩梅で紳一の太い喉をズルリと下りていった。 _そのあいだも春子への愛撫はやまない。 _噴き上がる性欲は射精すれば少しはおさまるかもしれない。 _けれどもそれで終わるのは惜しい。 _こんなにも明るい陽光の中で春子の白肌を見られることなど、この先何度あるかわからない。 _そんな思いが紳一をあおっていた。 _初々しい乳の先から滲み出る汁。 _わし掴みにすると指を押し返す乳房。 _乳首と唇はおなじ色に染まっている。 _だとしたら春子の女々はどんな色をしているのだろうか。 _紳一は春子の片脚を抱き寄せて、すねから指先までを舐め上げた。 「うあん……」 _みじかい喘ぎが漏れる。 _紳一の左腕と春子の左脚が組み合って、春子の下半身が吊りあがった。 _そこは豊かに肌が盛り上がり、二重瞼(ふたえまぶた)のようにくっきりとシワをつくっていた。 _紳一の股間はばきばきと起って、春子を撃とうとしている。 「恥ず……しい……」 _小声で恥じらう春子。 _花化粧の浴衣と帯は敷き布団のようにひろがって、その上では春子が陰唇の花を咲かせている。 _受精するために甘い蜜を匂わせて、女の体からしか出ないものを出していた。 _おそらく僕は、春子に子どもを産ませるまで春子の膣穴をなぶりつづけてしまうだろう。 _しかしどうにも歯止めがきかないのだ。 _しばらくは色恋などというものから縁遠く暮らしていたと思っていたら、こんなにも近くに縁結びの相手がいた。 「春子──」 _愛しいその名を呼びながら、くの字に曲げた指を濡れた裂け目に挿していった。 _その指を締めつけるように膣がきゅっと縮まる。 _そこは熱くて、ねばねばして、肉が溶けているのではないかと思うほどやわらかい。 「はっ……あっ……」 _あいかわらず可愛らしい反応をみせる春子は、若さをはじけさせて快感を楽しんでいるようだ。 _紳一もまた男であることを楽しみ、女である春子の膣を酔わせてしまいたいのだった。 「お父さ……あん……」 _紳一の指は春子の深いところも入り口あたりも指圧している。 _指の根元に愛液の指輪ができている。 _二本目の指も飲んでみるか?と、紳一が二本そろえた指を見せると、春子は下唇を噛んでうなずいた。 _年相応のごつごつした関節の太い指が春子の中に飲まれていって、膣口は指二本分の大きさにふくらんだ。 _春子の口が「あ」と「う」のかたちを繰り返して、声もなく喘いでいる。 _ほじくる穴から潮水が溢れ出し、雨降らしの愛撫がつづいた。 _それから二人は姿勢を立て直して、春子は柱に耳をあてて寄りかかり、くびれの下の腰骨を後ろから紳一が抱え、そこに向かって自分の腰をしゃくり上げた。 _その時、父と娘のつなぎ目から、田んぼの泥をこねるような音が聞こえてきた。 ねちょくちゅ……。 くちゃくちゃ……。 「いい……ひいん……」 _体中から火花が散る。 _ばちん、ばちんと、体と体がぶつかり合う音。 _春子の膣が紳一の男具をしごく音。 _そしてそれらの音をかき消す太鼓の音が聞こえてきた。 ドドン!ドドン!ドン! ドドン!ドドン!ドン! _暑気払いの太鼓打ちの一行が、家の表のほうを通り過ぎていく。 _紳一と春子はつながったまま体を入れかえ、足を組みかえ、太鼓の音に気持ちを高めていくのだった。 _紳一が力いっぱいに春子を撃てば、障子戸ががたがたと鳴った。 _子宮が……下りてくる……。 _春子がそう思ったとき、耳の通りと鼻の通りが良くなって、今までに感じたことのない震えに襲われた。 _快感に顔を歪めたまま春子はくずれ落ち、排卵の気配のないその中へ、精液のかたまりを吐き出す紳一。 _太った竿は何度も痙攣して、最後の一滴までも春子の中に出しつくした。
11/10/03 10:58
(a3Tj2vdm)
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