2012年12月下旬の土曜日。この頃になると、ほぼ毎日のように仕事終わりにどちらかがにどちらかの部屋に行くようになっていました。「6年分の溜まった分」はきっちり利息を付けてローン返済をする日々です。ですが、あえて、その前日と「その日」は仕事が忙しくてと嘘をついて約束をしませんでした。僕の心情はこうです。「トモミを泣かしたんねん!!!!!」(関西人ではありませんが、テンション爆上げのウハウハでこう思っていました)そして、この日までにトモミとのことを色々と思い出す作業からはじめます。「それ」に関してトモミはなんと言っていたのか。トモミの言うことは一見、冗談のように聞こえるものの、その中に本音が隠されているということには再会した後からも感じていたので、これまでの思い出の中からそれを探ることにしました。もちろん、学生の時に付き合っていた頃の「はくり紙の手紙」からもそれを探ります。学生時代、みかんのダンボール箱に母親が食料を詰めて仕送りをしてくれたことがあったのですが、その箱にいっぱいの「はくり紙」を保管していて僕は6年間、それを捨てれずにいました。手紙の中にヒントはなかったのですが、それを読み返しているうちにトモミが目標を達成して、そのお祝いをした時のことが書かれた手紙がありました。それで思い出すことができました。トモミが「それ」に関して言っていたことを。そして、当日です。その日、僕は午後から準備をします。車で、ジュエリーショップで指輪を受け取り、さらにレンタル衣装店でタキシードを受け取りました。そして、こちらも予約していた花屋さんで100本のバラの花束を受け取ってから、それを車のトランクに入れます。そして、ドラックストアでウエットタイプの整髪料を購入してから自宅に一旦戻りました。普段よりもフォーマルな髪型に整えてから、タキシードに着替えます。そして、一番重要な指輪を携えて再度、車に乗り込みトモミの自宅近くのコインパーキングに車を停めました。まだ、トモミが帰宅するであろう時間までは1時間以上あります。その間に、やっぱりこう言おうとか、ああ言おうとか思案します。そんなことをしている間に、あっという間に帰宅時間は過ぎていました。トモミにメールします。「お疲れ様。もう帰った?」「お疲れ~。さっき着いたとこだよ!やす君は?」「まだ。あのさ、お願いがあるんだけど」「何?」「これからさ、家行くからピンポン鳴ったらドア開けてくれない?荷物抱えてて両手ふさがってるから」「うん、わかったー」よしよし、ここまでは作戦通り。そう思っていました。そして約5分後、インターホンを鳴らして、そのカメラに映らないように体を隠します。ドアが開いた瞬間に、その正面に体を入れました。そして、ひざまづき100本のバラの花束を差し出してから「トモミ、一生、幸せにするから結婚してください」色々、考えましたが結局シンプルにこう言いました。トモミは驚いた表情です。言葉もでないようです。(そろそろ、泣いちゃうかな?)どれくらいの「間」があったのでしょう。トモミは「いやだ」たった、その3文字を言い残すと。ドアを閉めました。「・・・・・・・・・・・」何とか立ち上がりましたが、動くこともできません。(えっ・・・・・・・・・)
...省略されました。