高校生の息子が親友と寝てると知ってショックだった。
家族ぐるみのつきあいで子供の頃から絵美おばさんと懐いてはいたけど。
私はジェラシーでおかしくなりそうだった。
それでついに我慢できずに伝家の宝刀を抜いてしまった。
息子の妹は私の実の子供だけど、息子とは血が繋がっていないのだ。
「お母さんと温泉行かない?」
息子は二人で行くのに疑問を持ったようだ。
ちょうど娘が小学校の修学旅行に行く。
「つきあってくれたら欲しいもの買ってあげるわよ」
息子は物欲に負けたが、少し腑に落ちない風な顔をしていた。
観光地から外れた萎びた旅館だが、露天風呂もあるし何より混んでないのが良かった。
食事も済んで、ちょっと涼みがてら散策に出掛けた。
息子は心霊番組が放送されれば必ず観るほどオカルト好きでもあったから、暗い林道などはちょっとした肝試しみたいで面倒がらずにつきあってくれた。
民家が途切れたあたりに森林公園があった。
そこに平屋の公民館みたいな建物がある。
地域の人がイベントなどをやるのに使うらしい。
陶芸教室だとか、民話の朗読会だとか、様々なチラシが貼ってあった。
「ここで百物語とかやればいいのに…」
息子がチラシを眺めながら言う。
公園の敷地に入ってみるとちょっとした庭園になっている。
奥に行けば行くほど色んなスペースがあるようだ。野外音楽堂とかバーベキュー施設とか。
けっこう立派な東屋風の場所で休憩した。
靴を脱いで上がれるようになっていた。
そこで自販機のアイスを食べた。
しばらくして私は息子に打ち明けた。
貴方は本当の息子ではないと。
(ここでの細かい会話は省く)
息子は驚いてはいたけど落ち着いていた。
私は妹には話さないように口止めをした。
いきなり温泉に行こうなんて変だなとは思ってた。
息子はそう呟いた。
「戻ったら一緒にお風呂入ろうよ」
息子は他人だとカミングアウトされてからだから何かを察したようだったが無言だった。
私は息子に入浴を進めた。
部屋にある小さなお風呂はまだ入っていなかった。
息子が入ったあと、私も脱衣場で浴衣を脱いだ。
息子は浴槽で裸で入ってきた私を見ていた。
すぐに隣に陣取る。
腕が触れあった。もう引き返せないと思った。
「お母さんのこと、母親というのを抜きにしたらどう思う?」
「…」
勇気を出して前に膝立ちになった。
「女としては魅力ないかな…?」
「どうしたの…」
息子が蚊の鳴くような声で問い質してくる。
「絵美ちゃんのこと、抱いてるでしょ…」
息子はハッとしたが、観念したようだった。「梨菜ちゃんをどう思ってるの?」
梨菜ちゃんは絵美ちゃんの娘だ。
私達は二人がつきあうんじゃないかと思っていた。
でも、当人たちは昔から知りすぎているからか、色っぽい関係にはならなかったようだ。
友達としては仲良しではあった。
「絵美ちゃんの事が好きだったの?」
息子はそうだと認めた。
2026/06/09 15:00:10
(L3bopg4F)