自分を自慰の対象にしていた生徒と関係を持ってしまった時がありました。 もうお局様と揶揄される年齢に差し掛かった頃に、自分みたいな女を異性として欲しているその男子生徒の事が頭から離れなくなってしまった。 私は文芸部の顧問をしていて、活発に活動しているとはいえない部室で時折くつろぐ時があった。 いつも誰かの視線を意識していないといけない職業だけに、こうした隠れ家的なスペースはどの教師にもあったのではないだろうか。 正直に告白すると、自慰すらしたこともあった。 そんな部室で何気に整頓をしていた時に、偶然ロッカーの段ボールの陰に隠してあった大学ノートを見つけてしまった。 それに、は生徒が殴り書きしたような小説が書き記してあった。 だが、じっくり読んでみるとそれは官能小説で、主役といってもいい登場人物が私だったのだ。 それに書かれていたものは願望なのか。 書き手と私の禁断の情事が延々と綴られていた。 書いた人物もすぐにわかった。 彼が私をそういう目で見ていたとは全く想像つかなかった。 私は男子生徒にそういう対象にされるような教師ではなかった。 でも、そういう私が欲しいのだと赤裸々に描写されている。 私の服装に触れたりしてる箇所を見ると、実際に着てた服装だと思い当たる。 前半ではそういう私の姿を目に焼きつけマスターベーションに励むシーンが頻繁にあった。 私は衝撃を受けたが、おいそれと注意できることじゃなかった。 妄想して書くだけなら自由だ。 題材はともかくとしていちおう文芸部なのだし。 私は一通り読んで考えこんでいた。 そういう風に思われた事が皆無だから免疫がなく呆然となってしまったのだ。 ただ、自分の女の部分ではうれしい気持ちがなかったと言ったら嘘になる。 そんなことを考えていたから部室に入って来た人間に気づくのが少し遅れてしまったのだ。 L字型の部屋の奥まった場所にいたから尚更だ。 書いた張本人が机に出してあるノートを見てかたまっていた。 それからお互いにギクシャクしたやりとりをしてやっと冷静になったら今度は沈黙した。 その辺は本当になんて取り繕うか頭をフル回転させてたからあまり記憶にないのだけど。 結局、勝手に読んでしまったことをまず詫びた。 彼はひたすら気まずそうだった。 それはそうだろう。 まだ中学にあがったばかりのころなのだ。 私はとりあえず誰にも話さないことだけは確約した。 とにかく安心させてあげないことには始まらない。 彼も落ち着いたのかいきなり謝った。 それは書いてある内容からだろう。 私は先生の名前を勝手に流用するなんて酷いわと少し逃げ道を作ってあげたのだが、 彼は別に流用した訳じゃなくてとしどろもどろに答えた。 それって本当に私が欲しいのか… 私は素直に話してくれたからだと思う。 自分でも意外な事を口にしていた。 いい?この事は二人だけの秘密。 約束よ。 その記しにうちに食事にいらっしゃい。 私は学校から少し離れた場所に彼を待たせて車で拾った。 親には部のみんなと先生にご馳走になるからと電話をさせた。 そのまま、部屋に連れ込みすぐに体の関係にはならなかった。 彼も経験がないし、私自身も処女だったのだ。 でも、これをとっかかりにして私たちは一線を越えた。 私は生涯独身を貫きたぶん定年まで教師を続けると思っていたから時折怖くなることもあったが、本能の欲求にはあがらえなかった。 それほどまでに背徳感に溺れてしまったのだ。 本当は辞職するべきでした。 しかし、その勇気もなく二年ほど関係を続けました。