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異端者の末裔

投稿者:ケルベロス ◆AdKeSZp7eg
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2012/05/10 05:52:57 (cnCDfK8b)
私の通う大学は、学園祭が年二回ある。
一般的に学園祭と呼ばれるものは11月で、GWの時期に五月祭なるイベントが行われる。
やってる事は学園祭と差ほど変わらないが、一応各クラブの活動発表という名目がある。
私の所属する電気部は、アマチュア無線をメインに、無線機を自作したり、当時出始めたマイコンで簡単なゲームをプログラムするぐらいの緩いクラブだ。
二年生で迎えたこの五月祭で私は、一生忘れる事の出来ない彼女と出会った。
電気部では教室内に、活動報告の掲示とマイコンによるゲームコーナーを設けているが、掲示物を見る者など誰もいない。
もっぱらゲームに客が集まり、それでも他のクラブに比べれば盛況と言えた。
私は朝からこの教室で案内係をしていた。
1時からはグランドの模擬店で、ホットドッグの販売が割り当てられている。
お昼前に三人組の女の子が入って来た。
見事に体型が違う三人組だ。
140くらいの小太り、150くらいの普通体型と160はありそうな痩せた子の組み合わせは、ある意味人目を引いた。
小太りの子はトレーナーにホットパンツ、普通体型の子はワンピース、痩せた子はコットンシャツにジーンズという服装だった。
小太りの子が私の前に来て、ゲームがやりたいと言って来た。
ちょうど前の客が席を立ったところだ。
三人にゲームのやり方を教え、一人5分で交代する様に伝えた。
まずは小太りの子がゲームの前に座り、やり始めた。
二人はそれを後ろから見ている。
しばらくすると痩せた背の高い子が私の側に寄って来た。
「お兄さん、アマチュア無線て面白い?」
「う~んどうかな。遠くの人と話せる楽しみはあるけど。」
私自身好きで入部した訳ではない。
たまたま高校の先輩が居た為、誘われるがままに入部しただけだ。
「ふ~ん、これって世界中と話せるでしょ。」
「周波数帯によってはね。でも最低英語くらいは話せないとね。」
「お兄さんは話せるの?」
「俺、無理無理。」
笑ってごまかした。
彼女を良く見ると、なかなか可愛い。
睫毛が長く、瞳が愛くるしい。
小ぶりの鼻に、少し厚めの唇が色っぽい。
何より痩せた体に胸だけが、これでもかと言うくらい主張している。
少しだぶっとしたシャツを着ているので分かり難いが、ピタッとしたTシャツなら誰もが振り向くだろう。
私の視線に気がついたのか、恥ずかしげに俯いた。
「お兄さん何年生?」
「二年生。」
「背高いね。」
「180あるからね。君も大きい方だろう。高校生?」
「中三。今162かな、これ以上高くならなければいいんだけど。」
「トモの番だよ。」
小太りの子がこちらを向いて、声をかけた。
「私はいいや。リコ代わりにやって。」
「ラッキー!」
小太りの子が再びゲームの前に座った。
「トモちゃんだっけ、やらないの?」
「私あまり得意じゃないから。」
普通体型の子がトモに近付き「お昼どうする?」と聞いた。
「何でも良いよ。」
「よかったらグランドの模擬店でホットドッグやってるからおいでよ。俺も1時から居るからさ。」
「おごってくれる?」
普通体型の子がお願いする様に言う。
「良いよ。」
「やった~!」
ゲームが終わると三人揃って教室を出て行った。
トモが振り向き軽く手を振ったので、私も小さく振り返した。
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42
投稿者:てんらい
2012/05/26 14:01:33    (8MSxsRpi)
これから佳境に入るところなのに如何なさいましたか?
続きを楽しみにしている読者も多く居られるようなので
是非続編をお願いします。こんな素晴らしい内容の結末も気になります・・・。
43
投稿者:(無名)
2017/02/06 06:35:27    (VMgumOiU)
保守
44
投稿者:ななし
2019/11/10 06:11:52    (WBmuGvdS)
素晴らしい
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