2012/07/20 16:40:29
(P239oPwY)
(な…何言ってんだ、この人!?)
僕は山田所長の言葉に耳を疑いました。
「うわぁ、やっぱりな」
「そうじゃないかと思ったんすよ!」
五十嵐さんと堤さんが所長の言葉に騒ぎます。
山田所長は2人の反応をニヤニヤ笑いで見つめながら、煙草に火をつけました。
「ミヨリンの具合はどうだったんですか?」
五十嵐さんが興奮気味に聞きます。
「まあまあ、締まりよかったで」と所長。
「ミヨリンってあまりおっぱい大きくないけど実際どうなんすか?」
堤さんが身を乗り出して聞きます。
「ああ、乳は大きないわ」
答える所長。
僕は自分の机で怒りが沸々と込み上げてきました。
本人がいないからといってセクハラもいいところです。
しかも、彼氏である自分がここにいるというのに。
あんた、何嘘ついてるんだ!
美代子は俺とつき合ってるんだよ!
結婚も約束してるんだ!
いい加減なこと言うな!
そう怒鳴りつけてやりたい衝動に駆られます。
「どうやってミヨリン口説いたんですか?」
五十嵐さんが聞きました。
「ミヨリン、彼氏おったやろ?ちょうどその彼氏と別れるか別れんかって時に、飲みに行ってな。彼氏が浮気ばっかりするとか言うてミヨリンが愚痴言うから、そうかそうかって話聞いたって。ミヨリンも同じことしたらええねん。どうせ今頃彼氏もまた浮気してるかもしらんで言うて」
確かに美代子の元彼は、よく浮気をしていたと美代子に聞いたことがあります。それに比べて僕は浮気するようなタイプじゃないから安心だと…。
「で、彼氏への仕返しに俺と浮気しようやって言うてん。ミヨリン、えー冗談やめてください、とか言うてたけど、冗談ちゃうで、俺ミヨリン好きやし、ミヨリンかて彼氏ばっかりそんなことして悔しいやろ?それにエッチってスポーツと一緒やで、テニスとかボウリングするのと変わらん。心の浮気するわけやないしさ、とかなんとか言うて。ミヨリン飲んだらヤりたくなるらしいねん。せやから、そのあと飲ませてしつこく口説いてラブホまで引っ張ってったら、結局ついてきよったわ」
飲んだらエッチしたい気分になる…これも美代子から聞いたことがありました…。
僕の中の沸き上がっていた怒りが急速に萎んでいきます。
(これは所長の作り話だ…。全部嘘だ…)
僕は必死に自分に言い聞かせました。