2025/05/17 00:35:31
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それから数日間、二人の時間を持つまでのあいだ、綾子は店長として売場では他のスタッフと分け隔てなく接してくれていた。心なしか以前よりも笑顔に微笑みが含まれているように感じた。
そしていよいよ綾子が早番、私が休みで約束の日がやってきた。
綾子は早番で上がると自分の車は停めたまま私の車に乗り込んだ。一緒に過ごす時間を少しでも長くしたいから一台で出掛けようと約束を取り付けていたからだ。
家族には2時間程残業があり、遅番と同じくらいの時間で帰ると伝えてきていた。
綾子は車内で二人きりになった事で売場とは違い緊張している様子だ。
綾子「どこに行くの?」
私「静かで二人きりになれるところ。2時間で帰れるように遠くまでは行かないから安心して」
私は運転しながら再び綾子の手を握った。
綾子は拒絶する事もなく、その手は柔らかかった。
私は指を少し動かして綾子の手を摩ってみた。
するとくすぐったさもあったのか、綾子の指も合わせて動いた気がした。
そして目的地であるインター近くのラブホへと車を滑らせた。
綾子「お茶をしてお話するだけでしょう?ホテルなんて聞いてない!ダメだよ。」
私「静かな所で二人だけで話したいって言ったじゃない。嘘なんかついてないよ」
ホテルの駐車場で押し問答が続く。
私「僕は叶わぬ恋なのは充分承知してるし、店長のご家族に迷惑がかかることはしない。だから今日だけは二人の時間が欲しい」
綾子は家族への迷惑という言葉に観念したのか、「お話するだけだからね」と渋々チェックインした。
カウンターで部屋を選ぶボタンの前では意外にも「うわぁ、今のホテルってこんなになってるんだぁ」と驚きつつも興味津々で楽しんでいるようだった。
そこに他のお客が入店してきた時、綾子は慌てて顔を背けて私の陰に隠れた。
綾子は人妻でありおそらく浮気や不倫などはしてないだろう真面目な女だから周囲の目が気になるのも無理はない。
私はさっき綾子が興味を示していた部屋を選び鍵を受け取ると足早にエレベーターに乗り込む。
その際中も私は綾子の手を握りながら誘導し綾子も応じるように握り合っていた。