2021/03/21 12:34:16
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続きです。
「アサコ、砂浜行こう。」
「パパさん、私いいの持って来たの♪♪」
すると、車からトートバッグを持って来た。
「レジャーシートと、あとねコーヒー淹れて来たんだ♪」
砂浜にシートを広げ、腰を降ろす。
水筒からコーヒーを汲むアサコ、いい香りのするコーヒーだ。
「どうぞ」
「美味しい!」
「よかった♪」
気が付くと、思い出話で盛り上がっていた…。
「パパさん、覚えてる?わたしが初めて練習試合をみに来た日…」
「わたし薄着で来て寒がってたらパパさん、ベンチコート貸してくれたよね。」
「帰りにコート返しに行ったらパパさん、来週も寒くなるからって持ってれば?って。」
そういえばそうだった…。
「ママさんたら、いいからもらっておけって、どうせ旦那着ないからって。」
「パパさんだけだった、声掛けてくれたの…」
「それからパパさんの事が気になって…」
「だから、このあいだパパさんから声掛けてもらった時、恥ずかしかったけど嬉しかった。」
「久しぶりだったのにあんなの見られて…」
「オレもビックリだった…まさかアサコがって」
アサコが膝に横になる。アサコの髪を撫でる。
「今日はHなしです!」
「分かってる。」
しばらくこのままでいた。
浜風が心地いい。
「パパさんそろそろ行かない?」
出発する事にした。
さらに車を走らせる。
ひじ掛けに置いた手をアサコが握る。
物欲しそうな目をするアサコ。
「どうした?」
「ん~何でもない…」
すると、左側にラブホが見えてきた。
「寄ってく?」
「今日はダメ~。また今度ね。」
(いつ話を切りだそう…)
「パパさん!またボーっとしてる。運転疲れた?」
我に帰る。
「じゃあまた今度な。」
(さっきも言ったな…)
しばらくすると、アサコが行きたがってた観光市場が見えた。
車を停めると、アサコが後ろで何かしている。
「エエッ!」
ちゃっかりクーラーボックスと保冷剤を持って来ていた。
「パパさん行こう♪」
市場であれこれ見て廻る。アサコは試食に夢中になっている。
すると、売り場のおばちゃんが、
「旦那さん、あんたら訳ありだろ?」
ドキッとした…
「私、長年この仕事してるから分かるんだよ」
「ここ観光地だから色んなひとがくるでしょ、しかも近くにホテルもあるし…でもあの娘未成年でしょ、駄目だって。」
やっぱりそう見えるんだ…
「彼女32歳だって…」
「あら~ビックリ!ただあんたらちょっと目立ってる。」
アサコが戻って来た。
「おかあさん、ここで売ってるのみんな美味しいです。」
「そうだろ、旦那さんがおみやげいっぱい買ってくれるって。」
アサコはあれこれ物色し、クーラーいっぱい買い物した。
「まいどさん!また宜しく!」
おばちゃんにまんまとヤられた…
「パパさん買わないの?」
「ああ、オレはいいわ。」
アサコは察したように頷いた…
車に戻り、そして走らせる。
クーラーを漁るアサコ、メロンパンを出して来た…
「まだ食うの??」
「このメロンパン有名なんだよ♪たべる?」
「味見だけ」
確かにウマイ。
美味しそうに食べるアサコ。
「あ~美味しかった♪」
突然お腹を出して来た。
「見て!お腹パンパン!」
確かにパンパンだ(笑)
お腹をなでなでする。なぜか服をまくりあげるアサコ。ブラまで見えてる。
「早くしまえよ」
さりげなく胸を揉む。
「ムラムラしてきたの?」
服を直しながら聞いて来た。
「今日はなしだよね?」
「もちろんです!!」
しょうがない、こんな日だってある。
アサコがスマホで何か見てる。
「さっきのホテル、可愛い部屋いっぱいあるよ!」
スマホを見せて来た。
「本当だ!」
アサコはあれこれ部屋を見てる。
「私、この部屋がいい♪今度行こうネ」
「アサコ、帰り高速乗って帰るから」
「りょーかい!」
(そろそろ話しないと…)
思いきって口にした。
「アサコ、よく聞いて。うちらってはっきり言って不倫じゃん。2人で会うのって良くないと思う。いずれは関係終わらせたほうがいいと思うんだ……。」
うつ向くアサコ。
しばらく無言が続いた…。
「そうだよね。不倫だもんね。」
涙ぐむアサコ。
そしてせきを切ったように
「パパさん、来週会って下さい。それで終わりにしよう……。」
オレの肩にもたれ掛かってくる。
泣きたいのを我慢している……
「アサコ、思い切り泣いていいよ…」
しばらく泣き続けた。
すっきりしたのか、諦めがついたのか今は何事もなかったようにケロっとしている。
「パパさん来週あのホテル行こう♪」
「わかった。」
アサコに笑みが戻った。
夕方になり、待ち合わせ場所に着いた。
「パパさん…」
「どうした?」
「まだお腹いっぱい…」
思わず爆笑してしまった。
「食いすぎ!!」
来週の約束をしてアサコと別れた。
軽く手を振るアサコ。
なぜか1人になったとたんに涙が溢れた…。
続きます。