(少しずつ本来の目的が抜けかけている…良い傾向だな…。
ちゃんと頭の片隅にでも置いておかないとダメじゃないか…、旦那の為なんだろ…?)
舐めるような視線が、全裸を晒した女の全身を這うように上下する。
火照る身体、上気する呼吸、朱に染まる肌。
幾度となくすり合わせる太ももの動きは、それだけで蜜穴がぬめりを帯びていることを示す。
「見られることは羞恥に繋がり、その羞恥は貴女の身体を濡らす…。
また一つ確認することができましたね…。
十分…です。
役に立っていますよ…?」
役に立っている、その言葉の示す対象はいったいどこにあるのか。
夫の治療の役に立っている…なのか。
それとも、男を興奮させる役に立っている…なのか。
揺れた心を一気に堕とし、犯すには良いタイミング…男はそう考え始めていた。
何より、身体を隠す布切れは男の主中。
逃げ出そうにも、身を隠す術を完全に失っている女に大胆な行動はとれないだろう。
「本当に…よく濡れているようですね…。」
丁寧に置かれた衣服、当然一番上には最後に脱いだショーツが置かれている。
何の躊躇いもなくその布切れを手に取り、広げ、最も濡れている部分に触れる。
担当医、とはいえ、ただの他人。
家族でもない、夫婦でもない、他人の男に裸体を晒し、湿らせたことをより強く自覚させる行為。
その口元は薄く緩んでいた。
「良いでしょう、では次の段階へ。
視覚から次は触覚、直接的な刺激への反応を見ていくことにします。」
下着を籠に戻し、自然に男はその籠をより奥の棚へと移動させる。
これで容易に取り戻すことは叶わない、そんな状況を作り出し男は続行の意思を示す。
「そちらのベッドに横になってください。
そして脇に置いてあるタオルで目元を覆い、出来る限り視界を遮るようにしてください。
次は触覚に集中していただく。
余計な情報を遮断させていただきますから。」
ベッドに横たわる指示、そして恐怖にさえ繋がる視覚を奪う行為を指示する。
と同時に男はそれとなく診察室の隅に視線を向ける。
(問題なさそうだな…。)
ベッドを四方から覗き込むようにセットされた小型のカメラ。
目を凝らせば存在に気づくだろうが、余裕のない女にそこまでの洞察、観察は難しいだろう。
そして男は手術用の薄手の手袋を手に通す。
その所作は確実に、今からお前に触る、と言っている様にも見えた。
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