ーーーーー会社ーーーーー
「すいません遅くなりました。」
そう言いながら宙斗がオフィスに入っていくと、
部員1「おっ、ヒーローの登場だ(笑)」
部員2「岡田さん、朝から大活躍ですね(笑)」
部員3「山下君の話じゃ、被害にあった女性凄い可愛いみたいじゃない(笑)」
女性事務員「ちょっと待って下さいよ。その言い方だと、まるで岡田さんが、外観ありきで助けたみたいに聞こえるじゃないですか。違いますよね…ねっ、岡田さん。」
「参ったな……たかだか痴漢野郎を突き出しただけなのに(苦笑)」
頭を掻きながら、所属課長に遅れた詫びを伝える宙斗。
課長「分かった。岡田君、君はたかだかとか言ってるが、普通なかなかできることじゃないぞ。君みたいな課員がいることを誇りに思うよ(笑)。
それはさておき風間室長がお呼びだから、早速顔を出してくれ。今回の事でお褒めの言葉かも知れないぞ。」
「分かりました行ってきますが、それは無いでしょう(笑)」
風間室長の部屋の前に立ち、ノックする宙斗。
すると「どうぞ」と中から誘う声が。
「営業三課 岡田です。失礼します。」
宙斗がデスクの前に立つと
風間「岡田君、わざわざ呼びだしてすまなかったね。今朝は活躍だったみたいじゃないか(笑)。」
「いえ、そんなことは…」
風間「まあ、それはいいとして、岡田君、君、〇〇株式会社の永瀬取締役のこと知ってる?」
「〇〇株式会社って、うちのお得意様のですか?担当したことがございませんので、存じ上げませんが。」
莉奈父と頭の中で結びつかなかったためそう答える宙斗。
「そうか…では、永瀬莉奈という名前には?」
「(えっ、永瀬莉奈ってあの莉奈ちゃん?莉奈ちゃんって〇〇株式会社役員の娘なの?…どう答えれば……)」
なかなか口を開けない宙斗。
その様子を見て風間が、
「いい、いい。その様子じゃ知ってるようだね。
付き合いを続けるつもりなら身辺は綺麗にしておくことを進言しておくよ。
もういい、下がっていいよ。業務に戻ってくれたまえ。」
訳が分からないまま「失礼します。」と、室長室を後にする宙斗。
席に戻ると、課長が興味津々な様子で、
「風間室長なんだって?やっぱりお褒めの言葉かい?」
「ええ、そんなもんです。」
と答えた宙斗だったが、心の中では別の事を考えていた。
「(俺は莉奈ちゃんの連絡先知らない体だから、もし莉奈ちゃんから連絡があったら親父さんの事聞いてみるか。)」
ーーーーー対海斗ーーーーー
そんなこんなで大した業務もできないまま、昼休みに。
一緒に昼食に出た同僚に、痴漢撃退の件を冷やかされながらの昼食を終え、デスクに戻ると程なくして海斗から電話。
昨日莉奈と何かあったのかと問うてくる海斗に
「昨晩聞かずに一方的に電話切ったの誰だ?海お前だろ。知らんよ。(笑)」
海斗「ってことは何かあったんだな。悪かったから教えろよ宙。」
「どうしようかなぁ…(笑)」
海斗「悪かったって…教えてくれよ宙。昨日から何度も連絡してるんだけど、電話には出てくれないし、〇インは既読すら付かないんだよ。」
「じゃあ、宙。お前昨日本当は何してた?」
綾瀬まさみとの情事を頭に浮かべながらも、
海斗「し…仕事だよ。(まさみちゃんとホテル行ったのは仕事はけてからだし、まるっきり嘘ってわけでもないよな。)」
「そうか、じゃあ質問の仕方を変える。〇時〇〇分頃はどこにいた?」
海斗「……(〇時〇〇分頃ってターミナル駅降りて、まさみちゃんとホテル向かってる頃だよな。)」
「どうした?言えないなら、代りに言ってやろうか?」
海斗「(まさか…いや、どうして宙と莉奈ちゃんがターミナル駅に?)」
「お前、ターミナル駅近くのホテルにグラマー美女と入っただろ?
俺と莉奈ちゃんはそれを目撃しちまったってわけだ。」
海斗「な…なんで?どうして??二人は”サカモト”で呑んでたんじゃ?」
「”サカモト”だと、莉奈ちゃん帰り大変そうだったんで、河岸変えた。」
海斗「お前があれは双子の兄、宙斗だって言ってくれれば…」
「なんでそんな嘘を俺がつかなきゃならないんだ?そんな義理も無いし。
それに莉奈ちゃん、俺とお前の歩き方の違いとか細かい行動で、なんかおかしい変だなと思ってたみたいだぞ。」
海斗「そんなの気のせいだって言ってくれれば……」
「俺は、海お前に女性の観察眼舐めないほうがいいって言ったよな。」
海斗「じゃ…まさか……」
「あぁ、全てぶっちゃけた。あんな可愛い子を騙し続けるの心苦しかったし。俺も騙してた方だから勇気要ったんだぞ。」
海斗「宙…お前……俺はどうしたら…」
「謝るしかないだろうな、謝る機会が与えられればだけど。
(あの分じゃ莉奈が海斗からの電話にでることは無いだろうし、なによりあの親父さんが許さないだろうな(笑))」
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