2026/10/30 14:48:34
(fmNLdo7C)
羞恥と屈辱に頬を赤く染めながら、うっすらと汗をにじませて震える栞を見つめながら、俺はスマホを手にして電話をかける。
「あぁ、それから。これから起きることには、すべてイエスと言うこと。その格好でいること。少しでも否定的なことを言ったり、胸を隠したりしたら、この話はなかったことにします。いいですか?」
身構えるように思考を巡らせながらも、栞は小さく頷いた。20回ほど電話はコール音を鳴らしたあと、ようやく相手が出た。
「きみ、出るのが遅いよ。だから駄目なんだ。そんなだから、あんな馬鹿なミスをしでかしたんだよ、まだ分かってないみたいだな」
いったい誰と?といった様子で事態を見守る栞に、「すまなかったね、蚊帳の外にしてしまって」と詫びながら、スマホをビデオ通話に切り替え、音声が彼女にも聞こえるようにした。
「ちょっと困ったことになってね。あぁ、きみに関係することだ。相変わらず、血の巡りの悪いやつだな、だから電話したに決まってるだろ」
通話相手の声を聞いて、栞の表情から血の気が引いていく。
「証拠を見せるから、きみに証人になってほしいんだ、桜井くん」そう言って、俺はスマホの画面を栞のほうに向けた。羞恥と困惑と屈辱とをないまぜにした表情を浮かべながら、彼女は小さく首を横に振る。
「さっきから、きみの奥さん、かつての私の部下の…栞くんがね、こんな格好で、私に迫ってくるんだ。まいったよ、本当に。こういうのは、ほら、なんて言ったかな? なんとかハラスメント」
「し…しおり? なにして…」とうろたえる桜井に「あぁ、思い出したよ」と、もったいつけながら俺は言った。
「セクハラ…って言うんじゃなかったか?」
事態の全貌を理解するのと同時に、これから起きることへの恥辱に怯えるように、栞は身を固くした。
(本当に巧みな設定で、すべての材料は最初の設定のなかに封じ込められている感覚があります。それを1つ1つ開封しているだけといった気分で書かせてもらってます。お見事です。桜井栞への欲望と題したエピソードにも同様の感覚があります)
(セクハラという言葉をうっかり早く使ってしまったので、訂正版です。先にレスしたものは削除しました)