2026/10/17 08:51:30
(depcjGnZ)
優花の思い出(3)
ハンカチを返すのを口実に、ミニシアターで再会して、正式に交際しはじめるまでの間に、俺は優花の姿を見かけたことがある。今となっては、あれが本当に優花だったのかどうか定かではなく、彼女に話したこともない。
でも、きっとあれは優花だったように思う。
初老に近い、身なりのいいスーツ姿の男の腕に手を添えるようにしながら、きれいな女が一緒に歩いていた。白いブラウスに、びっくりするくらい短い黒のタイトミニを履き、太ももの半分くらいの位置に、ガーターベルトと分かる黒のストッキングを履いていて。
ヒールの高いパンプスをコツコツとならしながら、ときどき見上げるように男の顔見ては、またうつむいて、男に寄りそうように歩く姿は、可憐でありながら、とてつもなく淫びに感じて。
仕事帰りの時間に何の予定もなかった俺は、そのあとをふらふらとついていった。
やがて2人はバス停で立ち止まり、乗客のまばらな1本に乗り込んだ。慌ててついていくと、2人は後部座席の隅に座り、俺はその近くの席に座ることに。
バスが走り始めてしばらくして、窓際に座った男が女のほうに耳打ちすると、女はゆっくりと脚を開いていって。
気取られないように、俺がその様子を見ていると、たぶん男のほうが気づいたのだろう、女の体が俺のほうに向くように耳打ちをして。女は、恥ずかしさからうつむいたまま、ガーターストッキングに包まれた太ももを開いていった。
男の手が伸びて、タイトミニを少しまくるだけで、女が下着を履いてないことが分かり、さらに男の手が動いて指をV字にすると、陰毛がきれいに剃られた女の性器が剥き出しになった。
女の顔が羞恥で真っ赤に染まるのが、俺の位置からも分かった。けれど、うつむいた顔に髪がかかって、顔立ちまでは分からない。
女は、しばらくそのままの姿勢をとらされたあと、脚を閉じると、促されるように男の股間に顔をうずめ、ゆっくりと上下に動かしはじめた。男も興奮していたのだろうか、射精のときに特有の痙攣すると、女の頭をつかんで飲ませたようだった。
次のバス停で2人は降りたものの、俺は呆然としたまま席に座り続けた。
バスから降りる際、男のほうが俺のほうを見ながら、うっすらと微笑んだ顔が焼きついている。女の方は、終始うつむいたままだった。
優花とのつきあいが深まるほどに、あの女が優花だったのかますます分からなくなっていき、ほとんど思い出すこともなくなっていった。でも、ときどき思い出しては激しい嫉妬に駆られ、いつもより乱暴に優花を抱くことになる。
俺のほうが早く帰宅した日には、仕事から帰ったばかりの優花を玄関先で脱がし、一日の匂いが染み込んだ下着に鼻先をうずめ、恥ずかしがる優花を抑えつけるように、バックから入れる。
すると優花は、あの日の女と、とても似た表情を浮かべることになる。そして、あの女はやはり優花だったんだと俺は思う。
でも、そのことを彼女に尋ねたことは一度もない。