2024/12/22 13:58:24
(Xpz9Nad3)
《んだよ…妄想かよ…。一気に冷めたわ…。》
《だろうねぇ、俺もそうじゃないかと思ってたよ…。》
混濁。
ネットの世界で描かれた言葉が紡ぐ物語は、概ね…ほぼ事実。
しかし、そこで描かれたことが現実に起こり始めることで生まれる動揺。
そして、ついてしまった嘘。
同じ空間に男がいることを、隠してしまった。
サイトへの書き込みを始めた当初のように、「どうすればいいの?」と問いかけることもできた。
図ったようなタイミングで夫からのメッセージも届いた。
見知らぬ青年はそれを確認する猶予を与えてもくれた。
にもかかわらず、ついてしまった嘘。
少しの間が、青年の動揺を美優に転嫁させたように状況が少し変わる。
そして初めて青年の言葉に返事が。
「えぇ…そうですよ…。聞こえてましたよ…。」
すっとポケットから取り出すスマホ。
そしてフォルダを開くを一つのファイルを再生する。
「見たいでしょ…?私のパンティ…。
イヤらしい私のパンティ…ビショビショに濡らしちゃってるの…。
覗いて…いいよ…?
私のイヤらしい姿…覗いて…。」
先ほどまで漏らしていた美優の喘ぎ…その一部を録音したモノを再生した。
少し荒く録音されているが、ボリュームを上げれば大きな喘ぎに変わり、周囲にまき散らすほどに変態の存在を主張する音声だ。
唇にあてがわれた人差し指が、大きな声を出すことを嫌がっていることは理解できた。
しかし、男は知らぬ存ぜぬを通しながら、ボリュームを焦らすように上げていく。
夫にはバレたくない、その気持ちに後ろめたさをより感じさせるように。
「そうですか…。
サイトから指示を…。良い趣味をお持ちですね…お姉さん…。
本当にそれだけですか…?
サイトから指示されていることを実際にやっている…だけなら、そんなにひそひそと話す必要は、ないんじゃないですか…?」
声のトーンも、声量も落ちない。
美優の口から、男の存在を聞き出し、そしてこの状況を隠しているという絶対的優位を確固たるものにするために、先ほどまでの動揺は消え、青年の思考回路は目の前の人妻でいかに楽しもうかと画策する為に動き始めていた。
「覗かれたかった…。
従っちゃったら…。
ですか…。
もっと…見せてくれるんですよね…?もちろん。
文字しかもらえない、そんな画面の誰ともわからないモノで…満足…できないから…。
扉…開けちゃったんでしょ…?お姉さん…。
僕の存在を隠しているのは…サイトの男達だけ…ですか…?
ねぇ…お姉さん…。」
靴を脱ぎ、部屋の中へと完全に上がり込んでしまう。
逃げ場がないことは美優も理解しているだろう、そもそも自らの意志で鍵をかけたのだから。
ともすれば男も、強引な手は出さない。
じっくりと視姦するように半裸に等しい美優の身体を舐めるような視線で見つめながら、少しずつ距離が詰まっていく。
「叶えましょうか…?貴女の本心を…。」
分かっている…。
状況を、立場を理解していますよとでも言いたげな男の余裕が、良くも悪くも美優に不安を与えない。
ちらっと書き込みに目を向けると、
「ジッパー…外してくださいよ…お姉さん。
貴女は…どうしたいんですか…?」
不思議と、美優を突き動かしてきた佐藤のコメントと被って聞こえて。
【優しくなんてありません。
ここ数日、貴女で欲を満たす日が続いています。
それを失いたくないという、私の都合ですよ…。恥ずかしい話ですよね。】