2024/12/20 21:25:10
(JTVJnVz/)
「それ…本当ですか…?」
美優が…妻が、見知らぬ男たちに心を揺らされ始めている頃。
「あぁ、本当だ…。でも、さすがに信じられないよね…?」
できるだけ小さな声で、と合図するように立てた人差し指を唇の前にあてがいながら話していた。
場所…そう、愛する妻、美優が凭れかかっている壁の反対側のブース。
反対のブースから抜け出し、美優のブースの脇を通り過ぎてやってきていた。
中にいたのは、20代…中ごろの青年。
軽くノックしてから声を掛けたが、興奮のあまり美優が隣のブースへのノック音に気づくことはなかった。
男は夫婦でネカフェを訪れた経緯。
そして、サイトを通じてのやり取りの一部始終を青年に確認させる。
「すごい…。でも、どっきりとか…じゃないです…よね…?」
真面目そうな青年、当然のことながら何の証拠もなければ、信じるまでには至らない。
反応こそ興味はありそうだが、信じる為の材料が少ない…、それは男も自覚していた。
だからこそ、事情を説明し、自ら先に声を掛けたのだ。
「今すぐ信じてくれ、とは言わない。
ただ、いつまでも疑われていては話が進まないのも事実なんだ…、だからこうしよう。」
男は薄く笑みを浮かべて、先ほどまで自分が握っていたスマートホンを青年に手渡す。
不思議そうな表情を浮かべながらも、思わず手に取ってしまう青年。
「ここにはいろんな情報が詰まっている。
このスレの美優…というのは、さっきも言ったが私の妻だ。
その美優の裸体の写真も…、下着も…、着替えのシーンだって…フォルダに入っている。もちろん、顔つきで。」
男の突然の告白に動揺が隠せない青年。
握ったスマホの画面とそんなことを突然口にする男の顔を交互に見ながら
「ちょ…え…えっと…。」
返答もままならない青年を見ながら男は続ける。
「つまり、それだけなくなっては困るものを君に預けた…と言う事さ。
そのスマホからアクセスすれば、君はこの「佐藤」になりすまして美優を誘導し…「偶然隣のブースにいた」という理由だけで、私の妻を楽しむことができる。
悪い話じゃ…ないと思わないか…?」
興味を持ちつつも、肯定的な反応が出なかった青年。
半信半疑が、乗り気の方に触れ始めたのか、生唾を飲み込み、男の話を黙って聞いてしまっていた。
「とはいえ、コメントには十分注意をしないとね…。
私だから…、佐藤だから美優の心は揺れた部分は大きい。
それに成り代わること、君にできるかどうかにかかっているんだよ…。
それとも…」
「信じます…、いいですよ…信じますよ。
何となく事情は分かりました…。」
男が別の提案に差し掛かったところで食い気味に言葉を返す青年。
「貴方は、奥さんが他の誰ともつかない男に心を揺らされていく、性を、欲をむき出しにされていく、変貌していく姿が見たいんですよね…?
いいですよ…協力しますよ…。」
青年の言葉に、男は笑みがこぼれる。
正確には、既に膨らんだ股間を見て…だが。
「スマホはお返しします…。
僕が書き込んでもきっと違和感みたいなものは出てくるでしょうし、同時進行はできない。
だったら、佐藤は貴方で…僕は隣人…ただ隣のブースにいただけ…その方が都合がいいですよね…?」
理解の早い青年。
信じる、と口にしてしまえば、都合の良いことへ解釈はやはり加速する。
それ以上に、男はそうなることがわかっていた、なぜなら。
「君ならそう言ってくれるんじゃないかと…思ってたんだよ…。」
「あ、ちょ…っ。」
不意に後ろのデスクトップの画面を切り替えると、表示されたのは痴漢物の動画。
それも、相手は人妻…というタイムリーなモノ。
美優の声が、呟き…程度では収まらないほどに少しずつ声がはっきりと大きくなってきていたのにもかかわらず反応がなかったのは、その動画をヘッドフォンを装着して集中していたからだった。
「いいから…、こっち側の壁に…耳を当ててごらん…。」
笑みを浮かべた男が、声を潜め、美優がいる方の壁へと目配せする。
生唾を飲み、云われるがままにそっと耳を当てていく青年。
神の悪戯か…、タイミングはまさに
「んっ…はぁ…凄い…こんなに濡れちゃってる…。
私の…私のエッチなパンティ…もう…ビショビショ…。」
そう、美優が挑発的な言葉を発している瞬間だった。
「ほん…と…なんだ…。」
カタンッ…。
少しバランスを崩した青年が、指先を壁にぶつけてしまう。
ハッとして、身体をのけ反らせる青年、そんな様子さえも楽しむように見つめる男。
「ひとつだけ…、このゲームで守ってほしいことがある。私の視界から外れないこと。
もしこのルールを破ったら…、わかるね…?」
男の言葉に、青年は黙って首を縦に振る。
「では、書き込みに注目しながら…偶然居合わせた隣人…楽しんでくれ…。」
【こんばんは。
あまり重要ではない場面を長々と描いてしまいました。
同刻扱いなので、お返事が難しいかもしれません。申し訳ありません。
ただ少しずつ状況を進展させていく為に必要かなと思って描かせていただきました。
最後の数行の、青年が誤って壁にぶつかってしまったあたりをベースにお返事いただければと思います。
今回のレスの内容が上手く伝わればいいのですが、ちょっと難しかったです;】