母さんは、一瞬困惑した「母さん、気晴らしにね…仕事の事を忘れてリフレッシュして明日から頑張れば…ねっ!」宏和は、昔からある小さな遊園地を選んだ。(あそこなら人も少ないだろう…)早々と朝食も済ませ、恵美子さんは着替えを終えた。「あっ…母さん…似合ってるよ…可愛い」宏和は、色を合わせるようにGパンにグレーパーカー、紺色ジャンパーを選ぶ。二人は家の鍵を掛けた。談笑しながら目的地の遊園地へ着き入場券を買う平日の小さな遊園地、半日位で一周出来てしまいそうだ、それでもサラリーマン風の人、若いカップル、小さなお子さんを連れた家族の人達で思っていたより人がいた。「母さん、何乗りたい?」目の前の小さなジェットコースターを指を指しながら「じゃ、母さん、あれ乗ろう」恵美子さんは怖がったが「大丈夫だよ!僕が隣に座るから…」恵美子さんの手を引っ張った。直ぐに順番がまわる。ジェットコースターの先頭に座る自動でシートベルトが下がると恐怖心が高鳴る恵美子さんのシートベルトを掴む手を握るジェットコースターが動きだすと悲鳴とともにあっという間に3周が終わった。「意外と怖かったね」出口を出ると写真が飾られていた「あっ!僕達だ」二人の顰めっ面で恵美子さんのスカートが捲り上がろうとした写真に笑った。メリーゴーランド、コーヒーカップ「えっと、次は…」ちょっと休憩ベンチに座りソフトクリームを食べながら人間観察した。「あの人、仕事サボってここに来てるよね」「あの人、絶対唐揚げ頼むよ…ほらね」二人は笑う「ねぇ…母さん…そのソフトクリーム美味しそう…」二人は食べかけのソフトクリームを交換した。頬張って食べるソフトクリームは宏和の口のまわりに付く。恵美子さんは呆れた顔をして宏和の付いたクリームを指で拭うとその指を舐めた(か…母さん…)「僕達、周りからどお思われてるかな?」恵美子さんは少し考えながら「ん〜?親子」そう言って笑う「え〜っ!カップルに見えないかな?」「どうだろうね…」「じゃ親子じゃなく…今日はカップルね」ソフトクリームを食べ終わる恵美子さんの手を握った。
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