【番外編です。わたしの胸の内でドキドキさせておくには勿体無いなって思い、ぜひとも大輔さんにも共有しておいてほしくて書きます。みほちゃんと、しおりちゃんが突然トイレに消えた時の話です。本編と絡みますが流れ的には別ですので、これは読み物として収めてください。それでは…】(努めて明るく振る舞い、しおりの手をひいてモールを歩くみほ。盗撮されたという事実を無理矢理忘れようとしているのでしょう。それはしおりも同じ。自ら晒した屈辱的な痴態。泣きたくなるのを堪えて、みほのためにいつものしおりを装います。)『…みほ…』「なぁに、しおりちゃ…んっ!」{しおりはみほの手を強く引くと、フロアの端にあるトイレに引き込みます。そこは文化教室や多目的スペースがある一角のトイレ。教室やイベントのない日は休日とはいえ人通りがあまりなく、ましてやその奥のトイレはまず人がきません。今の気持ちに耐えきれなくなったしおりは、みほを連れ込むとおもむろに抱きしめてしまいます。やり場のないこの気持ち。何度こうしたかったか?不安と屈辱で頭がおかしくなりそうだったからこそ、できた事でした。)「し…しおりちゃん?ちょ…」『ごめんみほ…どうか…どうかこのまま…』(びっくりするみほの頬におもむろにキスするしおり。爆発した気持ちは止まりません。ありったけの力で強く抱きしめて、その柔らかな頬につけた唇も離そうとしません。)「……んっ…」(みほは察しました。しおりが自分に向けた気持ちを。そのまま手をみほの背中にまわし、自分からも抱き締めます。驚いて目を開くしおり。みほの頬から離れてみほを見ると…恥ずかしそうに、でも嬉しそうに頬を紅く染め、みほが自分の唇に指をあてて微笑みます)「ほっぺだけでいいの?…ここには…しなくていいの?」(しおりの目からぽろぽろと流れる涙。みほはその涙を拭いてあげると、目を瞑り黙って爪先立ちになり、唇を差し出します。しおりは流れるままにみほの頬を両手で優しく添えると、少し屈んで…)「んっ…んぅ…ちゅ…ちゅぷ…」『はむっ…ふ…んふぅ…』(重なる唇。わずかに響く水音。2人の体がピク…ピクッと震えて、顔を赤らめていきます。時間にして10数秒、でも2人には永遠に思えた時間。どちらからともなしに離れた唇。みほはしばらく俯いて何も話しません。前髪に隠れて目が見えず、表情も読めません。)『ごめん…みほ…』「なんであやまるの?みほは、しおりちゃんとキス…したいって思ったからしたの。しおりちゃんは…イヤだった?しようと思ってしなかったの?」『そんなことない!…したかった…したかったんだ…ただのキスなのに…あたま…とろけそうだった…』「みほは身体ごと溶けて無くなりそうだったよ?…ねえ、しおりちゃん…」『…うん…』(今度はみほからしおりに。しおりの首に腕を絡ませて…しおりの中で何かが決壊し、躊躇いがちに舌がみほの中に入ります。嫌がりもせずみほはそれを受け入れます。ふたりに等しくゾクゾクが走り抜け、等しくお腹にキュンキュンを溜め込ませ…位置を変えて先程より深く…2人はお互いを求め合います。)『んふっ!…ふあぅ…あっぁぁ…』「んあ。ぁ…ああ…んむっ!んんんんんっ!」(経験のない分耐性の低いみほの身体がビクンビクン!と弾けます。くぐもった喘ぎを漏らし、しおりの中で弾けるみほ。それを「イク」と知るのはまだ先…やがてお互いの糸をひきながら唇は離れます)「はぁ…はぁ…はぁ…んっ…あはぁ…な、なに今の…ゾクゾクの波がぶわあっ!て身体中に広がったの…」『あたしも…キスがこんなに甘くて…切ないなんて…知らなかったよ…すればするほどもっと…したくなる…』「それは誰と…?」『いじわる…』「言って?」『みほと…』「うれしい!」(性的に芽生えさせられたみほ。それは彼女を急激に大人に成長させるきっかけだったのかもしれません。いつもとまったく立場が逆。いまはしおりがみほに翻弄されています。そして何度も合わせる唇。互いに自分の一部の体液を交換しあいます。『ねえみほ…あたし…』「ストップ!その先はもっと、ちゃんとした時に教えて?少なくともここじゃイヤ。」『ふふ…そうだねぇ?じゃあ…予約の印、つけていい?』「なにそ…きゃっ!しおりちゃん?ちょ!ちょっと!あうっ!…んんんんんんっ!」
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しおりに声をかけ、呼びつけたカーテンの向こうへ向かう最中、みほとしおりのやり取りが聞こえる。この二人の距離感は、今日一日でかなり縮まったように思える。それが偶然訪れた不幸、男の影響が絡んでいるのかどうかは…定かではないが。安心させたいしおり…そして、少しでも近づいた距離感を遠ざけたくはない。そんな思いの感じる言葉をかけながら、みほのそばから離れる様子を確認すると、男は先にカーテンの中へと入る。仕切られているだけあって、誰もが入っていい場所…ではなく。本来は、しおりも入っていい場所ではない。とはいえ、誰もが出入りするような店内の位置スペース。店員も別にそこまで注意深く見てはいなかった。仕切りがあるということは、周囲から隔たれているわけで都合よくもあるが、急に人が入ってくる可能性もゼロではない。しかし、この店独自の粋な計らいが存在する…、それは、「中に人がいれば、カーテン上のランプがする」のだ。トイレ清掃中の札のようなもの、清掃員が中にいますよ…それでもよければどうぞ…と、普通に考えれば、入っていくものはいない。それも、この空間…トイレほど緊急で入ってくるような場所ではないのだ。中は、そこまで広い空間ではなく、カーテンをくぐれば通路が2本程度の広さ。男は、カーテンを捲ってすぐの通路…ではなく、その1本隣の場所、その奥で待っていることにした。こちらからしおりとみほが確認できたように、しおりの目でも男がカーテン内に入っていくのは見えているはず、それを追ってくるだけならすれ違いようもない。数分を待たず、やってくるしおり。「来ました…」そう小さくつぶやくその表情は、みほの近くにいた時の強気な正義感とは打って変わり、ライオンに出くわしたウサギかのようで。「よく来たね?本当に来るとは思わなかったよ?」反射的に胸やスカート越しに股間を手で覆うしおり。まだ子どもの精神とは言え…やはり女なのだと、感じさせてくれる。当然だが、一定の距離…カーテンの中に入るもののいつでも逃げおおせるようにとそのぎりぎり内側にいる位置から近づこうとはしない。-良い顔だ…。そこで無防備に近づいてい来るのもつまらない。そしてその手…、自分が女だと理解している…そして、そこが男を…俺を興奮させる場所だと…知ってるってことだ…。たまらないな…。-少しの間、その間に思考を巡らせながらも表情は穏やか。男の行動にばかり目が向いていたしおり、男の表情や雰囲気を感じるのは初めてかもしれない。少し驚いたような表情…、しかしすぐにきりっとした意思を見せつけてくる。-思っていたイメージと少し違った…ところでもあったのかな?-そんなことを想っていれば、先に大きく口を開いたのはしおりだった。念押すように力強く告げる、みほには手を出すな…その一点。どんな表現でしおりが求めてきたとしても、ひとまずは肯定の反応を返すことにしていた。しかし、具体性が乏しい要求は、いくらでも後から都合よく解釈し、開き直れるというもの…。-みほちゃんが…求めた時は…君はどうするんだい…?-そんな言葉を飲み込んだまま、黙ってうなずくと、「わかった、約束するよ…。だから、警戒しないで…もう少しこっちにおいで…?」悪魔の誘い…、いや、命令か。しおりには拒否する権限などないのだから。ゆっくりと距離を詰めてくるしおり。しかし、こちらから近づくことはしない。実際…、みほであれ、しおりであれ、こちらから手を出そうということをあまり考えてはいなかった。「可愛い…ぱんつ…何度も見せてくれて…ありがとう。青…よく似合うね…。もう一度…めくってよく見せてくれないか…?」小さく、しおりの口元が動いたような気がする。しかし声は小さく…何かを言ったのか…それさえもはっきりとは分からなかった。そして、観念したかのようにゆっくりと捲り上げる様子を見つめながら、棚に凭れかかるようにして立っていた男は、その場にしゃがみ込む。年齢の割に高身長のしおり、とはいえ男との身長差は10㎝
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