テニス部はセカンドのコートを使う時があった。
主に休日練習の時。
学校からあるいて十五分くらいの丘のてっぺんにある。
ある時、午前中の練習が終わってそのコートをみなと出ると、忘れ物をしたと一人引き返した。
こうした時になかなか一人になれないのだが、さすがにまだ半日休日が残っているせいでやっかいな事にはならなかった。
そこのテニスコートには小さな更衣室の建物があった。
鍵を開けて中に入る。この日は顧問が所用で練習が終わるとすぐに消えたので私が鍵を預かっていた。
鍵は翌日学校に帰せばいいので、誰かが来る心配はなかった。
いや、来て貰わないと困る人間か一人居たけど。
彼は休日の練習は基本的に免除されていた。
でも、私は時間を指定して来るようにこっそり伝えていた。
彼には鍵を開けておくからこっちが気づかなかったら勝手に入るように言っておいた。
私は時間を見計らってジャージを脱ぐとシャワー室に入った。
二つだけ個室があった。
シャワー室のドアは開いていたので、彼がノックして入ってきたのはわかったけど、知らない振りをして髪の毛を拭きながらシャワー室を出た。
全裸だった。
向こうは私がいきなり出てきて固まっていた。
私もあっ……
と、固まったふりをした。
頭を拭いているポーズなので脇の下まで丸見えになっている。
「すっすっすいません!」
彼が慌てて謝るが、別に謝らなくていいと諭した。
実際謝る必要なんてない。
全部こっちが計算してやってるのだから。
私は大柄だが、出るところはしっかり出てるし、見る人間次第ではセールスポイントはあるはずだと踏んで裸体をさらけ出したのだ。
そのリアクションで脈げあるか判断し、あとは出たとこ勝負って思ってた。
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