久しぶりに田舎に帰った俺は、縁側に座って庭をながめていた。すると、
オドオドと怯えた顔の中犬が、しっぽを後足の股に挟むようにして 庭に
入って来た。その様子から、メス犬で、どういう事情で来たのか判かった。
(中犬=成犬でも子犬でもない。人間に例えるなら、生理開始歳ころの少女)
親切な俺は、四足を「囲」の字型に縛り、立つ事はできても歩く事はできない
ようにし、さらに親切にも、股のしっぽを出して背中にテープで固定した。
酒をチビリチビリ飲みながら縁側で見ていると、やがて中犬にはかわいそう
なくらい、大きな荒々しいオス犬が庭に入って来た。・・・・庭中に響きわたる
「クゥオーン!」という悲痛な叫び声の中で飲む酒は、また格別うまかった。