だんだんだんっと階段を足音が響きます。反響のせいで上ってくるのか降りていくのかわかりません。とっさにソファの陰に隠れます。耳を澄ますと、下の階の女性たちの話し声。どうやら彼女たちも帰るようです。
トイレに行ってみたい。誰も来ないことに気づくと、そんな考えが頭の中に浮かびます。今いる場所はこのフロアで一番トイレから遠いんです。ここから、下半身裸でトイレまで。下半身裸なら上をきててもあまり意味がなさそうですが、上をきているだけでも、少し安心感があります。私は、下半身裸でトイレに行くことにしました。
まっすぐ延びる廊下。左側は業務が終わって、すべてのドアが施錠されています。右側は応接や会議室。誰かきたら、そちら側に飛び込んで隠れることにしよう。そう考えて歩き始めました。サンダルも脱いで、裸足で歩きます。床の冷たさで、自分が普通ではない姿であるいているんだって自覚します。
残業中でも、まだこのフロアに誰かいると思って、書類を持ってくる人がたまにいます。足音に耳を澄ませながら、廊下を進みます。
廊下の前半は、わりと短い間隔でドアがあり、逃げ場が確保されていて、少し安心です。
③へ。
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