第八章 所有の宣言
矢島は海の裸の身体を、愛おしそうに、けれど力強く抱き締めた。
海は腕の中で、悦びに身を委ね、震えながら顔を埋めた。
「加藤室長……いや、海……君が望めば、私は私の全てで君を守ろう」
低い、響くような声が耳に落ちてくる。
「私は普通に恋愛は出来ない。
だが、宝物を大切にする事は出来る。
普通のノーマルな扱い方は知らないが……君の願望も、欲望も、愛情も、全てを所有しよう。
私のスキルも、心も、全てを君に捧げよう」
矢島さんの言葉が、心の奥深くまで染み込んでいく。
「さあ、私の所有物になるかい?」
(……後戻りできない……この人の欲求に答えられなかったら、飽きられたら……)
海は激しく葛藤した。
しかし、次の瞬間、溢れ出す想いがそれを飲み込んだ。
(この人の大きな手が好き……深い瞳が好き……低い声が好き……この逞しい身体が好き……そして、この人の歪んだ欲望が……大好き……)
この先が知りたい。
身体も、心も、すべてを捧げてしまいたい。
こくん……と、頷く。
先に身体が返事をした。
太ももを伝う蜜が、ぽたりと床に落ちる。
次に心が返事をした。
そして、ようやく脳が、掠れた声で答えた。
「……はい」
矢島は満足げに微笑んだ。
「お前は俺の物だ。今日は送ろう」
そう言うと、矢島はトレンチコートを羽織り、裸の海の手を引いた。
「えっ……? このまま……?」
何も言わず手を引かれるままエレベーターに乗り、地下駐車場へ。
海の心臓が激しく鳴り、息が細かく乱れる。
「だ、誰かに見られてしまう……!」
「大丈夫、私が居る」
その一言で、羞恥心が一気に甘い快感に変わった。
乳首が痛いほど尖り、秘部が熱く疼く。
車は海のマンションの前に静かに停まった。
矢島はトレンチコートを脱いで海の裸体に羽織らせ、ポケットに厚い札束を滑り込ませた。
「服を買いなさい。そしてその汚い下の毛は永久脱毛しなさい。
明日すぐにでも……言いつけだ」
初めての「言いつけ」。
海の身体が、ぞくぞくっと震えた。
「……はい」
心が、弾むように喜びに満ちた。
「おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
車が走り去った後、海はコートの前をギュッと閉じ、小走りで自宅へ向かった。
玄関に入るなり、その場にへたり込んだ。
(嬉しい……夢にまで見た、あの人の所有物に……なれた……)
コートの襟に顔を埋め、矢島の匂いを深く吸い込む。
その瞬間、考えただけで秘部がびくんと痙攣し、絶頂にも似た強い快感が全身を駆け巡った。
「……あっ……んんっ……♡」
静かに、けれど深く果てながら、海は小さく微笑んだ。
(明日……永久脱毛……矢島さんの言いつけ……)
身体の奥が、再び熱く疼き始めた——。
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