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2012/07/30 21:45:07(0hyPe6le)
【1】
その日も、朝から強い日差しが降り注ぐ暑い日だった。午後になって入った会社からの急な指示で、俺はとある建物に向かった。 そこには、俺の先輩(50を超えたおっさんだが・・・)が俺を待っていた。 「悪いな。急な依頼だったんだが、俺の不自由な体では無理だったから」 (不自由な体・・・?ただ、サボりたいだけだろ) 俺は、そんな言葉を飲み込みいつものように、 「大丈夫ですよ。田中さんは、待っててくれれば良いですから」 と、言い切った。 俺の仕事は、契約先のビルの窓清掃。入社して3ヶ月の俺は、その会社を訪れるのは初めてだった。 「なんでも何ヶ月か、ロビーの内窓を誰も拭いてないそうなんだ。だから、頼むわ」 「分りました」 そういうと、俺はその社の通用口に向かった。守衛に挨拶をし、ロビーに案内された。 そこは、2階までの吹き抜けになっていて、その2階部に相当する窓が清掃されていないそうだった。 ロビーの受付には20代後半と思われる女が一人座って、こちらを疎ましそうに見ていた。 (なんだ、あの軽蔑した目は・・・。それにしても、いい女だなぁ) 薄いブルーのブラウスに紺色のベスト、下は受付台に隠れて分らなかったが、細身の体にその制服は完璧に似合っていた。 肩まであると思われるセミロングの少し茶に染めた髪を、後ろで一括りにし、小さな輪郭に映える大きく普段ならきれいに澄んでいると思われる瞳も、俺を見る目はくすんでいた。そのスタイル、そして真面目そうなその顔つきは、俺の下半身を刺激するのに充分だった。 俺は、運び込んだ脚立を延ばし、窓清掃の準備を始めた。脚立を昇り、2階相当の窓に到達すると、一気に窓を拭きあげた。1枚の窓を拭くと一度下に降り、脚立を移動させ、また昇り・・・、それを数度繰り返し、女のいるロビーには一滴たりとも滴を溢さぬよう気を配りながら、しかし長袖長ズボンの中は汗だくになりながら仕事をやり遂げた。 脚立をたたみ、引き上げるために道具を片付けていると、横目に受付から出てくる女が見えた。 女は、膝上丈の制服のタイトスカートからのびる薄い肌色のパンストに包まれた細い脚で、ニ、三歩俺のほうに歩みよると、 「どうせなら、ブラインドを掃除してくれませんか。窓よりも、ブラインドの埃が気になるんですよ」 (なんだ?その見下した言い方は・・・。しかも作業が終わってから・・・) そういうと、また受付台に戻って、こちらを無視するように手元の書類の整理を始めた。 **************************************************************************************************** (あぁ~あ、鬱陶しい。どうせ、上に昇るんだったら、ちゃんと全部掃除してよね。これだから、困るのよ) 毎朝、東に向いた窓からは強い日差しが入ってくる。午後は閉めっぱなしにすると暗いから開け閉めするが、その際に降り注ぐ埃が、私には苦痛だった。 (開けたままだと、朝日で日焼けしちゃうし、閉めたままだと午後は暗いし・・・。今、掃除しないで、いつ、誰が掃除するのよ!) 男の強い視線を無視し、その日の来客者の記録の整理を始めた。ロビーには、一度たたまれた脚立を伸ばす音が男の苛立ちを表すかのように大きく響き、また男も音を立てて上に昇って行った。 (煩いわね!・・・) そう思って見上げた瞬間に、男は一気にブラインドを下ろした。 (ダメッ・・・・!)私がそう思った瞬間、ブラインドに溜まっていた埃がロビー中に舞い上がった。 「あぁ~、もう最悪!」 埃は静かにロビーの床、受付台、そして私にも降り注いだ。床は、毎朝の清掃の方が掃除をするとしても、受付台の上、そして私本人に降り注いだ埃で、私の機嫌は更に悪くなった。 私は、自分の髪や肩に降り注いだ埃を手で払うと、濡れティッシュで受付台の上を拭き始めた。 「埃が舞うことくらい・・・、注意して下さい」 男を見上げながら怒りの一言を投げかけたが、男は意にも介さずにブラインドを掃除し続けている。 (聞こえてないの?) 思わず口に出そうになったが、煩わしさからその言葉を飲み込んだ。 男はブラインドを一通り掃除すると、脚立をたたみ、道具を持って引き上げようとした。 「ちょっと。掃除もろくに出来ないのに、一言ぐらい謝っても良いんじゃないですか?」 男は、その場に道具を置くと、振り返り私に近づいてきた。 (いやっ・・・汗臭い・・・) 私は極度に顔をしかめてしまっていた。 「どうも、申し訳ございませんでした」 男は、通り一遍等の謝罪を述べると、再び道具を手にロビーから通用口に向けて歩き去っていった。 (なんなの、あの態度は!それに、あんなに臭いなんて!何もかも最悪!!) ***************************************************************************************************** 俺は守衛に挨拶をすると、田中さんの待つ車に戻り、道具を積み込んだ。 「何、イライラしてんだ?」 「別に。何でもないですよ」 作業時につけている帽子とマスクを外しながら、俺は答えた。 「そんな訳ないだろ」 その田中さんの言葉は、耳には入らなかった。 (あの女、許さねぇ・・・)
12/07/30 21:46
(0hyPe6le)
翌日は、俺は非番だった。
昨晩、イライラしたまま少し飲みすぎたため、昼前に起き上がった。 (ちょっと、飲みすぎたか) 顔を洗い、テレビのスイッチを付け、新聞を眺めながら昼食兼用の朝食を食べ始めた。 何気なくテレビに目をやると・・・ (!!・・・) テレビに映る女性の顔が、目に飛び込んできた。 (誰かに似ていると思っていたら・・・) 昨日の受付嬢の顔が、フラッシュバックされてきた。 僅か数分の間だったが、俺の怒りを呼び戻すには充分だった。 俺は立ち上がり、シャワーを浴びると、出かける準備を始めた。 **************************************************************************************************** 窓から見える駐車場に注ぐ光が、次第に赤みを帯びてきていた。 (今週も、もうじき終わりか・・・) 「真由美ちゃん。今夜、時間あったら、みんなと飲みに行かない?」 2期上の社員二人が、声をかけにきた。 「ごめんなさい、今日は都合が悪くて・・・」 「そっかぁ、残念だなぁ。真由美ちゃんとデート出来る彼氏が羨ましいよ」 「そんなんじゃないですよ(笑)」 私は二十歳になって、初めて男性と付き合った。大学の先輩。よくある話だった。明るくて、スマートで・・・。 付き合って、数ヶ月してキスをして、その年のクリスマスイブに初めて夜を過ごした。彼は二人の気持ちを大事に、そしてゆっくりと育ててくれた。私は彼に抱かれることに喜びを覚え、またSEXの良さも教えられた。 しかし2年前、突然、彼から別れを告げられた。原因は判らずじまい。4年間、付き合っている間彼の周りに女性の影を感じることはなかった。でも、それは私が気付いていないだけだったのかもしれない。 最初は、彼のいない生活に寂しさを感じていた。それを打ち消すために、誘われて食事に行くこともあったが、それ以上の関係になることはなかった。 誘いにのることで寂しさは紛れたが、次第に体の寂しさを覚えるようになった。彼とのSEXを思い出し・・・、自慰を覚えたのは、彼と別れて1年が経ったころだった。 仕事が終わり、更衣室で着替えを済ませると、私はそのまま会社を出て駅へと向かった。駅までは大通りを歩くと10分ほどで着く。でもせっかくの金曜日の夜。そのまま部屋に戻る気にはならなかった。 私は駅前のデパートに入ると、特に何かを探すわけでもなく、商品を見て歩いた。化粧品売り場、季節を先取りした秋物のワンピース、流行の小説。どれも、私の気持ちを高ぶらせてくれるものはなかった。ふと、宝飾品売り場で足が止まった。文字盤が薄いピンクで、シルバーのバンドの腕時計。何年か前に彼が私にプレゼントしてくれたものに似ていた。私は彼と別れたあと、その時計を捨ててしまっていた。時計を目にすることで、彼を思い出す辛さに耐えられなくなったから・・・。 (あの人は、今どうしてるんだろ) 「お出ししましょうか?」 声をかけてくれた店員のその後ろで、指輪を選ぶカップルが目に入った。 「いえ、結構です」 私は、足早にその場を離れた。 (何年か前なら、私と彼はあんな風だった・・・) そのデパートの華やかさが辛くなり、私は大通りに戻り、駅に向かった。 頭の中では、彼の姿が走馬灯のように、巡っていた。 6時半すぎの快速を待つ列は、ホームの反対側まで延びていた。私はその後ろに並び、間もなく到着する電車を待った。 ほどなくして到着する快速。なんとか車内に入ったが、その時間では座れることもなく、私はドア付近の通路で周りをサラリーマンに囲まれて立つこととなった。 **************************************************************************************************** その女がどこまで帰るのか、俺にはどうでも良いことだった。俺には充分すぎるほどの時間がある。明日の仕事も昼からだ。 通用口から駅に向かうには、この公園の前を通るはず。俺は、公園のベンチに腰掛けて、その女を待っていた。 俺の目論見どおり、その女は現れた。白いノースリープに、黒いカーディガンを羽織、膝上丈の黒いタイトスカートで一人で歩いてきた。 (今日は、デートなのかな?それとも、このまま、ご帰宅なのか?) 俺は、煙草を足でもみ消すと、女の少しあとを駅に向かって歩いた。 黒いヒールから伸びるパンストに包まれた脚。足首から脹脛にかけては細く、タイトスカートのラインから想像出来る尻から太もものラインは、年頃の女の色気をかもし出していた。 女は駅に向かう途中で、デパートに入っていった。 (お買い物でも、楽しむのかな?) 男が一人でうろつくには不似合いな売り場を、少し女から離れて観察を続けた。店員が怪訝そうに、遠めで俺のことを見ているが関係ない。 30分ほどの冷やかしに付き合い、俺は女の後を追い、大通りから駅に向かった。 混雑する構内でそれとなく女に近づいた。エスカレータを昇る女の後ろ姿を、2段したから見上げた。 細いが、それでも女であることをアピールする尻。折目もなく清潔感が感じられるスカートからは、近くで見ても細く引き締まった脚。 (この体を、好き放題にしている男がいるんだろうな) その頃の俺は、女に対する怒りより、女の魅力に吸い込まれつつあった。 女の少し後ろで列に並び、そのまま女について快速に乗り込んだ。 周りのサラリーマンに囲まれて、女の肩から上を後ろから眺めることになった。 次の都心最後の駅を出ると、15分ほど電車は止まらずに走り続ける。尾行するには、退屈な時間だ。女を見失うこともないため、俺は中吊り広告を眺めて、時間を潰していた。 しばらくして女を見ると、俯いている。 (疲れで睡魔に襲われているのか?) しかし、つり革を掴む指が小刻みに震え、強く握っては指が緩み・・・、そしてまた握り・・・。 (・・・ん?) 微かに肩が震え、耳が幾分赤くなっているように思えた。 (もしや・・・) 女の後ろや横に立つサラリーマンを見渡したが、特におかしな様子もない・・・。 駅に到着するアナウンスが車内に流れた。 (気のせいか・・・?) 駅に着き、乗車したときと反対側のドアが開いた。後ろから押されながら、俺は女に続いてホームに降り立った。 (もしかして・・・) 女は振り返ることなく、改札に続くエスカレーターに向かって足早に歩き始めた。左手でスカートの裾を軽く確認をしながら・・・。 先程と同じように、彼女に続いて昇りエスカレーターに乗ると、スカートには乗車駅ではなかった折れシワが付いていた。 (これは、面白いかも・・・) 駅の駐輪場から自転車で走り去る女の後ろ姿を見送り、俺は都心へと戻るため、改札へ向かった。 さすがに、自転車に乗っているのを走って追いかけることまでは、しない。 (どんな家かは、この次のお楽しみにしようか)
12/07/30 21:47
(0hyPe6le)
【3】
真由美の心臓は、ドキドキしていた。それは、自転車を懸命に扱いだことだけではなかった。 部屋に戻ると、電気を点け、そして一日中籠っていた熱い空気を外に追い払うように、いっぱいに窓を開いた。真由美の部屋は、住宅街にあるマンションの一室のため、あまり外からの視線を気にする必要はなかったが、改めてカーテンを閉めなおした。 キッチンに戻ると、コップにスポーツ飲料を注ぎそれを一気に飲み干した。 (また・・・、触られちゃった・・・) 学生の頃から、満員電車で触られることはあった。しかし、その気持ち悪さに手を払ったり、振り向くことで、それ以上のことをされることはなかった。 しかし半年ほど前の通勤時に電車が遅延したとき、初めて抵抗をしなかった。いや、正直に言えば電車があまりに混んでいたため、抵抗出来なかったのだ。抵抗出来ないことを良いことに、その痴漢はスカートの上から真由美の尻や太ももを執拗に撫でまわした。下着のラインをなぞったり、尻の割れ目にも手を差し込んできた。 最初は、確かに抵抗が出来なかった。しかし、次第に真由美の体に異変が起きた。 執拗に、しかしそれはゆっくりと真由美の体の感性を高ぶらせてきた。真由美は、体の変化に戸惑いながらも、その指の動きに耐えていた。 嫌なのに、嫌なはずなのに・・・。 会社のトイレに入り、あそこに触れると、そこはまだじっとりと湿っていた。クリに指が触れると、体中に電気が走り、思わず声を出しそうになった。 (何を考えているの・・・) 自分の叱咤する真由美だったが、その指からはいやらしい雌の臭いが発せられていた。 それからは、痴漢をされても、なぜか以前のようには抵抗が出来なくなったばかりではなく、部屋に戻ってからは、そのことを思い出しながら股間に手を伸ばしてしまうようになっていた。 そして、初めてスカートの中まで触られるようになるには、余り時間はかからなかった。 (あぁ・・・、もっと触られていたら・・・どうなっていたんだろ・・・) スカートの中に手を入れ、パンストの上から一番敏感なところを指先で捏ね続けた。下着の中では、あそこから溢れた汁が『クチュクチュ』と音を立てていた。 (いや・・・、やめて・・・) スカートを捲くりあげ、パンティーの中に手を差し込んだ。 (だめ・・・、そこは触らないで・・・) 真由美はキッチンの台に片手をつきながら、妄想の痴漢に体を許し始めていた。 (だめ・・・触っちゃ・・・、あっ・・・そこっ・・・) 固く尖ったクリを人差し指で捏ね・・・、中指でオ○ンコの入り口を弄った。 (あぁ・・・、入れられる・・・、入れて欲しい・・・) そのまま、ヨタヨタと寝室に向かいそのまま仰向けになると、パンストとパンティーを脱ぎ捨て、スカートを捲くりあげた。 (いや・・・、許して・・・) 右手でクリトリスを捏ね、左手はシャツの上から乳首を摘んだ。 (あぁ・・・、いい・・・) 腰が勝手に動いてしまう。膝を立て・・・、脚を開いていく。 (やめて・・・、見ないで・・・) 見知らぬ男に、大切なあそこを凝視されている・・・ そんな想像をしながら、中指がゆっりとオ○ンコに近づく。 (だっ・・・だめ・・・、そこは・・・入れないで・・・) 妄想の痴漢に抵抗をしながら、ゆっくりと中指をオ○ンコに差し込む。 (あぁ・・・、嫌ぁ・・・) いやらしい汁の溢れるオ○ンコに、中指はなんの抵抗もなく飲み込まれていく。 (あぁ・・・、入ってくる・・・) 奥深くまで差し込み、たっぷりと潤った蜜壺の中を掻き混ぜた。 (だめ・・・、そんなにしたら・・・) 頭の中で火花がはじけ・・・ (あぁ・・・、逝っちゃう・・・いくぅ・・・) 指に犯された虚しさに包まれたまま、真由美は軽い眠りについた。 *************************************************************************************************** あれから2週間。久々に平日に遅番になった俺は、朝からあの女を探しに女の降りた駅へ向かった。 朝の通勤時間にはまだ少し早かったが、駐輪場の入り口が見える歩道橋の上で煙草を燻らせていた。次第に駅へ向かう人の波が増え・・・、そしてその中にあの女を見つけた。俺は煙草の火を足でもみ消し、歩道橋から駅へ続く階段を下りていった。 ちょうど、駐輪場の前に差し掛かる頃に、女が少し早足で出てきた。半袖のシャツに、膝丈の水色のフレアスカート。肌色のパンストに包まれた脚は、相変わらず細くきれいだった。 俺は、女から離れないよう改札を抜け、エスカレーターでホームに降り立つと、快速を待つ列に女に続いて並んだ。 朝の快速の車内は、やはりそれなりに混んでいた。俺は、女の右後ろに立つと、あえて中吊り広告を見たり、窓の外を見たりして、女に関心が無いように装った。それは、恐らく近くにいるかもしれない痴漢が手を出しやすくするために・・・。 しかし、それとなく女の様子を伺うが、特に変化も見られない。俺の左横に立つ男はつり革に掴まりながら眠りそうになり、前に立つ男も女に背を向けているため、手を出す気配がない。 5分、10分と電車は走り続け、都心の入り口の駅に到着してしまった。乗客の出入りがあり、幾分混雑が和らいだまま、女の降りる都心の駅に着いた。 (空振りなのか・・・、それとも、この前は俺の勘違いか・・・) 改札を出て女を見送ると、その日指定された仕事場に向かった。 俺の仕事のその内容から、午前中の早い時間や夕方の終業以降に作業があることが多く、あの女に近づく余裕はあまりなかった。その分、俺の頭の中は、次第にあの女を陵辱することで、占められ始めていた。
12/08/02 22:03
(AD2tYehH)
【4】
今日は、午後からまた窓清掃の予定だった。普通のフロアの窓は、半年に1度程度の清掃らしいのだが、やはりロビーの窓となれば、1~2ヶ月に1度程度の清掃が行われていた。 (また、汚れた清掃の人が来るんだ・・・。そんなに汚れていないから、頻繁に来なくて良いのに・・・) 私は、午前中から憂鬱になった。うちの会社にはいつも夕方にやってくるから、前作業の関係からか時間は余り決まったものではなかった。 (どうせなら、私が帰ってからやってくれないかしら・・・) 何時に来るのか解からないのを待つことは、更に苛立ちを積もらせた。 夕方の4時前になって、いつものように帽子、マスクを付けた男が守衛と一緒にやってきた。 「じゃぁ、頼みますよ」 守衛は清掃の男に声をかけると、裏口の守衛室に戻っていった。 (なんで、清掃員は帽子にマスクで完全防備なの?こっちも埃を被ったりするんだから・・・) カウンターから少し離れた場所で、男が梯子を伸ばし始めた。 「時間、もう少し遅くとかって、出来ないんですかね」 男に声をかけてみた。しかし、男は聞こえないのか、淡々と作業の準備を始めいている。 (聞こえてないのかしら・・・) 普段やってくる小柄な男は、マスクと帽子の間から弱々しい視線を合わせることなくがなかった。 私は少し苛立ち・・・ 「そっちは、早く終わって良いかもしれませんけど、埃を浴びるこっちの身にもなって欲しいですね」 先程より声を大きくした。しかし、男は梯子を昇って行き、手際よく窓を磨き始めた。 (なんなの?あの態度は・・・。客はこっちなのよ!それとも、口が付いてないの?) 私の苛立ちは、更に高まった。 「今日もブラインド、掃除したほうが良いんですか?」 不意に男が声を発した。 (はぁ・・・?しゃべれるんじゃない) 「自分で判断して、やって下さい。その代わり、やるのなら埃は落とさないようにお願いします!」 梯子の上から見下ろしてきたその男の視線は、いつもの男の視線とは異なり、鋭いものだった。 **************************************************************************************************** (絶対に、許さねぇ) 俺は、見下された言い方に、その場で文句を言いそうになった。しかし今は、使われている身。言い返すと、何の利点もない。 しようがなく、ゆっくりとブラインドを下ろし、埃を巻き散らかさないように、丁寧に拭き取った。 そして一通りの作業を終えると、片づけをしながら、女を見た。 (清純そうな顔して、気は強いのか?それとも、単に俺を見下しているだけなのか?) 女はこちらを見向きもせずに、受付に座り何か書類の整理をしていた。 (あんな顔して、彼氏のものを咥えたり、突っ込まれてヒィヒィ言ってるんだろうか・・・。そのうちに、俺がそうしてやるよ) 俺は片付けを終えると、受付に近づいていった。女は、俺を無視するように、下を向いたまま書類を見ていた。 「作業、終わりましたので、引き上げます」 「・・・」 女は椅子を廻し、俺に背を向けた。 「失礼します」 後ろから見る女の襟足を目に、そして椅子を廻した時に微かに香った女の匂いを記憶に焼付け、俺はその場から立ち去った。 **************************************************************************************************** (ど・・・どうして、あの男は近づいてきたの?) 近づいてくる男を視線の片隅で感じたとき、その眼光の強さに恐怖を感じた。 帽子にマスク。男の表情を伺えるものは、その「眼」しかなかった。 いつもの作業員とは異なり、老年のシワはなく、幾分若い男であることも感じていた。 言葉、そしてその場の関係では、真由美が優位に立っていたが、その眼は一気に二人の立場を逆転させ、真由美に恐怖を植付けた。真由美の鼓動は一気に高まり、それを知られることが不安で、男に背を向けてしまった。 しかし、真由美の鼓動の高まりは、その恐怖だけではなかった。 その日の夜、真由美はベッドの上で、また秘部に指を這わせた。 (やめて・・・、お願い・・・、許して・・・) 眼を瞑ると、あの男の目が浮かんできた。 (だめ・・・、犯さないで・・・、い・・・いやぁ・・・)
12/08/09 20:57
(8lhEI7UM)
【5】
数日後、俺は休暇を取った。 会社に「頭が痛い」と告げると、不機嫌そうではあったが、了解を得られた。 歩道橋から見下ろしていると、女が自転車でやってきた。茶色の膝上スカートの白いブラウス。相変わらず、いい女だった。 俺は女に続いてホームの列に並んだ。今日は、髪を下ろしていたが、それはそれで大人の女を醸し出していた。 相変わらず混んでいる電車に乗り込み、前回と同様に女の右後ろに立ち位置をとった。 走り始めてしばらくすると、女が俯いているのに気がついた。 (?・・・) 俺は、顔の向きを変えないまま、左下に視線をやった。俺の左隣に立っているサラリーマンは右腕に上着をかけていた。しかしよく見ると、その上着の先で女のスカートが少しシワになっているのが見えた。 (やっぱり・・・) 男は女の尻をゆっくりと手のひらで、撫でまわしているようだった。 (抵抗しないのか・・・?) 女は、つり革を握り締め、俯いたままだった。髪から覗く耳は少し赤みを帯び、下唇を噛み締め、辱めに耐えているようだった。 **************************************************************************************************** その手は、最初は指先で・・・、しかしそのうち指全体、そして手のひらで私のお尻を撫で上げてきた。 (また・・・だ・・・) 指先で触れられた時は、体が硬直する。しかし、ゆっくりと優しく触れられるうちに、その力も持続しなくなってきた。 (やだ・・・) 体が熱くなり、顔が赤くなってくるのが自分でも分る。 (誰かに見られたら・・・) 私は俯くことで、周囲の視線から逃れることしか出来なかった。 指が、下着のラインを確かめるようにお尻から腰にかけてなぞり、そしてまたゆっくりと戻ってくる。その指はお尻では止まらずに、脚の付け根から、あそこ近くにまで差し込まれてきた。 (あぁ・・・、やめて・・・) 抵抗しないことをいいことに、後ろの手は中指をお尻の割れ目に食込ませながら、残りの指と手の平でお尻を撫でてくる。そして、時折中指を食込ませ、お尻の穴の辺りを刺激してきた。 (そんなとこ・・・、やめて・・・) 反対側の手が、左の太ももを撫でてくる。 その手の動きは、先月頃から週に何度か触ってくる痴漢の動きだった。一度だけ、降り際に顔を見た。爽やかな普通のサラリーマンだった。その男はスカートの上から触るだけでそれ以上のことはしてこなかった。そのことが、私を油断させていた。 (そんなに・・・触らないで・・・) 息が荒くなることを、唇を噛み締めながら、必死に堪えていた。 (あっ・・・だめ・・・) お尻を撫でる指が、次第にスカートを捲くりあげてくるのがわかった。 スカートの中に流れ込む車内のクーラーの冷気を感じ、私は咄嗟に右手を後ろにまわし、スカートの裾を押さえようとした。しかし、その時には男の手がスカートの中で、パンストの上からゆっくりと揉んできた。 その手は次第にお尻の割れ目から、私のあそこを目指して差し込まれてくる。 (だめ・・・) 両脚に力を入れて、必死で脚を閉じようとしたけど、指が1本、2本と差し込まれ、下着の上からあそこを捏ねてきた。 「あっ・・・、いゃ・・・」 思わず口から声が漏れてしまい、私はつり革を掴んだ手を離し、手の甲を口に当てて、声を堪えるのに必死だった。 (だめ・・・、そんな風にしたら・・・) 腰を前に突き出して逃げようとしても、その指の動きを求めて、体が勝手に後ろに突き出すようになってしまう。 (あぁ・・・、だ・・・め・・・) 男の指の誘惑に負けそうになった時、車内のアナウンスが駅に到着することを告げた。 その指は、名残惜しそうに割れ目をなぞりながら、後ろに引き抜かれ、太ももにスカートの生地が触れたことを感じとった。 幾分かの乗客が降り、車内には少し余裕が出来た。その男は、そこからは触ってこない。それも、いつもの暗黙の了解のようなものだった。 私は次の駅までの間に息を整え、そしてホームに降り立った。 あそこに張り付いた下着は、しっかりと湿り気を帯びていた。 **************************************************************************************************** (手を突っ込まれても、声を出さないんだ) 俺は、改札を出る女の後姿を見送りながら、ほくそ笑んだ。 女のスカートには、最初はなかったシワが、幾重にも付いていた。 (もっと、楽しませてやるよ)
12/08/12 14:59
(BDcT9gzg)
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