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「警鐘」
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:人妻熟女 官能小説   
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1:「警鐘」
投稿者: いちむら沙織
今回、二回目の投稿です。
家事の合間に書きためているので、進捗ペースはかなり遅いです。
前回同様、女性目線の為、オブラートに包んだ描写となっているので、物足りなさを感じるかと思いますが、言葉を噛みしめるようにゆっくり読んでいただきたいと思います。
 
2011/02/18 15:50:34(tpVKGPNI)
12
投稿者: いちむら沙織
第九章

_平日の昼下がり。千石さんと都合をつけた私は、何度目かの疑似セックスに汗ばむ体をよじれさせていた。
「せんごくさんわたしもういきそう」
_遠のく意識の中、文字を変換している余裕もない私。
「里緒は犯されてるのに感じてるのかい?里緒の中にたっぷり出してあげるよ。受精したいんだろ?」
「なかはだめ、なかだけはやめて」
_私は千石さんのシンボルを想像しながら、愛液があふれる膣に異物を突き立てて、子宮に向かって押し込んだ。
_膣内膜をそぎ落とされるような刺激が背中から、うなじにまで這い上がり、武者震いをした。やがて膣肉が異物を締めつけて、体中がひきつるように私は果てました──。

_私はその場にくずれ落ちて、うつろな目で天井を見上げていた。
_そこへ次のメールが来た。
「三月さんに聞きたいことがあるんですが?」
_快感の余韻も引かないうちに、千石さんが問いかけてきました。
「なんですか?」
「気になってたんですが、三月さんはいつも何を使ってオナニーしてるんですか?」
私の顔は熱くなった。
「──そんなこと──恥ずかしくて言えません」
「僕はオナニーする女性は嫌いじゃないですよ。むしろそれを隠そうとするほうが嫌いです。三月さんのことをもっと知りたい、好きだから」
_またしても千石さんの押しに負けてしまった私。
「──だいたい家にあるものを──色々と」
「たとえば?」
「──たとえば──私はペンを使います。──時々です」
「ペンなんて細いもので満足できる?気持ちいいの?」
「──それなりに」
「もっとほかにもありますよね?」
_紅い顔で記憶をたどる私。
「──ナスと──きゅうりも──時々」
「いけない奥さんだ。下の口でそんなものを頬張って、よだれを垂らしてるなんて。そんなに美味しいの?」
「──はい、美味しいです」
_覗かれたくないはずの私の心の引き出しは、次々と開かれていった。
「もっと聞かせてください、三月さんのこと」
「──美顔ローラー知ってます?──顔をコロコロする美顔器ですけど」
「知ってますよ。石が付いたあの棒ですよね?そんなものまで使って体の中も美しくしてるなんて、三月さんのこともっと好きになりました」

_そんなメールのやりとりをしているうちに、絶頂を迎えたばかりの体がまたざわついてきます。
「ついでに聞きますけど、アダルトグッズは持ってないんですか?」
_息つくひまもない千石さんからの質問責めに耐えられなくなり、熱い蜜が太股をつたっていった。
「──持ってないけど──興味はあります」
_そのことは夫にも打ち明けていないことでした。告白してしまったら今の夫婦関係がこわれてしまうような気がして、ずっと隠していました。

_そして、彼の次の言葉が、私の性癖は病的なものではないと錯覚させるのでした。

「会いませんか?」

_いつのまにか、閉めきったカーテンの外の陽光は西に傾き、窓枠を縁取っていた。
「もうすぐ娘が保育園から帰ってくるので、返事は、また──」
私は、左手くすり指の結婚指輪に右手をかぶせて、揺れ動く心に、自分のだらしなさを痛感していました。
11/03/09 13:53 (DQNNnwjN)
13
投稿者: いちむら沙織
第十章

「三月さん、これ借りるね?」
_私のアパートの狭いリビングで、夏目由実子が私の美顔ローラーで頬を撫でながら、細い脚を投げだしている。
「あ!それは──!」私が慰めに使ったやつ…とは言えず、複雑な気持ちで「──な、夏目さんは持ってないの?私、毎日使ってるけどなかなか効果ないのよね」と、上擦った声で言った。
「三月さん、そんな綺麗な顔して、なんかイヤミにしか聞こえませんけど」
_夏目さんは含み笑いをしている。

_夏目さんの美人の顔に私の膣垢がすり込まれていくというのに、その仕草から目がはなせなくなっている自分がいる。
_綺麗なものが汚されていく時にこそ、官能的な美しさを映し出す。男性のそれとは異質の美しさが、私の目の前にあった。
_そんな「あぶない気持ち」を振り払うように、私は、ある話を切り出した。
「そういえばね、ちょっと前にあのサイトでフレンズになった女の子がいるんだけど。名前言っちゃっていいのかな──ゴールドって子なんだけど──」
_長いまつ毛の下の大きな瞳を何度も瞬きさせて、夏目さんは私の言葉に聞き耳をたてる。私は話をつづけた。
「何も考えないでフレンズ登録した私も悪いんだけどね──」
「その子がどうかしたの?」
「最初は普通に掲示板とかフレンズメールで色々話てたんだけど、それが最近なんだか様子が変なの。休みの日はなにしてる?とか、旦那のほかに恋人がいる?とかしつこく聞いてくるし。あと、夜の生活の話とか──」
「なんか、私のまわりにもそういう人いる。ストーカーみたいな?」
「返事に困るよね。ほら、ブログ炎上させたくないし、あんまり強くは言えなくて。だからもうフレンズ登録削除するか、サイト側に通報しようかと思って」
_その私の言葉に煮えきらない表情を見せる夏目さん。
「もう少し様子を見てみたら?あとでなんかあると怖いし、最近の子は何するかわかんないから。それに、三月さんに勧めたのは私だから、またなんかあったら相談してくれればいいから。──私たち、友達でしょ?」

_本気で私の話を聞いてくれて、本気で私の心配をしてくれた。それだけで気分が少し楽になったような気がした。
_持つべきものは「フレンズ」ではなく「友」なんだと実感しました。

_ネットの中ではみんな仮面を被っている。それは自分も同じこと。そこでは人と人をつなぐのも切るのもワンクリックだ。でも、私が求めている理想と現実が乖離していく感覚は確かにあった。
_そろそろ私にも「潮時」が来たのだろうと、しばらくサイトを放置して考える日々がつづいた。

_そんな中、それ以上に気がかりなことが私の中で渦巻いていた。
_ショッピングモールのトイレの中で感じた、自慰行為を覗かれていたような気配。それはまるで、暗闇の中で鋭く光る猫目に睨まれているように、先のとがった視線で体を貫かれているような感覚でした。
_それがいったい何なのかわからないまま、季節は運命の冬へと移り変わっていく。

_その日、北からの風が強く吹いて、通りの黄色い落ち葉をすくい上げていた。
_その様子を部屋の窓から見ていた私は、いくつか気持ちの整理をしようと、折りたたんだままの携帯電話を握りしめた。

_まずは、交流サイトにアクセスした。そして、私にしつこく付きまとっていた「ゴールドさん」に別れを告げ、フレンズリストから削除した。
_それから、ブログの更新はこれが最後だという思いで、近いうちに自分がここを退会するという意思をみんなに伝えた。

_そしてもうひとつ、はっきりさせなきゃいけない事がある。
_ノブナガこと千石弘和にまだ伝えていない「答え」を出す時がきたのです。
_千石さんは紳士的で、確かにいい人かもしれない。でもそれは私の妄想にすぎない。一時的な感情に流されてはいけないんだと思いながらも、疑似セックスの先にあるリアルセックスを一度だけでも味わってみたいと思ってしまう。
_この先、夫とのセックスも数えるぐらいしかできないと思うと、女の悦びを知らないまま渇いていく体を想像して、はぁ…とため息をついた。

_その日の夜、私はつまらない事で夫と喧嘩をした。お互い口もきかないまま別々の部屋にこもり、私はある人にメールをしました。

「会いたい」

_千石さんに会いたかった。すると、私の気持ちを察したように、メールはすぐに返ってきた。
「ぼくも会いたい。いつなら会えますか?」
「明日、会いたい」
_そんなに都合良く、すぐ会えないのはわかっていたけど、千石さんからは意外な言葉が返ってきた。
「いいですよ」

_こうして、男と女の密会の約束が交わされたのでした。
_翌朝、夕べの喧嘩のことを口実に、しばらく友達のところに泊めてもらうとだけ告げて、夫と娘を残して私は家を出ました。

──ごめんね。──すぐ帰るから。

そう心の中でつぶやいた。
11/03/11 10:39 (68xeJo8u)
14
投稿者: いちむら沙織
<第十一章>

_ワイルドガーデンズの朝の食堂はにぎやかだ。というより、何やらざわめく声がすぐ近くで聞こえる。
_私と同じく、外の雪景色が見渡せる窓際の席に陣取った女子大生くらいの3人グループが、窓の外を指差しながら目を凝らしている。
「ぜったい何かいたよ。今、見たもん」
「女の子なんだから、そんなに鼻の穴ひろげて興奮しないの」
「何かって、人?動物?」
「なんか白っぽい感じ。あれはたぶん…雪女。…それか雪男」
「は?なにそれ?おどろいて損したじゃん」
「めずらしく早起きして寝ぼけてんのー?」
言い出しっぺの女の子の胸を、あとの2人が指でつついていたずらし出した。
_そこからテーブルを一つ挟んだ席に座っていた私は、その女の子たちの光景に目を細めることもなければ、不愉快になることもなかった。
_なぜなら、あの女の子が指を差した方向は、たった今、私が「何か」を見た方向と同じだったからです。

_冬の寒さからくるものじゃない、ぞくぞくとした寒気が足元から這い上がってきたのがわかりました。
_でも、それも一瞬で消えた。
_都市伝説のようなことが現実に起こるのだろうかと疑問に思うと、急に冷静さをとりもどしました。

_彼からのメールで、すっかり舞い上がってしまった私は尿意をもよおし、食事を中断してトイレに向かいました。
──そういえば、庭朋美は猫を連れてトイレに入ってからまだ出てこない。あれから10分以上は経っているはずなのに。
_後始末に手間取っているに違いないと、私はトイレのドアを開けた。

_ハンカチ片手にトイレの中を見渡すと、いちばん奥の個室のドアが閉まっていた。おそらくそこに朋美さんと三毛猫が入っていて、あとのドアはすべて開いていた。
_私は、いちばん手前の個室に入り、細身のデニムを膝下まで下げて、さらにショーツを下ろして便座に腰かけた。
_年甲斐もなく「勝負下着」というわけだ。
_そして、完全に無防備になった外性器を露出して、私は用を済ませました。

_緊張がほぐれて軽くなった体を起こそうとした時、なんとなく湿気を含んだような、そんな音がどこからか聞こえてきました。

_ぴちゃ…ぴちゃ…ぴちゃ…
_みちゃ…みちゃ…みちゃ…

_いったい何の音だろう?と聞き耳を立ててみる。

_ぴちゃ…ぴちゃ…ぴちゃ…

_その音は確かに朋美さんと三毛猫が入っているトイレの方から聞こえてくる。
_そういえば、水分の多い缶詰めのようなエサを猫が食べてる時、ちょうどこんな音がしていたような気がする。
_きっと、あの三毛猫がトイレの中で朝食を食べているのだろうと、少々無理のある推理をしてみた。
_その「水分の多い朝食」の正体が何なのか。それが明らかになった時、その真実は私に何を問いかけたのでしょうか。

_うすい壁で仕切られたトイレを2つ挟んだ向こうの個室から聞こえてくる湿った音。
_トイレの中自体は、しんと静まりかえっているわけではなく、食堂でにぎわう声もかすかに耳に届く。それに紛れるほど小さな声が確かに聞こえました。
_声の主は朋美さんだが、なんだか様子がおかしい。苦痛に耐えるような押し殺した声なのか、あるいは涙をこらえながらも漏れてしまう泣き声か。

…あ……あぁ……う…うぅん……

…ぴちゃ…みちゃ…

_さらにおかしな事に気づく。朋美さんの声は、明らかに湿った音に反応している。
_とにかくこの状況は普通じゃない。ここに居てはいけないと思った私は、トイレを出て元の席に着いた。

_窓の外は、あいかわらずの雪だ。
_私が朝食を食べ終えるころ、トイレのドアが開いて朋美さんが出てくると、その足元をすり抜けて三毛猫が出てきました。
_何事もなかったような表情の2人?だが、あそこで何かあったのは間違いなかった。
_私は、もう一度トイレに入って、さっき閉まっていたいちばん奥の個室を確かめました。
_清潔に保たれた綺麗なトイレ。ふと足元のサニタリーボックスのふたを開けてみた。

──ん?──なにこれ?
11/03/20 00:55 (QJjN0v74)
15
投稿者: いちむら沙織
第十二章

_そこに捨てられていたのは、よくコーヒーとかに入れるミルクのポーションの空容器でした。
──どうしてこんなものが、ここに?
_そんな疑問がわき上がりつつも、私は、有り得なくもない事を妄想していました。

_それは、庭朋美の淡麗な容姿とはかけ離れた異常な性癖。行き過ぎた愛猫心の変わり果てた姿。
_我が子のように育ててきた?いや違う。伴侶以上の信頼関係を築いてきた家族の前で脚をひろげ、クンニリングスによる慰めに明け暮れる淫らな女を想像しました。

(いったいどういう事?何がそうさせたというの?)
_その心の声は彼女に向けたものではなく、私自身に問いかけるものでした。
_確かに、朋美さんがそのような行為に溺れてしまった事は、同じ女性として汚らわしく感じる。
_でも、それ以上に汚らわしいのは私の方じゃないのか?以前の私なら、こんな淫らな妄想をすることもなかったはずだ。
_それが今はどう?きのう会ったばかりの女性の性癖を見透かしたような、軽蔑の眼差しを浮かべている。しかも上から目線だ。
_男を欲しがるあまりに五感が錯覚をおこしていたとしたら、その妄想こそが私自身の自慰行為ではないのか?

_それが真実でした。
_庭朋美は、自らの乳房や股間の肉ひだにミルクを垂らして、それを舐めまわす猫の舌に欲情していたかどうかは定かではない。
_しかし、その現場に遭遇したわけでもないのに、淫らな妄想に性欲を満たしていた私。それだけが真実。

「どうかしました?」
_もと居た場所に座り、窓の外をぼんやりと眺めていた私は、聞き覚えのあるその声でようやく我に返りました。
_声のした方へ振り向くと、目線の高さにふくよかな胸元、そこから視線を上げた先の色白の顔は、庭朋美さんのものでした。
「あ…いいえ…ちょっと考え事を」
「そういえば、お連れの方はまだ来てないみたいですね。──彼氏ですか?」
「ええ…まあ…。」
_少し苦笑いして、私はさらに言った。
「さっき連絡あったんで、午後には着くと思いますけど」
「この様子だと、かなり視界もわるくなってるだろうし、心配ですね」
_朋美さんはそう言いながら、窓の外の低い空を見上げている。綿帽子のような牡丹雪は、おだやかな風の中で、しんしんと降っている。
_汚れのない景色に浄化されていく私の心には、さっきまでの庭朋美への妄想さえも消えてしまいそうでした。
「食後の紅茶、ここに置いておきますね」
_私はかるく会釈をして、檸檬が添えられた紅茶をひと口すすった。
「熱っ」
_私はやっぱり猫舌だ。

「今シーズンは、私の主人の思惑が当たったみたいで、ほら──」と、朋美さんが指差したのは、食堂の隅の掲示板。そこに貼られているのは、女子会プランをうたった広告。
_先ほど騒いでいた女子大生3人組も、これに釣られてやって来たに違いない。
_私はというと、千石さんに釣られて来たといったところでしょうか。

「すぐそこにゲレンデがありましてね。上級者の方に言わせると、このあたりの雪質は独特らしくて、とくに日の出を見ながらの早朝スキーは格別だそうで。──私は滑れませんけどね」
_そう言って少女のようにはにかむ表情を見せる朋美さん。
_場所が場所のため、知る人ぞ知る穴場となっているとのことで、集客を増やすために朋美さんのご主人の苦し紛れから出たプランだとか。
_その効果で女性客が増えると、それを目当てに男性客も増える計算らしい。
11/03/21 23:41 (0x0gTYvF)
16
投稿者: いちむら沙織
第十三章

「今日は平日だから日帰りの人がほとんどだし、別館のほうもいくつかお部屋は空いてるはずですけど」
「──別館があるんですか?」
「ええ──。別館のスクエアガーデンズは主人に任せてあります。夕べ、送迎バスの中から見えませんでしたか?」
_そう言われて私は夕べの記憶を辿ってみましたが、気持ちが高揚していたせいか、ここへ来るまでの記憶はおろか、電車の車窓からの景色すら思い出せない。
_この歳になってまで「恋の病」に犯されるとは思わなかった。

──と、その時!

…がたがた!…がたん!
_椅子の脚の爪先と木の床がこすれ合う音がしたあと、どさっ──と重い土嚢を床に落としたような鈍い音がした。

「どうした?」
「人が倒れた」

_そこに居合わせた数人のざわめきが押し寄せるように聞こえた。そちらに視線を送ると、横倒しになった椅子のわきに、ひとりの女性がうつ伏せで倒れている。
_緊張した空気が漂った。
──なにがあったのか?
──命に別状はないのか?
_なかなか状況を飲み込めないでいる私を余所目に、誰よりも素早く女性のもとへ駆け寄ったのは朋美さんでした。
_そして二人を取り囲むように、あっという間に小さな人垣ができる。私も少し遅れてその場に駆け寄りました。
_意外にもその女性はすぐに上半身を起こして、大丈夫とばかりに手のひらをこちらに向けた。
_念のため、医務室のベッドで休ませることにしようということで、女手が要ると思った私は、朋美さんと二人がかりで彼女を医務室に連れて行った。

_持病の発作なのか、それとも貧血で倒れたのか。それにしては彼女の顔色が悪くないような気がした。熱っぽい表情からすると、風邪の可能性を考えた。意識ははっきりしている。

「ご迷惑をかけて、すいませんでした」
_医務室に入るなり、彼女は腰を曲げて申し訳なさそうに言った。
「大丈夫ですか?お連れの方を呼びましょうか?」
_彼女を不安にさせまいと、朋美さんは凛とした表情でやさしく言った。
「──あの──平気です、私ひとりで」
_落ち着いた声の感じからすると40歳ぐらいに思えるその顔に、シミやシワといったものはひとつも見当たらない。
「──あの、──お手洗いを──」
_彼女のその言葉に朋美さんはひとつのドアを指差し、「そこをお使いください」と言ってベッドのシーツのしわを伸ばしはじめた。
_トイレに向かう彼女の後ろ姿を見て、私は、アレ?と思った。年齢に釣り合わないほど引き締まったお尻のライン。コーデュロイのパンツを見事に履きこなしてはいるが、一部分だけが濡れたように色が変わっている。
──尿失禁?
_おそらく、さっきの倒れた時のショックでそうなったに違いないと思って、彼女がトイレに入っていくのを見届けた。

「三月さんにまで手伝ってもらって、悪いことしちゃいましたね。あとで何かサービスさせてくださいね」
「いいえ、そんな気をつかわないでください。ただ、女手が必要だと思って。それに、彼が到着するまでは時間もありそうだし」
_医務室の壁にかかる時計は、9時30分になろうとしていた。こんな時だというのに、千石さんは今どのあたりなんだろう?と考えていました。

_その時、またしてもあの時とおなじ、土嚢を落としたような重たい音がしました。それはトイレの中から聞こえた。
_私と朋美さんは、お互いの顔を見合わせて、あの女性が入っているはずのトイレのドアへ駆け寄りました。

こつこつ…こつこつ…。
_朋美さんはドアを2、3度ノックして、「大丈夫ですか?」と声をかけた。
──
──返事がない。
_今度は「開けますよ?」と言いながらノブに手をかけ、時計まわりにまわしてみた。
_彼女は鍵をかけ忘れたのか、がちゃりとドアノブがいとも簡単にまわった。
_そしてドアが開くと、そこに彼女は居た。床に尻餅をついた格好で、背中は壁にもたれかかっている。下もぜんぶ履いたままでした。意識が朦朧としているような、もしくは意識がないような、半開きの瞳。

_朋美さんは私の名前を呼んで、目で合図する。そして彼女を女2人で担いで、「あうんの呼吸」でベッドに運びました。
_ベッドを仕切るカーテンを閉めると、朋美さんは彼女の下半身を見ながら言った。
「──出血はなさそうだから、おそらく尿失禁ね。──とにかく着替えさせましょう」

_このあと私達は、異様なものを目にすることになるのでした。
11/03/26 00:08 (atKK4bx3)
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