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1:縺れ合う赤い糸
投稿者:
流れ星
◆AvxTPLI0aE
俺は中川健二25歳。高校卒業後、山陰の田舎町から瀬戸内海側の都市に就職して7年が経った。 ある日会社の後輩が交通事故で入院し、その病院に見舞いに行った事で、縺れ合っていた運命の赤い糸が再び絡み合い始めた。 病院は勤務先の近くの入院設備がある外科病院で、仕事終わりに一人で見舞いに行った。 「健二…。健二でしょ?」 「美穂…。久しぶりだな。ここで働いてるの?」 「ひ…久しぶりね。う…うん。」 そこで出会ったのは親友の元カノの美穂。7年ぶりの再開だった。 「篤もお前を置いて先に逝くとは…。辛かっただろうな!」 「そ…そうね…。でも、今はこうして頑張ってるから。」 俺達は高校で知り合い、いつも三人で遊びまくり、俺も篤も美穂が大好きだった。 俺は空手部、篤はサッカー部、美穂はバレーボール部で、部活終わりには三人つるんで帰るのが日課だった。 ある日部活終わりに篤が土下座して俺に頭を下げたてきた。 「健二!頼む、美穂の事が好きで好きで堪らんのや!美穂と付き合いたいんや!頼む健二、この通りや!」 美穂に熱い思いを寄せる篤は、必死にそう言った。 「頼むって言われてもな。俺は美穂の彼氏じゃないから。まあ当たって砕けろや!お前が砕けたら俺も一緒に砕けてやるよ!」 親友の必死の頼みに、冗談混じりに返事をしたが、いろいろな思いが交錯した。 それから篤は美穂に告白し、まさかのOKで二人は付き合う様になり、聞きたくもない初Hの話しまで聞かされ、篤を羨ましくも思った。 それから卒業まで二人とは距離を置き、部活に専念しながら遠目から二人を見守っていた。 高校卒業後、俺は瀬戸内海側の都会に就職し一人暮らしを始めた。ただ、時々友達から二人の事を聞かされ、いらつく時も多々あった。 美穂は卒業後、病院に勤めながら看護学校に通い、篤は地元企業に就職したが長続きせず、それからは職を転々し美穂のアパートに転がり込み、ギャンブルにはまりヒモみたいな生活を送っていたと。 更に篤はサラ金に手を出し、返済を迫られた美穂は親に相談も出来ず、アルバイトで水商売の世界にに入り、そこから転落の人生が始まったと。 美穂が堕ちた先は風俗で、看護学校は退学し稼ぎのいい風俗で懸命に働き借金を返し続けたが、篤は更に借金を膨らませたと。 篤は風俗以外でも知り合いに身体を売らせ、美穂は身も心もボロボロになり中絶を繰り返し何度も手首に傷を入れたと。 噂話を真に受ける俺ではなかったが二人の事はいつも気にかけていた。 そんな中、突然の訃報が届いた。篤はヤバイ連中とトラブルを起こし美穂と二人拉致され、篤は美穂を見捨てて一人車で逃げる途中にガードレールに衝突し逝った。即死だったそうだ。 葬儀に駆け付けた時、美穂の姿はなく、親父さんお袋さんとで篤を見送った。 それから美穂の消息は途絶え、噂ではヤバイ連中にボロボロにされ、生きているのかすらわからない状況だったと。 『生きていてくれてよかった。』 そんな気持ちが溢れ出し美穂を見つめると、美穂は目に涙を浮かべ何かを吐き出したそうに俺を見つめ、その場で泣き崩れた。 「どうしたんや!美穂の頑張ってる姿見て安心したのに。美穂らしくないぞ!」 俺は美穂のどす黒い過去を知らぬふりをして美穂を優しく抱き寄せた。 「だって…。こんなところで逢えるなんて…。嬉しくて…。」 「そうやな!もう泣くな!化粧取れて顔グチャグチャやで!」 「健二、相変わらず口悪いわー! 俺が笑うと美穂は昔と変わらず可愛い笑顔を見せた。 俺達の再会に、複雑に縺れ合った運命の赤い糸がゆっくりと解け始めた。
2017/12/16 12:17:53(ngZoxs0B)
投稿者:
流れ星
◆AvxTPLI0aE
病院に着くと美穂は入り口に立ち、不安げに俺を待っていた。 「どうしたんや?どこか悪いんか?」 「健二!落ち着いて!私もまだ何も聞いてないの!」 「わ…わかった…。ちょっとびっくりしてな…!悪い悪い!」 その場で大きく深呼吸をし、美穂に連れられエレベーターに乗り診察室に向かった。 「初めまして。美穂さんの主治医の田中です。」 「初めまして。中川健二です。よろしくお願いします。」 「本来ならご家族以外にはお話ししないのですが…。今の美穂さんの状態から判断して貴方をお呼びしました。どうぞ、座って。」 診察室に入ると年配の女医さんが迎えてくれて、俺と美穂をソファーに座らせた。 「大事なお話しだから二人ともしっかり聞い下さい。」 俺の身体中に力が入ると美穂も俺の腕を力強く掴んだ。 「美穂さんはここ数ヶ月で驚くほど回復しています。夜もぐっすり眠れる様になって、体重も増えて女性らしい身体つきになってきました。更に美穂さんの身体も少しづつだけど普通の女性に戻りつつあります。今回の微熱もそれが原因です。総合的に考えて、もう美穂さんの通院治療は必要ないと判断しました。美穂さん…良く…良く頑張ったね!この日が来る事を…ずっと願ってたよ…。美穂さん…。」 淡々と話した先生だったが、最後は積もりに積もった思いと一緒に涙を溢れさせた。 「せ…先生…。有難うございます!」 美穂は立ち上がり先生に駆け寄ると、先生は美穂を抱きしめ頭を撫でた。 泣きながら抱き合う二人の姿の裏には壮絶な治療があっただろうと、俺も涙が止まらなかった。 「通院治療も一つのストレスだったよね。まだたくさんストレスが美穂さんにのしかかってるの。これから二人でそれを解放して行くの。」 「はい。先生、有難うございました。」 俺は涙を拭きながら立ち上がり、深々と頭を下げた。 帰りはささやかなお祝いで晩御飯を食べようとファミレスに寄った。 「みほ、親父さんとお袋さんに報告してあげなきゃ。」 俺の言葉に美穂は笑顔で頷き、注文を済ませると席を外し、お袋さんに電話をかけ先生からの話しを伝えた。 「健二…。有難う。お父さんもお母さんも泣いて喜んでくれた。健二のおかげって!それと、私達に逢いたいから週末にこっちに来てもいいかって。」 「大歓迎だよ。とりあえずご飯食べよう。!」 「有難う!うん。お腹すいたね。」 週末の事をいろいろ話し、追加オーダーもしてお腹いっぱいになるまで食べ、食後のコーヒーを飲んでいると元気のいい子供達が店内を走り廻っていた。 「健二、見て。可愛いー!男の子、双子ちゃんよ。」 美穂はその子供達を見て身を乗り出した。 その子供達は何故か美穂の横で走るのを止め、美穂の側に来た。 「可愛いね。何歳?」 「よんさい。」「よんさい。」 二人はそのまま美穂に抱き着く仕種を見せ、美穂は二人を優しく抱き寄せた。 「ま…まあ、この子達ったら…。他人に甘える姿初めて見たわ。ごめんなさいね。」 子供達の姿を探していた母親はその光景に驚いていた。 美穂が頭を二人の頭を撫でると子供達は美穂の手を握り、母親の呼びかけにも応えず美穂の手を離さなかった。 「ママが呼んでるよ。いい子だから、お利口にするのよ。」 美穂が声をかけると二人は可愛い笑顔を見せ、お母さんに抱き着いた。 「素敵なお姉さんに甘えられて嬉しかったみたいです。有難うございました。」 母親は頭を下げ、子供達は何度も何度も振り返りながら席に戻って行った。 その時、もし俺と美穂に子供が出来たら、美穂は絶対に優しい母親になれる。その姿は頭の中に浮かび上がり、そうなって欲しいと強く願う俺が居た。 「お父さん、お母さん週末来てね。今健二といろいろ話して、美味しいもの食べに行こうって。うん。楽しみにしてる。あっ!ちょっと待って…!健二が大事な話しもあるって…。う…うん…。じゃあまたね。」 会計を済ませて店を出て美穂がお袋さんと話し終わった時、美穂の耳元で囁き、美穂はそれを二人に伝えた。 「健二…。大事な話って…何?」 帰り道美穂は不安げに聞いて来た。 「そんな顔するなよ!心配するな!帰ったら話すよ!」 「うん。わかった。」 笑顔でそう答えた俺の顔を見て美穂も安心したのか、可愛い笑顔を見せた。
17/12/22 16:03
(gmWDllpe)
投稿者:
流れ星
◆AvxTPLI0aE
家に帰ると美穂は熱いお茶を入れ俺の前に正座をし座った。 「美穂、長い間良く頑張ったな。俺はこれからの事をいつも考えていたよ。そのタイミングを…美穂の姿を見ながら…。」 「健二…有難う。全部健二のおかげよ。こうして幸せを感じながら生きていけるなんて…夢にも思わなかった…。この幸せが…ずっとずっと…続いたらって…。けど…。」 美穂は言葉を詰まらせ目を潤ませた。 「想いは一緒や。俺は美穂をもっともっと幸せにしたいんや!一生美穂の笑顔見ていたいんや!美穂!結婚しよう!俺の嫁さんになってくれ!」 「け…健二…。わ…私は…。」 「壁があるのはわかってる。けどな、それを二人で乗り越えて行くんや。その先に二人で行こう。絶対に美穂を幸せにする。」 「健二…。わ…私…。こんな日を夢みてた…。いつか…いつかは…って…。出逢えてよかった…!健二…。有難う…本当に有難う…。」 美穂は泣きじゃくりながら俺に抱き着き、何度も何度も有難うと繰り返した。 翌日仕事帰りに待ち合わせをし、婚約指輪を買いに行った。高価な指輪ではなかったが美穂は店員さんの前で大粒の涙をこぼした。 「俺と結婚して下さい。」 「はい。よろしくお願いします。」 家に帰り美穂の指に指輪をはめた時、美穂は最高の笑顔を見せ、互いに唇を重ねた。 「親父さんとお袋さん明日やな!緊張するわ!」 「健二でも緊張するんだ!アッ…!」 金曜日の夜お風呂で美穂の身体を洗っていると美穂がビクッと身体を震わせた。 「ご…ごめん!痛かったか?」 慌てて陰部から手を退けようとしたら美穂は俺の手を掴んだ。 「ち…違うの…!痛みじゃないの…!な…何か違う感じ…!もう少し…触って…!」 身体の肉付きが良くなった美穂の陰部は、最初に見た時に比べむっちりとした感じにその形を変えていた。 「ゆ…ゆっくり…。アッ…アッ…!あぁぁぁぁ…!ハァッハァッ…ハァッ…!」 陰核を優しく撫でる様に触り続けると、美穂は悩ましい声を漏らししばらく繰り返していると過呼吸を起こした。 「美穂…大丈夫か?」 「け…健二…!か…身体中に電気が走ったみたいに…変な気持ちに…!わ…私…!」 美穂の身体は少しづつだが、女としての本来の姿を取り戻そうと回復し始めていると俺は確信した。 その夜、疲れきった美穂は俺の胸の中で、可愛い寝息をたて深い眠りについた。 翌日、親父さんとお袋さんは昼前に野菜やいろいろな食材の入った段ボールを抱え、初めて俺達が済むアパートに来た。 「み…美穂…。お前…。」「美穂…。こんなに…。嘘みたい…。」 二人は美穂の姿を見て言葉を詰まらせた。 「健二のおかげで…。元気になれたの…。健二のおかげなの…。」 美穂は二人に抱き着き、二人も美穂を優しく抱きしめた。 段ボールの中身を片付け、部屋で待つ親父さんとお袋さんを前に俺達が正座をすると親父さんが緊張した顔を見せた。 「ど…どうしたんだ。そんなに畏まって…。だ…大事な話しの事か…。」 「はい。突然の話しで申し訳ありません。大事な話しと言うより俺と美穂からお父さんお母さんにお願いがあります。美穂さんと結婚させて下さい。お願いします。」 「け…健二君…。」「み…美穂…。」 俺と美穂が深々と頭を下げると二人は言葉を詰まらせた。 「これから先、二人でいろいろな壁を乗り越えて行きます。必ず美穂さんを幸せにします。お願いします。」 親父さんとお袋さんの啜り泣く声が聞こえ、ごっつい手が俺の肩に触れた。 「健二君、有難う。美穂を…美穂をよろしくお願いします。」 頭を上げると親父さんは俺の手を握りしめ、涙をこぼしながら頭を下げた。 「美穂…よかったね!本当によかったね…。「有難う。お母さん…。」 お袋さんも美穂を抱きしめ二人も大粒の涙をこぼしていた。 居酒屋の個室で美味しい料理を食べ、美穂は婚約指輪を指にはめ、親父さんとお袋さんに嬉しそうに見せていた。 「健二君、これから先は健二君の思いで事を進めてくれ。私達は影ながら応援するから。美穂を頼みます。」 「はい。先ずは俺の両親に話しをして結婚の承諾を得ます。先に入籍になりますが結婚式は後日と考えています。よろしくお願いします。」 「け…健二…。結婚式って…。」 「順番違うけどな、美穂の花嫁姿見たいんや!それはみんなが思ってる事やからな。」 美穂には結婚式の事はまだ話してなかったが、美穂は驚きながら俺に抱き着いた。 「母さん…。よかったな…。本当によかったな。」「はい…。お父さん…。」 親父さんとお袋さんは俺達の横で笑顔で手を握り合っていた。
17/12/24 17:07
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投稿者:
流れ星
◆AvxTPLI0aE
美穂の両親に結婚の承諾得た俺達は、美穂と金曜日に休みを取り、俺の実家に行く事を決めた。 「金曜日やけど、二人に合わせたい人がおるんや。大事な話しもあるから。」 「まあ、久しぶりに連絡くれたと思ったら…。お父さんに時間作る様に言っておくわ。気をつけて帰って来るのよ。」 夜に電話を入れるとお袋は何かを察したのか、嬉しそうに電話を切った。 金曜日は朝早くに家を出て、昼前に実家に着く予定で車を走らせた。 「お父さんとお母さん…。私達の事…許してくれるかな…。」 美穂は不安げな顔を見せ、俺の手を握った。 「二人とも美穂の事知ってるし、久々に元気な顔見て喜ぶやろ!けどな、美穂の事は包み隠さず話しはする。思い出したくなかったらその時は席外してええから。時間掛かってもええから、必ず説得する。」 「健二…。有難う…。」 美穂は涙を溢れさせ、俺の手を力強く握った。 「ただいま。無事に着いたで!」 「お帰り。彼女さんは?」 お袋は玄関先でいきなりそう言い俺の後ろを見た。 「お久しぶりです。山口美穂です。」 「えっ?み…美穂ちゃんって?」 「お袋覚えてるよな?高校の同級生の美穂や。」 お袋は久しぶりに見る美穂に驚きながら頷いた。 「元気にしてた?二人はどこで?お父さんお母さんは元気?」 「お袋!後でゆっくり話すから。親父は?」 「ご…ごめんね。私ったら…。お父さん和室で待ってるわ。さあ、上がって。」 お袋は驚きながらも笑顔を見せ、俺は美穂の手を握り、親父の待つ和室に入った。 「久しぶりやの。まあ座れ。」 親父の言葉にちょっと緊張したが、美穂を先に座らせ、俺は親父の前に正座で座った。 「紹介します。今付き合ってる山口美穂さんです。親父忘れたかも知れんけど、高校時代の同期生の美穂です。」 「お久しぶりです。山口美穂です。」 親父に美穂を紹介すると美穂は深々と頭を下げた。 「覚えてますよ。よく家に遊びに来てた美穂さんですね。」 「私も覚えてるわよ。そんなにかしこまらなくてもいいのよ。」 お袋はコーヒーをテーブルに置き、親父の横に座り、笑顔を見せた。 「二人に大事な話しがあるんや。その前に二人に美穂の事を聞いて欲しい。美穂…。」 美穂に席を外させ様と美穂を見ると、美穂は俺の手を握りしめ二人に頭を下げていた。 俺は二人に美穂の過去をすべて話した。最後に子供が産めない身体かも知れないと。 「美穂さん…。辛かったね…。でも…良く頑張ったね…。」 お袋はハンカチで涙を拭いながら美穂に優しい言葉をかけてくれた。 「美穂と結婚します。俺達の事を認めて下さい。お願いします。」 無言で腕を組む親父に頭を下げると、美穂も深々と頭を下げた。 「健二!こっちに来い!」 しばらく沈黙の間が空き、親父は立ち上がり和室の扉を開け、縁側に立った。 言われた通り縁側に立つといきなり親父の廻し蹴りが側頭部に跳んできた。 「キャッー!け…健二ー!嫌ー!」 美穂の叫び声が響く中、廻し蹴りは寸止めで止まり、鋭い風圧が俺を襲ったが俺は動じる事なく親父の目を見た。 「覚悟は出来てる様だな。高校時代は逃げたお前だが…。一人前になりやがって!座れ!」 親父は笑顔を見せると美穂は俺にかけより、二人の前に座った。 「お前達の覚悟は受け止めた。過去の事など関係ない。これからを二人一緒に幸せになるんだ。美穂さん、健二をよろしく頼みます。」 「健二、美穂さん…よかったね…。二人はやっと結ばれたのね…。よかった…。」 親父はゆっくりと頭を下げ、お袋も泣きながら頭を下げた。 「お父さんお母さん、有難うございます…。本当に有難うございます…。」 美穂は泣きじゃくり、お袋はそんな美穂を優しく抱きしめてくれた。 「高校の時にね、健二ったら失恋して少し荒れたのよ。お父さんも見るに見兼ねて『渇』入れたの。さっきみたいにね。健二ったら逃げ出してね。笑ったわ。」 お袋が昔話をしながら笑うと親父も笑い出し、美穂の顔にも笑みがこぼれた。 それからこれからの事を話し、用意してきた婚姻届に署名して貰った俺達は市役所に行き、書類を準備し美穂の家に向かった。 「お父さんお母さん、俺の親も美穂との結婚を認めてくれました。帰ってから婚姻届を出します。」 「健二君…有難う…。」 「美穂…よかったね…。」 二人は泣きながらそう言い、美穂を抱きしめていた。
17/12/27 15:15
(g1JRYmAk)
投稿者:
流れ星
◆AvxTPLI0aE
四人で話しをしていると、親父が今夜みんなで食事をと言い、お袋が電話で都合を聞いて来た。 「親父せっかちやろ!まあー昔ながらの男やから、。都合大丈夫ですか?」 「健二君、話しがまとまればこちらからお願いしようと思ってたんだ。お誘い頂いて有り難いよ。」 その言葉に俺と美穂は改めて親の優しさ感じていた。 「お久しぶりです。健二の高校の卒業式以来ですね。お元気にされてましたか?」 「お久しぶりです。そうですね。卒業式以来になりますね。いろいろありましたが、元気にしております。」 親父と親父さんはそんな挨拶をし、料亭の座敷部屋に入った。 テーブルは無く、座布団が3つづ向かい合う様に敷かれ、お袋が座る場所を教えてくれた。 「中川さん、これは。」 「山口さん、突然で申し訳ありませんでした。この度、ご長女美穂さんと家の健二の結婚をお許し頂き有難うございます。急な話しで準備が行き届きませんでしたが、略式ではありますが結納の儀をと思いまして。こちらの勝手な思いで席を用意させて頂きました。返しは必要ありませんので。」 「そんな…。二人の結婚を許して頂いた上にこのような席まで…。」 「私の気持ちです。順番は変わるかも知れませんが、親として大事な節目はきっちりとしてやりたくて。これからもそうさせて下さい。結婚式もあげさせましょう。費用はすべてこちらで。」 「中川さん…。有難うございます…。私達も出来るだけの事は…。」 「有難うございます…。」 親父とお袋が頭を下げると、二人も言葉を詰まらせながら深々と頭を下げた。 親父とお袋はあれからデパートに行き、略式の結納の準備をしていて、結納の品として結納金を親父さんに渡した。 親父の有り難い気持ちに感謝しながら、少し酒をのみ新しくなった家族と楽しい一時を過ごした。 上機嫌の親父とお袋をタクシーで帰らせ、俺達は美穂の家に泊まる事にした。 一番風呂を頂き、美穂が風呂に入ってる間に美穂の部屋を覗いた。 何度か遊びに来た事があったが、久しぶりに部屋を見ると、部屋は綺麗に片付いていた。 ふと、昔見せて貰った美穂のアルバムを思い出し、棚の扉を開けるとそこにはまだアルバムが置いてあった。 幼い頃の写真を見ながら一人笑ってしまい、アルバムをめくっていくと途中から写真が抜き取られた後が目立った。 昔を思い出しながら考えてみると篤と俺と美穂の三人で撮った写真が抜き取られていた。 そこには涙の後が残り、美穂の悲しい思いと深い傷痕があり、それを思うと俺は涙が止まらなかった。 「健二君ー!コーヒー入ったよ!」 お袋さんの声に必死に涙を拭い、リビングに下りた。 その夜は高校時代を思い出し、美穂の傷の深さと身体の温もりを感じながら眠りについた。 翌日、双方の親に挨拶をして実家を後にし、帰宅前に役所に寄り婚姻届を出した。 「健二…。夢じゃないよね…。私達…本当に…本当に…。」 アパートの表札に健二の下に『美穂』と名前を書くと美穂は泣きながら後ろから抱き着いた。 「夢じゃないよ。俺は心に決めた女と結婚したんや!美穂!」 俺は本当に嬉しかった。玄関の前にも関わらず美穂を抱きしめていた。 その夜いつもの様にベッドで抱き合っていると美穂が俺の物を握ってきた。 「疲れてないか?無理せんでええよ。」 「大丈夫よ。昨日抜いてないでしょ?」 美穂は笑顔を見せパジャマとパンツを脱がしゆっくりと物を扱き始めた。 「手が暖かいな…。気持ちいいわ…。」 「う…うん…!ちょっと身体が熱いかも…!」 美穂はそう言い、俺の手を取り柔らかい乳房に添えた。 「アッ…アッアッ…!け…健二…!」 硬くなった乳首をそっと撫でると美穂は今までになく甘い声を漏らした。 「痛くないか?大丈夫か?」 「大丈夫…!健二…続けて…!アッ…アッアッ…アウッ…!」 美穂は顔を歪める事なく、初めて襲う刺激の波に身体を震わせ始めた。
17/12/27 17:22
(g1JRYmAk)
投稿者:
流れ星
◆AvxTPLI0aE
俺はパジャマを脱ぎ捨て、美穂のパジャマを脱がそうとすると、美穂は身体を起こし、肉付きの良くなった上半身があらわになった。 俺達は互いの温もりを感じ合いながら唇を重ね、更には舌を絡め合い、その愛撫を続けた。 「アッ…!け…健二…!な…なんだか変な気持ち…!アッアッ…!」 初めて美穂の乳首に舌をはわすと美穂の反応が変わった。 ゆっくりとパジャマの下を脱がそうとすると、美穂は腰を浮かし俺の気持ちを受け入れた。 「アウッ…アッ…!あぁぁぁ…!」 そのまま腰からお尻をゆっくりと撫でると美穂は身をよじり、身体はビクビクと震え、俺の物を扱く手が止まった。 ゆっくりとパンティーに手をかけ、ゆっくりと脱がすと美穂の身体が硬直した。 「あぁぁぁ…!け…健二…!熱いよ…!」 美穂は身をよじり初めての言葉を口にした。 太股の間に手を入れ、撫でる様に手を這わせ、そして熱く熱を帯びた陰部に触れた。 「み…美穂…。これって…。」 指先にわずかだが美穂の陰部から溢れた愛液が纏わり付き、俺は思わず声を上げた。 「ハアッ…ハアッ…!な…何…!あぁぁぁ…!」 美穂の陰部を優しくなぞり、愛液を掬い指を抜いて美穂に見せた。 「こんなに濡れてる!美穂…!」 「健二…!ホントに…!濡れてるの…!」 「見てみろ!こんなに…こんなに濡れてるぞ!」 俺が親指と中指を重ね指を離すと美穂の愛液は糸を弾き、美穂は驚きそれを見ていた。 「健二…!恥ずかしい…!でも…嬉しい…!あっ!馬鹿ー!健二ー!」 俺はその指を口に運び舌で舐めると美穂は大声で叫び、手で顔を覆った。 「美穂…。これが美穂の…。甘くて美味しい…。」 「あぁぁぁ…!アッ…!そこは…!い…痛い…!ダメッ!」 調子に乗り、指が膣の入り口に触れた瞬間美穂の身体が跳ね上がった。 「ご…ごめんね…。ちょっと痛かった…。ごめんね…ごめんね…。」 美穂は腰を引き、何度も何度もごめんねを繰り返した。 「あやまらんでくれ!調子に乗った俺が悪いんや!でも、美穂のジュース美味しいわ!」 「もう!健二ったら!馬鹿ー!」 そう言いながらまた指を舐めると美穂は顔を真っ赤にして笑った。 「健二!今から私の好きにさせて!動いたらダメよ!いいわね!」 美穂は俺を寝かせると布団に潜り俺の物を両手で握りしめ扱き始めた。 『グチャッ…グチャッ!』 我慢汁が溢れ出した俺の物は、扱かれる度に厭らしい音をさせ、その刺激に俺の物はいきり立った。 「ウッ…!美穂…お前…!」 俺の物の膨らんだ頭に生温かい感覚が拡がり、それはゆっくりと頭全体にはい回り、溢れ出る我慢汁を吸い取られた。 『ジュルッ!ジュバッ…!ジュバッ…!』 厭らしい音と共に俺の物の胴体もその温かい感覚に包まれ、身体中に電気が走った。 「美穂…!ダメや出る…!我慢出来ん!」 「ええの!健二…出して!お願い…そのまま出して!」 俺は美穂の肩を掴み身体を離そうとした時、美穂はそう叫び俺の物を口に運び更に手で扱いた。 「み…美穂ー!ウッ…ウッ…ウォッー!」 凄まじい快感に腰に電流が流れ、美穂の口の中に熱い精液を放った。 『ウッ…!ゴクッ…ゴクッゴクッ…!』 美穂は喉を鳴らし、今までになく大量に放ち続ける精液ををすべて飲み干した。 「ウッ…ウッ…!美穂…有難う!」 美穂は精液を飲み干した後も俺の物に吸い付き、管の中に残る精液をも吸い出し、最後は舌先で綺麗に舐めとり俺の胸に顔を埋めた。 「こんな事しか出来なくてごめんね。いつか…いつか…健二の熱いものを私の中に下さい…。」 「有難う!思いは一緒や!ゆっくりでええんや!二人の思いをいつか叶えるんや!」 お互いの思いは深く繋がっていた。そして、少しづつだが俺達は確実に前に進んでいると俺も美穂も実感した初夜だった。
17/12/27 22:38
(g1JRYmAk)
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