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みなさん、こんにちは。
名無し。改め、108です。 前作「中学生の私と人妻の物語」を読んでいただき、ありがとうございます。 今回の作品は、前回とは変わったイメージにしてみました。 主人公は、定年間近の男性です。 楽しんで読んでいただければ幸いです。 では、さっそく、、、 「憂鬱」 その1 昨日は、孫が還暦を祝ってくれた。娘家族がわざわざ来てくれて、ささやかだが本当に楽しい時間だった。 幼稚園に通い始めた孫は、目に入れても痛くないほど可愛い盛りで、厳しく育てた娘からは、父さんも歳を取ったと言われる始末である。 3年前に妻を亡くしてからは、独り暮らしであるがまだまだ現役で仕事をしている事もあり、特に困ることも無かった。 そう、無かったのだ。6ヶ月前までは。 私の名前は、木田一郎。来年で定年退職する大手服飾メーカーの管理職だ。 定年後は子会社への出向が決まっており、まだまだ働くつもりである。 妻には先立たれたが、1人娘も無事に嫁ぎ近所に住んでいる為、頻繁に孫を見せに来てくれて寂しさは無かった。 趣味は草サッカーをしており、体力には自信があったが、もうひとつの趣味である自転車で転倒し足を骨折してからと言うもの、怪我は完治し以前と同じようにサッカーも始めたが…。 つづく
2017/08/26 07:31:28(zuaDoWwZ)
その32
その日、私は病院へ戻るのが遅れて婦長に叱られたが、疲れと幸福感から病室のベッドに横になると同時に眠りについていた。 翌朝、いつものように鈴谷さんの大きな声とハイテンションな挨拶から1日が始まったが、回診に来た先生にも叱られてしまい、反省したが先生の話は全く耳に入らず、脚の状態の事で何を言われたのかも記憶に残っていなかった。 私は、リハビリの時間が来て早く谷崎さんに会いたかったが、その前に煙草を吸う私の前に聖子さんが来てしまった。 聖子さんは「昨日は夜遊びしちゃって、どこ行ってたのさ?」と聞いてきて、私が孫に会ってたましたよと答えると、ニヤニヤしながら「鈴谷ちゃんにも叱られるよ~」と言いながら、いつものようにボンベを連れて、立ち去って行った。 どこまで知ってるんだかと思ったが、私の気分はとても晴れやかなものだった。 病室に戻る途中、鈴谷さんから呼び止められ、「昨日、明美さんと会ってましたよね。私の事を聞きましたか?」と言われ、何となく聞いたよと答えると、「そうですか…」と言い、鈴谷さんは浮かない顔になった。 私は、鈴谷さんの事を少し勘違いしていた。強くて無邪気な子供っぽい女性かと思っていたが、繊細で優しい人なんだなと気付いたよ。これからもよろしくお願いねと言うと、鈴谷さんは怪訝な顔をしながら、「お風呂の時の約束覚えてます?本当にお願いします」と、頭を下げナースステーションに帰っていった。 私は、何も約束した覚えは無かったが鈴谷さんを女にすると言うお願いをされた事を思い出していた。 つづく
17/08/27 12:19
(MKK7tPy1)
その33
リハビリ室に入ると、谷崎さんが昨日はよく眠れましたか?と聞いてきたので、疲れ過ぎて死んだように眠ったよと言うと、谷崎さんが私も!と言い、2人で笑った。 リハビリしながら、次の外出の相談をしようとした時、谷崎さんから鈴谷さんの事を相談された。 「彼女は、人一倍優しくて弱い部分を誰にも見せないように生きてるの。特に仕事中は、無理に明るく振舞っているのが私には痛々しいぐらい。さっき、メールで木田さんと恵子ちゃんが外出前日の出来事を報告してきて、私にも協力して欲しいって言うの。木田さん、どう思う?」と言った。 私は、鈴谷さんには興味が無いし、今は君しか見えていないよと答えると、谷崎さんは寂しそうな顔をして、「木田さん、とても嬉しいけど、私だけ幸せになっても、それは心から幸せにはなれないよ」と言い、黙ってしまった。 私が、それでは鈴谷さんに会社の若い奴を何人か紹介してみようかと提案すると、谷崎さんから思ってもいない返答があった。 つづく
17/08/27 12:20
(MKK7tPy1)
その34
「恵子ちゃんは、男性が怖いの。でも、木田さんの事は怖がらないし、むしろ好きなんだと思います。ただ、私も木田さんが恵子ちゃんと2人でセックスするのを想像すると嫉妬で胸が張り裂けそうになります。だから、私と木田さんの2人で恵子ちゃんを幸せにしてあげませんか?」 谷崎さんの提案は、早い話が3Pだった。私は、谷崎さんの願いだったら喜んで協力したいけど、鈴谷さんが嫌がるんじゃないの?と言うと、一度聞いてみて大丈夫なら、木田さんよろしくねと言われた。 翌日、いつもの朝だったが鈴谷さんから朝の挨拶の後に、小声でよろしくお願いしますと言われたので、谷崎さんとの話が進んでるようだった。 私は、3Pを経験した事がなく、ましてや性的な目的以外で、それも人助けでセックスをした事など無かった。 その日、谷崎さんに会ったら、鈴谷さんの話が進んでるのか確認をし、まだ判断しかねている事を伝えようと思いリハビリ室に入ると、谷崎さんから「来週の外出は、うちに泊まりませんか?」と聞かれ嬉しくなり、鈴谷さんの件を谷崎さんに伝えるのを忘れてしまっていた。 もちろん2人で翌朝までゆっくりできると思っていた。 つづく
17/08/27 13:18
(0MU6xD/B)
その35
鈴谷さんとは今までと変わりなく、谷崎さんとは時には熟年新婚カップルのように過ごしていたが、外泊日の前日になると、鈴谷さんから「明日の事、聞いてますか?」と言われ、診察の事かと思い、明日は外泊するから居ないよと答えると、鈴谷さんは「外泊の件です」と言った。 私は外泊手続きに不備があったのかと思い、何か足りない書類があった?と聞くと、鈴谷さんは「いえ、そっちじゃなくて」と言い、私は意味が分からずに怪訝な顔になると、鈴谷さんは、「いや、いいです。また後で」と病室を出て行った。 診察が終わり、リハビリ室に行くと、今日は谷崎さんが休みだった事を思い出し、リハビリをしながら明日の夜の事を考えてると、いつもと違う療法士の男性相手に軽く勃起してしまう自分に苦笑していた。 つづく
17/08/27 13:24
(0MU6xD/B)
その36
翌朝、すんなり外泊できたので鈴谷さんの話は何だったんだろかと考えながら、松葉杖を運転手に預けタクシーに乗り込み谷崎さんのアパートを目指した。 途中、百貨店に寄り道し、手土産を物色していると、地下の食料品売場で鈴谷さんを見つけた。病院の外で見るのは初めてだった。 以前の厚化粧とは違い、しっかりと流行の化粧をして、白いパンツルックにブルーの半袖ニットを着た鈴谷さんは、ずいぶん痩せて見えて、元々グラマラスだったのが強調され綺麗だった。 私は鈴谷さんに声をかけ、そこの綺麗なお嬢さん、今からデートですかと聞いた。 驚いた鈴谷さんは、しばらく私を見ながら無言になり、私が不審に思っていると、「今から谷崎さんの家に行くんです。一緒に行きましょう」と言った。 今度は私が驚き、とりあえず手土産を買うから、先に行っててと言うと鈴谷さんは「わかりました。またあとで」と言い、手を振って離れていった。 今日、私が谷崎さんの家に行くのを何故知っていたのた気になった。 もしかして、谷崎さんと鈴谷さんは、また仲良くなったりしているのかと考えながら松葉杖を片手に歩いていた。 つづく
17/08/27 21:49
(HFDCDCvE)
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