夕方、誠に電話をして試合結果を聞いた。｢どうだった？｣｢ああ…負けたよ…｣｢何対何？｣｢９８－５８だった｣｢４０点差かよ!?｣｢凄ぇ強かった…何してもダメだった…｣と落胆した声で言った。｢そうか…明日帰ってくるの？｣｢うん…｣｢じゃぁ…今度詳しく聞かせて？｣｢うん…分かった…｣と言って電話を切った。…次の日の午後、誠、徹、真田の３人が来た。買ってきたお土産を食べながら、詳しく話しを聞いた。Ｍ高のここ一番っと言う時の、集中力と破壊力が凄かったと３人は言った。真田も後半は１２点しか取れなかったと言った。そして真田が｢お前が居たら違ったかもな…｣と言った。｢じゃぁ…キャプテン…冬リベンジしましょう…それまでに治しますから｣と言うと｢そうだなっ｣と言った。…再手術の前日になった。ミューラー先生が診察に来た。通訳を通して先生が｢君はいい目をしてるね…私がしっかりと治してあげるよっ…｣と言われ、晃と夕香は｢よろしくお願いします｣と頭を下げた。そして再手術の日になった。

いつも楽しみに読ませてもらっています♪

覗いていた看護師との絡みが有るや無しか気になります！

晃は目を覚ました。夕貴と夕香が顔を覗いていた。｢アキ兄…分かる？｣と聞かれ晃は頷いた。夕貴はナースコールを押した。｢どうしました？｣と看護師の声が聞こえた。夕貴は｢兄が目を覚ましました｣と言うと｢分かりました｣と答えた。やがて先生が来て色々と質疑応答をした。そして｢後は君次第だよ…辛いとは思うけど、リハビリしっかりして行こう…｣と先生が言った。それからリハビリに対しての心構えを言った。｢焦らない事、無理をしない事、しっかりとこなす事…これが大事だよ｣と言った。そして先生は家族にも心構えを言った。 夕貴達は｢分かりました…先生ありがとうございました｣と言って頭を下げた。…数日後、晃の長く辛いリハビリが始まった。傷口の抜糸をしていよいよ退院となった。学校はもう始まっていた。晃と夕貴は夕香の運転で通学した。まず晃は夕香と一緒に職員室に行き、校長と学年主任と担任に挨拶をした。夕香は｢じゃぁ５時頃迎えに来るから校門の所にいてね？｣と言って帰って行った。

教室のドアを開けると、皆松葉杖姿の晃を見てざわついた。クラスメートでもある、沼田と望月が｢晃っ!?…大丈夫か？｣と言って近づいて来た。｢久しぶりっ！｣と言うと｢大丈夫なのかお前…｣と心配そうな顔をした。｢心配かけたけど、膝以外は元気だよっ｣と言うと、沼田は少し涙ぐんで｢良かった…｣と言った。晃が席につくと、他の奴らも晃の所に来て｢大丈夫かよ？｣とか｢荷物とか持ってあげるから｣とか言った。誠と徹は勿論の事、他のクラスの奴らも見に来た。…午後、晃は部活に顔を出した。晃は皆に｢心配かけてすみませんでした…まだ走ったり出来ないけど、またコートに立てる様にリハビリ頑張るから…｣と言うと｢待ってるぞっ｣｢また一緒にやろうなっ｣と言ってくれた。…晃はリハビリで病院に行く時以外、部活に顔を出す様にした。晃はコートの隅で松葉杖なしで歩いたり、筋トレをして体を作っていった。左足の落ちた筋力を戻すリハビリはキツかった。監督が｢焦るな…焦ってまた痛めたら元も子もないぞ｣と忠告した。

午後、学校が終わってから晃は病院に行く。当然の如く夕貴も｢荷物持ち｣と言う名目で一緒に行った。学校近くのバス停(コミュニティーバス)から乗って行った。夕貴は｢デートしてるみたい｣と言って嬉しそうに笑った。リハビリの間夕貴は付き添ってくれた。晃は(夕貴が居なかったら挫折してるだろうな)と思う程、晃にとって夕貴の存在が心の支えになっていた。キツいリハビリメニューをこなす度、夕貴が｢アキ兄…凄いっ｣と言って笑顔を見せた。その笑顔に晃は癒やされ頑張れた。家でも夕貴が献身的に介護してくれた。左足のマッサージをいつも欠かさずしてくれて、包帯等巻き直してくれた。敏晃がそれを見て｢まるで夕貴は晃のお嫁さんみたいだな｣と言って笑った。若さもあり晃は予定よりも早く、松葉杖なしで歩ける程回復した。それでも夕貴は｢何かあったら大変だから｣と言ってリハビリに付いて来た。しかしまだ先生から｢大分回復してるけど、まだ走ったりしたらダメだよ｣と言われた。