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1:双子の銀狼
投稿者:
銀狼
◆qPLBDpgDEg
人を好きになるって怖い。盲目になってしまう、それしか見えなくなる。
だから僕は人を好きになりたくない。 盲目になるのが嫌だから。 殺風景な部屋。 家具と電球があるくらい。僕はMP5Kを構えて素早く制圧する。 異常は無い、仲間はいない、僕一人でやるしかない。足音はたてない。 きっとどこかに隠れている見つけ出したら・・・・ カンッ。 物音のした方に銃を向けるヤカンが転がっている。 僕はすぐに影に隠れる。 ヤツは必ずトラップを使ってくる・・・毎回そうだ。僕は警戒しながらゆっくりヤカンに近づく。 声を押し殺す。 紙に何か書いてある。 【ばあーか!!上、上!】 「・・・・・っ!」 僕はこの瞬間終わった。 バスッ。 頭に痛み感じる。 血は出ていない。 「私の勝ち・・・・」 家具の上で猫のようにこちらを見下ろし嬉しそうに呟く。 痛い・・・いっ・・・! 「イテッ!ミソラのバカッ!!頭撃つなんて・・」 僕は床に仰向けに転がる。黒い影は僕の上におりてきた。 とっても小柄で長い銀髪のツインテール。 青い瞳の美少女。 まるで天使おりてきたみたい。 僕の上に股がって意地らしく笑う。 「ミツキに勝った・・久しぶりに勝った」 ミソラのはいている黒いフリフリ付きのミニスカートの脚の間から白いパンツが見える。 「ミツキに負けた・・久しぶりに負けた」 ミソラはニヤッて笑った。「・・・・負け犬」 「ミソラ・・・今日は白いパンツだね」 ミソラは顔を赤くしてさっと手で隠して出ていった。「僕の勝ち・・・」 僕はトイガンのMP5Kを拾って少し小さめの屋敷を出る。 周りは広い広い農場。 ミソラはベンチに座っていた。 そばにコリー犬のマックがいた。 おじさんが拍手して僕を励ます。 「よくやったな!」 おじさんは45歳。がっちりとした体格だ。 おじさんは先生であり師匠であり父親である。 ここらへんの土地は全ておじさんが所有している。 もちろんさっきの小屋も。僕はミソラの隣に座る。 マックが尻尾を振ってよってきた。 頭を撫でてやると気持ちよさそうな目をする。 「・・・ミツキのエッチ」 ミソラはむっつりして怒っている。 僕はカバンからコーラを二本取り出してミソラの頬っぺたにコーラをくっつける「冷たいな・・・」 ミソラはコーラを受け取る、僕もミソラも甘い物が好きだ。 「ありがと・・・ミツキ」 「うん・・・」 おじさんはテントを張っている。 今日はテントで寝る。 大きめのテントで大人四人は入れる。 僕とミソラは双子の兄妹。僕も銀髪でミソラよりは体つきはいい。 けれども全然華奢だ。 いくらトレーニングしても筋肉が付かないのだ。 「なに浮かない顔をしているんだ、ミツキ?」 「おじさん、僕達って何でこんなに体細いの?」 おじさんは微笑むとコーラを飲む。 「遺伝と言うか・・・お前達のお父さんの影響かな」ミソラはマックに抱きついている。 「ふぇ・・・遺伝ね・・・」おじさんは食事の準備をしている。 ミソラはあんまり喋る方じゃない。 僕は普通くらいかな。 ミソラはあんまり遊びにも行かないし。 ヨーロッパの田舎町。 学校が無いのでおじさんに勉強を教えて貰っている。両親は死んだと聞いた。 僕もミソラも14歳。 僕達を生んでから事故で亡くなったと聞かされている「食事できたぞ」 ベンチに座ってパンにかじりつく。 「二人とも好きな人はできたか?」 ミソラはそっぽを向いてマックにパンをひとかけら投げる。 マックはパクッと口でキャッチする。 「僕はいないよ。恋愛は身を滅ぼすからね」 おじさんは苦笑する。 「恋愛しなきゃ結婚して子供作れないぞ」 僕はスープをすすって空を見上げる。 「いらない・・・セックスできればいいよ」 僕はセックスはした事ないけどそれっぽい事言わないとバカにされる。 おじさんは悲しそうな目をする。 「やっぱり・・・アイツの子供だな・・・」 夕食を食べ終えるともう夜はふけていた。 おじさんはテントから顔をだす。 「俺はもう寝るからな」 「お休みなさい」 僕とミソラがピッタリのタイミングで言った。 僕とミソラはボーッと空を見ていた。 「綺麗だね・・ミツキ・・」「うん・・スッゴく」 空気が清んでいるから凄く凄く綺麗。 ミソラの体がブルッと震えた。 僕は肩にジャケットをかけてやる。 「うぅ・・ありがと」 「そんなミニスカートはいてるからだろ・・・」 僕も寒くてミソラにくっつく。 ミソラも僕にくっつく。 「ミニスカートが好きなの・・・分かんないけど。訓練の次に好き」 「ミソラの脚って綺麗だよな・・・」 僕はゆっくりとミソラの脚を触る。 「ふっ・・んっ!」 エッチなビデオの女みたいに切ない声を出す。 僕は調子に乗ってやらしく触ってみる。 ニーソックスの中も触って軽くつねる。 「んんっ!やあっ・・・!!」とっても敏感らしい。 触られるだけでこんなに感じるなんて。 「ミソラもエッチじゃん・・・・」 僕のシャツをギュッと握ってさらにくっついてくる。「んんっ、ちがうっ!はぁっ、んあっ」 僕はスカートの中に手を入れてみたくなる。 太股の間に手を入れてパンツに触れる。 「んんっ!んんんっ!!!」 自分の妹だけどスッゴく可愛い。 もっとしたくなった。 「ミツキ・・・もぉっ・・だめ・・」 「嘘でしょ?目を見れば分かる。もっとして欲しいって目だもん」 ミソラは顔を赤らめる。 僕は抱き寄せてさらにパンツをいじる。 「んんっ・・だめ・・」 僕はスカートを少しめくってパンツを見る。 「白のレース付きかぁ」 「だめ・・だめだよぉ・・ミツキ・・・」 僕はさらにパンツをいじくる。 切なく喘ぐ美少女は僕の妹・・・可愛くて大切な僕の妹。僕の手首を掴んで抵抗するけど形だけ。 しばらく苛めてから解放してあげた。 「はぁはぁはぁっ・・・ミツキのエッチ!ヘンタイ!」僕は無視して空を見上げた「僕達の名前って日本語なんだって・・・美空と美月・・・知ってた?」 ミソラはぷいっとそっぽを向くが僕にくっついたまま「知ってるよ・・バカッ・・」 僕はあくびをしてゴムで長い前髪を縛る。 僕は左目は青で右目だけ赤い。 それが嫌で右目にかかる髪を伸ばして隠している。 ミソラは両目とも青なのに・・ミソラと一緒で両目は青が良かったな。 「ミツキ・・寝よう・・」 「うん・・マックもおいで・・」 二人と一匹でテントに入った。 空はキラキラ、月は怪しく光っていた。
2010/11/09 15:34:15(HCmDuoBj)
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銀狼
◆Df3LS3WJTE
綾さんの部屋に向かう。
僕は肉を求めるゾンビみたいだ。 今は快感しか考えられない・・・ ノックせずに綾さんの部屋に入る。 「わっ、美月くん?」 僕は綾さんに抱きつく。 すぐに唇を奪って押し倒す「んっ・・んんっ」 綾さんのパジャマを脱がして胸を揉む。 「美月くん・・・やっぱり我慢できない?」 「綾さんがいけないんだ・・僕のせいじゃない・・」乳首に吸い付き舐めまわす少し噛んでみる。 「んんっ!」 綾さんの体がビクンと震えた。 「美月くんは・・初めて?」「はい・・」 「がっつかないでゆっくり食べてね・・・・」 そんなの無理だ。 綾さんの体を貪る。 せっかくお風呂に入ったけど汗が出る。 もう何も考えられない。 布団にくるまり抱き合う。「私も三十路過ぎだけど、美月くんの初めてを貰っていいの?」 「構いません。綾さんは美人ですし」 「そっか・・・」 汗でべちょべちょ。 初めての挿入。 なかなか入らない。 「私が入れてあげる・・・んっ・・・」 膣内で締め付けられる。 なんて気持ちいいんだろう・・・凄い・・・。 本能のまま動く。 何度も中に射精しても衰えずにまたすぐに腰を動かし射精する。 いくらでも射精する。 「はぁっ、はぁっ・・美月くん・・・もうだめ!!」 綾さんも何度もイッた。 セックスって・・いい・・癖になる。 初めて膣からチンコを引き抜く。 ドロッとした精子が垂れてくる。 「はぁっ・・ごめん・・一人にしてくれる?スッゴい・・・罪悪感・・・」 綾さんは苦しそうに喘ぐ。「明日もしたいです・・」 「ごめん・・早く行って」 僕は服を着て部屋を出る。もっとしたかった。 そうだ・・美空を犯そう・・それがいい。 美空は部屋にいない。 どこにいる?早く犯さないと・・・早く・・早く。 見つからない。 どこだ?どこにいる? 早く・・早く・・。 「美空?どこだ?」 屋敷を探したけどいない。どこにいった? 早く犯したい。 美空の膣内に射精してやる・・・ 美空は大福の所にいた。 「美空?・・何してる?」 美空は月を見ていた。 黙って何も言わない。 美空の肩を掴む。 このまま犯してやる。 後ろから抱きついて美空のパジャマを脱がそうとした「月がね・・・綺麗だなって・・・」 美空は泣いていた。 やっと正気に戻る。 「・・・美空?何で泣いてるの?」 「私の夢って何か知ってる?知らないよね・・美月には言ってないもんね」 何言ってるんだ? 確かに僕は美空の夢は知らない。 「私・・・もう少し大福といる・・先に寝てて」 「美空・・風邪引くよ」 美空が僕を睨んだ。 「いいから行って・・・早く行って・・私の前から・・・消えて・・」 僕が何をしたって言うんだ・・・? ムカッとして部屋に戻る。布団に転がる。 美空は戻ってこなかった。それよりセックスの快感が忘れられない。 もっとしたい。 寝られない。 もう一度、綾さんの部屋に行ってみる。 「美月くん・・・・」 「綾さん、もっとしたいです・・もっと・・」 綾さんは泣いていたようだ僕がいけないの? 僕はしたいだけなに。 「美月くん、私が処理してあげるから・・絶対に他の子としちゃダメだよ」 処理って? 綾さんもあんなに喘いだのに? 僕がいけないの? 体が熱い・・とっても。 床に倒れた。 そのまま気が遠くなった。夢・・・? 誰かが話しかけてくる。 声じゃない。 文字が浮かぶ。 【しかたないよ・・・】 しかたない?何が? 【闘争本能を抑えるとそうなる。性欲が異常になる。訓練が必要。銃を撃て。訓練をしろ。人を殺す訓練を・・・それが一番】 なんで?訓練は大好きだけど・・・関係あるの? 【あるよ、私達はそうゆう運命】 君は誰? 【貴方の理解者。貴方の分身。もう一人の貴方。】 目が覚めるといつもの敷き布団。 「はぁっ・・はぁ・・」 綾さんが心配そうに見ていた。 「美月くん?大丈夫?」 「僕は・・・」 「3日間寝てたんだよ」 「そんなに・・・」 僕は思い出した。 綾さんを泣かせた。 美空を犯そうとした。 恐ろしい・・・自分が恐ろしい。 中に何かいる。 悪魔がいる・・。 「僕は・・・僕は・・最低・・・」 凄まじい吐き気。 ゴミ箱に吐き出す。 綾さんが背中をさする。 「大丈夫・・君は悪くないよ・・大丈夫・・」 僕を抱き締めてくれる。 少し安心した。 「美空は?美空はどこ?」 襖が開いた。 「・・・・・」 美空が立っていた。 「美空ちゃん、後お願いね・・私、薬もってくる」 美空は黙って頷く。 綾さんが出ていった後に襖を閉めて僕に近づく。 「美空・・ごめん・・僕・・・」 僕に黙って抱きついてくる「ばか・・ばかっ・・」 美空の綺麗なツインテールに触れる。 「僕・・怖い・・中に何かいる・・怖い・・怖いよ」美空はさらにギュッと強く抱きつく。 僕も美空を抱き締める。 「制服・・・出来たよ。後で着てみよ・・」 「美空・・・ごめん」 「謝んなくていい。全部分かってるから・・美月の事分かってあげれるのは私だけだから・・・」 「うん・・ごめん」 「謝んな!ばかっ・・」 僕は自分の事を何もしらない。 だから知らなければならない。 どんな事実だとしても。
10/11/10 17:12
(UBP2XXlJ)
投稿者:
銀狼
◆Df3LS3WJTE
綾さんから貰った薬で大分落ち着いた。
あの夢は一体なんだったのかな。 何日か布団から出られなかった。 綾さんがご飯を運んでくれる。 「さ、食べて・・お粥は嫌いかにゃ?」 「いただきます・・美味しそうです」 梅干しと・・・・スクランブルエッグ? 「綾さん・・これスクランブルエッグ?」 「あははっ、いり卵だよ」 「ふぇ・・・」 なんだか美味しそう。 一口食べる。 「美味しい?」 「あ、はい。とっても」 綾さんの目は暖かい。 「綾さん・・あの・・無理矢理迫ってごめんなさい・・いっぱい出しちゃって・・避妊もしないで」 綾さんは微笑んで頭を撫でてくれた。 「いいよ・・男の子はそんなもん。私も・・気持ちよよかったよ」 「綾さん・・・すみません」僕はしゅんとした。 「ま、元気になったらまた相手してあげっから!今は休みな」 「はい・・・」 お粥を食べてまた寝る。 美空は何してるんだろ。 もしかして綾さんとセックスしてるのがバレたとか?なんか気まずいな。 「美月・・・」 襖がゆっくり開いた。 「え?美空・・・制服?」 美空は綺麗に制服を着ていた。 「ど、どう?美月に見てもらいたかった」 「凄く似合う。抱き締めたい・・・」 スカートは短めでニーソックス。 長い銀のツインテール。 なんかジャパニーズアニメのキャラクターみたい。 「んっ・・!抱き締めたいの?・・・」 「うん、凄くキュート・・」美空は近付いてきてギュッとしてくれた。 「好きなだけ抱いていい・・・・早くしてっ!」 「う、うん・・・」 僕もギュッと抱き締めた。いいにおい・・・ 数日後に僕も制服を着て学校に向かう。 同じ制服の子たちの目線を感じる。 「美月・・恥ずかしい・・」「僕も・・・」 学校は徒歩で30分くらい。靴を下駄箱に入れる。 とりあえず職員室に向かう・・・ 「失礼します・・」 「おっ!こっちこっち」 綾さんがいた。 綾さんは先生もしているらしい・・・ 「しばらくお茶飲んで待っててね」 「はい・・・」 長い髪は纏めて眼鏡をかけている。 あんな美人とセックスしたんだ・・・。 思い出したら変な気持ちになった。 チャイムがなって教室に案内される。 クラスがざわつく。 「静かに!転校生がやって参りました。なんと外国からの転校生です!はい、二人とも名前書いて」 僕はチョークを取って悩んだ。 ファースト、ミドル、ラストネーム書くと長すぎる。「美空と美月でいいじゃん・・・」 美空がボソッと呟いた。 僕は黒板に美空、美月と書いた。 綾さんがニコニコしながら見ててくれた。 「はい、美空ちゃんと美月くんです!仲良くしてあげましょう」 拍手が起きる。 恥ずかしいな・・拍手される用な事してないよ。 「じゃ、席は一番後ろの空いてる二つでいいよ」 ちょうど二つ空いてる席に座る。 椅子が固いし机もボロボロ。 カバンを横にかけて美空を見る。 可愛いよなぁ・・制服似合ってる。 「美月?・・・何?」 「ううん、何でもないよ」 授業が始まる。 国語の授業で文法とかだ。もう知ってるしノートに丸写しする。 授業が終わると女の子が話しかけてきた。 「こんにちわ。唐木利奈ですけど覚えてる?」 「あっ!お寺の女の子?」 利奈はニコッと笑った。 「クラス一緒で良かった!仲良くしようね」 「う、うん」 それから段々と人が集まり色々質問された。 美空はむすっとしていた。お昼ご飯の時間になり綾さんに作ってもらった弁当を取り出す。 「おーい、美しい双子よー昼飯食べよ」 雪が走ってやってきた。 美空の顔が明るくなる。 「あの・・私も一緒に食べてもいいかな?」 利奈も弁当を持ってやってきた。 「うん、ぜひ」 僕が微笑むと利奈は顔を赤くしてテーブルをくっ付けた。 雪と美空はスケッチブック開いてこれが似合うだの言いながらご飯を食べている「美空くんってモテるよね?カッコよくて可愛いし・・・」 「うーん、ヨーロッパにいた時は学校行かなかったし・・・どうかな?」 利奈の顔が赤い。 熱でもあるのかな? 「利奈?風邪引いてるの?顔真っ赤だよ」 「へっ?」 僕は利奈の額に手を当てる熱は無いみたい。 「あ、あはは!そうかも!」 何か余計に顔が赤くなった・・・ 美空がむっとして僕の足を蹴った。 「いてっ!なんだよ」 「・・・私じゃないもん」 お昼が終わって掃除をしてまた授業。 前の席の子が紙を渡してきた。 「・・・・?」 「黙って開いて・・バレると困る」 何だかヤンチャそうな子。紙を開いた。 【放課後に体育館裏に来い。二人ともだ】 これが日本のイジメってやつ? 放課後に美空と体育館裏に行ってみた。 利奈が一緒に帰ろうと言ったのでついでについてきて貰った。 二人だけど来いとは書いてない。 「おお、来たか・・・ってなんで唐木までいんの!?あんた呼んでないよ」 「いや、なんかついでに来てって言われちゃって・・・」 利奈が頭をポリポリ書いた「まぁ、いい。お前らに話がある。私は吉田瑠美・・この学校の女番長かつボスっぽい存在であり学校のシンボル的存在であり・・」脇にいた仲間がツッコミを入れた。 「長いっつの・・・」 「じ、邪魔すんな!遊は黙ってろ!」 遊は瑠美の隣の席の子だ。僕と美空に近づく。 「お前らは・・・お前らは!!なんて・・」 凄い目で見られる。 でも殺意は無い。 「なんてきゃわいいんだ!!特別に私の部下にしてやる!!」 そう言って僕と美空に抱きついた。 「へ?何?・・瑠美?」 利奈が戸惑っている。 「はぁー何も体育館裏に呼び寄せて言う事じゃないじゃん・・瑠美ってバカだねー」 「バカって言うな、遊!」 遊はあきれたように目をつむる。 「えーと、つまり瑠美は友達になろうって言ってるんだ。バカな子だからごめんね」 「遊!バカって言うな!二回も言うな!」 「僕達はいいよ。嬉しい」 僕は普通に答える。 「えっ、いいの?私みたいな不良の仲間に入ってくれるの?」 瑠美の目はウルウルしている。 「瑠美、泣くなよ・・・」 それから5人で帰る事になった。 こんなにガヤガヤ喋るのは初めて。 周りは田んぼで蛙が鳴いている。 「じゃあね、みんな!美月くん!」 利奈は手をふって帰っていった。 「利奈もきゃわいいよねー」瑠美が呟いた。 確かに可愛い。 「美月くん、惚れさせたね」遊がニヤッと笑った。 「え、僕が?」 「んー・・」 「美空ちゃん何むっつりしてるのー?」 瑠美が美空に抱きついて頭を撫でた。 「してない・・」 美空は僕を軽く睨んだ。 しばらく歩くとようやく商店街。 「よしっ!遊びに行こうぜ!」「瑠美、あんた金ないんでしょ?」 「あー軍資金がない・・遊貸してよ」 「アホには貸さない」 この二人は仲いいみたい。楽しそうに会話するな。 「じゃあまた明日学校でね!バイバーイ!」 瑠美と遊と別れてからぶらぶらと歩く。 「美月・・デレデレしてる」「してないよ!」 美空の機嫌が悪い。 僕は美空の手を握った。 「んっ!急に握らないで・・びっくりする」 「美空、帰ろう!」 「うん・・・」 二人で手を繋いで帰る。 綾さんはまだ帰ってきていない。 大福は外でゴロゴロしていた。 居間に座ってテレビを付ける。 「美月・・・キスしたい」 「ふぇ!?いきなり?」 「いいから!・・・私を不安にさせた罰・・」 「不安・・・?わ、分かったよ」 美空に近寄ってキスをした「んっ・・・んん」 段々と舌が絡まる。 唾液が混ざる。 「んっ・・はあっ」 「美空・・可愛い」 美空のツインテールを撫でた。 僕の妹は天使みたいだ。 天使とエッチなキスをする・・イケナイ事してる。 そういえば綾さんに首筋が弱いって言われたけど美空も弱いのかな? カプッとあま噛みする。 「ああんっ!やぁっ!!」 「美空、気持ちいい?」 美空はそっぽを向いて台所に行ってしまった。 また美空の弱点発見した。しばらくして綾さんが帰ってきた。 「お帰りなさい」 「いやー残業しちゃった。遅れてごめんね」 綾さんは座ってからお惣菜を広げる。 「久しぶりにお惣菜買っちゃった」 ハンバーグとかコロッケ。久しぶりの洋食。 美空はハンバーグが好きだったので味にはうるさい。「なに・・これ・・」 美空はハンバーグを一口かじって呟く。 「ありゃー美空ちゃん気に入らない?」 「ううん・・こんなに美味しいの食べた事ない・・凄い・・」 綾さんはニコニコ笑った。僕は好き嫌い無いけど美空は料理にうるさい。 喋らないから分かんないだけ。 「さて、君たちに一つ課題を与えます」 僕達はキョトンとして綾さんを見つめる。 「コホン・・課題・・それは・・・」 くわっと目を見開いた。 「新たなる格闘技の開発!」僕と美空は目が点になった
10/11/10 21:29
(UBP2XXlJ)
投稿者:
銀狼
◆Df3LS3WJTE
綾さんはワクワクしながらこちらを見ている。
「新しい格闘技を?」 「私達・・が?」 僕と美空はポカーンとした・・・・ 「君達は訓練しないと物足りないんじゃない?私も心得はあるからある程度は教えられる」 美空は目を光らせた。 「やるっ!私やりたい!」 「美空がそんなに言うなら僕も・・・」 おじさんに習った格闘技はいくつもある。 すぐに会得できた。 「じゃ、軽くやってみな!!」綾さんは軽く言うけど格闘技の訓練は結構しんどい。庭で軽くストレッチをして体をほぐす。 「美空、鈍ってないよな?」「当然・・・」 綾さんは縁側に座って見ている。 習ったとうりやる。 体が覚えている。 美空が回し蹴りをする。 美しい銀のツインテールが舞う。 美空は小柄だから手強い。僕より10センチぐらい下だから153センチくらい。 動きも素早い。 僕のパンチを払って素早く反撃する。 30分ぐらい後。 「はあっ・・」 「ふうっ・・」 間合いをつかむ。 美空はなかなか隙を見せない。 「はい、やめっ!!」 綾さんが声をかけた。 興奮を押さえて落ち着く。「ふーん。おじさんは元海兵隊だったな・・・もうちょい・・・でも凄いよ。見とれるくらい綺麗な動き」綾さんはゆっくり立ち上がり僕を指指した。 「美月くん、次は私とやろう」 僕はまだ動ける。 「お願いします」 綾さんの覇気は心得程度じゃない。 数分で負けた。 「・・・っ!!」 横腹を蹴られ吹っ飛ぶ。 痛い・・・ 「あ、悪い・・ついやっちた・・」 綾さんが手差し出してくれる。 僕は手に掴まって起きる。「綾さん・・強いですね」 「まぁね・・」 おじさんの友達ともやった事あるけどこんなに強い人は初めて。 美空の隣に座る。 綾さんは少し考え込んでいる。 「君達は・・素晴らしい。けど・・まだ伸びるから・・・うーん」 美空が僕の横腹に触れる。「負けたね・・・痛い?」 「うん・・少し」 負けるのは初めて。 美空には勝てないけど負けた事はない。 綾さんはまだ考えている。「うーん・・・小柄な体格を利用して・・・うーん・・・」 外はもうすっかり暗い。 「月・・・綺麗・・」 美空は月が好きらしい。 いつも月を見ていた。 「よっし。明日から毎日訓練の時間入れるけどいいかにゃ!?」 僕も美空もその言葉を聞いて嬉しくなった。 「はいっ!」 二人同時に返事をした。 綾さんはニコッと笑った。お風呂に入る時に横腹を見るとしっかりアザがついていた。 「ふぁ・・・いたぃ・・」 日本も物騒だから格闘訓練ぐらい許される。 射撃訓練は専門の施設がある。 でもここの地域は静かで犯罪も無さそうだ。 お湯に浸かるとヒリッとした。 シャワーだけにしてパジャマを着る。 居間に戻ると美空がコームで髪を撫でていた。 「美月・・やって」 美空はコームをつきだす。僕はコームで美空の髪を撫でた。 もつれはないんだけどな。テレビ番組で歴史的事件集がやっている。 毎週火曜日にやる番組。 綾さんがココアを三つ持ってきた。 美空の隣に座ってフーフーと冷まして飲んだ。 「さて、次の事件は日本の北海道で起きた。不可解な暗殺事件です」 綾さんの目が変わった。 増田という国会議員が狙撃されて脚を吹き飛ばされたにも関わらず命はとりとめた。 増田議員は二組の暗殺者に狙われていたらしい。 野外講演会場で銃を発砲した暗殺者は自供したが狙撃をした暗殺者は現場から1キロ以上離れた廃ビルで見つかった。 右足と右手が無くなり胸に二発銃弾を撃たれて死んでいた。 別の暗殺者がいたという可能性もあるらしい。 殺害された暗殺者の身元は不明。 現場にはイスラエル製のコーナーショットのみしか発見されなかった。 「ふーん、コーナーショットって近接戦兵器でしょ?拳銃付きコーナーショットなんかで狙撃なんかできないよ」 「私もそう思う。たぶん弾丸は408。火薬量は419グレインで弾頭も特殊・・・それならチェイタックM200あたりが使われたかな」 美空の判断はたぶんあってる。 僕もそう思った。 「この増田って人は車椅子でまだ国会議員やってるのか・・・しぶといね」 「私はしぶといの嫌い・・・」 美空とそんな会話をしていた。 綾さんがクスッと笑った。「二人共、もう寝なさい。明日も学校でしょ?」 「はぁーい」 二人でココアを飲み干し寝室に向かった。 翌日、学校から帰ると黒猫大和の不在表が入っていた「荷物?綾さん当てかな?」電話をして再配達してもらう。 サインをして荷物を受けとる。 ずしりと重い。 「ん?宛先が僕達になってる・・・・」 荷物を居間に置く。 雨が降ってきた。 大福が部屋に避難してきた「美月・・・開けないの?」「うーん。見たい?」 「・・・・見たい。暇だもん」 僕は手持ちのペーパーナイフで包装を破る。 ごつめのケース。 開けると見慣れた物があった。 美空と僕は同時に驚いた。「これ・・・銃!?」
10/11/11 00:37
(feTINdo/)
投稿者:
銀狼
◆Df3LS3WJTE
と、一緒思ったが違う。
触ってみるとトイガンだ。構造が違う。 「へぇー良くできてる・・・玉もあるね」 6ミリBB弾。 銃のモデルは米軍採用のM9、パーツは全て金属製。 重いわけだ。 他にはマガジンがいくつかとクリーニングキット、ガス缶・・・そして手紙。 「ん?手紙?」 こう書いてある。 【フルカスタムで初速も規制以上だぜ!ベアリング弾は撃たないように。 綾の親友のオタクより】 「・・・・???」 誰だ?綾さんの親友? 「たっだいまー!おおっ!!届いたかぁ」 綾さんが帰ってきた。 荷物を見るとニヤリと笑った。 「それは私の友人に送ってもらったの。君たちも銃を撃ちたくなったらそれで訓練しな!感覚は実物に近いからね」 「あ、ありがとうございます・・・」 なんだかありがたいようなありがたく無いような。 美空は早速撃とうとしている。 「美空!危ないってば!!」 「別に大丈夫でしょ・・」 美空は外にバカスカ撃ちだす。金属音で結構な音だ。そとの雨のおかげで大分音は抑えられているが。 「ふーん・・・・いい・・楽しい・・・」 美空はマガジンを交換してまた射撃する。 「あははっ、美月くんも撃ってみな!!」 「あ、はい・・・」 僕もガスを入れて撃ってみる。 パンパンパン。 うん・・・楽しい・・!! いつの間にか夢中になる。綾さんは夕食を作りに台所へ。 いつの間に時間は過ぎていた。 「はい、ご飯出来たよ!」 今日は焼そば。 遊んだらお腹が空いた。 「そうだ、美空!綾さんにあれ見せようよ」 「んー・・・いいの?まだ未完成だけど・・」 綾さんは首を傾げた。 僕は部屋から鍵付きのケースを持ってきた。 「ナニナニ?何かにゃ?」 「僕たちのオモチャです!」ケースを開ける。 大きめの鞘と細身のナイフ「・・・・?何?ナイフ?」「はい!でも秘密があって・・・」 僕は庭の片隅の木向かってナイフを向ける。 小さな赤い点が光った。 パシッ・・・・ほぼ無音。ナイフのブレードだけが飛んでいく。 グリップだけが残る。 「おおっ!・・・ロシアの仕込みナイフ!・・・違う・・・何それ!?」 綾さんはかなり驚いている鞘にブレードの一部がヒョコッと出ている。 グリップをブレードの一部にはめる。 カチッ。 引き抜くと新しいブレードが付いている。 「それ・・・何?何なの?二人で・・作ったの?」 綾さんは相当驚いている。僕はかばんからノートを取り出して差し出す。 「仕込みナイフを改良しました。コイルガンを少し応用して」 綾さんはノートを開いて読みだす。 「凄い・・・本当に?ええっ!?」 このナイフはバネでブレードが飛び出すロシアの仕込みナイフを改良したナイフ、僕と美空だけで作った。旧来の仕込みナイフはバネだけでブレードを飛ばす。飛距離も10メートル行くか行かないかで、ブレードを再び取り付けるのに非常に力がいる。 そこでコイルガンを応用してみた。 単純なストライカー型で回路も何とか小型化した。 バネの力もある程度ある。コイルガンを応用したので飛距離が伸びて、バネも少し弱めの物なので再びブレードを取り付ける時、力がいらない。 レーザーポインターも付けてある。 まだ改良できる所もある。「はは、凄い・・・私も使ってみていい?」 綾さんはすごく興味深そうだ。 「いいですよ。まだ未完成ですけど」 綾さんが何回かナイフを使った。 レーザーで狙った所にナイフが刺さる。 鞘にはブレードが12枚ある、細身で空気抵抗を考えた形。 ブレードの素材は加工しやすいステンレス鋼の440A鋼切れ味はイマイチだが安いし加工がラクだ。 「はぁーやるね!こんなに正確に飛ぶのは凄いね」 「綾さんの知恵を借りたいんですけど」 綾さんは絶対一般人じゃない。 おじさんの知り合に一般人はいないから。 綾さんはノートを見てうなる。 「まだ改良出来そうだね。・・・ブレードの素材を変えて小型化すればいい。 回路は完璧。グリップも握りやすいし・・もうちょいだね」 やっぱり普通じゃない。 綾さんは相当頭がキレる。しばらく三人で会議をした。 翌日、学校の帰りに美空と町を探索しに行った。 ある程度、町の事頭に入れとかないと。 町を歩くたびに可愛い可愛いと言われる。 嫌じゃないけど恥ずかしい町外れに来た。 地図によるて神社が近くにあるみたい。 「美空、神社行ってみよ」 「・・・めんどい」 「帰る?僕は行くけど」 「・・・行く」 美空はいっつもこうだ。 神社に着くともう暗くなっていた。 神社はかなり広そうだ。 鳥居をくぐる。 鳥居の真ん中は歩いてはいけない。 そういう、しきたり? 明かりがついていて誰かがいた。 巫女さん・・・いや?確か舞姫? 凄く神秘的。 踊っているのは・・・ 「え?利奈ちゃん?」 「・・・・・・」 美空は黙っている。 とても話かけられない。 あの子はお寺の子じゃ? いや、お寺にも巫女さんはいる。 近くで神主さんが見ていたがこの人にも話かけられそうじゃない・・・しっかりと利奈の踊りを見ながらもこちらに邪魔するなと目でそう言っている。 美空と二人で踊りを眺めた・・・とっても綺麗で神秘的で。 利奈はかなり美少女だが舞姫の利奈は・・・・ 僕は好きになってしまいそうになる。 こんなに可憐な姿は初めて見た。 ずっと見ていたくなった。その美しい姿を。
10/11/11 20:49
(feTINdo/)
投稿者:
銀狼
◆Df3LS3WJTE
利奈の舞姫姿に見とれる。綺麗・・・一目惚れってこんな気持ちなの?
「綺麗・・・凄い・・」 僕は口に出してしまった。たしか神楽という舞だ。 花簪・・・他の道具は分からない。 綺麗な白くて長い装束。 赤い袴。美しい容姿。 いつまでも見ていたい。 舞が終わる。 拍手してしまった。 「美月くん・・ありがと!」利奈は頭を下げた。 「友達か?」 神主さんは僕達を見つめる「あ、はい!美月っていいます!こっちは妹の美空です」「唐木将、利奈の父だ。よろしく」 目付きは鋭くでも優しそうな顔。 利奈がもじもじしている。「美月くん、どうだった?」「うん、凄く綺麗で・・・一目惚れしちゃった!」 利奈の顔が真っ赤になる。将パパが大声で笑った。 さっきまでの雰囲気が嘘みたい。 「利奈!良かったな!!」 「お父さん、やめてよ!!」 利奈が将パパをポカポカ殴る。 なんがか可愛い光景。 「しかし、君達は可愛らしい。利奈はいい友達を見つけたみたいだな。」 「あの・・・利奈ちゃんはなんでお寺で掃除してたの?」 利奈はさらにもじもじした、舞姫の格好でもじもじする姿も可愛らしい。 「わ、私・・掃除が好きだから!あとね・・・」 「おーい、将さん。こんばんは!!」 綾さんが後ろにいた。 「あれ?美月くんと美空ちゃんもいる!?」 「綾さん?何でもまた?」 綾さんは木刀ケースを持っている。 「いやー将さんに稽古つけてもらおうと思って!」 「ふぇ?稽古?」 格闘マスターの綾さんが稽古!? 「綾・・・神社の中で稽古はつけれないぞ・・・お前の家で稽古してやろう」 「うぃーす。そうだった!」綾さんは頭をポリポリかいた。 利奈が近づいてきた。 ドキッとする。 少し化粧をしている。 「美月くんに見てもらえてうれしいな・・・とっても・・・」 「僕も見れて良かった・・凄く可愛いよ」 「わ、わ・・・・私!着替えてくるから!!!」 パタパタと走っていった。「若いっていいねぇ・・・」綾さんと将パパがニヤッと同時に笑って呟いた。 「あ、あはは・・あは」 僕もつられて笑った。 将パパも着替えに行った。僕は神社を見学してみた。木がたくさんあって空気がすんでいる。 「美月くん!」 利奈が走ってきた。 ミニスカートと白っぽいジャケットを着ている。 途中でこけそうになる。 すぐに近づいて支えてあげる。 「利奈ちゃん大丈夫?」 「うん、ごめ・・」 怪我はないが顔が真っ赤。「あわわわ!ご、ごめん!」 「うん、顔真っ赤だよ?まだ風邪?」 利奈の額に手を当てる 「んわぁ!!大丈夫だよ!!」 さらに真っ赤になった。 「利奈ちゃんって可愛いね」こんなに可愛いと思ったのは初めて。 利奈は固まってしまった。「う、うう、そんな事いわれると・・恥ずかしい」 しばらく利奈と神社の中を歩いてみる。 「広い神社だね。ここに住んでるの?」 「うん。毎朝掃除してから学校に行くの!」 「本当に掃除好きなんだね、僕掃除好きな女の子っていいと思うよ」 「う、うん。ありがと!」 神社っていいな。 初めて見るものばかり。 日本っていいな・・・。 しばらくして呼ばれる。 「おーい、そこのカップル早くこーい!」 綾さんが茶化すように呼んだ。 綾さんの車で行くらしい。車は6人乗り。 運転苦手って言ってるくせに車は大きい。 僕は乗り込もうとしたが。「美空?あれ?綾さん、美空は?」 「あ、なんかスーパーに寄りたいから先に帰るって。この前のハンバーグが気に入ったからまた食べたいって言ってたよ」 美空が一人で行動するなんて珍しい。 少し不安になったが。 「車で寄ってあげるって言ったんだけどねー」 「そうですか・・」 綾さんも不安そうだった。車に乗り数分で家に着く。美空はまだ帰ってきていない。 歩きで行くと10分くらいだし・・・スーパー寄ってるからかな。 庭で稽古が始まる。 僕と利奈は縁側に座る。 「お父さんは小野派一刀流の師範役なんだ」 「小野派・・・凄いね」 日本の剣術だ。 何度か見たことある。 「って!防具無し?」 「綾さんと稽古する時はいっつもそうだよ」 怪我しないかな・・・ 二人とも頭を下げて礼をしてから木刀を握る。 「綾さんがいっつも悔しそうに言ってる。私が唯一勝てない相手だって・・・お父さんそんなに強いのかなぁ?」 「えっ?」 綾さんが勝てない? 信じられない。 凄まじい刀さばき。 数分後に綾さんが地面に倒れていた。 「綾!それで終わりか?」 「あーくっそー!!まだやる!!」 綾さんはまた構えて立ち向かう。 どちらも凄いが将パパは何歩も上手だ。 僕は冷蔵庫から麦茶を四人分コップに入れて運ぶ。 「はい、利奈ちゃん」 「ありがと!」 僕は人を好きになるのが怖かった。 でもこの子は・・利奈は好きなりそう。 あの姿に一目惚れした。 ニコニコ笑う目に汚れは無い。 本当に純粋な目だ。 「私ね、あのお寺に友達がいるんだ。詞葉ちゃんて子。その子と会うのもお寺に行く理由なの・・」 「ふーん。どんな子?」 僕は麦茶を一口飲む。 「とっても心が傷ついてるの・・・好きな人に酷い事しちゃったんだって。お寺に預けられたのは何でか分かんない・・・教えてくれない」 「そっかぁ。酷い事したのに自分が傷ついたのか・・・」 「きっと仕方なかったんだよ。酷い事したく無かったと思うよ・・詞葉ちゃんはそんな子じゃない」 「利奈ちゃんがそう言うならきっといい子なんだね」利奈は微笑んだ。 「うん、とってもいい子だよ!」 大福がワンワン吠えている誰か来たかな? 入り口を調べたが誰もいない。 「・・?大福どうしたの?」大福は尻尾を振って座っているだけだった。 幽霊?犬って嗅覚で見えない物も感じとるとか聞いたな。 そう言えば美空がまだ来ない。 縁側に戻ると綾さんが悔しそうにしていた。 「勝てん!なんで?」 将パパは得意気に笑う。 「俺は天才だから綾にはまけんのだ!」 「お父さん、大人気無いよ・・・」 しばらくして綾さんが将パパと利奈を送って行く。 僕は大福と一緒にテレビを見ていた。 携帯が鳴る。 美空からメールだ。 メールを開く。 背筋が冷たくなった。 たった四文字。 さよなら。
10/11/11 23:58
(feTINdo/)
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