2016/09/18 12:18:51
(E/Zb51nE)
今から30年前、28歳だった私は3歳年上の主人と結婚しました。
結婚したとき主人は大学院のポスドクで、義父名義の都内のアパートで新婚生活をスタートさせました。
2DKの家賃は月に2万円と、周辺の相場からすると半分以下。
お風呂は付いていませんが、主人の実家は同じ敷地内で公衆浴場を経営していたので、そこを利用すればお風呂代はタダ。
当時は副業でアパート経営している銭湯は多く、家賃にはお風呂代が含まれていたのです。
私のさほど多くはない給料と主人のアルバイト代でやりくりしていたわが家の家計にとって経済的には非常にありがたかったのですが、その銭湯を利用することが私にとっては精神的にかなり苦痛でした。
というのも、銭湯の番台には義父か、家業を継いだ義兄(主人の姉の夫)が座っていたからです。
私も学生時代から銭湯に通っていましたので、番台の男の人には抵抗力ができていました。
でもそれって、裸を見られても赤の他人だから、「恥のかき捨て」みたいな感覚でいられるじゃないですか!
そうれが同じ敷地内で、日常的に顔を合わせる男性の姻族の前で裸になるのは気恥ずかしく、利用し初めの頃と妊娠してお腹が大きくなってからは特に苦痛でした。
60歳代後半の義父が、嫁の裸を見ないように気を遣ってくれていることはすぐに分かりましたが、50歳を過ぎたばかりの義兄は難物でした。
義理の妹のカラダに興味津々の様子で、番台から露骨な視線を向けてくるばかりか、脱衣場に降りてきて私の周りの床をモップで掃除するなんてこともありました。
脱衣場では、正面から裸を見られないように背中を番台に向けていますので、背後に来られたときなどはゾッとしました。
入浴を終えて洗い場から脱衣場に上がったときは必ず番台からジロッと見られるので、前を隠すようにしていました。
そんなとき、義兄の目付きがひどくイヤらしかったことは今でも覚えています。
番台の男の人がイヤらしければ、普通は他の店に替えれば済む(私も学生時代に経験があります)のですが、主人の実家の銭湯をタダで使わせて貰っている以上、嫁の立場として義兄を敬遠しているような真似はできませんでした。
それだけに2年半後、主人の就職が決まってアパートから引っ越すことになったときはホッとしましたね。
大きなお腹を抱えながら、嬉々として片付けと荷造りをしたものです。
その義兄も比較的早く世を去りました。
記憶に焼き付けたであろう私の若い頃の裸の映像も墓場まで持って行ってくれたことでしょうから、今では全て時効ですが…