2014/08/09 00:06:09
(oDrAMsBD)
誰もが携帯電話を持つようになってきた時代。
中学生でも、クラスの中で携帯を所持している子が三分の一くらいだったか、そんな頃の話です。
僕の場合、両親が共働きで1日1人で過ごしたり、塾通いもあって、
全員が夜まで留守になるということもあり、自分が望んだ訳でもなく、
親が勝手に携帯電話を買い与えてくれたのです。
クラスで携帯を持っているのは、比較的裕福で、ちょっと素行の悪いヤツが多かった。
当然そんなヤツらがやっているものといえば、その頃流行っていた『出会い系』のようなものでした。
『女から返事が返ってきた』とか、『画像を送ってきた』とか、キャーキャー言って盛り上がっている。
僕はそういうグループとは一線を置き、携帯持っていることは誰にも言わずに過ごしていました。
ある日、そのグループのヤツが興奮して、『昨日、携帯で知り合った女子高生と会った』なんて話している。
まわりのヤツも興奮し、そいつはもう、そのグループの中でヒーロー的な存在になっていました。
実は根がムッツリスケベな僕は聞き耳を立ててその話を聞いていました。
心の中では、『本当にそんなことが出来るんだ」と。
『サクラ』とか、『詐欺』が多いとは、知識としては知っていました。
その日からモヤモヤというか、『自分もやってみたい』という、どちらかというと好奇心のようなものが芽生えてきました。
実際に会って何かをする、ということよりも、ちょっとスリルのようなものを味わってみたいというような。
そして、子どもなりにいろいろ心の中で葛藤しながらも、彼が自慢げに言っていたサイト名を探り出し登録してみたのです。
ニックネーム、メールアドレス、住んでる地域、年代、ちょとしたメッセージ。
手が震えていたような気がします。
しかし、2、3日すると、迷惑メールが凄く、怖くなってきて自分の登録を削除してしまいました。
削除したからといって、迷惑メールが減ったということはなかったのですが、
一通、すごく目を引くと言うか、丁寧な、これまでの迷惑メールとは違う感じのメールが届いていました。
女性のようで、『メル友になってください』というような内容です。
悩みましたが、ちゃんとした(?)メールアドレスでもあったし、恐る恐る返事を送ってみました。
返事はすぐに来ました。
僕も何かうれしくなって返信していました。
どうやら、僕の登録したのを記録していて、彼女もど迷っていたとのことでした。
最初はお互いの詳しい素性は避けるように、とりとめのない会話を交信していたのですが、ある日、年齢を聞いてみると、
20代の女性であることがわかりました。
当然、彼女も年齢を聞いてきます。
僕は正直に中2で14歳であることを伝えました。
すると、それからメールが来なくなってしまったのです。
『やっぱり、こんなガキじゃダメだったんだな』と、別に自分が騙したわけでもないんですけど、その日は落ち込んでしまいました。
実は彼女、超スケベな変態ショタコン女だったんです。
歳は30代後半。
騙されたのは僕の方だったのです。
後から聞いた話では、最初僕のことを18、9か若くても高校生3年くらいだろうと思っていたようです。
中学生という想定外の獲物に舞上がり、興奮し、ちょっと落ち着いて策を練っていて、それで返事のメールが送れたようなんです。
日曜日に会うことにしました。
当然、まだそんな変態女だなんて知りません。
僕は嬉しさと、ドキドキ感で待ち合わせ場所に行きました。
当然、妙な期待もしていました。もしものために綺麗な下着に履き替えてたし(笑)
電車で15分ほど乗った街にあるBOOK OFF。
日本アーティストのサ行のCDの棚の前が待ち合わせ場所。
約束時間を5分過ぎても誰も来ない。
やっぱり騙されたのか、と思っていると『あの、こんにちは』と声をかけられました。
見ると思ったより大人の雰囲気の女性。すごく綺麗な人だったけれど。
最初人違いかと思ったけど、話を聞いているとメールの人だった。
店を出て近くの公園のベンチに座ると、やたらその女性は謝ってきた。
要は、『年齢を偽ってごめんなさい』ということだった。
ぼくも想定外のことで、どう返事していいかわからなかったけど、
彼女は凄いことを言い出した。
『3万円あげるから…』と。
どう言って返事したかはあまり記憶がないけれど、承諾したことは確かで、中学生にとって3万円なんて大金だし。
そこから歩いて5分くらいの駅前のいわゆるシティーホテルに向かっていました。
ビビッてはいたけれど、女の人だからそんなに悪いことはしないだろうとも思っていました。
たまに電車に乗っていてよく目に付くホテルだけど、まさかここが童貞喪失の現場になるとは。
どうやらすでにチェックインを済ませていたようで、そのままエレベーターで部屋まで直行でした。