友人から電話があり、息子が九州に行くからその時にと思ったんだけど、ちょっと有給とれそうにないからもう少しずらしてほしいという連絡だった。
こちらは暇だしいつでも大丈夫だからと伝えた。
金曜日の夜の飛行機で出掛けて、帰りは日曜の夜予定。自分の貯金はたいてまで行きたいようだから、月曜日は学校休んでいいと許可した。
「あらあ~!理解ある母親!私も学生の頃にそんな母親が欲しかった!」
「ホントよねぇ!」
私は聞くまでもなく全部知っていたから、にわかに心苦しい。
でも、今の私は友人より息子さんの方が大事になっている。
あらためて友人との電話でもよくわかった。
旅行前日。
夕方に最終の打ち合わせはしてたけど、夜遅くに彼から電話が来た。
私はベッドの中だけど眠れなくて起きていた。
彼も同じだったのかもしれない。
ただの旅行ではすまないのはお互いに認識していたはずだから。
私は布団の中で、「眠れないの?」と尋ねた。
彼も声を抑えているのかいつもより神妙な感じだった。
「声がききたくなっちゃいました」
私は彼は本当におばさんキラーだなと思った。
たぶん目の前にいたら抱きしめてしまっただろう。
「ひとつだけ聞いていいですか?」
「いいわよ」
「明日からの旅行…期待してもいいですか?」
ついに来たなあと思った。
彼も思い詰めていたのだろう。
私はこんなおばさんで的な発言はする気はなかった。
もう彼がおばさんの今の私がいいと思っているのがわかっていたから。
私はおばさんも考えてることはたぶん一緒だよと答えた。
今でも自分に都合のいい夢でも見てるんじゃないかと思うけど。
そう付け加えた。
「今、佳江さんの声を聞いてるだけで立ってます。夢じゃないですよ」
私は彼のためならいくらでも悪い女になれると思った。
電話を切ったあと、私は乱暴にパジャマを脱ぎ捨て、彼の名前を呼び続けてオナニーをした。
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